信太のボクシングカフェ

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ボクシングが大好きです。大好きなボクシングをたくさんの人に見てもらいたくて、その楽しさを伝えていきたいと思います。

統一志向のスーパーライト。ジョシュ・テイラーか、ホセ・ラミレスか。

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ライト級同様、スーパーライト級も人気階級です。

欧米の選手が多く、アジア人ボクサーは体格面でからみにくい階級ではありますが、これまでに藤猛、浜田剛史、平仲明信が世界王者となっています。しかし、防衛回数は藤猛、浜田剛史が1度、平仲明信が0度となかなか結果を残せていません。獲るのも難しいですが、世界的強豪が多いこの階級での防衛は、至難の業ともいえます。

そのスーパーライト級は近年、PFP上位常連のテレンス・クロフォード(アメリカ)によって4団体統一がなされ、その後クロフォードが階級を上げたため、タイトルは分散し戦国時代に突入。しかし、昨年のWBSS開催を経て、現在4つのタイトルは2人のボクサーが2つずつ持っており、その2人のボクサーによる4団体統一戦の開催を待っている状況とも言えます。

ここまで、自力で4団体を統一し、Undisputed(異論なき)チャンプに輝いたのは、バーナード・ホプキンス(アメリカ)、テレンス・クロフォード、そしてオレクサンドル・ウシク(ウクライナ)のみ。(ホプキンスに勝利して4団体統一王者となったジャーメイン・テイラーを入れると4人の4団体統一王者がいます)ライト級とともに、4人目(又は5人目)のUndisputed王者誕生なるか、と期待の持たれる階級です。

今回は、2人の2冠王者と元王者たちを中心に、スーパーライト級のトップボクサーたちをピックアップしていきたいと思います。

 

4団体を統一できるか、2人の王者

WBAスーパー・IBF世界王者

ジョシュ・テイラー(スコットランド)16戦全勝(12KO)

元オリンピアン(ロンドン五輪)として豊富なアマチュア経験を持ち、2015年にプロデビュー。昨年開催されたWBSSの準決勝で、イバン・バランチェク(ベラルーシ)に勝利し、IBF王座を獲得しました。井上尚弥vsエマニュエル・ロドリゲス戦のメインだったので、WOWOWで観戦した日本人ボクシングファンも多かったと思います。力勝負を仕掛けるバランチェクに対し、足を使いつつ打つべき所は打って、2度のダウンを奪う快勝。

非常にレベルの高いサウスポーで、攻防兼備、バランスが非常によく穴が少ない。そのスマートさから、地元イギリスでの人気は相当なものです。

そのWBSSの決勝で、ハードパンチが売りのWBA王者、レジス・プログレイス(アメリカ)との統一戦。お互いに準決勝で手に入れた王座の初防衛戦が統一戦という、WBSSならではの展開。私の予想はプログレイスの圧力にテイラーが屈する、というものでしたが、テイラーは序盤からプログレイスの圧力に屈するどころか果敢に打ち合い、2-0の僅差ながらテイラーが見事勝利。井上vsドネア戦同様、WBSS決勝らしい素晴らしい名勝負でした。

次戦は、IBF挑戦者決定戦を勝ち抜いたタイの若武者アピヌン・コーンソーン。日本での挑戦者決定戦で、近藤明広(一力)を痛烈にノックアウトしたことも記憶に新しい。16戦全勝(13KO)という好戦績、油断すると危ない強豪です。

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WBC・WBO世界王者

ホセ・カルロス・ラミレス(アメリカ)25戦全勝(17KO)

こちらもテイラーと同じくロンドン五輪に出場経験のある元オリンピアン。オリンピック後すぐ、2012年にプロデビュー。地域王座を獲得し、2018年、テレンス・クロフォードの王座返上に伴い開催されたWBC世界スーパーライト級王座決定戦に出場し、判定勝利でこれを獲得。その後2度の防衛に成功し、2019年7月27日、同じくWBSSに出場しなかったWBO同級王者、モーリス・フッカー(アメリカ)を痛烈にKOし、2冠を統一。

身長は178cmとテイラーと同じくらいですが、リーチは184cmと長い。その長いリーチから、若干大振りなパンチが繰り出されますが、その強打が迫力満点、そしてフィジカルも強い。長いリーチを活かしたボクシングもできるので、試合途中でペースチェンジできる引き出しの多さも魅力です。

しかし何より、チャンスを迎えた時の詰めの躊躇のなさ。ここぞという時、自信満々で強打を振るうのはスタミナも、フィジカルも、タフネスも、そしてハードパンチにも、自分のすべてに自信を持っているからでしょう。フッカー戦、1R目にラッキーなダウンを奪い、中盤に若干盛り返された感じがしたものの、6R目の連打は本当にお見事でした。

次戦は元WBC王者のビクトル・ポストル(ウクライナ)との一戦が組まれていましたが、コロナの影響で既に2度の延期。中止になる可能性もあるのでしょうか?

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4団体統一戦!

テイラーは2020年に入り、トップランク社と契約しました。これにより(元々ラミレスはトップランク傘下)、2人が闘うための障壁はなくなったといえます。

それぞれが次の防衛戦をクリアしたら、統一戦へ向かうのではないか、というのが大方の見解のようですね。

次戦次第とはいえますが、勝敗の予想は非常に難しい一戦です。(ラミレスがポストルを圧倒的にKOできるようであればラミレス優位になる?)それだけに盛り上がる事間違いなし!テクニシャンよりのテイラー、ファイターよりのラミレス。しかし2人ともに技巧、強打ともに持っているので、ハイレベルな技術戦になりつつも、相手のミスを誘い、KOシーンもあり得るという素晴らしい一戦になりそうです。私はラミレスの「マッチョ」なボクシングが好きなので、ラミレス応援でいきたいと思います!

ちなみに、この階級は明らかに飛び抜けている選手がいない、ということも激戦区と言われる所以でもあります。テイラーと統一戦に挑んだプログレイス、そしてラミレスと統一戦に挑んだフッカー、どちらもオッズは非常に僅差でした。

元王者たち

元WBA王者

レジス・プログレイス(アメリカ)25戦24勝(20KO)1敗

2018年にジュリアス・インドンゴ(ナミビア)を2RKOで破りWBC暫定王者を獲得(その後ダイアモンド王座に認定)、WBSS出場でキリル・レリク(ベラルーシ)を6RKOで下しWBA王座を獲得した魅力的なKOパンチャー。

テイラーには敗れましたが、判定は微妙。そうはいってもプログレイス贔屓目で見ていた私も、終わった瞬間テイラーが勝ったかな、と思ったので判定結果としては妥当な気がします。しかし、まだまだチャンスはあるプログレイス。是非どこかで再戦してリベンジしてほしい。テイラー戦では若干慎重すぎたと思うので、今度はガンガン攻めてほしいですね。

柔らかいディフェンスと、むちゃくちゃ硬そうなパンチが特徴です。

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元WBO王者

モーリス・フッカー(アメリカ)31戦27勝(17勝)1敗3分

ラミレスはリーチが長いと書きましたが、実はフッカーの方が長い。なんと2m超え。長く速いジャブで相手を寄せ付けず、右を打ち下ろします。既に復帰戦を済ませ、またスーパーライトで王座をめざすとのこと。他のスーパーライトからすると、非常に厄介ですね。

そしてこのプログレイスとフッカーが、4月に激突する予定でしたが流れました。日程が再設定されることを強く願います。

1989年生まれという同年代のふたりの再浮上へのサバイバルマッチ、楽しみすぎます。

もう一人の現役王者とそのライバル

元王者、の次にもう一人、現王者。いつものWBA、レジス・プログレイスが王座獲得後、すぐにスーパー王者に昇格したので、正規王座の決定戦が開催されました。

WBA世界スーパーライト級王者

マリオ・バリオス(アメリカ)25戦全勝(16KO)

25歳になったばかりの若武者。2016年にはスーパーフェザー級でIBF2位決定戦にも出場しましたが、その後ウェルター、スーパーライトでも試合をするようになりました。180cmあるようなので、減量苦でしょうか。王座決定戦では、バティル・アフメドフ(ウズベキスタン)から2度ダウンを奪い判定勝利。しかしこの一戦、序盤にダウンを奪われたアフメドフがその後開き直ってバリトスを攻め立て、あわや逆転か、とも思われた試合でした。(バリオスは最終回に値千金のダウンを追加)

 

そして

バティル・アフメドフ(ウズベキスタン)8戦7勝(6KO)1敗

再戦でどうなるか、というのがアフメドフの今後の鍵です。バリオス戦では、バリオスへの判定が出たときに会場はブーイング。アフメドフのがんばりを支持する声が多かったようです。

こうなると、再戦で闘い方を変えねばならないのはバリオスのような気もします。バリオスが今度は前に出てきた時、アフメドフはより自分のボクシングができるのか、それとも?

その他にも、イバン・バランチェクキリル・レリクもまだ衰えたわけではありません。このあたりのサバイバルマッチや、彼らを超えて世界タイトルに辿り着くボクサーがいるのか、も非常に楽しみですね。

そして、現在は日本人から遠い存在のスーパーライト級。

井上浩樹(大橋)15戦全勝(12KO)

WBOアジア・パシフィックと日本の2冠王者で、国内トップのスーパーライトながらも世界ランクはWBO15位に食い込むのがやっと。世界に打ってでなければ世界は遠いままですが、メンタルを強化してアメリカで闘ってほしいですね。

井上尚弥の前座とかで登場しないものでしょうか。。。

平岡アンディ(大橋)15戦全勝(10KO)

無冠ながらもWBC28位、IBF15位という世界ランカー、若干23歳。トップランクと契約し、アメリカデビューも済ませ、これからが期待されるプロスペクト。確かに日本で育てるよりも、本場で試合をこなしていった方が良いですね。

アメリカで戦っている分、井上よりも世界に近いのではないか、と思える存在。

内藤律樹(E&Jカシアス)24戦22勝(7KO)2敗

OPBF王者、WBC37位。OPBFはWBCの下部組織なので、WBCランクもっと上げてあげてくれ、とは思うものの、これがアジアと欧米の力の差かな、とも思います。

スーパーフェザーから階級を上げ、ようやくフィットしてきた感もありますが、集中力を切らした時に奪われるダウンや、相手の頑張りでの苦戦と最近あまりパッとしない試合が続いています。どこかでもう一皮向けてほしい、と思うのは、「一瞬の夏」で感動させてもらった1人だからです。

岡田博喜(角海老宝石)21戦19勝(13KO)2敗

国内無敵もレイムンド・ベルトランに敵わず、ハビエル・モリナにも痛烈なKO敗け。世界ランクも失い、捲土重来を期待します。まずは国内からでしょうか?

内藤律樹や井上浩樹への挑戦は盛り上がると思いますが、むしろそうしないと疑問符がついてしまうかもしれませんね。

 

4団体統一に期待の階級!

ということで、スーパーライト級は4団体統一まであと一歩という階級です。日本のトップボクサーたちが絡んでいけるのは統一後、その統一チャンピオンが階級から去った後かもしれません。

ともあれ、今年は無理としても来年には統一戦が実現しそうな機運。テイラーか、ラミレスか。

ラミレスが勝利して、プログレイスがそれに挑む、なんてことになったら、個人的には垂涎ものですね。現地観戦、したいくらい。

ライト級も4団体統一の期待がかかる階級です。↓ 

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