信太のボクシングカフェ

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ボクシングが大好きです。大好きなボクシングをたくさんの人に見てもらいたくて、その楽しさを伝えていきたいと思います。

ウェルター級の壁は高い。その前の壁も高い。

※当ブログでは商品・サービスのリンク先にプロモーションを含みます。ご了承ください。

今も昔も大人気の階級、ウェルター級。

80年代の黄金期を経て、今現在は、PFPの一角に数えられるクロフォード、40歳を過ぎても尚第一線で活躍するレジェンド・パッキャオ、次世代のスター・スペンスJrとタレントに事欠きません。

相互にぶつかり合えるか、というとプロモーターの壁がありなかなか上手くはいきませんが、これだけバラエティに富んだ王者のラインナップと、実力を持ったコンテンダーたちの闘いだけでも充分楽しめます。

そして、未だこの階級で日本人世界王者は皆無。

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この階級で世界へ挑むだけでも、実力だけではなく運と資金も大いに必要です。

いつかウェルター級で日本人世界王者が誕生することを夢見て、現在のウェルター級の状況を見ていきたいと思います。

 

タレント性豊かな世界王者

WBAスーパー王者

マニー・パッキャオ(フィリピン)71戦62勝(39KO)7敗2分

多くの説明は必要ない、アジアの奇跡マニー・パッキャオ。1998年にWBCフライ級のタイトルを初戴冠しました。その後2001年にIBFスーパーバンタム級タイトルを獲得。この時は代役での出場で、見事アップセットを演じてみせたパッキャオですが、既にこの頃から「持っている」選手だったんですね。

強敵をバッタバッタとなぎ倒し、誰がつけたか「パックマン」はぴったりのニックネームです。

その強敵との対戦の中で、どんどん進化していき、2010年にはスーパーウェルター級を制してメジャー4団体だけでも世界6階級制覇。そのタイトルはすぐに返上、そこから10年はウェルター級のリミットで闘っています。

数え上げればキリがないほどのライバルたちとの激闘、もう充分にやり切って、引退していても何もおかしくはない戦績。

それでもパッキャオは闘い続け、2019年にはWBAスーパー王者キース・サーマン(アメリカ)と団体内統一戦(パッキャオは当時レギュラー王者)を行い、序盤にダウンを奪っての判定勝利。

次のリング登場はいつになるのか。

ミドル級に上げるなんていう冗談のような話も出ています。

もう個人的には勝つとか負けるとかはどうでもよく、パッキャオの最後の闘いまで見届けたいと思います。

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WBAレギュラー王者 

アレクサンダー・ベスプーチン(ロシア)14戦全勝(9KO)

※ベスプーチンはドーピング違反により王座剥奪。本当に残念。

パッキャオがスーパー王者となり、レギュラー王者の決定戦で戴冠したベスプーチン。経緯は置いておいて、ウェルター級の一角を担うに相応しいボクサーです。

豊富なアマキャリアを持ち、2015年にプロデビュー。しっかりした技術とともに卓越したスピードとステップ、そして何より素晴らしいボクシングIQ。

特に2019年に行われたWBA王座決定戦、同じく無敗のロシア人であるラジャブ・ブタエフ(当時12戦全勝9KO)との一戦は高度な技術戦であり、かつスリリングなものでした。

Youtubeを探してみたけど、ハイライトしか見つからず。この興行の全ての試合のハイライトなので、11分頃からメインのブタエフvsベスプーチンです。 

前評判通りブタエフの方がパワーで勝る。スピードはベスプーチンの方が上、という予想でしたが、両者のスピードにそんなに差はない。

 

そこで競り勝ったのは、まさにベスプーチンのインテリジェンスの高さでした。
素晴らしいほど冷静。ボクシングのお手本になりうる存在で、非常に負けにくいボクシングをします。その他の王者と闘っても非常に楽しみな選手です。

WBC・IBF王者

エロール・スペンスJr(アメリカ)26戦全勝(21KO)

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ロンドン五輪出場の元オリンピアン、2012年にプロデビュー。2017年にIBF王者であるケル・ブルック(イギリス)を破り初戴冠。2019年には階級を上げてきた当時無敗のマイキー・ガルシア(アメリカ)を寄せ付けず、圧勝。同年、WBC王者のショーン・ポーター(アメリカ)との統一戦に臨み、苦戦しながらもスプリットの判定でこれを破り、2冠王者となりました。

その激闘のすぐ後、愛車のフェラーリで単独事故をおこし、心配されましたが無事復帰できそう、とのことです。

スピードもパワーも兼ね備えたサウスポー、おまけにリーチも長い。インに入ってもコンパクトにアッパーを決める等、なかなか穴のないボクシングをします。天才と言われる事もありますが、どちらかというと基礎を繰り返しやってきたボクサーのような感じもします。但し、そこに驚異的な身体能力を持っているだけで。

交通事故の後遺症は心配なところではありますが、奇跡的に軽傷で済んだとのこと。

これまで、強敵を恐れないマッチメイクをしてきているので、これからも統一戦や強敵との闘いを期待しています。

WBO王者 

テレンス・クロフォード(アメリカ)36戦全勝(27KO)

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2008年にプロデビュー、デビュー当時はライト級でした。2014年にWBOライト級王座を獲得、2015年にはWBOスーパーライト級王座決定戦に勝ち、2階級制覇。

その後WBC王者のビクトル・ポストル(ウクライナ)と統一戦を行い、2冠王者に。2017年、WBA・IBF王者のジュリアス・インドンゴ(ナミビア)との4団体統一戦で勝利、史上3人目の4団体統一王者となりました。

2018年にWBOウェルター級王座を獲得。ここまで3度の防衛。

ここ最近、リング誌のPFPランキングでは井上尚弥に抜かれて4位。しかし、クロフォードが今まで闘ってきた相手は、強豪も非常に多いです。ライト級のタイトルマッチで闘ってきた相手を上げてみると、リッキー・バーンズ、ユリオルキス・ガンボア、レイムンド・ベルトラン。スーパーライト級でもビクトル・ポストル、ジュリアス・インドンゴ

ウェルター級でもジェフ・ホーン、ホセ・べナビデス、アミール・カーン

このビッグネームたちとの世界戦を、14勝(11KO)で退けています。

体格にも恵まれ(リーチ188cm)、強さも巧さも併せ持つクロフォード。スイッチヒッターでもあり、自由自在で何でもできるイメージです。3階級を制覇しても尚、体格面でも負けていません。マッチメイクさえ上手く行けば、ウェルター級でも4冠統一王者になれるのでは?と思います。

どんな強豪相手でも、勝って当たり前というオッズが出てしまうクロフォード、なかなかビッグマッチにたどり着けません。スペンスJrがやってくれると最高なんですが。

 

無冠でもビッグネームだらけ!

ダニー・ガルシア(アメリカ)38戦36勝(21KO)2敗

元WBA・WBCスーパーライト級王者で、元WBCウェルター級王者。

2敗は2017年にWBA・WBCウェルター級王座統一戦でキース・サーマンに敗れたものと、2018年にWBCウェルター級王座決定戦でショーン・ポーターに敗れたもの。どちらもかなりの接戦でした。

ガルシアも強さも巧さもあるボクサーで、全てが高い水準でまとまってはいるものの、スペンスやクロフォードよりは少し落ちる気がします。

 

マイキー・ガルシア(アメリカ)42戦41勝(30KO)1敗

もう一人のガルシア、ミゲル・アンヘル・ガルシア。通称マイキー。WBOフェザー級、WBOスーパーフェザー級、WBC・IBFライト級、IBFスーパーライト級を制した4階級制覇王者。

その4階級のキャリアの中では、王者クラスの挑戦者を次々と撃破し、途中契約問題でキャリアの滞りもありましたが、無敗の状態でウェルター級に乗り込んできました。

しかし、エロール・スペンスJrには完敗。

とにかく素晴らしいワンツーを打つボクサー。スーパーライトまでで無敵を誇ったそのフィジカルは、ウェルターの壁を破れませんでした。

しかし、2020年に入ってまたもウェルター級でリングに上がり、ジェシー・バルガス(アメリカ)に判定勝利。やはりパワーレスという感じはありますが、スペンス戦で打ち据えられても立っていた顎の強さ、体の強さはまだ武器になりそうです。

今後ウェルター級のタイトルを狙っていくとのことですが。。。

ショーン・ポーター(アメリカ)34戦30勝(17KO)3敗1分

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元IBF王者で、元WBC王者でもあるポーター。スペンスを大いに苦しめましたが、1-2のスプリット判定で惜敗。

しかし、その突進力、頑強さはどんな優秀なボクサーでもものすごく手を焼く。踏み込みも素早く、手数も出て、気持ちも強い。相手にすると非常に嫌なボクサーでもあるので、今後のファイトも誰とやっても楽しみなボクサーです。個人的にはむちゃくちゃ好きです。

キース・サーマン(アメリカ)31戦29勝(22KO)1敗1NC

前WBAスーパー王者で、ダニー・ガルシアとの統一戦でWBC王座も吸収。(その後返上)中盤、マニー・パッキャオをコントロールする場面もありましたが、序盤のダウンが響き判定負けを喫しました。

絶対王者だった時代もありましたが、最近は若干陰りが見え始めた時期でもありました。そこへきて、パッキャオに敗北。ここから這い上がれるのか否か。怪我も多いので心配ですが、日本びいきのサーマン、もうひと踏ん張りしてほしいものですね。

ラジャブ・ブタエフ(ロシア)13戦12勝(9KO)1敗 

WBA王座決定戦でベスプーチンと激闘を繰り広げたブタエフ。敗れはしたものの、能力的には互角の闘いでした。

一発の破壊力は目を見張るものがあるので、最後まで期待をさせてくれるボクサーでもあります。今後のタイトル戦に、もしくはその挑戦者決定戦に、どう絡んでくるのか、注目です。

バージル・オルティスJr(アメリカ)15戦全勝全KO

パーフェクトレコードを保持するトッププロスペクト。非常に真面目なボクシングをする、模範的なボクサーだと思っています。高く掲げたガードから、パワーパンチをお見舞いするストロングスタイルの倒し屋です。

よくライアン・ガルシアとプロスペクトとしてどちらが上か、を比較されがちですが、個人的にはオルティスの方が好みです。ガルシアが挑むライト級の王者も、オルティスが挑むウェルター級の王者も、ものすごく高い壁。

日本のウェルター級もアツい。

日本人未踏の階級であるウェルター級。現在国内では様々な形でトップボクサーが潰し合いをしている真っ最中でもあります。

ここから飛び抜けて、世界への階段を登っていくボクサーはいるのでしょうか。
boxingcafe.hatenablog.com

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今月のボクシングビートで、小原佳太(三迫)が語った、「世界ランカーと勝負して勝ちたい」という目標については、非常に現実的だと思います。

いきなり世界といってもミスマッチだと言われかねない階級、時間はかかりますが一歩一歩、世界への階段を登ってもらいたいですね。

BOXING BEAT(ボクシング・ビート) (2020年7月号)

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