いよいよ後楽園ホールに、ボクシングが帰ってきます。
明日7/16(木)、2試合のみですが日本タイトルマッチとOPBF東洋太平洋タイトルマッチ、無観客ではもったいないほどの豪華マッチです。
元々ボクシングが盛んなアメリカやメキシコで興行が再開し、7/6には中部の新人王戦が無観客で再開。日本ではまだまだ手探りですが、何事もなく無事終わってほしいものです。
さて、今回のブログでは大注目の後楽園ホール興行、フェニックスバトルについて書いていきたいと思います。
↑チャンピオンカーニバルについては以前に言及しています。
セミファイナル チャンピオン・カーニバル
日本スーパーライト級タイトルマッチ
王者 井上浩樹(大橋)15戦全勝(12KO)無敗
vs
挑戦者 永田大士(三迫)17戦14勝(5KO)2敗1敗
世界への道のりは遠い、スーパーライト級。中量級の入り口であるこの階級では、世界と日本の間には大きな隔たりがあると言っても過言ではありません。
【現在のスーパーライト級の状況↓】
そこに食い込める可能性を秘めているのが、WBOアジア・パシフィック王者であり、日本王者でもある井上浩樹。言わずともしれた、井上尚弥(大橋)の従兄弟です。
豊富なアマキャリア(アマで5冠)を持ち、プロ転向後も連戦連勝。2018年にはマーカス・スミス(平仲BS)との無敗対決を制し日本タイトルへの挑戦権を得て、2019年に細川バレンタイン(角海老宝石)を下し、日本タイトルを戴冠。前戦ではWBOアジア・パシフィック王座決定戦に出場、フィリピンのジェリッツ・チャベスを実質ワンパンチKOで下し、2冠王者に。
スピード、パンチのキレ、テクニックに秀で、非常にバランスの良い王者でポテンシャルの高さも感じさせます。
唯一、ハートの部分が試されていないように感じているので、激闘型の永田大士という挑戦者を迎え、そこがキーポイントになる展開も考えられます。
対する永田大士は、KO率こそ低いものの、粘り強いファイトスタイルが売りです。こちらもアマ経験があり、社会人選手権では優勝の経歴もあります。
デビュー戦ではのちに世界挑戦をすることになる井上岳志(ワールドスポーツ)とドローを演じ、2018年にはOPBF東洋太平洋王座に挑戦し、王者の内藤律樹(E&Jカシアス)からダウンを奪う等おおいに苦しめました。(僅差判定負け)そして前戦では青木クリスチャーノを下し、最強挑戦者となって井上浩樹に挑戦します。
アマあがりのテクニックもありますが、どちらかというと乱打戦に持ち込む事が勝機につながるタイプのファイター。速くて距離感の良い井上相手に、どのように詰めていくか、が鍵になりそうです。
井上にとっては、これからのキャリアは日本、アジアに敵なしを示したいところです。ですので、国内のスーパーライト級戦線で苦戦したり、ましてやつまづく事になると世界は遠のきます。
同門、平岡アンディは実績は井上に及ばないものの、トップランクと契約し、世界戦線への参入の一歩目を踏み出しました。井上にとっては、このタイトルを圧勝で防衛することが、その一歩目につながると思います。
永田にとっては、下馬評不利は当然、失うものがありません。これまでのインタビュー記事を読んでも、並々ならぬ自信も感じます。勢いのある三迫ジム、永田が勝利すれば6人目の日本王者の誕生で、これは新記録だそうです。
井上の順当勝ちか、それとも永田がアップセットを成し遂げるか。非常に楽しみな1戦です。
メインイベント
OPBF東洋太平洋フェザー級タイトルマッチ
王者 清水聡(大橋)9戦8勝(8KO)1敗
vs
挑戦者 殿本恭平(勝輝)12戦9勝(4KO)2敗1分
セミファイナルはOPBFタイトル戦。清水は1年ぶりの試合となりますが、果たして?
現在のフェザー級の状況↓
ロンドン五輪銅メダリストの王者清水は、前戦ではOPBFスーパーフェザー級王者、ジョー・ノイナイに挑み、まさかのKO敗け。かなり痛烈な敗け方をしてしまったので、評価を落としてしまったのは仕方のない所だと思います。
見た目ではわからないほど硬質のパンチを持っているようで、ダイヤモンドレフトと呼ばれています。身体も硬そうなのが気になりますし、ガードもどちらかというと開き気味。
しかし一発の力は強く、河村真吾(ミツキ)、上原拓哉(アポロ)といった名のある挑戦者をバタバタと倒してきました。正直あまり巧くは見えないのですが、距離感や当て勘、非常に素晴らしいものをもっているのでしょう。
対する殿本は、西日本新人王を獲り、西軍代表となったあと、全日本新人王決定戦で阿部麗也(KG大和)に敗れています。
その後2015年〜2018年にかけて3年超のブランクをつくり、復帰後は3連勝。復帰2戦目には日本ユースフェザー級タイトルを獲得、1度防衛(引き分け)しています。
キャリア的には時期尚早と言わざるを得ませんが、もし、清水が前戦の敗北を引きずっているとしたら、殿本にはチャンスもあろうかと思います。
清水にとっては、間違いなく格下の相手、ここで苦戦しているようであれば先はありません。
殿本にとってはこのチャレンジマッチをものにできれば、大きく飛躍するきっかけにもなる試合です。
順当に行けば清水がダイヤモンドレフトを当て、KO勝ちが濃厚かと思いますが、殿本のパンチが当たるようならどうなるか。
両試合にいえること
この試合までの準備期間で、これまでの試合と違うところは、おそらくコロナ禍のために充分な練習が詰めていない可能性がある、ということでしょう。
対人練習ができない、もしくは限定される中で、より己を見つめ直し、効果的な練習を積めた方が確実に力を蓄えているはずです。
前戦よりも、どれほどレベルアップしているのか。この数ヶ月間の過ごし方が影響しそうな、この無観客興行。
本当は無観客興行って誰もライブで見られないわけですから、ネットで生配信とかしてもらいたいですよね。ただ、そんなわけにもいかず、いつもどおりフジテレビの深夜放送。7/20(月)の1:55〜だそうです。
そしてそのフジテレビの深夜放送は、関東ローカルのため、我々地方民は観ることはできません。観客を入れるなら気になる試合は見に行く事はできますが、それすらできません。
何とかしてほしいですよね。
すぐにYoutubeにでも上がる事を期待しています。