7/17(金)、仕事を終え、練習を終えた頃。
スマホを見ると、知人から「井上浩樹引退」との報せがありました。
まだ試合を見る事ができていない現状ですが、試合後のSNS等の情報を見るとなんとなくそんな気はしていました。本当に本当に残念でなりませんが、ボクサーはみずからの命を削ってリングに上がっています。その進退については、誰が何と言おうと自分にしか決められないのです。
私個人としては、そのボクサーがどんな決断をしようともー例えば辰吉丈一郎が現役を続けることも、中谷正義やクドゥラ金子、井上浩樹がそのポテンシャルを存分に発揮することなく、たった1敗でグローブを吊るすことになってもー応援すると心に誓っています。
しかしやっぱり、あんまりテンションは上がらないので、本日の観戦記は手短に参ります。
7/14(日本時間7/15)
ミカエラ・メイヤーvsヘレン・ジョセフ
この日、ジャメル・ヘリングの防衛戦の予定でしたがコロナで陽性反応が出たために、試合中止となり繰り上げメインのこの試合。
ちなみにメイヤーも確か前回はコロナで陽性反応が出て、一度この試合も中止(結果的には延期でした)となった経緯がありました。
かねてからこのトップランク興行、視聴率に苦戦しているという話だったので、特に今回は厳しいでしょうね。
メイヤー(12戦全勝5KO)は元オリンピアン、ここまで全勝できている北米王者です。
女子ボクシングはやっぱり男子ボクシングとは技術、パワー、スピード全てにおいて若干の見劣りはしてしまいますが、このメイヤーは巧いですね。
手数も多く、特にジャブがビシッと出る感じはさすがです。ファイタータイプのジョセフのまわりをサークリングしながら、ヒット・アンド・アウェイ。離れ際の攻防等も反応鋭く、全ラウンド通じてヒット数には雲泥の差が出ました。
ただ、タフなジョセフを倒す事はできませんでしたが、ほぼフルマークの判定でメイヤーが勝利。
7/16(日本時間7/17)
フェリックス・ベルデホvsウィル・マデラ
こちらもセミファイナルだった試合がメインイベントに繰り上げ。本来メインだったミゲル・マリアガvsマーク・ジョン・ヤップは、ヤップが体重超過(8.7lbs=約4kg)により、試合中止に。ヤップ。。。何やってんだ。。。もったいない。。。
かつて、プロスペクトと呼ばれたベルデホ。順当に勝利を積み重ねていましたが、2018年3月にアントニオ・ロサダJrに10RTKO敗け。前半から中盤にかけては試合を支配しながらも、終盤にかけてスタミナをロス、ついには倒されての完敗でした。
再起したベルデホは現在26勝(16KO)1敗という戦績、かつてネクストトリニダード、ネクストコットと呼ばれたプエルトリコの新星は、元いた位置に戻ってこれるのか。
そしてマデラも15勝(8KO)3分と無敗、好戦績を誇る選手です。
かくしてゴング。
ベルデホのジャブはよく伸びます。対するマデラもキビキビとした動き。良い試合になりそうです。
メデラが頭を振ってプレッシャーをかけます。ベルデホはサークリングしながらジャブ、左フックで応戦。それにしてもいいジャブ。
中盤、ジャブの相打ち。メデラが少し押されます。残り20秒、マデラが入ってきたところに右アッパーのカウンター!少しふらついたマデラにラッシュするベルデホ!フィニッシュは右スイングからの左アッパー!!!(その返しの右フックは倒れる途中で当たらず)強烈。。。
このプエルトリカンの爆発力は凄まじいです。
一瞬の隙を全く見逃すことなく、一気に試合を決めてしまいました。強い。
さて、ロサダJrに敗北した時の敗因は、スタミナ(心身両面)だったように記憶しています。その部分がクリアになれば、世界への挑戦も夢ではありません。
しかし、ライト級は超がつくほどの激戦区。本人はアマチュア時代に対戦経験もあるワシル・ロマチェンコを目標に据えるようですが、なかなか道程は険しいです。
↓ライト級の現状
↓世界挑戦への順番待ちも激しく。
はてさて、出場選手のコロナ陽性、体重超過、そして低視聴率。世界中で、まだまだ落ち着くどころか更なる感染拡大となっているコロナショック。
苦難続きのこの興行ですが、ボクシングの灯を絶やさないよう、なんとか踏ん張ってもらいたいですね。
来週のトップランク興行も、無事に開催されることを祈りつつ。