今週末(10/24〜10/25)は国内興行はないようです。
しかし日本時間10/24(土)には、日本人ボクサーと同等の人気を誇るローマン・ゴンサレスとそのライバルたちが登場します。
↓プレビュー記事はこちら。DAZNで生配信!
そして、この興行でセミセミで行われるフライ級戦も、日本人と馴染みの深い階級のために非常に興味深い一戦ですね。
そして国内では、いよいよ比嘉大吾の復帰第二戦!
コロナ禍のため、後楽園ホールに入場制限がかかっていることもありこのチケットは即完売。それでなくとも完売は必至だったでしょう。
私も購入できず。。。一瞬仕事の関係で逡巡してしまったのが良くなかったです。。。
10/26(月)メインイベント バンタム級10回戦
比嘉大吾(Ambition)17戦16勝(16KO)1敗
vs
堤聖也(角海老宝石)6戦5勝(4KO)1分
クリストファー・ロサレス戦で体重超過してタイトルを剥奪された比嘉大吾でしたが、コロナ前の2020年2月に約2年ぶりとなるリング復帰。
しかし本来の出来とは程遠く、TKO勝利するものの歯切れの悪い勝利者インタビュー。
今後のキャリアに大きく不安を抱かせるものでした。
↓復帰一戦目の観戦記はこちら。
比嘉大吾の復帰戦から約一ヶ月、、白井・具志堅スポーツジムとの契約終了というニュースが流れました。この頃は、今後の比嘉大吾がどうなるか、不安で仕方なかったです。
復帰の決意を固めたというニュースのあと、ようやく新たに契約するジムの発表があったのが6月。Ambitionジムという新興のジムでした。
比嘉の復帰ロードの隣には、信頼する野木丈司トレーナーの姿がありました。「これで比嘉は大丈夫だ。」私も含め、多くのボクシングファンがそう思ったと思います。
比嘉はフライ級からバンタム級へ、2階級のアップながら、元々フレームが大きく、身長は小さいながらも体格的にはバンタムでも見劣りはしないでしょう。
そしてバンタム級に合わせて、一発で倒せるパンチを鍛え上げているといいます。
一発で倒すというよりもコンビネーション、連打で倒すタイプの比嘉でしたが、元々破壊力は持っていたと思います。そこを更に鍛え上げ、マイク・タイソンを理想としたボクシングを展開できるようなスタイルチェンジを成しているそうです。
野木トレーナーがつきっきりで教え、インタビューの度に自信を深めているような様子の比嘉大吾。
勿論この比嘉大吾には期待しかありませんが、相手はあの堤聖也でした。
堤聖也は、比嘉と同年であり、アマで100戦以上の経験を持つ元アマエリートです。
左右のスイッチを器用に使いこなし、距離感、そしてボクシングIQに優れるボクサーです。
2018年にワタナベジムからプロデビュー、5連勝のあと元世界王者、山中慎介の名前を冠する「GOD'S LEFTバンタム級トーナメント」に出場。
初戦はシード、2回戦は対戦相手の棄権でいきなり決勝に登場した堤に対し、相手の中嶋一輝(大橋)は当時8戦全勝(7KO)の強打の持ち主であり、同トーナメントの1回戦、準決勝ともに1RKO勝利で決勝まで進んでいました。
当然予想は中嶋の優位予想。
しかし堤は中嶋の強打を警戒しつつ、出入りのボクシングを展開し、中嶋の強打をもらうことなく8Rを闘い抜きます。
↓堤vs中嶋の観戦記。
私の個人的見解では、堤が中嶋を完封したように見えた試合。
しかし公式の採点はドロー、優勢点で中嶋がこのトーナメントの覇者となりました。
堤はこの強打者との対戦のほか、国外(中国)での経験もあり、わずか6戦ながらそのアマキャリアも含めて考えると様々な経験をしていると思います。
今回の比嘉戦も、もちろん勝つつもりで、そして勝機を見つけて受けたはずなのです。
当時、日本及びOPBFランキングで6位だった中嶋と引き分けましたが、堤のランク(当時日本18位)はほぼ上がらず、不憫にも思いましたが、今回このようなチャンスが訪れました。
堤としては比嘉大吾にどのような形でも勝てれば、絶好のアピールとなり、しかも世界ランクまで手に入れられます。
大方の予想は勿論実績に勝る比嘉有利ではありますが、堤も侮れません。堤がどのような作戦をたてて臨むのかは解りませんが、比嘉のプレッシャーを捌き続けられるのか。それとも途中で打ち合いに臨むのか。
比嘉はおそらくこれまで通りプレスをかけ、前に出て闘うファイトスタイルだと思いますので、対策を立てやすいのは堤でしょう。策士である堤が、どのような闘い方を選択するかによってこの試合の展開も決まってきそうです。
非常に楽しみですね!
そして色々なところで話題となってはいますが、この二人はアマ時代に対戦経験があり、堤の2戦2勝。そこからの約7年間での実績は大きく差があり、歩んできた道のりも違うのであまり参考にはならないでしょう。
そしてもう一つ話題になっていることは、二人が友人同士だということ。
かつて船井龍一と中川健太が日本タイトルマッチをやったように、同じ階級では友人であろうが乗り越えていかなければならない時があります。「生半可な気持ちで世界を目指していない」とは堤の言葉ですが、比嘉にとってもきっとそうでしょう。
ライター、加茂佳子さんのnote。
試合の日まで毎日書き続けるようですが、ものすごく面白いです。
両者と近い距離にいらっしゃるであろうこの加茂さんの記事は、まるで小説のようでもあるし、両雄の哲学(=考え方)を知れる素晴らしい内容です。
毎日楽しみに拝見していますので、この記事を読んでくれた皆さんも是非。
セミファイナル
スーパーバンタム級8回戦
大湾硫斗(Ambition)6戦5勝(3KO)1敗
vs
岸根知也(ミツキ)9戦6勝(2KO)2敗1分
比嘉と同じく、沖縄出身で高校卒業後に白井・具志堅スポーツジムからプロデビューした大湾。直近の試合は2018年10月の日本ユース・バンタム級王座決定戦だったので、既に2年のブランクです。
比嘉とともに白井・具志堅スポーツジムとの契約が終了後、Ambitionジムへ移籍、現在は野木トレーナーに指示を仰いでおり、その期待も大きいようです。
対する岸根は、現在3連勝中、そして初の8回戦。ブランクは1年程です。
大湾はここでつまずくわけにはいかないでしょうが、岸根も意地を見せてくるでしょう。
若い才能が2年のブランクを経て開花するのか、それとも10戦目という区切りの岸根が初の8回戦で勝利をもぎとるのか。非常に楽しみな一戦ですね。
ちなみにポスターではバンタム級10回戦になっていますね。誤植でしょうか。
テレビ放送は?
ということで、大・大・大・大注目の比嘉vs堤戦ですが、なんと映像が出回るのはこの試合の3週間後、11/19(木)AM2:05〜(TBS)、しかも関東ローカル。
例えばネット配信しさえすれば、PPVであっても多くのボクシングファンは見たいのではないでしょうか。むしろ平日深夜にやられると、翌日仕事の人達は録画するしかないでしょう。
A-SIGN BOXING(A-SIGN.BOXING.COM - YouTube)さんや、関西のボクシングを配信してくれているBOXING REAL(BOXING REAL - YouTube)さん、最近では駿河男児ジムさんのチャンネル(駿河男児チャンネル - YouTube)等々、今は様々なところでボクシングの試合を配信してくれています。
そして、今は「ボクシング選手名鑑」の管理人であるせきちゃんさん(ボクシング選手名鑑 - YouTube)が、個人でボクシング興行の放映権を買い取り、生配信してくれようとしています。登録者1,000人にいかないと生配信ができないそうなので、もし、まだこのチャンネルの登録がお済みでない方は登録して下さい。
↓ライターの伊藤雅哉さんの記事です。これを見れば詳細がわかります。
【配信しました】
— 伊藤雅哉 (@masayaito_box) 2020年10月21日
「熱狂的ファン」がプロボクシング生配信へ
名古屋の山本さん…「せきちゃん」です!
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未登録でも半分読めます!
(前半、せきちゃんの歴史も面白い)
ボクシング、自前で生配信へ ファンが挑戦、選手も支援:朝日新聞デジタル https://t.co/vH2V8Oh9HZ pic.twitter.com/mnRjaERl5x
テレビマネーが入ると、興行主は良いかもしれません。ボクサーにも恩恵があるのかもしれません。しかし、我々ファンには有難くない。
そんな時代がすぐそこまで迫ってきています。ボクシング業界全体で、テレビマネーに頼らない仕組みが出来上がるといいですね。