今週末はいよいよモンスター、井上尚弥のラスベガス登場が予定されています!
無観客興行とはいえ、トップランクが100万ドル払って呼び寄せる訳ですから、現地アメリカでの期待も大きいのでしょう。
いや〜楽しみです!日本ではそれを皮切りに11/3に京口紘人(ワタナベ)の防衛戦、11/6に中谷潤人(M.T)の世界挑戦と堰を切ったように世界戦ラッシュ!
私はどれにもいけませんが。。。WOWOW、YOUTUBE、そして日テレG+で応援したいと思います。
そしてそして、他にも今週末は注目試合が盛り沢山!もっとバラけてくれてもいいのに、と思いますが、楽しんでいきたいと思います。
ちょっとボリューミーだったので、2回に分けてのプレビュー記事です。(1回目)
10/30 アメリカ(日本時間10/31)
※AM9:00~DAZNで配信予定
ハイメ・ムンギア(メキシコ)vsトリアーノ・ジョンソン(バハマ)
35勝(28KO)無敗のムンギアは元WBO世界スーパーウェルター級王者で、5度の防衛のあと返上。ミドル級に階級を上げ、今回が2度目のテストマッチです。
圧倒的なパワーと強靭なフィジカル、タフネスを持ち、怪物のようなボクサーです。4階級制覇したプエルトリコの英雄、ミゲール・コットを番狂わせで破ったサダム・アリ(アメリカ)を4Rで仕留め、初戴冠。この時(2018年)はまだ21歳でした。
防衛戦では井上岳志(ワールドスポーツ)戦をはじめ、苦しめられた試合もありましたが現在でもまだ24歳、未だ伸びしろは十分にあると考えられます。
前戦、ミドル級初戦でも存在感を示し11RTKOで勝利を飾ったムンギア、よりミドル級にフィットした姿が拝めそうです。
対するジョンソンは21勝(15KO)2敗1分のボクサーで、アマチュア時代には北京オリンピックに出場、2017年にはIBF世界ミドル級挑戦者決定戦でセルゲイ・デレビヤンチェンコ(ウクライナ)に12RTKO負けを喫しています。
↓そんなデレビヤンチェンコは前戦でチャーロ兄に挑戦!観戦記。
頂点まだあと一歩届かない強豪、というイメージのジョンソンですが、ここでムンギアの踏み台になるか、ここでもし勝てるようなことがあればトップ戦線に返り咲きも夢ではありません。
前戦では無敗のジェイソン・クイグリー(アイルランド)をアップセットで退け、アンダードッグに甘んじないという意地を見せたトレアーノ・ジョンソン。
1年3か月ぶりの試合で、またアップセットを起こせるか。
とはいえ、先にも書きましたがムンギアはまだ若く、36歳のジョンソンは厳しいでしょう。ムンギアの調整試合の域を出ない一戦だと思います。
このコロナ禍の中で、しっかりと調整できたのか、は一つのキーになり得ますが、順当にいけばムンギアが力の差を見せてKO、もしくはTKO勝ちが妥当なところです。ムンギアの獰猛な戦いを見て、今後のミドル級戦線を占っていきたいと思います。
10/31ロシア(日本時間11/1)
ムラト・ガシエフ(ロシア)vsヌリ・セフェリ(アルバニア)
あまり話題には上っていない気もしますが、ガシエフの復帰戦。前戦が2018年7月21日なので、2年以上のブランクをつくってしまいました。
ガシエフは2011年にプロデビュー、一つの無効試合を挟んで25戦目で同国人のデニス・レベデフを倒しIBFクルーザー級王座を獲得。そこからWBSSシーズン1に出場、準決勝でユニエル・ドルティコス(キューバ)を12RTKOで退け、WBAスーパーとの2冠王者となるとともに、決勝に進出しました。
その決勝で、オレクサンデル・ウシク(ウクライナ)にタイトルを渡してしまい、その後ヘビー級への転向を模索するも、怪我が重なったこともあってブランクを作りました。ここまで26勝(19KO)1敗1NCのガシエフ、今回はヘビー級初戦となります。
このブランクの間にしっかりと体を作り上げてきたのでしょうか。
セフェリは41勝(23KO)9敗の43歳、クルーザー級の選手です。ヘビー級のテストマッチの相手として選ぶのは、いささか無理があるような気もします。
この試合はガシエフにとっては久々のリングとなり、さび付いているのか、それともパワーアップしているのか。
ハイガードでプレスをかけ、剛腕をぶち込むというストロングスタイルのガシエフ。その復活を願ってやみません。巨人が巣くう現在のヘビー級に、ウシクとともに風穴を開けてもらいたいですね。
↓少し古い(2020.5月末に書いた記事)ですが、現在のヘビー級の状況。
10/31イギリス(日本時間11/1)
※AM3:00~DAZNで生配信
オレクサンデル・ウシク(ウクライナ)vsデレック・チゾラ(イギリス)
クルーザー級のアンディスピューティッド・チャンプ、ウシク。WBSSシーズン1で見事4団体統一を果たした王者は、その後にそのタイトルを返上、ヘビー級へ打ってでました。
前戦はヘビー級初戦をチェズ・ウィザースプーンと戦い、7R終了TKO勝利。やや慎重な戦い方ではありましたが、その技術の高さを見せつけ、相手を棄権に追いやりました。
しかしやはり、体重差はウシクの技量をもってしてもかなりやっかい、そう思わせる一戦でもあったと思います。かといって重くなればいいというものでもないので、ウシクには(もちろん前述のガシエフにも)厳しい戦いが待っていると思われます。
現在、ヘビー級と(その一つ下の階級である)クルーザー級には、大きな大きな壁があります。単純に1階級差というわけではなく、ヘビー級は無差別級であり、2000年以降のヘビー級大型化には著しいものがあります。
クルーザー級とヘビー級の間にもう1階級設けるなどという議論もある今日、この壁をウシクは突破できるか。17勝(13KO)無敗のウシク、徐々に頂点へ近づいていきます。
そして相手は32勝(23KO)9敗のチゾラ。2007年にプロデビュー、ビタリ・クリチコの持つWBC王座に挑戦したのは2012年のことですね。
そこからも強豪との対戦を繰り返してきた、ヘビー級のテストマッチには最適なボクサーとも言えます。
身体能力が高く、ビッグパンチを振り回すチゾラに対して、体格で不利となるであろうウシクがどのように戦うか。チゾラが体で押してきて、それにつかまってしまうとウシクは危ういです。今回も体重差は10kg以上となるでしょう。
ただし、ウシクのほうが確かに技術に優れ、インテリジェンスも高いので、勿論対策はしっかりと成されていると思います。チゾラはエキサイティングなボクサーであり、(その言動は置いておいて)好きなボクサーではありますが、ここはウシクが圧倒的に勝ってほしいな、と思っています。
リー・セルビー(イギリス)vsジョージ・カンボソスJr.(オーストラリア)
28勝(9KO)2敗のセルビーはウェールズの人気者です。KO率が低く、一発に秀でたパンチャーではありませんが、激闘型で見るファンの胸を熱くするファイトスタイルを持っています。フィジカルとハートに強さがあり、過去、フェザー級の世界王座は4度の防衛に成功しています。敗北はキャリア初期(5戦目)で4R判定負けが一つと、2018年にジョシュ・ウォーリントンとの同国人対決で喫したものです。
しかしここで終わらず、リッキー・バーンズ(イギリス)との元王者対決を制し、浮上。今回はIBF世界ライト級挑戦者決定戦という冠を抱いたファイトに進みました。
相手は18勝(15KO)無敗のカンボソスJr。オーストラリアを拠点として戦ってきた無敗のプロスペクトです。数々の地域タイトルをコレクトしてきているので、名前だけはよく聞く。(耳に残る)あと、この試合は何度も何度も日程が流れ、再設定されることでよくニュースが流れていた記憶があります。
前戦で元ライト級世界王者のミッキー・ベイ(アメリカ)を2-1のスプリット判定で下しているのが1番光る星です。
セルビーにとっては若く、無敗のプロスペクトとの対戦は正念場です。
そしてカンボソスJrにとっては世界王座へ向けて、ここを乗り越えたいところでしょう。
長くトップ戦線に居座るセルビーは、勤勉な雰囲気があって好きなボクサーです。がんばってほしい。
しかしここをクリアしたとして、立ちはだかるのはテオフィモ・ロペス。ロペスが返上するのを待つのか、否か。いずれにしろ注目の一戦です。
↓テオフィモ・ロペスが4冠統一王者となった一戦の観戦記!
DAZNでは、ムンギアが登場するアメリカでの興行、ウシクvsチゾラ、セルビーvsカンボソスJrの登場するイギリス興行を生配信します。
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そして週末は他にも10/31(日本時間11/1)にアメリカのトップランク興行で井上尚弥vsジェイソン・マロニー、ショータイム興行でジャーボンタ・デービスvsレオ・サンタ・クルスというビッグマッチが行われます。
アンダーカードも含めて、デービスvsサンタ・クルスの方がアメリカでは注目を集めそうですが、是非是非アメリカの皆さんには我らが日本のモンスターを見てもらいたいですね。時間もどん被り、日本でもWOWOWが中継してくれるものの、なんだかもったいないですね。
次回はそのアメリカでの2興行をプレビューしていきたいと思います。