信太のボクシングカフェ

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ボクシングが大好きです。大好きなボクシングをたくさんの人に見てもらいたくて、その楽しさを伝えていきたいと思います。

井岡一翔vs田中恒成!いよいよ正式発表された大晦日決戦と今後のスーパーフライ。

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ついに!ついに!!

正式発表となりました、井岡一翔(Ambition)vs田中恒成(畑中)!

2020年大晦日、以前から噂されていた通り激突する両者。

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この一戦は、まさに「ウィナー・テイクス・オール」、勝者が全てを持っていく、そんな舞台になりそうです。

ここで勝てば、世界的に名声を得ているチャンピオンたちと渡り合えるチケットになるでしょう。逆に負けてしまえば、スーパーフライ級のトップ戦線から後退を余儀なくされ、現在の統一志向であるスーパーフライ級からすれば、チャンスが巡ってくる事が少なくなってしまう可能性があります。

 

WBOでは、世界タイトルを返上して階級を変更した場合、その階級で1位になれるという規定があるそうです。

今回、WBO世界フライ級タイトルを返上した田中恒成は、その規定通りWBO世界スーパーフライ級1位となり、王者である井岡一翔に対して指名挑戦権を得ました。

 

そして井岡はというと、このタイトルをアストン・パリクテ(フィリピン)を降して戴冠しており、このタイトルをチケットとして海外の強豪と渡り合うことを希望していました。

指名挑戦者を無視するためには、別団体との統一戦であれば免れることもありますが、基本的には返上しか道は残されていません。

井岡がこのタイトルを返上する可能性は低いと思っていたので、この井岡vs田中というのは既定路線でもありました。

しかし「正式発表」となると本当に嬉しい。

 

日本人で初めて世界4階級制覇を成功させた、井岡一翔。

boxingcafe.hatenablog.com

2階級制覇した王者、井岡弘樹を叔父に持つボクシング界のサラブレッドは、ミニマム級でキャリアをスタートし、八重樫東(大橋)との日本人史上初となる世界タイトルの統一戦に勝利しました。

その後もライトフライ級を制し、叔父の代からの悲願である3階級制覇に挑戦。

最初こそアムナット・ルエンロン(タイ)の技巧にはぐらかされ失敗しますが、2度目の挑戦でファン・カルロス・レベコ(アルゼンチン)に勝利し3階級制覇。

防衛を重ねた後、モチベーションを理由に引退しますが、すぐに復帰して4階級目を目指します。

スーパーフライ級でもドニー・ニエテス(フィリピン)に1度は阻まれますが、そのニエテスとドローを演じたアストン・パリクテ(フィリピン)にTKO勝利して4階級制覇。

 

ほぼ毎年、大晦日に試合を経験しており、日本での知名度は抜群です。

一時期は試合がつまらない、強敵から逃げているとも言われていましたが、八重樫やレベコと闘い、特に復帰後はアローヨ、ニエテス、パリクテと闘い、2019年末にはジェイビエール・シントロン(プエルトリコ)を退けて初防衛。

円熟期に差し掛かった井岡は、以前のような距離を支配するボクシングをベースとして、以前には少なかったアグレッシブネスを強化。見ていて非常におもしろいボクシングに変化しました。

ただし、以前に比べると被弾も多くなり(被弾を厭わなくなった、と言った方がいいかもしれません)、田中も倒すパンチを持っている分そこが危険に思うところでしょうか。

 

対する田中恒成は、世界最速タイ(12戦目)で3階級制覇を成し遂げた中京の怪物。

boxingcafe.hatenablog.com

田中恒成もスタートはミニマム級、日本人として最速の5戦目で世界タイトルを奪取します。その後日本最速タイの8戦目で2階級制覇。

12戦目のフライ級は、日本人対決となり、大激闘のすえ、木村翔からタイトルを奪いました。

その後も田口良一を退ける等、大きく存在感をしめしてきたものの、知名度としては中部の域を出ず、なかなか全国中継にたどり着けなかったのも現状です。

 

2019年末、井岡と同じ興行で中国のウラン・トロハツを3Rで撃退した試合では、ベストパフォーマンスを披露しました。

これまでの田中は、試合ごとにかなりムラがありました。

素晴らしいスピードを持ち、対戦相手の誰もがついていけなさそうですが、攻撃時のガードが甘く、被弾が多い。

かと思えば、最近ではトロハツ戦、木村戦では素晴らしい動きと素晴らしい気持ちの強さを見せ、相手の得意分野で打ち勝ってみせるという強さを持っています。

 

両者の強みとインタビュー動画

井岡は距離感にすぐれ、何があっても動じない精神力を持っています。コンビネーションやパンチの選択も秀逸、ボクシングIQも高いです。反面、スーパーフライとしてはサイズが小さく、パワーもある方ではありません。

↓試合発表会見の動画

 田中は素晴らしいハンドスピードを持つ上、脚も速い。接近戦では回転力もあり、サイドに回りながら連打を打つ事ができます。しかし、時折集中力が切れることもあり、そこから被弾してしまう事があります。

 ↓井岡戦について自身のYoutubeチャンネルで語る。

ともにポテンシャルは高く、井岡の技巧、ゲームメイキングが勝るという展開も考えられますし、田中がスピードでかき回し、井岡が届かないという展開も考えられます。

両者ともに「負けているところはない」と語るこの試合は、ボクシングファン待望の一戦。

井岡も田中も引き出しが多く、様々な闘い方の選択肢があるので、これは「やってみないとわからない」という、素晴らしい戦いのように思えます。

田中にムラがある、とも書きましたが、今回はしっかりと仕上げてくるでしょう。しかもビッグネームである井岡を喰らう事ができれば、自身の今後にも大きく影響してくること間違い無しです。

対する井岡は、「自身が格上」であるとしつつも、きっと意識をせずにはいられないと思います。田中恒成は若く、速く、パワーも備えた、誰がみても才能豊なボクサーなのですから。

 

どっちに勝ってほしいか

ちなみに勝敗の予想ではなく、私が期待するのは井岡の勝利です。

井上尚弥登場前、日本のボクシング界を引っ張ってきてくれた井岡一翔というボクサーは、今が全盛期に思えます。とはいえ、その井岡は、負ければ引退を考える歳にもなってきているのも事実。

井岡には、この試合に勝って、海外の強豪たちが集うスーパーフライに食い込んでいってもらいたい。

↓先日も、このスーパーフライ級では素晴らしいファイトが行われました。

boxingcafe.hatenablog.com

 

スーパーフライ級の世界王者と今後の展望

どちらが勝つにせよ、この試合の勝者には是非他団体との王座統一戦に臨んでもらいたいと思っています。WBSSが開催されれば1番いいのですが。

WBAスーパー王者

ローマン・ゴンサレス(ニカラグア)

WBAレギュラー王者

ジョシュア・フランコ(アメリカ)

※11/14(日本時間11/15)にアンドリュー・マロニーとの防衛戦

WBC王者 

ファン・フランシス・エストラーダ(メキシコ)

※リング誌のPFPランキングで8位にランクイン

IBF王者

ジェルウィン・アンカハス(フィリピン)

WBO王者

井岡一翔(Ambition)

※12/31に田中恒成との防衛戦

 

この階級ナンバーワンはファン・フランシス・エストラーダです。このエストラーダは、次戦にローマン・ゴンサレスとのこの階級の頂上決戦を控えています。

この勝者であるどちらかに挑戦するには、WBOのベルトの保持は必須といえます。

そしてこのエストラーダvsロマゴンの勝者と、井岡vs田中の勝者が相まみえることがあれば、その勝者はリング誌のPFPランキングでもしっかりとランクインされることでしょう。

まさにWinner Takes All、今後の各々のボクシング人生をかけた運命の一戦が、今年の大晦日にゴング。今から本当に待ち遠しいです。

 

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