寺地拳四朗が盤石のV7 来年こそは統一戦だ! | Boxing News(ボクシングニュース)より
12/19(土)、寺地拳四朗vs久田哲也が決定!
10/13(金)に発売された専門誌、ボクシング・マガジン、ボクシング・ビート両紙でさらりと発表されていた、WBC世界ライトフライ級王者、寺地拳四朗(BMB)の8度目の防衛戦。
私も誌面を読む前に、SNSでこの情報が上がっていたのでびっくりしました。
疑った訳ではありませんが、調べてみたら「チケットぴあ」にチケット情報が。
https://t.pia.jp/pia/event/event.do?eventCd=2029107
最近は情報としてはネットニュース等の方が早く、情報というよりもインタビュー記事や試合の内容をどのように伝えているか、というのを楽しみに見ています。
昔は毎月15日の発売日に結果を知ることも多かったので、いい時代になりましたね。
さて、インターネットやSNSを出し抜き、まさかの誌面発表となったこの一戦。
WBCランキングを見ると対戦相手としてピックアップされた久田哲也(ハラダ)は1位。
世界タイトルマッチにも関わらずひっそりと発表。。。これはボクシングファンしか気付かないのはもったいないですね。
寺地拳四朗と久田哲也の因縁
久田哲也は、46戦34勝(20KO)10敗2分というベテランで、現在36歳。2003年にデビューし、日本タイトルに辿り着いたのは2017年で、相手は現在のOPBF東洋太平洋ライトフライ級王者である堀川謙一(三迫)でした。日本タイトル獲得と同時に、堀川に雪辱(ここまでに2度の敗北)、そのタイトルを5度防衛のあと返上します。
ちなみにこのタイトル獲得は王座決定戦でしたが、本来であれば当時の日本王者、寺地拳四朗(当時のリングネームは拳四朗)に挑戦する予定でした。しかし、拳四朗が世界タイトル挑戦が決まったことにより試合わずか10日ほど前にキャンセル。久田がSNSで怒りをぶつけていたことは記憶に新しい。
無事に試合日程の約20日後、相手を堀川に変えて王座決定戦となりましたが、この経緯から久田にとっては因縁の相手と言われています。(一方、拳四朗は気にしていないかもしれません。。。)
そして久田といえば昨年10月、WBA世界ライトフライ級スーパー王者、京口紘人(ワタナベ)に挑戦、京口をグラつかせる等見せ場を作りましたが、終盤にダウンを奪われて判定負け。
1年2ヶ月ぶりの復帰戦となりますが、ダイレクトにWBC王座への挑戦が決まったのは、このコロナ禍ならではかもしれませんね。
充実の国内ライトフライ級
挑戦者、久田哲也は歴戦の雄であり、もちろん油断できない存在ではあるものの、王者拳四朗に隙はありません。目標として掲げている連続防衛記録(具志堅用高の13度防衛)更新の期待もかかる拳四朗が気持ちの強く、タフな挑戦者である久田をどのように退けるか、というところが焦点になりそう。
ここでKO勝ちできるようなら、拳四朗は京口を大きく上回る評価を手にするでしょう。
対して久田はどこまで意地を見せられるか。逆に覚悟を持って玉砕覚悟でいって番狂わせを起こせるか。いずれにしろ、京口戦でも頑張りが光った久田は、気持ちが折れることはなさそうですので、好試合に期待しています。
さて、その京口紘人は、本来であれば11/3(火)にタノンサック・シムシー(タイ)との防衛戦が予定されていたものの、前日に京口のコロナ陽性反応を受け中止に。
仕切り直しとのことですが、年内にできるのか、来年に持ち越すのか。
京口は11/14にオンライン記者会見を開き、謝罪とともにシムシーにチャンスを与えたい旨を伝えています。こればかりはどんなに気をつけていても起こりうる事、今後もこういったケースで興行自体が飛んでしまうこともあるとは思いますが、選手たちも陣営も、覚悟をもって臨まなければなりませんね。
京口vsシムシーはまた近いうちに実現してもらいたいカードです。
そしてライトフライ級といえば、OPBF東洋太平洋王者の堀川謙一、そして日本王者の矢吹正道(緑)ももちろん無視できない存在です。
40歳という年齢ながら充実している堀川、破竹の勢いでKOを連発する矢吹。
この両者が戦えば国内有数のビッグマッチになります。
矢吹は堀川にも、拳四朗にも対戦をアピールしていますが、今の所は叶わず、次戦は12/26(土)、刈谷での興行で大内淳雅(姫路木下)の挑戦を受ける事が決まっています。
大内は、黒田雅之、寺地拳四朗、堀川謙一、そして田口良一といったボクサーとの対戦経験もありますが、随分前の事なので、こちらも矢吹の勝ち方がどうか、というのが焦点。
国内充実のライトフライ級、コロナ禍がなければ、それぞれが別のタイトルを持った上で統一戦へと進んでもらうのが一番良いのですが。。。
ライトフライ級、寺地拳四朗、京口紘人の対抗王者
WBAレギュラー王者にカルロス・カニサレス(ベネズエラ)。23戦22勝(17KO)1分という強打の持ち主で、1分は田口良一(当時ワタナベ)へ挑んだ一戦です。
前戦は木村翔を捌き切って判定勝利を上げており、ボクシングの引き出しの多さを見せつけました。
IBF王者にはフェリックス・アルバラード(ニカラグア)。37戦35勝(30KO)2敗とこちらも強打が武器、2敗は井岡一翔(Ambition)とフライ級でファン・カルロス・レベコ(アルゼンチン)。一時は拳四朗との統一戦が決まりましたが、流れたままですね。
WBO王者はエルウィン・ソト(メキシコ)。昨年6月、評価の高い王者だったアンヘル・アコスタ(プエルトリコ、田中恒成に挑戦して敗北)を番狂わせで破って戴冠。その後は、ここまでノンタイトル1戦を含む3戦を戦っており、既に2度の防衛。非常にアグレッシブで、ライトフライ級で最もアクティブな王者です。ソトも19戦18勝(12KO)1敗と強打の持ち主。
海外にも大変危険な王者たちが揃っていますね。
対して寺地拳四朗も17戦全勝(10KO)無敗、世界戦だけでも8勝中5KOと素晴らしいカウンターを披露してきたパンチャーです。
京口紘人は14戦全勝(9KO)、ライトフライ級に転級後は強打はナリを潜めてはいるものの、破壊力のあるパンチは健在に思います。
この王者たちの統一戦や熟練の業師、堀川、一発で試合を決められる獰猛な矢吹が加わって、ライトフライ級トップ戦線は誰が誰とやっても本当に興味深い一戦になります。
12/19の興行のあと、誰と誰がぶつかるのか。
試合結果、試合展開とともに今後も楽しみな階級です。