信太のボクシングカフェ

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ボクシングが大好きです。大好きなボクシングをたくさんの人に見てもらいたくて、その楽しさを伝えていきたいと思います。

テレンス・クロフォードvsケル・ブルックをメインとしたTR興行のWOWOW観戦記!

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11/14(日本時間11/15)、おなじみラスベガスのMGM内バブルにて、PFP最強ボクサーの一角であるテレンス・クロフォードvsケル・ブルックのWBO世界ウェルター級タイトルマッチが行われました。

このブログが世に出る頃には、WOWOWでのタイムリーオンエアも終わっているはずですが、今回はこの興行のメインとセミファイナル、ふたつの試合の観戦記を書いていきたいと思います。

↓プレビュー記事はこちら 

boxingcafe.hatenablog.com

 

 

ちなみにこのバブル興行は、いつもトップランク所属のプロスペクトが多く登場します。

今回もライト級のプロスペクト、レイムンド・ムラタヤ(アメリカ)が登場し、3RTKO勝利、そしてミドル級のテイラー・ハワード(アメリカ)は判定勝利を順当におさめました。

しかし、セミセミに登場したバンタム級のジョシュア・グリア(アメリカ)は11勝5敗1分のエドウィン・ロドリゲス(プエルトリコ)を相手に痛恨のドロー。

初回からロドリゲスの土俵で闘うグリア。接近戦での打ち合いを選択したグリアがそのうちノックアウトして、引き出しの多さをアピールするような試合になるかと思いましたが、そうはなりませんでした。

 

序盤から中盤にかけてはややロドリゲスの手数に押された感のあるグリア。終盤になってようやくファイタースタイルが功を奏してきますが、追い上げは間に合わずドローとなってしまいました。

マイク・プラニア(フィリピン)戦でダウンを奪われての判定負けを喫して以来の再起戦を勝利で飾る事はできませんでした。

かつてジョンリエル・カシメロ(フィリピン)の対戦相手として候補に上がっていたこの才能豊かなボクサーは、ここからまた再浮上することはできるのでしょうか。

↓グリアvsプラニア戦の観戦記。

boxingcafe.hatenablog.com

 

バンタム級の強豪は現王者たち以外になかなか芽が出てこないですね。

さて、セミファイナル。

WBA世界スーパーフライ級タイトルマッチ

ジョシュア・フランコ(アメリカ)20戦17勝(8KO)1敗2分

vs

アンドリュー・マロニー(オーストラリア)22戦21勝(14KO)1敗

フランコもマロニーも非常にまとまったボクサーではありますが、フランコの方がアグレッシブであり、マロニーは前戦、手数で押されていました。

兄ジェイソンは高い目標を持って練習していたはずですし、それと同等のモチベーションを保ちつつ、ともに練習してきたであろうアンドリュー。

前回よりも大幅に強くなっている可能性もあり、ここでフランコに勝ち、注目されているスーパーフライ級のトップ戦線に食い込みたいところでしょう。

 

対するフランコも、前戦はダウンを奪ってもポイントは僅差、勝つためにはダウンも必須かと思います。

さてゴング。

マロニーの動きのキレが目立つ立ち上がり。フランコがじりじりとプレッシャーをかけますが、マロニーが縦横無尽に動き、なかなか手が出ません。マロニーは中間距離だけでなく、接近したところでもマロニーの戦い方が上手い。

2R開始、既に右目がほとんどふさがっているフランコ。目が見えず、手が出ない可能性があります。このラウンド中盤にレフェリーがタイムをストップ、ドクターのチェックが入ります。

続行を許されたフランコはガードをかなり高く上げ、マロニーの打ち終わりに何とかパンチを合わせようとします。しかしマロニーは出入りのスピードも素晴らしいです。

 

3R開始の前にサイドのドクターチェックにより、試合はストップ。

ストップの瞬間、歓喜の雄叫びを上げるマロニーでしたが、この試合は偶然のバッティングによる試合のストップ、規定の4R経過前のためにノーコンテスト。試合が成立しないという事態になりました。

大変残念な結果に終わってしまいました。バッティングなのか、パンチなのか、と問われるとパンチで腫れたような気もします。

しかし、長時間の話し合いの末に出された結論は偶然のバッティング。

公式の発表はノーコンテスト(無効試合)となりました。

この日のために十分な準備をしてきた両者、世界タイトルマッチでこの結果はやりきれないと思います。特に、序盤から素晴らしいボクシングをしたマロニーにとっては残念でしたね。

 

スタートも良く、前戦に比べて動きは非常にキレていましたし、間違いなくフランコをコントロールしてみせました。

これはラバーマッチが計画されるはずです。

そして、今回の反省を生かしたフランコがどう出てくるのか。マロニーとしては今回決着をつけたかったはずですが、次戦も同じ展開にできるかどうかが鍵となってきそうです。

スーパーフライ級の王座は日本人との激突も大いに有りえますので、興味深いです。

フランコの右目は眼窩底骨折という情報も見ましたので、ラバーマッチはなかなかセットされなそう。その場合は、暫定王座戦でマロニーにチャンスを与えてあげてほしい。

3戦目はその後でも十分な気がします。

 

【スーパーフライ級のビッグマッチ!】

日本ボクシング史上最大ともいわれる、3階級制覇王者と4階級制覇王者の激突まで後少し。

boxingcafe.hatenablog.com

 

WBO世界ウェルター級タイトルマッチ

テレンス・クロフォード(アメリカ)36戦全勝(27KO)無敗

vs

ケル・ブルック(イギリス)41戦39勝(27KO)2敗

パウンド・フォー・パウンド・キングと認めるファンも多いであろうテレンス・クロフォード。ケル・ブルックは難敵ではありますが、なかなかクロフォードの負ける姿が想像できないのも真実。

ライバルであるエロール・スペンスJrよりも衝撃的な内容で決着をつけられるか、というのが焦点。

 

しかし、前日計量で見た二人の姿は、同じ体重のはずですが明らかにブルックの方がでかい。

ブルックはその体格差を利用して、前半勝負をかけたいところ。

クロフォード圧倒的優位とは思いつつも、ブルックにも可能性はある、そんな一戦です。

さて、ゴング!

オーソドックスでスタートしたクロフォード。ともにかなり慎重な立ち上がりです。互いに手を出しませんが、まさに一触即発の緊張感のあるフェイント合戦。

ジャブの打ち合い、両者ともに素晴らしいスピード、反応を見せますがブルックのジャブの方がヒット、終盤には左フックもヒットしてこのラウンドを優位にすすめました。

2R、クロフォードはオーソドックスのまま。クロフォードは攻めあぐねているように見えます。ブルックのジャブはかなりやっかい。クロフォードと比べてもかなり速いです。

 

ラスト30秒付近でようやくクロフォードがサウスポーにスイッチ。

3R、サウスポーのままのクロフォード。クロフォードの外からのジャブが当たり始めます。しかしブルックも慌てた様子もなく、サウスポー対策も万全といった具合にノーモーションの右ストレートを繰り出します。

ヒリヒリとした緊張感の中で、終盤にややエキサイト。

インターバル中、クロフォードの右目の上は若干腫れています。ブルックの強いジャブをもらいすぎたのかもしれません。

4R、前ラウンドの続きの展開から、ブルックの出鼻に合わせてクロフォードの右フック(のような、ジャブ?)がブルックにヒット!完全に効いたブルックは、よろよろと後退、追撃をかけるクロフォードですがレフェリーはここでダウンを宣告。ロープにもたれかかったブルックを見て、ロープダウン(ロープがなかったら倒れていた)をとります。

ファイティングポーズをとって続行に応じたブルックでしたが、クロフォードの追撃によりあえなくストップ。

テレンス・クロフォードの4RTKO勝利。

 

とにかくすごいの一言。これで世界戦8連続KO勝利です。

序盤、ブルックの動きがものすごく良く、ともすれば番狂わせを期待できるほどの流れのようにも見えました。

しかし、クロフォードはただ序盤じっくり見て、ブルックを測っていただけなのか、ただスロースタートだっただけなのか。当初、オーソドックスで戦ったのも、後々サウスポーにスイッチした後に相手の距離感を狂わせる伏線だったのかもしれません。

ブルックが素晴らしい動きをしている間も、クロフォードは特段驚かず、焦らず、全く動じていない雰囲気でした。

そしてものすごいカウンターを決めて勝利した後も、ほぼ無表情。

 

クロフォードにとって、この結果はあくまで想定内であり、当たり前だったのかもしれません。

最強の証明をするにあたって、ブルック戦は一つの試金石の役目になると感じていました。

そのブルックをものともせず、素晴らしいカウンターを決めてみせて、それでも「まだ足りない」とでもいいたげなクロフォードの表情。

スロースターターのクロフォードは、序盤に苦戦する傾向にあります。そこでクロフォードを倒せなければ、クロフォードのスムーズなスイッチに翻弄され、インサイドとアウトサイドを自在に使い分ける術中にはまり、パンチを出せばカウンターを取られるという展開になり、文字通り手も足もでなくなって倒される。

対戦相手からすると絶望的ですね。

とにかく穴がなく、強いクロフォード。これはPFPランクが上がって、井上が3位に落ちてしまったとしても、納得の内容です。(個人的にはカネロは1位じゃないと思っているので、本当は1位クロフォード、2位井上が望ましい)

とにかく今後は、スペンス戦が見たい。

 

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