11/23(月・祝)は、ボクシングファンにとって非常に忙しい一日になったと思います。
かくいう私はというと、仕事で日中は見れず。
と、思いましたがちょっと空いた時間でこっそりYoutubeを開き、少し観戦。
狙い通り、もっとも注目していた石田匠vs石井渡士也戦を視聴することができました。
↓プレビュー記事はこちら
その後、A-SIGN興行はしっかりと視聴、情報遮断して三田興行にもどり、幸運にもアーカイブ配信をしてくれていたので加納vs平井も観戦しました。
前座も含めるとかなりの試合数になってしまうので、まずは注目試合を簡単にレビュー、そしてこの日のファイト・オブ・ザ・デイを詳細レポートしていきたいと思います。
尚、この三田興行、第一部のメインイベントだった高山vs小西戦が小西伶弥(サンライズ)のコロナ陽性反応により中止に。
どんなに気をつけていても感染は致し方のないこと、それでも残念で仕方ないです。
さて、三田興行のメイン、加納vs平井は大激闘。個人的には3Rにダウンを奪った平井の方が優勢な気もしましたが、ジャッジは2-1の判定で加納を支持。加納がWBOアジア・パシフィック・ライトフライ級王者となりました。
激戦のライトフライ級、楽しみですね。加納が数年前、高山勝成に挑戦したのは時期尚早という感じがしたので、是非これから世界、という前にOPBF王者、堀川謙一(三迫)、もしくは日本王者、矢吹正道(緑)とサバイバルマッチをやってほしいと思います。
A-SIGN興行は全3試合ながらどれも注目していました。8/31のA-SIGN興行からの続きのようなこの興行は、同じボクサーたちが出場するのでその分注目もし易いですね。これが新しい興行の形なのかもしれません。海外ボクシングみたい。
第1試合、牛島龍吾(八王子中屋)vs藤岡飛雄馬(宮田)は、藤岡のキャリアを牛島は崩せず。藤岡は3連敗ながら、数々の名のあるボクサーと対戦してきた歴戦の雄。若手の踏み台にはならない、見事なボクシングでした。
第2試合、鯉渕健(八王子中屋)vs近藤哲哉(横田スポーツ)は、3Rに鯉渕がダウンを奪いますが、終盤に反撃を許してしまいます。後半は近藤がポイントを挽回せんと攻めに攻め、逆に鯉渕は守勢にまわり、ダウンポイントを挽回されて判定負け。
とくに後半は、ハートの強さの差が出た試合のようにみえました。
そしてメイン、佐々木尽(八王子中屋)vs宮崎辰也(マナベ)。佐々木が1Rで試合を決めましたが、これで3試合連続1RKO。
宮崎が勝つという予想は難しい試合でしたが、佐々木はきっちりと倒してみせました。
試合中は終始落ち着いており、ベテラン相手に大器を感じさせる内容。
唯一、勝利をアピールするためにロープに登れなかったことを除いては。。。
そして次戦は石脇麻生(寝屋川石田)とのホープ対決。12/26のA-SIGN興行はどれだけ好マッチメークを詰め込むのか、というほどのものすごい興行です。
ちなみに私は、年末年始付近に東京へ行くことはできなくなりました。(正式決定)
私の住んでいる田舎では、やはり東京に行くのは「悪」。年が明けてもしばらくは無理なんでしょうね。。。
さて、ということでこの日、11/23のファイト・オブ・ザ・デイはこの試合!!
三田から世界へ 第二部セミファイナル
バンタム級8回戦
石田匠(井岡)30戦28勝(15KO)2敗
vs
石井渡士也(REBOOT.IBA)3戦全勝(2KO)無敗
この試合、私は悩みに悩んだ末、石井を応援することに決めていました。歴戦の雄、石田も応援したいところではありますが、アウェーでもある関西へ乗り込んで、若き才能が開花するか。キャリアはなんと10倍、REBOOT.IBAジムらしい非常にハードなマッチメイクです。
ゴング前、石井の身体は分厚く、フィジカルの強さを感じさせるものです。対するプリンス、石田は変わらず細身であり、今日もその長身を活かしたボクシングを展開していくのでしょう。身長差はかなりあります。
初回、石井がプレスをかけ、力強いパンチを放っていく立ち上がり。石田は速いジャブをついてまわりますが、石井は反応も良いですね。
石田のジャブは時折入ったように見えますが、石井のパン地は非常に力強く、石田は押されるような感じがあります。この辺の見栄えはジャッジに影響をもたらしそう。
2R、リーチの違いか、ジャブを同時に出すと石井に分が悪い。石井は近づいて勝負したい。石井はなかなかいい位置でパンチを打たせてもらえないですね。石田はやはり巧く、石井が攻めたところでそれを分断するように押したり、引いたり、回ったり。
このラウンド後半は石井にリズムが出て、コンビネーションも目立ち、さらにはジャブのタイミングも非常によくなった印象です。
3R、リズムの出てきた石井がテンポよく攻めます。自信満々に攻める石井に対し、石田はジャブ意外がほとんど出ず、ジャブ一発に対して石井が2発3発と返してくるので苦しい。
しかしこのラウンド中盤に石田の攻勢を許した石井、どうやら左瞼をカットしているようです。バッティングは見られなかったので、ヒッティングによるものですね。石田のジャブはやはり鋭かったようです。これはかなり嫌な位置のカットですね。
4R、石井は一転して足をつかいます。目がよく、ディフェンスも上手い。4戦目とは思えないほどのリラックス具合は大器を感じさせます。
ただ、結果プレスが弱くなり、どちらかというと石田はやり易くなったかもしれません。石田にとってはフィジカルの強い石井にプレスをかけられる方がやり辛いと思います。現に石田のリードのパンチが良くなりました。
あっという間に半分。
5R、石井は先程のラウンドがあまり良くなかったためか、プレスを強めます。しかしリズムを取り戻した石田のジャブが良い。石井はややスピードが鈍ったのか、ペースを取り戻そうと力んでいるのかもしれません。
互いにヒットはするものの、石井は少しジャブを不用意にもらっているのが気になります。というか石田のジャブのタイミングが巧いのか。離れ際には必ず出すのは、ダメージは与えられなくとも見栄えは良い。
6R、左瞼の傷のこともあるので、石井はジャブには気をつけたいところ。しかし、強気にプレスをかけていきます。本気で倒す気が見えるこのハートの強さは素晴らしい。
このラウンドは石井のプレスがまた効いてきたように思います。どうやら石井がプレスを効かせて、石田が精神的に守勢にまわることで石井のジャブが当たる、そんな雰囲気。
ここへきて盛り返してきた石井、これは判定がかなり微妙に思います。
7R、流れは石井にあるように見えます。石井は躊躇なく攻め、石田はサークリングしながらジャブをヒット。石田のジャブで顔を跳ね上げられる場面が幾度となくあり、ちょっと見栄えがよくない石井ですが、コンビネーションで攻め立てます。
8回戦では足りないほどの名勝負は、最終ラウンドへ。
ともすればこのラウンドを取った方が勝つのかも、という勝負のラウンドでもあります。
攻め込む石井。ジャブと足でさばく石田。
石田のジャブでは止まる気配のない石井。
互いが互いのボクシングを貫徹し、持ち味を発揮した名試合は判定へ。
石田のジャブで顔を跳ね上げられる石井も、石井の豪打でガードごとなぎ倒されそうになったりロープにつまったりとそれぞれに見栄えの悪さはあります。
ジャブのクリーンヒットは試合を通して石田の方が多いかもしれませんが、パワーパンチのヒットは石井の方が多いように思います。
注目の判定でしたが、3-0で石田。
思ったより点差が開き、78-74、77-75、79-73。
石田の勝利は全く問題ないとはいえ、79-73はちょっといただけないですね。。。
関西圏の試合なので石田の地元大阪に近く、いわゆるホームタウンデシジョンというのが疑われてしまうような気がします。
実際関西圏の試合は関東圏の試合よりもそういった例が多いような気がしています。気のせいならいいのですが。
もっと微妙、ドローもありうると思う一戦だったのですが、どうなんでしょう。
石井を応援していたので、石井よりに私が見てしまったのもあるとは思いますが。。。
とはいえ、名勝負であったことは間違いないです。素晴らしい闘いを見せてくれた、両雄二拍手です。
石田匠、3度目の世界挑戦へ向けてアピール成功といえる試合でした。ただ、石井相手に完全にフィジカル負けしていた感じはあるので、海外の強豪と戦う場合はその辺りが必須な気がします。
あのボクシングで挑戦者として世界戦のリングに立った場合、ポイントを奪っていけるかというのはどうなんでしょうか。
さて、石井渡士也は素晴らしいボクシングを披露しましたが、石田のキャリアにいなされ、見栄えの悪い部分がありました。
今回は8ラウンドでしたが、これ以上に長いラウンドになった場合の集中力、不用意なパンチをもらわないことが必須となってきそうですね。そのパンチは速くて強く、ディフェンスも非常に素晴らしい石井、これからの活躍を期待しないではいられません。
報告
— 石井 渡士也 (toshiya ishii) (@tsy_0115) 2020年11月23日
また改めてご返事などさせていただきます。 pic.twitter.com/i870PtBaoj
REBOOT.IBAジムはその恐れを知らないマッチメイクで大ファンのジムです。
これからも応援していきたいと思います。