さて、いよいよ週末に迫ってきましたね。
勿論今週末、最も注目すべき試合はフェリックス・ベルデホvs中谷正義。
twitterを開くと、MGMからの夜景やトップランクジム等、中谷が復帰に向けた様子を綴ってくれています。
期待せざるを得ませんね。きっとやってくれると思います!
そしてそのベルデホvs中谷戦以外にも、海外では注目試合が目白押し。
今回のブログでは、今週末の海外興行をピックアップしていきたいと思います。
12/12(日本時間12/13)イギリス
WBAスーパー・IBF・WBO世界統一ヘビー級タイトルマッチ
アンソニー・ジョシュア(イギリス)23勝(21KO)1敗
vs
クブラト・プレフ(ブルガリア)28勝(14KO)1敗
いよいよアンソニー・ジョシュアが約1年ぶりにリングに帰ってきます。3団体統一王者(実際はIBO王座も保持)であり、ウェンブリー・スタジアムを満員にするほどの超人気王者。
ロンドンオリンピックの金メダリストであり、翌2013年にプロ転向。破竹の勢いでKOを連発し、2016年にチャールズ・マーティン(アメリカ)をまたもKOで降し、IBF王座を獲得。
2017年には元統一王者であるウラディミール・クリチコ(ウクライナ)とのダウン応酬の激闘を制し、WBAスーパー及びIBO王座を獲得。(この試合は両王座の決定戦でもありました。)
20戦目でカルロス・タカム(フランス)を相手にKO防衛。ここまででデビュー以来20連続KOの記録を打ち立てました。
2018年、WBO王座を保持するジョセフ・パーカー(ニュージーランド)を初の判定勝利で降し、メジャー3団体統一王者に。
その後、アレクサンデル・ポヴェトキン(ロシア)を相手にKO防衛しましたが、伏兵アンディ・ルイスJrにまさかのTKO敗け。
昨年12/7、ルイスに判定でリベンジ、今回のプレフ戦はコロナでの延期を経て、1年ぶりの試合としてセットされました。
対するクブラト・プレフもアマチュア経験豊富な元アマエリート。世界選手権銅メダルの実績があります。
2009年、28歳と遅いプロデビューでした。ブルガリアというボクシングが盛んでない地域から強豪ボクサーが出たことで、今はどうかわかりませんが過去にはブルガリアでは英雄扱いだと聞いた覚えがあります。
ドイツを主戦場として戦い、各地域タイトルを獲得しつつ世界ランクを上げたプレフは、2014年にウラディミール・クリチコ(ウクライナ)に挑戦。当時メジャー3冠を保持していたクリチコでしたが、プレフはIBF王座のみにチャレンジ。どうやら他の団体の承認料を払うのを渋ったようです。
この試合はクリチコが5RKOでプレフを退けており、プレフの唯一の一敗はこのクリチコ戦。
そこから連勝を重ねたプレフが勝利したボクサーには、強豪デレック・チゾラ(イギリス)の名前もあります。
そして2018年にはヒューイ・フューリー(イギリス)とのIBF挑戦者決定戦を勝ち抜き、IBFの指名挑戦権を獲得しました。(その後も2戦を戦い、勝利しています。)
6月に開催される時のニュースでは、プレフはファイトマネー(500万ドル)の半分を、医療従事者に寄付するような話が流れていましたが、延期となっても同じ状況なんでしょうか。だとすれば素晴らしいですね。
ただ、プレフはセクハラで訴えられたこともありますが。。。
さて、このプレフはジャブが非常に特徴的だと思います。ジャブは肩をしっかりと入れてくるので、非常に伸びがあると思われます。このジャブを丁寧につき、右はオーバーハンド気味に思いっきり振ってくる。まっすぐのジャブからバナナストレートなので、対戦相手は非常に見にくいと思います。
近くなりすぎるとすぐにクリンチに走る傾向があり、チゾラ戦でも、フューリー戦でもクリンチの時間は非常に長かったと記憶しています。
対するジョシュアは、基本通りのボクシングをします。こちらも丁寧にジャブをつき、プレフと違いまっすぐのストレートを放ちます。
アンディ・ルイスJr第二戦で見せたようなボクシングもでき、幅は広いといえます。
距離的には噛み合いますので、ボクシングの引き出しが多いジョシュアの優位は動かないでしょう。プレフとしてはクリンチワークを多用し、ジョシュアに思い通りのボクシングをさせない、という事が肝要となってくるかもしれません。そうするとあまり面白い試合にはならないと思いますが。
ジョシュアがどのようなボクシングを展開するのか。堂々とした倒すためのボクシングを展開するのか、それともアウトボックスを選択するのか。それはもしかすると、プレフの初っ端の一撃を受けた時に、ジョシュアがどう感じるのかにかかっているのかもしれません。(これはあの偉大な王者のネタではなくてそう思ってしまった。)
いずれにしろ、ここはジョシュアに完璧な形で勝利してほしいですね。
そして、セミファイナルにはクルーザー級のプロスペクト、ローレンス・オコリーが登場!
クルーザー級12回戦
ローレンス・オコリー(イギリス)14勝(11KO)無敗
vs
ニコデム・ジェゼウスキ(ポーランド)19勝(9KO)無敗1分1NC
元々WBO世界クルーザー級王座決定戦として予定されていたオコリーvsグロワキでしたが、グロワキがコロナ陽性反応。
代役としてジェゼウスキ(読み方わかりません。jezewski)がオコリーの相手に抜擢されました。王座決定戦のままなんでしょうかね。私が見た時点(12/9)ではBoxRecにはクルーザー級12回戦となっていますが、おそらく王座決定戦に再認定されることでしょう。
オコリーはリオオリンピックに出場経験のある元トップアマ。クルーザー級ながら、ジョシュアと変わらない身長(2m近く)のオコリーの武器はやはり長いジャブとストレート。
ジョシュアと比べても柔軟性に優れているように見えますし、身体能力も高そうです。
これまで数々の地域タイトルを獲得したトップ・プロスペクトが、いよいよ世界タイトルへ照準を絞っていくという戦い。
世界的に名の通ったグロワキだと、よりおもしろかったのですが。
ここまで最長7Rというオコリー、まだまだ試されていない部分もあろうかと思います。
対するジェゼウスキというボクサーは、あまり情報が出ていないボクサーですが、現在無敗。前戦で地域タイトルを獲得しているようです。
Youtubeにあがっている試合を見たのですが、ダウンを奪われ、奪い返してTKO勝利していた一戦でした。
身体の固そうなストレート系パンチャー、という印象ですが、KO率だけを見るとパワー差は明らかでしょう。
オコリーが単調になりすぎない限りはオコリーの優位は動かず、ここに苦戦するわけには行かないと思います。そもそもこのジェゼウスキは世界ランカーなのか?
この辺りはコロナの時代なので仕方ないのかもしれません。
尚、この前座にはタイソン・フューリー(イギリス)の従兄弟であるヒューイ・フューリーも登場。
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12/12(日本時間12/13)アメリカ
WBA世界スーパーフェザー級暫定タイトルマッチ
クリス・コルバート(アメリカ)14勝(5KO)無敗
vs
ハイメ・アルボレダ(パナマ)16勝(13KO)1敗
今年1月、ジェスレル・コラレス(パナマ)に勝利して暫定ながら世界初戴冠を成した、コルバート。24歳とまだ若いこの王者は、「塩」ボクシング界のトップ・プロスペクトです。
リラックスした体勢から抜群のスピードのジャブ、相手に合わせるカウンターの左フックが得意のようです。柔軟性もあり、ボディワークも非常に巧い選手ですね。
対するアルボレダの試合はハイライトで少し見ましたが、コルバートと違い前傾で、攻撃的なボクサーと言えると思います。こちらもジャブはスピーディで、コンビネーションがスムーズによく出ます。KO率を見るとパンチングパワーもあるのでしょう。
180cmとこのクラスでは長身ですが、それを前面に押し出したボクシングとは言い難いですね。コルバートがアルボレダを躱し切ったり、ディフェンシブなコルバートに対してアルボレダが攻めきれない、という展開になる可能性が高そうです。
コルバートに攻め込む事ができれば、アルボレダに勝機が出てきますが、どうなりますかね。
ちなみにこのクラスは、スーパー王者に先日レオ・サンタ・クルス(メキシコ)から王座を奪ったジャーボンタ・デービス(アメリカ)、正規王者にレネ・アルバラード(ニカラグア)がいます。両者ともにアクティブですが、暫定王者の防衛戦は相変わらず謎。
そしてこの試合のセミファイナルでは、ロナルド・エリス(アメリカ)vsマット・コロボフ(アメリカ)というミドル級の世界ランカー対決もあります。
12/12(日本時間12/13)アメリカ
WBOインターコンチネンタル・ライト級王座決定戦
フェリックス・ベルデホ(プエルトリコ)27勝(17KO)1敗
vs
中谷正義(帝拳)18勝(12KO)1敗
今週の大注目は、我々日本人にとっては間違いなくこの一戦でしょう。
WBOインターコンチネンタルの王座決定戦とのことですが、BoxRecには記載はなく、10回戦のままですね。12回戦になるんでしょうか?
中谷には、ここに勝って世界への道を切り拓いてほしいですね!
期待してWOWOWで見守りたいと思います!!
↓ベルデホvs中谷のプレビュー記事です。
FITE.TVの情報を見ると、やはりこの興行のメインイベントはこちらになっていますね。ベルデホvs中谷はセミファイナルのようです。
メインイベント
スーパーフェザー級10回戦
シャクール・スティーブンソン(アメリカ)14勝(8KO)無敗
vs
トカ・カーン・クラリー(アメリカ)28勝(19KO)2敗
元WBO世界フェザー級王者、シャクールの転級第二戦。相手はトカ・カーン・クラリー。
シャクールの転級第一戦の観戦記はこちら
バブルでの興行の第一回目でしたね。
クラリーはなかなか好戦的な選手で、サイドステップでの身体の入れ替えが巧いボクサーです。シャクールにとってはあくまでもチューンナップ戦ですが、倒しきれるか、というとどうなんでしょうか。
前戦では、カラバロをしっかり仕留めては見せましたが、やはりレベルが違った試合。クラリーは世界挑戦経験者、キッド・ガラハッド(イギリス)相手に判定負けをしているというレベルなので、やはりシャクールにはここをストップ勝ちして上に上がってもらいたいものですね。
スーパーミドル級8回戦
エドガー・ベルランガ(アメリカ)15勝(15KO)無敗
vs
ウリシス・シエラ(アメリカ)15勝(9KO)1敗2分
15連続1RKO、ベルランガがセミセミに登場です。
今回ももちろん、1Rで試合を決められるか、というのが焦点の一つです。
ただこの連続1RKOというのがプレッシャーになってしまわなければいいな、というのが心配事です。(いつもそう思って杞憂に終わるやつです。)
今年に入ってもう3戦目、このコロナ禍の中で着々とキャリアを築いていけるのは期待されているプロスペクトの特権でしょう。
このベルランガのパンチ力は破格。今回も楽しみです。
この興行には、他にオリンピック2連覇、ロベイシー・ラミレス(キューバ)も登場。こちらはもう今年4戦目、キャリアを築く時期です。
その後はエルビス・ロドリゲス(ドミニカ共和国)も登場と、いつも通りホープ達の競演。
前座試合も非常に楽しみですが、WOWOWさんはどこから中継してくれるんでしょうか。
WOWOWオンデマンドで午後0:00〜生配信です。ちなみに、FITE.TVでも日本時間午後0:00〜となっていますね。
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ちなみに、WOWOWでは毎年末、エキサイトマッチ総集編という今年の試合を振り返る番組がありますが、今回のゲストは井上尚弥(大橋)です。
今入れば、今月中は無料で見れますので、まだボクシングを見始めたばかり、という方はこの総集編を見れば世界の趨勢がわかりますよ。
年末に向けて盛り上がっていくボクシング!!
今週も楽しみですね!!!
しかしやはり、コロナで中止になる可能性があるのは心配。