先週末のDAZN興行は、人気者、アンソニー・ジョシュアが登場しました。
DAZNは日本語解説はないものの、アンダーカードからしっかり流してくれることと、アーカイブがしっかりあるので見逃しても安心です。
WOWOWオンデマンドも、タイムリーオンエアまで残してほしいですが、そうするとレギュラー放送見る人が減るからダメなんでしょうかね。。。
さて、今回のブログではイギリスで行われたマッチルーム興行、アンソニー・ジョシュアvsクブラト・プレフのメジャー3団体統一世界ヘビー級タイトルマッチと、セミファイナルにセットされたクルーザー級のプロスペクト、ローレンス・オコリーの一戦の観戦記を書いていきたいと思います。
↓プレビュー記事です。
12/12(日本時間12/13)イギリス
クルーザー級12回戦
ローレンス・オコリー(イギリス)14勝(11KO)無敗
vs
ニコデム・ジェゼウスキ(ポーランド)19勝(9KO)無敗1分1NC
↓ハイライト動画
WBOインターナショナル・クルーザー級のタイトルがかけられるそうです。
オコーリーは大きく、リーチが長い。右のガードをぴったりと頬につけ、遊びを入れたポジションの左は速く、突き刺すようなジャブです。
ジェゼウスキはまさにヨーロッパのボクサーという基本に忠実なボクシングをする印象がありますね。
初回開始早々、オコーリーがジャブを中心に攻めますが、このジャブにいまいち反応しきれていない雰囲気のジェゼウスキ。開始一分少々でオコーリーが上へのワンツーのあと、ジャブから右ストレートをボディに持っていって、ジェゼウスキは一旦間をおいてから膝をつきます。
そこは急所ではありません。。。
再開後、強引に攻めるでもないオコーリーですが、ここでも右ストレートを顔面に決め、ぐらつくジェゼウスキ。
二度目のダウンも右ストレート、これは額にあたっています。普通は効きにくいところではありますが、まだ固いジェゼウスキ、ここまでのダメージ、そしてオコリーのパワー。。。いろんなものが絡み合ってのダウン。ジェゼウスキはよく立ちましたが、この展開では希望薄。
このラウンドはひたすらガードを固めて耐え、1R終了のゴングを聞いたジェゼウスキ。
2R、オコリーのワンツーの打ち終わりに左フックを返すジェゼウスキ。これにすべての望みをつなげたい。
しかしオコリーもこれには警戒、ワンツーを打ってすぐにガードを戻すあたりはさすがの対応力です。
その後もオコリーはほぼワンツーでジェゼウスキを攻め立て、ガードをがっちり固めても効いてしまうジェゼウスキ。
最後は右がクリーンヒットしたところでジェゼウスキが倒れ、レフェリーがストップ。
ローレンス・オコリーの2RTKO勝利。
オコリー、非常に強いボクサーです。長い手足から繰り出されるワンツー(今日はほとんどワンツーだけでした)は、上下への打ち分けも自在であり、パワーも十分です。
この長いストレートを外すか、もしくはガードで耐えられるタフネスを持っていないと勝負にならないと思います。その点で、今日のジェゼウスキは勝負にすらならなかった。
このWBO世界クルーザー級王座は、現在空位。1位にグロワキ、2位にオコリーです。順当にいけばこの両者で決定戦が再セットされることでしょう。
そして4位には復帰したムラト・ガシエフ!!!これは楽しみすぎます。
クルーザー級が不人気だなんて言ったのはどこのどいつだ。
↓半年以上前の記事ですが、意外にも未だにアクセスが非常に多いです。
実は不人気階級ではないのでしょうか??
メインイベント
WBAスーパー・IBF・WBO世界統一ヘビー級タイトルマッチ
アンソニー・ジョシュア(イギリス)23勝(21KO)1敗
vs
クブラト・プレフ(ブルガリア)28勝(14KO)1敗
↓ハイライト動画
イギリスのAJ人気はすごいですね。同国人であるタイソン・フューリーのほうが世界的評価は高いと思うのですが、人気はAJなんでしょうか?
初回、ジョシュアはやや後ろ荷重でジャブを突き、まずは様子見ということで警戒心がアリアリのスタートです。プレフは細かい動きを入れながら中間距離でのフェイント合戦。
ジョシュアのほうがこの距離でのジャブに優れ、プレフは中に入らないと勝負にならなそうです。
2Rも同様にフェイント合戦。ジョシュアのほうがどっしりと構え、プレフは落ち着きがないように見えます。入るタイミングをうかがっているのでしょう。
このラウンドの1分過ぎと終盤、ジョシュアがコンビネーションを放ち、それをガードしたプレフは笑顔。虚勢。。。?
3R、このままではズルズルとジョシュアにポイントが流れてしまう、という矢先、強引にプレフが攻める場面を作ります。但し、有効打は奪えません。
逆にジョシュアの逆襲にあい、プレフは防戦一方!ジョシュアの右アッパーがクリーンヒット、その後プレフは後ろを向いてしまい、ダウンを宣告されます。
後ろ向いてはダメでしょう。。。戦意喪失でその場でKO負けもおかしくない。フィニッシュは近い。
再開後もジョシュアは迫力たっぷりの攻めを見せ、ここでも右アッパーが火を噴いてダウンを演出。プレフはガードしたときにハの字に空く(ガード時に脇が絞れていない)ので、アッパーが非常に有効ですね。
ここは時間がなく、フィニッシュはなし。アメリカだったら終わっているかもしれません。
4R、超余裕でニコニコ顔のジョシュア。ビビりが入っているプレフ。ジョシュアは少し疲れたのか、このラウンドは休憩。要所でまっすぐのジャブをヒットしますが、徐々に心身ともに回復の兆候を見せるプレフ。
5R、ジョシュアはきれいに倒そうとしているのか、ちょっと狙っている雰囲気がありますね。プレフとしてはこういう時にチャンスなのですが、なかなか攻め切れません。
残り一分のところでジョシュアは右をヒット。
6R、この中だるみともいえる時間帯は、見る側の集中力が試される時間帯です。ジョシュアは当たるパンチがあるのにさほど攻めず、(徐尾jにダメージを与える戦法?)プレフは突破口が見いだせないという状況。
ただ、ジョシュアは明らかにプレフの動きを見切っており、ここのところはワンツーを主体に攻めています。これは右アッパーの布石ともとれます。
7R、ジョシュアのジャブをかわし、左フックを打ちますが距離が近くなりすぎて後続打が出ないプレフ。
ジョシュアはいつ決めにいくのか?と思ったところで接近戦でトリプルの右アッパー、フックを返します。ワンツー出してガードさせて、右アッパーで決まりそうなんですけど。。。
8R、ジョシュアはボディへのジャブを多用。出てきたところに右アッパーを合わせようという算段でしょうか。プレフは自分から攻めたほうが良い攻撃ができますが、ビビりながら攻めている感じがするので、少し弱い。
9R、ここまでのジョシュアの、上下に散らされるジャブについて反応が落ちているような雰囲気のプレフ。
このラウンドもジョシュアは右アッパーを4連打。普通はこんな打ち方、怖くてできません。かなりの余裕。だったら早く決めてくれ。
残り時間が少なくなったところで、ジャブでガードさせてからの右アッパーがクリーンヒット!ぐらついたプレフに追撃して、プレフはダウン。
立ち上がったプレフに対して、ジョシュアはワンツー!押し倒されるように倒れたプレフは、すでにライフはゼロという状態でレフェリーストップ。
アンソニー・ジョシュアの9RTKO勝利。
非常に残虐なショー。ジョシュアは何かを確かめるようにノックアウトシーンを先延ばしにしたようにも見えました。
少しずつ痛めつけて、最後は美しいKOシーンを演出する、というのもボクシングの魅力の一つではありますが、この試合に関しては、ダウンシーン、KOシーンを見れば足りるかもしれませんね。
「ジョシュア強し」を印象づけた一戦ではありましたが、かなりリラックスして戦っていた雰囲気のジョシュア。フューリー相手にこういう戦い方ができるか?もしできたとしたら、大凡戦になる可能性だってありますね。フューリーの出方次第ですが。
個人的にはvsフューリーよりもvsワイルダーのほうが興味を惹かれます。