2021年が明け、はや半年。
すっかり正月気分も抜け、いよいよ明日1/14には日本でもボクシング興行がスタートします。
スタートを飾るのは、「スラッガー」栗原慶太(一力)vs「オールラウンダー」井上拓真(大橋)の大注目試合をメインに据えた、フェニックスバトル!
こんなにも注目興行にも関わらず、勿論生中継はなく、生配信もなく、「後日」「深夜」「録画放送」更には「関東ローカル」とテンションの下がる言葉が並びます。
現状、田舎からは出ていけないので(家族に打診はしてはみたものの、許可は降りず)、生観戦は断念、Youtubeにアップされるのを待ちます。
↓プレビュー記事
さて、本題。1/12(火)は、WBA世界ミドル級スーパー王者、村田諒太(帝拳)の35歳の誕生日でした。その際、いくつかのインタビュー記事で、今後の目標をIBF世界同級王者ゲンナディ・ゴロフキン(カザフスタン)に定め、今年の秋の開催を目指すとのこと。
35歳迎えた村田諒太、ゴロフキン撃破の青写真描く - ボクシング写真ニュース : 日刊スポーツ
サウル・アルバレス(メキシコ)とともに、これまでも名前を挙げてきたゴロフキン戦に向かって邁進していくとのこと、個人的にも願ったり叶ったりです。
村田陣営によると、4月か5月に防衛戦を一戦はさみ、その後秋にゴロフキン戦につなげたい、とのこと。この春の防衛戦では、「負けない」という事が前提となる分、幾分かイージーな相手を招聘することとなるのでしょう。
2017年、最初に獲得した王座のときも、ゴロフキンをはじめビッグネームとの対戦を求めていた村田。2度目の防衛戦、ラスベガスでの一戦は、「これに勝てば。。。」という状況で、ロブ・ブラント(アメリカ)にまさかの完敗。タイトルを奪われてしまいました。
しかし翌年にはブラントにキッチリとリベンジ、新たな村田諒太を大衆に見せつけ、その「ストロングスタイル」ともいえるファイトスタイルは、今後の村田のキャリアに大きく期待をさせるものでもありました。
そもそもブラントにリベンジできると、どれくらいの人が信じていたのでしょうか。ボクシングフリークや、これまで数々のボクシングを観戦してきたファンよりも、強固な村田ファン、ボクシングをあまり知らないけど村田は知っている人、の方が村田勝利の予想は出しやすかったかもしれません。
私個人としても、第1戦目を観る限りかなり勝ち目は薄い、と見ていた試合でもありました。対ブラント1戦目、村田は得意な距離で戦わせてもらえず、ブラントのパンチをもらいすぎ、倒れなかったのが不思議なほど。
更に、年齢的、ここまで歩んできたキャリアを見ると、これ以上の上積みは難しいようにも思えました。
もしかするとキャリアを閉じる試合になるかもしれない、そう思ったのは私だけではなかったと思います。
しかし、そんな私の悲観的な予想はかすりもせず、村田は初回からブラントを攻め立て、初戦よりもブラントがアグレッシブに来たことも幸いして、圧倒的なパワーでTKO勝利。
一発一発に力を込めて打つ、「喧嘩ボクシングより」のボクシングながら、自身の長所、つまりは身体の強さとパンチの強さを充分にわかった上でのボクシングの完成形。これは村田のニュースタイルというよりも、本当のスタイルなんだと確信した初防衛戦のスティーブン・バトラー(カナダ)戦。
学生時代のニックネームは「ラオウ」。プロになってナリを潜めていたスタイルながら、ブラント2戦目以降は開花し、もともと馴染んでいたスタイルだったのでしょう、その強さは未だ底を見せていません。
「敗北から学ぶ」ことができる村田諒太は、きっと今が全盛期なのでしょう。
しかし、年齢のこともあり、功を急いでいる感は否めません。
できれば、村田諒太というボクサーの全盛期を、あと数年、見ていたい、と思っています。
↓ゴロフキンの前戦の観戦記
村田本人にとって、幸か不幸か、標的としてきたサウル・アルバレスがWBA世界ミドル級スーパー王座を返上、そのスーパー王座のお鉢がまわってきた村田。正直、スーパー王者がいなくなっても正規王者を格上げさせる必要なんて全くないのに、何故かスーパー王者に格上げされた村田に、ゴロフキン戦への障壁はなくなった、とも言えます。
これはもしかするとWBA暫定王者、クリス・ユーバンクJr(アメリカ)を正規王者に昇格させるための措置なのかもしれません。
同じ階級の王者にもかかわらず、村田vsユーバンクという一戦の話題は一向に出てきません。これはアメリカで決まれば非常におもしろいと思うのですが、井上尚弥(大橋)と抱合せのラスベガス興行なんかでどうでしょうか。本場アメリカでも、多くのファンに知ってもらえる機会になるかもしれません。
村田にラブコールを送っているのは、歴戦の雄、セルヒオ・マルティネス(アルゼンチン)。プロ58戦を経験している45歳の元王者から見ると、ミドル級に少ないアジア人王者は穴王者と写っているのかもしれません。マルティネスは偉大な王者かもしれませんが、そこはしっかりとわからせてもらいたい、という思いも捨てきれません。
WBC王者にはジャモール・チャーロ(アメリカ)、WBOにはデメトリアス・アンドレーデ(アメリカ)といった無敗の王者がひしめき合い、どうしても村田の知名度、格は他の王者と比べて落ちてしまいます。
しかしその評価をどこかで覆してもらいたいですし、かつて日本人で初めてミドル級を制した竹原慎二(沖)が、初防衛戦でウィリアム・ジョッピー(アメリカ)と対戦したように、海外の真の強豪と渡り合う姿を見たいです。(ちなみにアンドレーデ戦は見たいとは思いません。)
春の防衛戦はランキング下位の相手でも文句は言いません。ただ、必ず勝ってもらいたい。そして、秋、ゴロフキンなのか、ユーバンクなのか、それともマルティネスなのか。いずれにしろ名のある選手とやってもらえればありがたいです。
ランキング上位につけている、カルロス・モンロー(アメリカ)や、前戦でホープ・アクメドフに印象的な勝利を飾ったカルロス・ゴンゴラ(アメリカ)といった危険なボクサーも多いですが、まだまだ名前が売れておらず、村田の対戦相手候補としては微妙。
もしくは、ハイメ・ムンギア(メキシコ)というのも大アリなのですが、ムンギアは村田挑戦に興味を示さない気もします。
さて、とりあえずたくさんの名前を列挙してはみたものの、当然のことながらまだ情報はありません。村田が春、誰を防衛戦の相手に選ぶのか。4〜5月頃の開催という事であれば、今月中か来月中くらいに発表がありそうですね。
とりあえず春に防衛戦→秋にビッグネームという話が出ているので、もう既に水面下では決まっているのかもしれません。
春は強い相手でなくても良い、しかし、村田には是非是非ビッグマッチに辿りついてもらいたいものです。そして、その相手に勝利し、その強さを全世界に示してもらいたい、とも思います。
↓村田のキャリアを振り返った記事です。