信太のボクシングカフェ

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ボクシングが大好きです。大好きなボクシングをたくさんの人に見てもらいたくて、その楽しさを伝えていきたいと思います。

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栗原慶太vs井上拓真のOPBF世界バンタム級タイトルマッチを視聴!今後の両者に期待!!

先日、1/14(木)に行われたフェニックスバトル。

この大橋ジムの興行が、日本国内のボクシング興行の幕開けとなる興行となりました。

↓プレビュー記事

boxingcafe.hatenablog.com

OPBF東洋太平洋バンタム級タイトルマッチ

栗原慶太(一力)20戦15勝(13KO)5敗

vs

井上拓真(大橋)14戦13勝(3KO)1敗

 

王者、栗原はIBF世界バンタム級4位という世界ランカーであり、挑戦者井上はWBO世界バンタム級、WBC世界バンタム級でともに7位という世界ランカー。

世界上位ランカー同士のサバイバルマッチであり、勝利すれば相手の世界ランクを奪えるというハイリスク・ハイリターンの一戦です。

右強打を武器に、高いKO率を誇る栗原は、「スラッガー」のニックネーム通り、その右ストレートで多くの衝撃的なKOを量産してきたハードパンチャー。

対する井上は、KO率こそ低いものの総合力の高いボクサーであり、デビュー以来ハードなマッチメイクで国内のトップレベルのボクサーを総なめにしてきました。

 

この大注目の一戦が、試合数日後のド深夜、関東ローカルの録画放送というのは何とも寂しい。

平時であれば是非生観戦したい試合でしたが、今回はコロナ禍のため、私は行けませんでした。

関東圏に住んでいない身としては、Youtubeに上がるのを待つしかありません。とはいえ、このご時世、放映さえされればすぐにアップされるのが常。幸運にもこの試合をYoutubeで視聴することができました。

という事で、今回は栗原vs井上のOPBF東洋太平洋バンタム級タイトルマッチの観戦記です。

向かい合うと栗原の方が高身長。

まずはリング中央で様子見。栗原はやや打ち気に逸っているようにも見えます。井上はリングを大きめに使い、攻める栗原をまずはステップでいなします。

 

スピード差は思ったよりあり、井上の方が踏み込みが鋭く、速い。元々栗原の勝ち筋はKOしかないと思われますので、ある程度の我慢は必要に思います。

終盤、バッティングで栗原の左瞼がパックリと割れ、出血。

インターバル中も出血は止まっていません。

2R、栗原はより攻撃的に出ていきます。思い切り振っていく右はやはり迫力充分、この右は要注意であり、このスラッガーのパワーこそが試合を興味深いものにしている要因です。

しかし、井上は逆に右オーバーに似た右を浅くヒット。

 

井上はサークリングしながら、栗原が右を打ってくるタイミングを図って右を伸ばす。そして飛び込みの左フックも速く、力強いですね。

井上は常に動き、栗原に的を絞らせません。押せば引き、そして回る。

3R、序盤栗原の攻撃が良いです。連続ジャブで近づけば井上もまっすぐ下がるので、右が当たりやすくなるかもしれません。

しかし、距離が近くなっても井上はうまい。井上の右がヒットし、栗原はバッティングで受けた傷がまた出血。

ノーコンテストになれば困るのは井上でしょうから、井上は右を出しづらくなりますね。そして栗原としてもそれは本意ではないでしょうから、自らのパンチを当てに行くことを至上命題として前進します。

栗原の強い右はことごとく外され、井上は左フックを上手く使いその前進をいなします。

4R、井上は左右のステップが素晴らしい。左に左にサークリングしつつ、時折右にステップ、からすぐに左にステップして左フック。栗原はパンチを放つ際、力を込めて打つ分、体が止まってしまう(溜めてしまう)ので、そこで井上のパンチをもらってしまいやすくなります。

 

4R終了、途中採点は39-37×1、40-36×2で井上。

そしてこのラウンド終了を持って、ノーコンテストでの決着はなくなります。(以降は負傷判定)

5R、ここまでよりも強い右を放ちはじめた井上。その右に左をフォローし、ガードの甘い栗原はこのパンチももらってしまいます。

サークリングする井上!距離を詰める栗原!しかし距離が近くなっても井上は上体でかわし、狭い場所でもサイドステップで回り込みます。この当たりはもうカネロばりのディフェンス。

栗原は左を伸ばし、距離を図りますがどうしてもモーションが生まれ、ディフェンス観の良い井上に当たりません。

6R、栗原が少し闘い方を変えたか、サークリング。井上がプレスをかける展開になります。パンチが当たらない栗原は、色々と試してみるべきなのは納得。

しかし普段と違う闘い方は所詮付け焼き刃、逆に井上のワンツーを浴びてしまいます。

中盤以降は栗原もステップを踏むのをやめ、アグレッシブに攻め入ります。

 

7R、やはり栗原はプレスをかける闘い方に戻しました。栗原が攻め入って距離を詰める際にいくつかのコンビネーションを出し、栗原がパンチを出した時には井上はすでにその場にいません。

井上拓真というボクサーの技術の粋が、この一戦に出ています。

8R、井上の運動量は変わらずすごい。まわってまわって、栗原が打つ前に右ストレート、もしくは左フックを打ち、栗原がそれをガードした時にはその場にいない、という展開がここまでずっと続いています。

栗原はあまりに無策に思います。

井上は栗原のガードの間隙を縫い、アッパーもヒット。

8R終了時の採点は、79-73×2、80-72で井上。

9R、このラウンドも展開は変わらず。栗原は足は前に出ますし、パンチも出ますが届きません。その動きの中で井上はパンチを的確にヒット、そして栗原は1Rにバッティングにカットした傷からまたも出血。

 

そしてこのラウンド終盤、その傷が続行不可能とみてドクターがストップ。

負傷判定で井上拓真が3-0の判定で勝利。

勝利者インタビューで、「相手の土俵に付き合わず、自分のボクシングに徹する」ことがテーマだったと語った井上。

井上拓真のボクシングは、まさに闘牛士のようなボクシングでした。

そう考えると、前に出てくる栗原のようなタイプは相性も良かったかもしれません。栗原としては、バッティングによるカットの影響も有り、倒そうという気持ちが強く、早々とモーションを盗まれてしまったことが敗因かもしれません。

いずれにしろ、強敵栗原を完璧なかたちでアウトボックスし、健在を示した井上拓真。

 

これまでの闘いの中では、井上は相手に併せて前に出ることが多かったように思います。打って出て、その後のバックステップをするタイミングでパンチをもらい、そのまま倒れてしまったのが前戦のウーバーリ戦でのダウンでした。あの時、下がる時に不用意すぎた感じがした井上でしたが、今回はバックステップする時も相手のパンチを警戒しつつ、ディフェンス面、バランスに改善が見られたように思います。

今回のような完全に力の差を示せた時には、是非倒しにいってもらいたい、と思うのは贅沢かもしれませんが、是非そうなってもらいたい。

そして更に上のレベルで闘うには、ディフェンスと単発のパンチだけでなく、しっかりと自らゲームメイクしていく力が必要かと思います。まだまだ井上拓真には伸びしろがあると思われるので、兄・尚弥とは違う期待が大きいです。

さて、一方敗れた栗原でしたが、凄まじいまでの闘争本能を見せてくれました。打たれても打たれても決して退かず、初回のカットのあともその影響を微塵も感じさせない強さを見せました。

影響がなかったか、というとあったとは思うのですが、カットがなければ栗原のパンチが当たっていたか、というとそうは思いません。

栗原が露呈したのは、その攻撃力に隠れて陽の目を見なかった、引き出しの少なさ。

ここから、その部分を補うのか、それとも長所である左右に更に磨きをかけるのか。

 

かつて山中慎介は、左ストレートを当てることを極め、自身も「世界一引き出しの少ない世界王者」と自虐的に語っていたことがあります。

栗原には、そんな無骨な、それでいてロマンあふれるボクサーになってもらいたい、と心から思います。こちらも今後に期待です。

さて、他はダイジェストで流れたものですが、簡単な感想を。

58.0kg契約6回戦

ベジータ石川(折尾)vs松本圭佑(大橋)

 

強いプレスをかける松本ですが、変則サウスポーベジータの左オーバーハンドをガードの上からもらってしまい、少しぐらつきます。しかしその後はしっかりと落ち着いてコーナーに詰め、最後は右ショートをダブルでヒットし、レフェリーストップを呼び込みます。

前回のデビュー戦でもダウンを喫している松本、今回も隙なしとはいきませんでしたね。まだキャリアの形成期という事もあるかもしれませんが、修正は必要そうですね。

スーパーフライ級6回戦

興法裕二(新日本木村)vs中垣龍汰朗(大橋)

サウスポー同士の一戦、興法はなかなか変則のボクサーです。フィニッシュは4R、防戦一方となった興法に対し、手を緩めることなくラッシュした中垣。最後は見事なボディでした。

チャンスの時も冷静に上下の打ち分け、そして軽いパンチを含めたコンビネーションを出せる辺りは、やはり元トップアマのレベルの高さを感じます。

 

これで松本、中垣ともにA級ボクサー。

これまではお披露目の意味合いが強かったと思いますが、ここからは是非強敵を倒してのし上がっていってほしいですね。

ミニマム級8回戦

竹田宙(S&K)vs森且貴(大橋)

 

数分のダイジェストだとよくわかりませんが、森はとにかく速いですね。ダイジェストではアグレッシブさ、スピード、手数で森が上回っているように見えます。

しかし竹田も時折素晴らしいカウンターを決め、自身の力を証明しています。

ミニマム級の試合はKOこそ少ないですが、そのスピード感あふれるボクシングは非常におもしろいですね。

ランカー同士の一戦にふさわしい、ハイレベルな試合だったようです。

判定は、3者ともに77-75で森を支持したようです。

この試合は、コロナ禍でないとなかなか実現が難しい試合だったかもしれませんね。新人王を獲ってランキングに入ったなら、大事に育てたいと思うのが常でしょう。

 

新人王同士という実力が伯仲するであろう勝負に出た両陣営に拍手を贈りたいです。

さてさて、この興行から2021年の国内ボクシングはスタートしていますが、まだまだこれからも楽しみですね。

この興行の翌々日、OPBF東洋太平洋ウェルター級タイトルマッチも開催されましたが、そちらも非常に好試合でした。

↓観戦記

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今年も素晴らしいボクシングの試合が見れることを楽しみにしています。

 

 

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