信太のボクシングカフェ

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ボクシングが大好きです。大好きなボクシングをたくさんの人に見てもらいたくて、その楽しさを伝えていきたいと思います。

日本バンタム級王者、鈴木悠介が返上&引退。今後の活躍の祈念と、日本バンタム級。

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2021年1月26日、日本バンタム級王者、鈴木悠介(三迫)が王座を返上し、引退。

news.yahoo.co.jp

 

引退理由は右目の網膜剥離であり、練習でも悪化してしまったことのようです。

2019年に苦労の末、悲願の日本王者となり、これからといったところでしたが、非常に残念なニュースです。ただ、この網膜剥離というボクサーにつきものの怪我は致し方がありません。

アマで78戦、プロで14戦、素晴らしい戦歴です。本当にお疲れ様でした。

ボクシングモバイルのインタビューでベストバウトは齊藤裕太(花形)から日本タイトルを奪取した試合、と語っていますが、あの一戦は本当に記憶に残る大激闘。

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激闘型のファイター、「ミスタータフネス」と呼ばれたプロ叩き上げの齊藤を相手に気持ちで負けず、最後まで打ち合った鈴木は、ほぼ互角の前半を折り返したのち、後半にポイントを奪い、見事3-0の判定で王座を奪取しました。

正真正銘、王者から奪い取ったベルトの防衛戦こそできませんでしたが、あの死闘とも言える激闘を忘れる事はできません。

↓大激闘は必見!!

 

2月に会社を設立し、事業を興すようですので、これからの活躍に期待しています。

さて、前正規王者の齊藤裕太も、苦労に苦労を重ねたボクサーです。

はじめての王座挑戦は赤穂亮(横浜光)。2017年時点ですでに実績充分だった赤穂に対し、怯まずに前進、前半リードするも後半にストップされ、夢は叶わず。

翌2018年6月に村中優(フラッシュ赤羽)と王座決定戦が組まれますが、村中が減量に失敗、王座決定戦自体が中止になってしまいました。

同じ2018年1月には、王者だった赤穂亮が減量失敗して試合を流し(その相手は鈴木悠介でした)、相次ぐ軽量失敗、タイトル戦の不開催に「呪われたバンタム」と言われた時期です。

その年の9月、菊池永太(真正)との王座決定戦を制し、見事日本タイトルを掴んだ齊藤。そこまで22戦10勝(7KO)9敗3分という戦績だったボクサーが掴んだ栄光は、見ていて非常に感動を呼ぶものでした。

↓齊藤裕太の戴冠戦!

 

しかし、その齊藤はその潰瘍性大腸炎を罹患し、同年12月の防衛戦(相手は鈴木悠介!)をキャンセル。

それにより、木村隼人(ワタナベ)vs高野誠三(真正)で暫定王座を争う事になりました。

その一戦で暫定王者となった木村と、正規王者齊藤は2019年4月に激突、見事齊藤が5RTKOで勝利し、木村は引退。

同年7月、齊藤は鈴木悠介にタイトルを明け渡し、引退。

そしてこの度、鈴木が引退。

 

時系列に並べると、「呪われたバンタム」の系譜はこうです。

2018年1月、赤穂亮が減量失敗により防衛戦をキャンセル、タイトル返上。

2018年6月、王座決定戦に出場予定の村中優が減量失敗、決定戦が中止に。

2018年9月、齊藤裕太が王座決定戦を制し新王者に。

2018年10月、齊藤裕太が潰瘍性大腸炎を発病、暫定王座設置へ。

2018年12月、木村隼人が暫定王者に。

2019年4月、統一戦で齊藤裕太が勝利。王座統一&初防衛に成功。

2019年7月、鈴木悠介が齊藤を降し、新王者に。

2021年1月、鈴木悠介が網膜剥離により王座返上、引退。

鈴木が戦後第73代目の日本王者であり、この73人もの正規王者を排出してきたバンタム級は、歴史が古いこともありますが変遷の多い階級であるともいえます。

同じく戦後すぐにタイトル戦のあったフライ級は現王者、ユーリ阿久井政悟(倉敷守安)で58代目、フェザー級は現王者、佐川遼(三迫)で64代目。

 

バンタム級の日本王座を獲得したボクサーは、初代がピストン堀口の弟、堀口宏(帝拳)であり、2代目が花田陽一郎(堀口)と草々の頃から日本ボクシング界のビッグネームが並び、白井義男(シライ)は勿論、ファイティング原田の弟である牛若丸原田(笹崎)、逆転の貴公子・高橋直人(アベ)といった日本を熱狂させたボクサー、辰吉丈一郎(大阪帝拳)や薬師寺保栄(松田)、西岡利晃(JM加古川)や山中慎介(帝拳)、岩佐亮佑(セレス)等々ののちの世界王者たちもこの日本タイトルからステップアップしています。

岩佐以降の日本王者は、大場浩平、益田健太郎、大森将平、赤穂亮、齊藤裕太、木村隼人(暫定)、鈴木悠介ですが、先日復帰した大場、番狂わせ負けを喫した大森、ラモナル挑戦を希望している赤穂以外は皆引退してしまいました。

日本王座というのは一つの区切りになるためか、負ければ引退というボクサーが多いのも事実です。

さて、今後、日本のバンタム級戦線はどうなるのでしょうか。

 

今月(2021年1月)のランキングでは、1位に澤田京介(JBスポーツ)。

本来であれば、2020年のチャンピオン・カーニバルで鈴木に挑戦予定でした。澤田にとってはデビュー戦で鈴木に敗北を喫しており、リベンジの機会でもありましたから残念でしょうね。

ただ、今後王座決定戦への出場チャンスはあるでしょう。

2位に定常育郎(T&T)、3位に大嶋剣心(帝拳)。この両者は2019年に対戦しており、大嶋が勝利しています。

4位に破格の強打者、中嶋一輝(大橋)。

6位に横浜光期待のセンスの塊、千葉開(横浜光)。

9位には中嶋に破れはしたものの、こちらも強打を持つ南出仁(セレス)。

10位には赤マル急上昇、堤聖也(角海老宝石)。

11位にユース王者であり超新星・石井渡士也(REBOOT.IBA)。

12位に静岡の期待の星、村地翼(駿河男児)。

 

名前を挙げていないランカーも含めて、楽しみなボクサーばかりです。

この大混戦を勝ち抜き、前述の偉大なボクサーに肩を並べる事のできるのは誰でしょうか。

個人的には、不遇ともいえる堤聖也を最も推し、次点でハードマッチメイクが光るREBOOT.IBAの石井渡士也、そして千葉開にもかつての勢いを取り戻してもらいたい。

これからはじまる国内バンタム級ウォーズも非常に楽しみです。

鈴木悠介チャンピオンの、これからの活躍をお祈りし、跡を継ぐボクサーたちの奮闘にも大いに期待しています。

 

 

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