3/14(日)のホワイトデーまであと一週間。
職場でいただいた義理チョコのお返しを用意しないといけないのですが、気持ちの上でそれどころではありません。この悪しき風習を誰か断ち切ってもらいたい笑
さて、日本時間3/14(日)はいよいよ、待ちに待ったエストラーダvsロマゴン。
本日のプレビュー記事はこのスーパーフライ級王座統一戦にして、最強決定戦ともいえる一戦のプレビューです。
WBAスーパー・WBC世界スーパーフライ級王座統一戦
ファン・フランシス・エストラーダ(メキシコ)44戦41勝(28KO)3敗
vs
ローマン・ゴンサレス(ニカラグア)52戦50勝(41KO)2敗
両者併せて96戦というものすごいキャリア。
30歳のエストラーダと、33歳のロマゴン。
とはいえ、ともにロートルと呼ぶにはまだまだ早すぎる存在であり、エストラーダに至っては今が全盛期なのかもしれません。
そしてロマゴンも、階級をあげてきたがために全盛期のパフォーマンスには及ばないものの、まだまだ力を残しています。
エストラーダは2008年にデビュー、2011年5月にファン・カルロス・サンチェス(メキシコ)というボクサーに判定負けを喫して初黒星。その後同年の12月に10RTKOで雪辱しています。
そして2012年11月に世界初挑戦。
その時の相手こそ、当時のWBA世界ライトフライ級王者、ローマン・ゴンサレス。ロマゴンはこの時既に2階級制覇を果たしており、4度の防衛(うち3連続KO)を済ませた安定王者でした。
そのロマゴンに善戦したエストラーダでしたが、3-0の判定負けで初挑戦は失敗。この試合のあと、ロマゴンはこのライトフライ級王座を返上、フライ級へ上がっていきました。
ロマゴンに敗北してしまったエストラーダでしたが、すぐにチャンスが訪れます。
なんと復帰戦でWBAスーパー・WBO世界フライ級統一王者であったブライアン・ビロリア(アメリカ)に挑戦、判定勝利を得て一気にフライ級の2冠王者となりました。
この一戦は、当初ビロリア優位と出ていた一戦。しかし、互角の序盤をしのいだ後、エストラーダのボディ攻撃が功を奏し、12Rを通しての我慢比べの打ち合いは、スタミナとハートで勝るエストラーダに軍配が上がりました。後半は圧倒していたような試合でした。
この試合でロマゴン戦の善戦がフロックではなく、世界レベルを証明したという一戦だったと思います。
この統一王座は5度防衛のあと、返上。主戦場をスーパーフライ級へと移します。
2017年9月、カルロス・クアドラス(メキシコ)を僅差判定(3者ともに1P差!)で降し、ロマゴンを倒して時の人となったシーサケット・ソールンビサイ(タイ)に挑戦、0-2の判定負けで2階級制覇ならず。
しかし、再起戦で挑戦者決定戦を勝ち抜き、またもシーサケットに挑戦、ここは僅差ながら3-0の判定で勝利し、ここまで2度の防衛に成功しています。
昨年10月のカルロス・クアドラスとの防衛戦は、倒し倒されの激闘の末、地力の高さを証明した一戦。やはりこのボクサーは、ハートとスタミナに秀でており、後半が特に強い。
↓観戦記
対してローマン・ゴンサレスは2005年プロデビュー、世界初挑戦は2008年でした。当時のWBAミニマム級王者は日本の誇る天才、新井田豊(横浜光)。王座を7度防衛中の安定王者ではあったものの、このロマゴンは前評判から既に「怪物」と呼ばれていました。
ロマゴンは天才新井田を4Rで粉砕して初戴冠、3度の防衛のあと返上してライトフライ級へ。
ライトフライ級の王座は5度防衛してスーパー王者に昇格後、返上してフライ級へ。
強すぎて王者から逃げられるロマゴンに、救いの手を差し伸べたのは激闘王、八重樫東(大橋)でした。
この最も強かった頃のロマゴンに果敢に挑んだ八重樫は、9Rで力尽きます。
↓八重樫のキャリアを振り返った過去記事です。
このフライ級のロマゴンは本当に圧巻。ロッキー・フエンテス(フィリピン)を6Rで、エドガル・ソーサ(メキシコ)を2Rで、ブライアン・ビロリア(アメリカ)を9Rで仕留め、その後もマクウィリアムス・アローヨ(プエルトリコ)を全く寄せ付けずほぼフルマークの判定勝利。4度の防衛のあと、運命のスーパーフライ級へ転級。
当時無敗のカルロス・クアドラスに挑戦し、これに勝利して4階級制覇を成し遂げました。
しかし、この初防衛戦でシーサケット・ソールンビサイに僅差の判定(0-2)を落とし、敗北。しかしこの判定は非常に微妙なもので、ロマゴンの勝利を支持する声も多かったため、ダイレクトリマッチへと進むことになったのです。
そして約半年後の再戦でこの世に放たれたのは、誰もが予想だにしなかった光景でした。
戦慄を覚えるほどの、ノックアウト劇。
軽量級にして、PFPキングと呼ばれたロマゴンの時代の終焉を告げる一撃でもありました。
ライトフライ級、フライ級では通用したロマゴンのパワーは、ナチュラルなスーパーフライであり、強いフィジカルを持つシーサケットには通用しませんでした。
このロマゴンの敗北は非常にショックでしたね。。。
ロマゴンはその後1年のブランクをつくり復帰、そしてその復帰初戦から第二戦までの間も1年以上の時間を有しました。
故郷ニカラグアの情勢不安等もありましたが、2018年、2019年はそれぞれ1試合ずつ。ただ、これはダメージを抜く良い期間となったかもしれません。
2020年2月、WBAスーパーフライ級王者、カリド・ヤファイ(イギリス)に挑戦、素晴らしいボクシングを披露して王座返り咲き。
↓ヤファイvsロマゴンの観戦記
そしてその初防衛戦でエストラーダと競演、イスラエル・ゴンサレス(メキシコ)を降し、今度の統一戦を迎えることとなりました。
さて、今回のエストラーダvsロマゴン戦も非常に接戦が予想されます。
ロマゴンはこれまで通り、頭を振って攻めていくでしょうし、エストラーダはそれを迎え撃つでしょう。12Rを通じての、近い距離での技術戦、そして我慢比べ。やはり試されるのはハートとスタミナ、「至高の殴り合い」ともいうべき、非常にハイレベルな「ファイト」を見せてくれるのだと思います。
これは見ている方も疲れます。きっと。
私はロマゴンを応援しています。とはいえ、ロマゴンvsシーサケット3というのは見たくない。複雑な心境です。
そしてこの試合のセミセミ(?)には、我らが京口紘人(ワタナベ)の防衛戦も組み込まれています。アメリカデビュー戦、爪痕を残してもらいたいですね。
↓プレビュー記事
そしてそして、この日の同日(日本時間では前日の3/13)にはエストラーダ、ロマゴンのライバルであるシーサケットも登場です。
とにかくスーパーライト級はおもしろい。
このエストラーダvsロマゴンの勝者への挑戦チケットを持っているボクサーは、エストラーダと1勝1敗、ロマゴンに連勝しているシーサケットだけではありません。
3階級制覇王者、田中恒成(畑中)を倒しきった井岡一翔(Ambition)!
↓田中戦の観戦記
そしてその井岡に挑戦状を出している、IBF王者のジェルウィン・アンカハス(フィリピン)!
このアンカハスは次戦でジョナサン・ロドリゲス(メキシコ)の挑戦を受けるとのことで、日程が4/11とアナウンスされています。
このロドリゲス戦をクリアした暁には、井岡との統一戦をセットするとかしないとか。
そうなったらアツい!
この井岡vsアンカハスの勝者が、ふたつのベルトを持ってエストラーダvsロマゴンの勝者との統一戦をするとなると、胸アツの展開が待っていますね。4団体統一戦というのは、両者ともに2つのベルトをコレクトしていると好ましい。
さて、その他にもまだまだ、有力ボクサーはいます。
復帰するというニュースが一時期聞こえたような気がするドニー・ニエテス(フィリピン)。
ジョシュア・フランコ(アメリカ)とアンドリュー・マロニー(オーストラリア)も気になります。マロニーは改めて、良いボクサー。
そして田中恒成も、この階級ではまだまだこれからのボクサー、そしてまだ若い。
そして個人的にはリトル・パッキャオ、日本、OPBF、WBOアジア・パシフィック王者である福永亮次(角海老宝石)にも、頑張ってもらいたいと思っています。
まだまだ楽しみなスーパーフライ級、まずは3/13のシーサケット、そして3/14の頂上決戦を楽しみましょう!
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