信太のボクシングカフェ

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ボクシングが大好きです。大好きなボクシングをたくさんの人に見てもらいたくて、その楽しさを伝えていきたいと思います。

寺地拳四朗と久田哲也。因縁の一戦が4/24(土)に決定!

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寺地拳四朗(BMB)。

元日本ミドル級王者であり、元OPBF東洋太平洋ライトヘビー級王者である寺地永を父に持つ、サラブレッドです。

17戦全勝10KOという戦績を誇るWBC世界ライトフライ級王者は、この階級最強の称号を手にして久しい。

それもそのはず、在位にしてもうすぐ4年、これまでに7度の防衛に成功している安定王者です。しかもその7度の防衛中、5つのKO勝ち。この階級の世界戦で、このKO率は圧巻です。

 

その拳四朗ですが、コロナ禍真っ最中の昨年7月、泥酔の上マンションに不法侵入、駐車中の車を損壊させたというニュースで週刊誌にスッパ抜かれました。

本人もそのことを覚えていなかったようで、それが発覚したのが11月のことであり、12/19に予定されていた防衛戦は延期に。

↓事件発覚前に書いた記事です。

boxingcafe.hatenablog.com

その後、JBCからは制裁金300万円、3か月のライセンス停止処分のほか、社会奉仕活動を言い渡され、贖罪。

そしてこのほど、プロモーターからこの一戦が4/24(土)に開催されることが発表となりました。

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拳四朗と久田の因縁

そもそも拳四朗と久田哲也(ハラダ)とは、2017年4月2日、日本タイトルをかけて戦う予定でした。

しかし、一度は合意したこの日本王座戦でしたが、拳四朗に世界タイトルマッチの話が来たために拳四朗は王座を返上、同年の5/20に世界タイトルに挑戦し、見事これを勝ち取っています。

掘り返すとひどいことをしているようにも思いますが、世界タイトル戦の話が舞い込んできた場合、そちらを優先してしまうことはままあることのような気がします。

ただ、挑戦者・久田からすると激高するのもうなずけます。

先に決まっていた自分との試合を蹴って、おいしい話に食いついたというのはおもしろい話ではありません。

ここで因縁めいたものが生まれた両者は、前述のとおり2020年12月19日、3年と8か月の時を経て対戦するはずでした。

しかし今度は拳四朗の不祥事。

 

久田はまたも肩透かしを食らうこととなったのですが、こちらの件は拳四朗に同情の余地はありません。

2017年以降の両者

拳四朗は、2017年5月に世界タイトルを獲得後、初防衛戦こそ元王者のペドロ・ゲバラ(メキシコ)相手に苦戦するものの、2度目の防衛戦以降は素晴らしい距離感と一瞬のスキを突くカウンターで圧勝劇を繰り広げています。

一度はIBF王者のフェリックス・アルバラード(ニカラグア)との統一戦が組まれました(結局はアルバラードの病気により中止)が、ここも拳四朗優位の予想だったと思います。

対して久田は、拳四朗が返上した日本王座をめぐって2017年4月21日に堀川謙一(三迫)と対戦、この王座決定戦に判定勝利を挙げ、見事戴冠。プロ叩き上げの苦労人は、プロ生活13年にして初めてのタイトルを手にしました。

その後、この王座を5度防衛(2KO)して前哨戦をクリア、2019年10月に京口紘人(ワタナベ)の持つWBA世界ライトフライ級スーパー王座へ挑戦しましたが、判定負け。

 

地元の大声援を受け、大いに健闘しましたが、あと一歩、世界タイトルへは届きませんでした。

46戦34勝(20KO)10敗2分、拳四朗の3倍近くのキャリアは大きな武器でもあります。

拳四朗戦を待つ間、久田には所属するジムの会長、原田実雄氏が亡くなるという不幸もありました。久田はこの一戦で、亡き師の墓前にジム初となる世界タイトルのベルトを添えられるか。

 

拳四朗にとっては、禊ともいえる一戦。久田にとっては、3度目の正直という拳四朗との一戦であり、溜まりに溜まった鬱憤を晴らすステージでもあるかもしれません。

ただ、いつも冷静に戦う拳四朗にとって、もし万が一、久田が熱くなってしまえばそれこそ術中にはまってしまうでしょう。

 

拳四朗は距離感に優れ、おいそれと相手のラッシュを許さない上、スピードもあり、オフェンシブ。

どうしても戦力的には拳四朗優位と見えるこの一戦ですが、久田への応援は大きいでしょうね。

たった一度の過ちで、ヒールとなってしまった拳四朗は、この一戦で良い勝ち方をして存在を示さなければなりません。それこそ、対抗王者である京口が、ダウンを奪って判定勝ちした久田に対しては、ストップ勝ちをすることが評価につながる出来だと思います。

対して久田としては、前戦での世界タイトル敗北から、ダイレクトに回ってきたこのチャンス。世界タイトル戦が決まったボクサーは、これまでの限界を突破して練習するでしょうし、おそらく京口戦へ向けてもレベルアップしたのだと思います。

 

そして拳四朗戦は、本来昨年12月、そこから約5か月、きっと拳四朗と拳を交えることだけを念頭にトレーニングを積んできたことでしょう。

身から出た錆で、身辺でいろいろあった拳四朗とはその準備期間中のトレーニングにおいて一線を画しています。

世界戦とはいえ、連敗を免れたい久田としては、どんな形であれここは勝利をつかみ取りたいところでしょう。

圧勝でこそ評価を高められる拳四朗。

僅差のスプリットであろうと勝利さえすれば良い久田。

そして、この空白の5か月間が、両者のメンタルにどのように影響するのか。

日本人同士の世界タイトルマッチというものは、盛り上がることが常ではありますが、今回はまた変わった形で応援者が分かれそう。

いずれにしろ、周囲も含めて、清々しい好試合が見たいものです。

ちなみに私は、不祥事を起こそうとも、拳四朗の素晴らしいボクシングに期待しています。(小声)

 

 

 

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