信太のボクシングカフェ

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ボクシングが大好きです。大好きなボクシングをたくさんの人に見てもらいたくて、その楽しさを伝えていきたいと思います。

全試合、激闘。ダイナミックグローブのG+観戦記。

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本日はお休みなので、久々最初からリアルタイム観戦。李健太vs石脇麻生をメインに据えた、ダイナミックグローブの観戦記です。

↓プレビュー記事

boxingcafe.hatenablog.com

 

 

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スーパーライト級4回戦

橋本拓海(帝拳)vs並木翔冴(宮田)

1戦1勝の橋本と、1勝(1KO)1分の並木。

ともに身長はスーパーライト級にしては低い方なだけあって、体つきはかなりゴツい。その二人がフルスイングのパンチを交換するこの試合は、4回戦ながら迫力十分です。

キックボクシング出身の橋本、空手出身の並木、両者ともにパワーパンチを打つ様は胴に入っています。

序盤は並木の左右のフックで橋本を下がらせる場面もあり、やや優勢に試合を含めます。

3Rは互角、4Rには橋本が持ち直し、あわや逆転かと思わせる攻勢に出ましたが、並木も懸命に打ち返して規定の4Rを終了。

38-38、39-37×2、2-0の判定で並木の勝利。

両者ともにほとんどのパンチをフルスイング、力のこもった良い打撃戦でした。もみ合いになる場面も多かったですが、第1試合から面白い試合を見れました。

 

フェザー級6回戦

藤田健児(帝拳)vs木村元佑(JM加古川)

アマチュア10冠。174戦というキャリアを引っさげ、帝拳ジムからプロデビューする注目のアマエリート、藤田健児。デビュー戦で、曲者の木村を迎えます。

初回、藤田はやはり戦い慣れており、このホールの場にも慣れています。かなりの余裕が見えますね。サウスポー同士のスタート。

この木村はかなりの曲者。変則的な動き、軌道の読めないスイングを振るってきます。落ち着いている藤田は、1Rも終盤になるとこの木村の距離に慣れてきたように想います。

2R、藤田がプレスをかけていく展開となります。ジリジリと詰め、たまらず木村が出てきたところで合わせようというスタイル。木村もそれもわかっていて、なかなか手がでない両者。思いの通りに戦えない藤田ではありますが、これはプレスをかけて稀にクリーンヒットを奪っている藤田の方にポイントが流れているとは思います。

3R、藤田はプレスを強くします。それでも木村は攻めづらく、これはある種のプロの洗礼というものなのかもしれません。こういう変則的なボクサーには、時にジャブが効果的となったりするのですが、今回の木村に対してもジャブの連打は効果的にも思います。

 

4R、ゴングと同時に前に出て、木村を攻め立てる藤田。時折木村の体に届く藤田のパンチはいかにも重そうです。

残り1分のところでボディを効かせた藤田!木村は身体をくの字の曲げて猛攻を防ぎますが、とうとうダウン。再開後、攻め立てる藤田ですが、ここを木村はフラフラになりながらも凌ぎ、ラウンド終了のゴングを聞きます。

これは止められてもおかしくなかったような気がします。

5R、藤田は焦らず、じっくりと攻めます。プレスをかけ続ける中でも、木村の動きを注意深く観察し、木村の動きを完全に見切っています。

ダメージの残る木村は、やや雑になりつつもサバイブ、最終ラウンドに望みをつなぎます。

6R、変わらず、藤田が木村をロープ、コーナーに追いやります。それでも木村は諦めず、かなりのダメージを感じさせつつも打ち返します。

フラフラになった木村は意地でも倒れず、パンチを振るっていきましたが、藤田の猛攻にガードすらできない状況を見て、レフェリーがストップ。

 

藤田が冷静さ、パンチの強さ、そしてやりにくい相手に対しても充実のボクシングを見せた試合ではありました。

対して木村は、本当によく頑張りましたね。あと少しで判定、というところではありましたが、ガードのおぼつかなくなってしまったあの状態はかなり危険であり、妥当なストップ、ともすれば遅めのストップだったとも思います。

いずれにしろ、藤田の次戦にはまた期待です。

スーパーバンタム級8回戦

福井勝也(帝拳)vs英洸貴(カシミ)

初回開始時点から、ともに速く、技術が高いハイレベルな攻防です。英がワンツーで攻め込めば、すぐさまコンビネーションをリターンする福井。

ジリジリとプレスをかけ、先手をとるのは英。しかし英はかなり絞り込まれていて、長身ということもあり減量はきつそうですね。

2R、左の差し合いから左フック、左ボディ。ほぼ利き手を使わないこの攻防は、本当にそれだけでも見応えのあるものです。

 

両者のジャブはそれほど美しく、まっすぐ出ますね。リーチの長い英のジャブも非常に良いですが、福井のコンパクトな、無駄撃ちのないジャブも良い。やや福井の方が余裕があるように感じます。

3Rも速いジャブを打ちながら、しつこくプレスをかけていく英。福井はかわしつつ、やはり着弾率の高いジャブを多用。福井は英が出てくるのに併せて多彩なアングルで攻め、英の距離になりそうになったら身体を預けてクリンチに行く等、試合巧者です。

終盤、福井の右カウンターがヒット、英は効いてしまったか?

4R、英は何かを変えたい。福井はこのラウンド、やや打ち合う姿勢を見せます。英のダメージを見て取ったのかもしれません。

中盤以降はそれまでの戦いに戻し、英の前進をいなしつつも打ち終わりに自分のパンチを当てます。英はダメージが溜まってきているかもしれません。

 

5R、英は前進して懸命にパンチを振るいますが、それを外し、受け止めた後の福井のリターンが素晴らしいです。左ボディから上への左フック、そして右と一呼吸でつなげてしまうコンビネーションに、英はついていけなくなりつつあります。

6R、ハイレベルな試合展開であり、大きく差はないものの、おそらくポイント的には福井優位であり、ダメージも英の方が大きいでしょう。

7R、展開は変わらず、英が前進しつつスマートなパンチを振るいます。それをガードした福井がコンビネーションで打ち返す、という展開。このラウンドは福井が英を攻め立てる場面もあり、英にとってはポイント劣勢の中、最終ラウンドに望みをつなぎます。

最終ラウンドも福井のパンチが英にヒット。しかし英は凌ぐわけでなく、前に出て戦いながらこの3分間を過ごします。「倒されまい」とするボクシングではなく、逆転を狙って「倒す」ボクシングです。英も見事なボクシングスピリットを見せてくれています。

判定は、79-73、80-72×2で福井。

 

ホープだらけの帝拳ジムで切磋琢磨するアマエリートは、やはり強かった。ただ、英も福井県の地方ジムというハンデを背負いながら、非常に素晴らしいボクシングをしますね。

福井にとっては、3戦目で日本人ボクサー、英洸貴というボクサーと戦えたことは、非常に大きいことではないでしょうか。生半可なことでは倒れない、そして技術もある、そんなボクサーとフルラウンドを戦い抜いたことは、ポイント的には圧倒しながら倒せなくとも、ここまでの2戦の何倍ものキャリアを構築出来たような気がします。

対する英にも大いに期待したいです。決して諦めることのないハートの強さを示したこの一戦は、本当に素晴らしい試合でした。また、より強くなってリングに戻ってきてくれることを期待しています。

セミファイナル スーパーバンタム級8回戦

川端遼太郎(真正)vs高橋竜也(土浦ヤマグチ)

序盤から川端がガンガン前進、迎え撃つ高橋を攻め立てます。特に力強いアッパーが効果的に見えますね。

判定勝負を考えていないのか、かなりのハイペースで飛ばす川端に対して、高橋は若干腰高で、川端の猛攻に耐えきれていない雰囲気。

 

しかし、この序盤をしのいだ高橋が、中盤から盛り返し、コツコツと内側から叩いていきます。ただ、身体全体の強さで川端に押し負ける場面が目立ち、見栄えは全体的に川端の方がよく見えてしまいそうです。

川端は旺盛な手数とスタミナを持って攻め立て、高橋は姿勢を前傾に変えてしっかりと迎え打ちます。一発のパンチングパワーには川端に分がありそうですが、高橋のキャリアは侮れず、強弱をつけたパンチで優位にたつラウンドもあり、まさに激戦。

血みどろの両者、6Rには高橋の右ストレートが川端を襲い、7Rには細かい連打からのアッパーで川端が高橋の顔を跳ね上げます。

ラストラウンドまで両者気持ちを全面に押し出し、手数勝負。

ジャッジは77-75✗2、78-74で川端を支持。

ともに流血、大激戦といって差し支えない名勝負でした。特に、川端のランキング奪取にかける意気込みは相当なもので、パンチを当てられてやや後退した後の立て直しの反応の速さや、最終ラウンドのガムシャラさ、本当に見事でした。

そのハートの強さで、見事日本ランキングを勝ち取った(と思われる)川端遼太郎。非常に楽しみなボクサーですね。

 

メインイベント スーパーライト級8回戦

李健太(帝拳)3戦2勝(1KO)1分

vs

石脇麻生(寝屋川石田)12戦8勝(6KO)3敗1分

初回からいきなりビッグパンチの交換。石脇はとくにダイナミックな攻めを見せます。サウスポーの李に対して右ストレートをボディ、顔面に伸ばしていき、これは浅いながらヒット。

李はリードの右を突き、サークリングしつつも石脇のプレスを受け止めています。

2R、石脇は頭を振ってなんとか中に入ろうとします。李は右を突き、ボディへの左ストレートが良い。左をボディに見せておいて、上へも打つのは非常に効果が高いようにみえます。

3R、グイグイと出てくる石脇を、やや持て余し気味かと思った矢先、李の左ボディストレートが大きな音を立ててヒット。身体をくの字に曲げてしまった石脇、李はここぞとばかりに連打を見舞います。

 

しかしここで終わらない石脇はしっかりと打ち返し、李に警戒心を思い出させます。

ただ、あの左ボディが起点となり、リズムを取り戻した李。逆に石脇はやや入りづらくなってしまたかもしれません。

4R、また左ボディで動きが止まったかのように見えた石脇でしたが、このラウンドの後半はガムシャラにフックを振り回しつつ、前進。とにかくこの石脇の気迫はすごい。

5R、引き続き李のジャブ、ステップが良い。しかし、石脇の前進は全くもって衰えず、時に強引に攻め出る石脇のパンチもヒットします。石脇にとっては、この戦略以外に思案の余地はなく、やることが明白です。

6R、石脇、特攻とばかりにガンガン前進、ものすごいアタックです。李はその気迫にやや押されているのか、ステップでかわすもののロープに詰まる場面も出てきます。李はガムシャラに出てくる石脇をさばくことだけに注力し、手数が少なくなってしまいます。

7R、またも李のボディで石脇の動きが止まります。ここから李は石脇のボディを様々な角度から攻め立てます。それでも尚、石脇は前進。おそらく効いてはいるものの、ガードはしっかりと顔面をガードし、飛び込みざまに手を出す様は感動すら覚えます。

 

ラストラウンド、ポイント劣勢の石脇は開始早々のチャージ。迎え撃つ李もハードパンチを石脇にヒット、石脇は一転苦しい。

鼻から出血し、ボディも明らかに効いていた石脇ではありましたが、最後まで被弾を恐れずに攻め続けて8Rを終了。

78-74✗2、79-73で李の勝利ではありましたが、石脇の気迫に拍手を送りたいような内容でした。

李は勝利はもちろん、その勝ち方にまでこだわる必要があったかと思いますが、石脇のプレスを持て余しているような場面も散見されました。

まだプロキャリアは4戦、ボクシングの完成度は非常に高い。まだまだ物足りない部分もあるのは、これからキャリアとともに解消されていくことでしょう。

 

対して石脇は、素晴らしい気迫のこもったボクシングを見せてくれました。石脇は前戦、佐々木尽戦を見た限りでは打たれ強いという印象はありませんでしたし、今回も幾度も効かされた場面もあったものの、決して倒れませんでした。

ただサバイブしているだけでなく、逆転を狙っているのがありありと見え、そのために李も決めにいけなかったと思います。まだ弱冠21歳、これからのボクサーであり、負けて尚、その評価を高めたとも言えます。

これからもアツい試合を見せてくれることを期待しています。

ということで、本日はダイナミックグローブの観戦記でした。全試合、激闘。素晴らしい試合内容でしたね。試合後、G+で流れた岩佐のインタビューと、セレス小林会長のことばをきくと、4/3は期待せざるを得ませんね。

↓アフマダリエフvs岩佐亮佑!!楽しみです!!!

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