4月に入り、明日4/3はいよいよウズベキスタンでの世界タイトルマッチ。この興行までもう24時間を切りました。
IBF世界スーパーバンタム級暫定王者、岩佐亮佑(セレス)が、WBAスーパー・IBF世界同級王者であるムロジョン・アフマダリエフに挑む一戦です。
岩佐にとっては大一番であり、アフマダリエフにとっては凱旋試合となるこの注目の一戦は、ボクシング新興国であるウズベキスタンで初の世界タイトルマッチ開催となるそうです。
現地の注目度も高いのでしょうか。
アフマダリエフの油断を、少しだけ期待してはいましたが、アフマダリエフは岩佐をしっかりと警戒しているような記事が出ていたので、それは薄そうです。
↓正式決定時に書いたプレビュー記事
アフマダリエフは、超僅差とはいえ、あのダニエル・ローマンと12Rを渡り合い、ローマンの圧に真っ向から向かっていったファイターです。
近い距離で闘う事を好みますが、もともとその技術には定評があり、ボクシングの幅も広い。
前戦では心身両面のスタミナも証明したことで、スーパーバンタム級において最高の評価を獲得しています。
およそ穴が少ないアフマダリエフにとって、唯一試されていない事といえば、顎の強さかもしれません。
ダニエル・ローマンはこの階級においてパワーパンチャーとは言えず、連打型のファイター。その手数に屈する、心の折れるボクサーはいても、ワンパンチKOの出るようなボクサーではありません。
無敗であること、戦績が少ない事は、まだまだ底をさらしていないだけです。
誰が見ても強者と呼べるアフマダリエフ相手に、岩佐はこれまで冷静です。
この岩佐は冷静さが武器で、海外での試合経験も豊富、そして今、油がのっている状態です。
過去史上、最も強いであろう岩佐が、過去最高の相手ともいえるアフマダリエフに挑む一戦。
そして得意の左ストレートを叩き込む瞬間が訪れれば、可能性は十分にあると思えます。そしてその左ストレートを当てるために、例えどんなにリードされようとも、やりづらかろうとも、岩佐にとっては焦らない事が肝要。
完全アウェーのかの地で、岩佐ならきっとクレバーに戦えると思います。
オッズなんて関係ありません。世界に、岩佐亮佑というボクサーを知ってもらいましょう。
この一戦はDAZNで生配信、放送は日本時間4/3(土)23:00からです。セミセミからの放映とのことなので、岩佐の試合は日本時間4/4(日)のAM0:00〜1:00の間くらいに始まるでしょう。
ボクシングファンみんなで、応援しましょう!
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そして、あまり話題に登らないビッグマッチが同日にもう一つ。
4/3(日本時間4/4)
WBO世界スーパーフェザー級タイトルマッチ
ジャメル・ヘリング(アメリカ)24戦22勝(10KO)2敗
vs
カール・フランプトン(イギリス)30戦28勝(16KO)2敗
伊藤雅雪(横浜光)から王座を奪ったヘリングの3度目の防衛戦は、元2階級制覇王者のカール・フランプトンを迎えて行われます。
もともと2020年6月に予定されていたこの一戦は、コロナショックにより2021年2月に延期、それもフランプトンの負傷により延期でようやく開催されます。
開催地も、ロンドンという予定が中立国のドバイに変更とバタバタしていて、この試合のプロモーションもあまり見かけなかった事から、あまり注目されていないのでしょうか。。。?
ちなみに、ヘリングは、昨年、防衛戦を1度行っています。
この内容たるや散々なもので、対戦相手のジョナサン・オケンドは距離を詰めすぎ、クリンチ&ヘッドバットというひどい闘い方でヘリングを苦しめ、結局失格負け。
ヘリングはその後病院送りとなり、もう次戦を最後に引退する、位のことをコメントしていたと思います。
ヘリングは身長178cmの長身サウスポー、試合ぶりはおもしろいものではありませんが、本国では人気者。元海兵隊員というところが起因しているようですが、かなりのやりづらさを持っている事は間違いありません。
対してフランプトンは、ヘリング以上の人気者。
2014年に長谷川穂積を破ったキコ・マルティネスに判定勝利を得てIBF世界スーパーバンタム級王座を初戴冠、その後2016年にはスコット・クイッグとの同国人ライバル対決を制してWBAスーパー王座を吸収し、統一王者に。
そしてフェザー級に進出し、レオ・サンタ・クルスからWBA王座を奪いますが、再戦でリベンジされますが、その後もWBO暫定王座決定戦をノニト・ドネアと争い判定勝利、IBF世界王座を持つジョシュ・ウォーリントンに挑み判定負けと強豪相手に次々とマッチメイクをこなしています。
ここまでの戦歴で、負けはサンタ・クルス第二戦と、ウォーリントン戦のみ。
実績では確実にヘリングを上回っています。
しかし、身長178cmのサウスポー、ヘリングに対して、身長165cmのオーソドックス、フランプトン。
サイズがかなり違います。
フランプトンは様々な闘い方ができるボクサーではあるものの、このヘリング相手にできる戦法はたった一つ、鋭い踏み込みから連打を放っていくというスタイルのみです。
しかも、ヘリングはガードをすると上半身がすっぽり隠れてしまうので、近づいたら外側からボディを叩き、なんとかそのガードを開かさなければいけません。
フランプトンの鋭い踏み込みを持ってすれば、サイズに勝るヘリングの懐に入る事も可能でしょう。ただし、闘い方が限られてくる分、ヘリングとしては対策が立てやすいのも事実。
私には、ヘリングは凡庸な王者に見えます。
大きいのは、サイズの差。
ボクシング自体は、フランプトンの方が優れているでしょう。
個人的には、そのサイズの差を覆し、カール・フランプトンの3階級制覇を期待しています。
がんばれ、ジャッカル。
そして、セミファイナルでは元4階級制覇王者、ドニー・ニエテス(フィリピン)の復帰戦。前戦、井岡一翔(Ambition)に勝利して4階級制覇王者となったニエテスでしたが、その後謎の王座返上。
その王座返上に伴い、井岡はアストン・パリクテ(フィリピン)との決定戦を制し、4階級制覇王者となれたがために前戦のような田中恒成戦という素晴らしい試合が生まれました。
その後、ニエテスはほぼ引退状態でしたが、このほど復帰。
48戦42勝(23KO)1敗5分という戦績のニエテスの相手は、パブロ・カリージョ(コロンビア)。
このカリージョは、井岡一翔とも対戦経験がありますが、現在は井岡弘樹ジムに所属するボクサーです。
ここは問題なくニエテスが勝たなければいけないところ、ニエテスのサビつきがどの程度か、が気になるところです。
ということで、週末はともに土曜日に注目試合。ヘリングvsフランプトンを書いていて思ったのは、ほぼ9割がた、アフマダリエフvs岩佐に注力しているということです。
我々日本人にとって、ヘリングvsフランプトンに目がいかないのも、仕方ないことかもしれません。ともあれ4/3、ボクシングファンたちが歓喜の声を挙げるのを楽しみに待ちたいと思います。