ウィークデイは日本スーパウェルター級タイトルマッチ、そして週末は大阪でWBC世界ライトフライ級タイトルマッチ、沖縄でWBOアジア・パシフィック・バンタム級タイトルマッチと注目興行が続きます。
大阪では緊急事態宣言の要請を正式決定との報、週末に予定されている興行はいったいどうなるのでしょうか。。。
ともあれ、開催されることを信じて、今回は4/24(土)に開催される予定の、WBC世界ライトフライ級タイトルマッチ、寺地拳四朗vs久田哲也のプレビュー記事です。
↓正式決定時のプレビュー記事。これまでの経緯はこちら。
4/24(土)エディオンアリーナ
WBC世界ライトフライ級タイトルマッチ
寺地拳四朗(BMB)17戦17勝(10KO)無敗
vs
久田哲也(ハラダ)46戦34勝(20KO)10敗2分
これまでの経緯は置いておいて、ただただボクシングという競技のみに注目すれば、ここまで7度の防衛、在位にして4年が経とうとしている拳四朗は、いわゆる「絶対王者」。
世界王者となる前は、どこか線の細さを感じさせたものの、世界王者になってから、特に初防衛戦で薄氷の勝利をあげた後、2度目の防衛戦以降はまさに盤石の強さを誇っています。
立役者は、三迫ジムの加藤トレーナー。
それまでの拳四朗は、おそらくその才能に任せ、あまり考えずにボクシングをしていたと思われます。
そこに参謀が加わり、様々な教えを吸収する中で、自らも考えるようになっていって自分のボクシングを確立していったのだと思います。
素晴らしい距離感を持つ拳四朗は、もともと持っていた足の速さを存分に活かしつつ、カウンターを武器として闘います。
打った後のポジショニングや上体の動きも秀逸であり、ここまでの防衛戦でも大きな被弾はほとんどしておらず、ダメージも溜まっていなさそう。
大きく動く割にはスタミナも十分ではありますが、今後を考えるとその大きな動きをなるべく効率的に動く、というふうに変えていかなければいけない年齢に差し掛かってきているとも言えます。そのあたりのスタイルのマイナーチェンジについては、おそらく考えられている事でしょう。
試合中も熱くなる事はなく、非常に冷静。試合が終わった後も十分に余力を残しているこの王者は、まだ大ピンチに陥るという経験もなく、未だ底を見せていません。
現在、日本人の現役世界王者の中では、井上尚弥に次いでの評価を集めるボクサーではないでしょうか。
そして対戦相手の久田哲也は、苦労と挫折と努力を重ねてきた、古豪。
前戦は、WBA世界ライトフライ級スーパー王者の京口紘人(ワタナベ)に挑戦、素晴らしい闘いを見せましたが判定負けで王座奪取に失敗。
その敗戦からすぐにチャンスが巡ってきたことは、幸運と言えますね。
京口戦の前までは、主に国内の強豪と闘い、13連勝を記録しています。
大きな武器はないように見えますが、非常にバランスがよく、整ったボクサーであり、プロ叩き上げのボクサーらしくハートの強さを持っています。
ただ、拳四朗のここまでを考えると、充実しているのは拳四朗の方。
拳四朗が得意のジャブとステップで久田を近寄らせない、という展開が大方の予想ではないでしょうか。そして久田が出てきたところでカウンターをヒットすれば、ダウンシーンを演出することも可能でしょう。
久田としては、拳四朗にボクシングをされては勝ち目が非常に薄くなってしまうので、どうにか乱戦に持ち込みたいところだと思います。多少荒かろうが、ラフファイトに持っていって、組み付いて足を止める、それが一番最善の策のような気がしています。
気持ちの勝負に持っていく事ができれば、久田にも十分に勝機はあるように思えます。拳四朗については、そこはまだ試されていないような気がするからです。
それに付き合う拳四朗ではないとは思いますが、十分すぎる準備期間を経て相対する両者ですが、おそらく久田のモチベーションは過去最高、京口戦よりも高いはずです。
そして、無策でこの絶対王者に挑む事もないでしょう。
私は今回、どちらを応援することもなく、淡々と試合を見ると思うのですが、久田の奮闘には期待しています。兎にも角にも、今までの因縁などは置いておいて、この日本人対決を楽しみたいと思います。
そしてこの日本人対決のあとは、5月にカネロの前座で高山勝成(寝屋川石田)がエルウィン・ソト(メキシコ)に挑むWBO世界ライトフライ級タイトルマッチもありますね!盛り上がっていくライトフライ級戦線、これからも楽しみですね!
この一戦は、カンテレドーガというサイトで生配信の予定です。
私もまだ登録していませんが、セミファイナル開始の15:00頃から生配信の予定だそうです。
是非登録して見ましょう!!
そしてその生配信のある、セミファイナルも大注目なのです。
フライ級6回戦
花田歩夢(神拳阪神)5戦5勝(4KO)無敗
vs
マンモス和則(中日)10戦6勝(6KO)3敗1分
花田は、元々はフリーのボクサーとして活動しており、海外で地域タイトルの経験もあるボクサー。 弱冠19歳ながら、目をみはるものがあります。
昨年12月、日本デビュー。ここまで1敗していますが、確かその1敗がJBCの管轄外の試合であり、その戦績は数えられていないようです。ややこしいのでそれにならって無敗としておきます。
その才能豊かな若きボクサーに挑むのは、中部のマンモス和則。勝ち星がすべてノックアウトというハードパンチャーであり、非常にワイルドにパンチを振っていくボクサーでもあります。
マンモスのパンチが当たれば非常に面白いですが、花田も前戦の日本デビュー戦ではワンパンチKOを決めているハードパンチャー、この一戦は非常にスリリングであり、KO決着が濃厚とも言える一戦です。
どちらが勝つにせよ、あっという間に終わってしまうかもしれないこの6回戦は、勝利したほうがA級ボクサーに昇格できる一戦でもあります。
非常に楽しみですね!
この他に注目なのは、第二試合の此村勇(ミツキ)vs浅井大貴(オール)という一戦。
浅井はアマ77戦というキャリアの持ち主で、全日本社会人選手権を制したこともあるボクサーですが、デビュー戦では亀田京之介(ハラダ)に2RTKO負け。
久々のリングで感覚をつかめなかったのか、プロの洗礼を受けてしまいました。
ここで負けるとデビュー2連敗となり、かなり厳しい現実をつきつけられる結果にもなりますので、浅井にはがんばってもらいたいですね。
何事もなければ、全5試合のこの興行は、当初、「メイン以外は」真正ジムさんのYoutubeチャンネル、BOXING REALで生配信の予定でした。
なので3試合はYoutubeの方で流してくれるのかもしれません。
まずは、無事に興行が開催されることを願っています。
そして現地観戦に行かれる方は、くれぐれもお気をつけて。