墨田区総合体育館で予定されていたDANGAN興行、中止。。。
大注目の試合が揃い踏みの、大変豪華な興行、しかもBoxingRaiseさんで生配信してくれるだろうから非常に楽しみにしていました。
緊急事態宣言の延長により、体育館施設が使えなくなってしまった、というのが理由でしょうね。準備していたプロモーター各位、そして何より選手たち、不憫でなりません。
アメリカでは70,000人超の観客を入れてのスポーツイベントが行われているというのに、自分の住む国の対応を嘆くばかりですね。
こうなるともうボクシングを見るには海外戦しかありません。
ということで、本日のブログは週末のShowtime興行、ブランドン・フィゲロアvsルイス・ネリのプレビューです。
カネロ人気にあやかるネリ。レイノソから追放されたくせに。。。
Mexican Power @Canelo pic.twitter.com/pqJLMgdrUf
— PANTERA (@luisnerynp) January 5, 2021
WBA・WBC世界スーパーバンタム級統一タイトルマッチ
ブランドン・フィゲロア(アメリカ)21勝(16KO)1分
vs
ルイス・ネリ(メキシコ)31勝(24KO)無敗
WBAレギュラー王者、フィゲロアと、WBC王者、ネリの統一戦。
本来であれば、WBAはスーパー王者にしか統一戦の権限は与えておらず、今回はフィゲロアの持つWBA王座はかけられないはずでした。
しかし、WBAはこの統一戦を認めたようですね。
WBAレギュラー王者は、セカンド王者とも言われ、厳密に言うと王者=最高位ではないはずです。まあ、そこは天下のWBA、今更驚くこともありませんが。
年々、というかもう日に日に緩くなるこの認定団体の権威と規律。この流れはもう誰にも止められません。
以前は「World super bantamweight championship」だったのが「World super bantamweight unification」となっています。この対応は非常に残念。
※今回は偏った記事になるおそれがありますので、ご了承ください。
体重超過の常習犯であるルイス・ネリは、強敵と認めた相手には容赦なく体重を作ってこない、という風習があります。
とかくWBCに優遇されているネリは、山中慎介(帝拳)から王座を奪った際、試合前のドーピングテストで陽性反応。発覚は試合後でしたが、このことは汚染されたメキシカンビーフを食べたため、という言い訳でシロ。これはカネロもそうでした。
しかし、日本のボクシングファンにとってはこのことは心情的に拭う事はできず、ここから始まったネリの一つ一つに多くの日本人ボクシングファンは嫌悪感を抱くようになりました。私もその一人ですが。
続く再戦では、ネリが体重超過、この2戦は現地観戦しましたが、この2戦目で起こったネリへの大ブーイングは、日本ボクシング史上かつてないものではないでしょうか。更に、勝って喜んでいた姿も癪に触る。
その後もファン・カルロス・パヤノ戦の最初の計量で体重超過(2度目でクリア)、エマニュエル・ロドリゲス戦でも体重超過、こちらは金で解決しようとしましたがロドリゲスが拒否。
そのロドリゲス戦はWBC世界バンタム級王座への挑戦者決定戦という位置づけだったため、ウェイトをしっかり作ったロドリゲスに挑戦権が巡ってよさそうだったものの、先に挑戦したのはネリ。しかも1階級上のスーパーバンタム級。
そのタイトル戦を勝ち残り、ネリは統一戦へと臨みます。
ちなみに、山中挑戦前のネリについては、私の評価は非常に高かったです。
当時の私のFacebookの投稿。ちなみに現地観戦しました。
バンタム級では破格のパワーと、大振りながらもタイフーンのようにパンチを繰り出すネリは非常に危険な相手でした。
しかし、前戦、テストマッチもなしで挑んだスーパーバンタム級で、アーロン・アラメダ相手に見せたパフォーマンスは、かつての勢いは影を潜めていました。とはいえ、実際は前戦よりもスーパーバンタム級にフィットしているであろうことは容易に想像がつきます。
アラメダ戦は、あまり参考にならないのかもしれません。
対してブランドン・フィゲロアは、旺盛な手数とスタミナ、連打の回転力でネリを上回る激闘型のファイターです。
おそらくネリが大きなパワーパンチを振ってくる間に、2発3発と連打を繰り出す事ができるでしょう。
しかし、若干スロースターター気味なのが気になるところ。
序盤に強いネリが、初回から打って出てきた時に、体の温まっていないフィゲロアが対応できるか、というのがまず最初の分かれ目のような気がします。
特に今回、ネリは「攻撃的なボクシング」を展開すると宣言しています。
気持ちが強く、タフなフィゲロアがここをしのぎ、ダメージをなるべく少なく乗り切る事で、後半にかけてフィゲロアにチャンスが訪れることになるでしょう。
スタミナに難のありそうなイメージのネリが、序盤飛ばしてロス、後半にフィゲロアが逆転、というのが理想の展開。
ともかく前半気をつけて、日本中の期待通り、フィゲロアに痛快なノックアウトを期待したいものです。
この勝者は、WBO王者のステファン・フルトン(アメリカ)との統一戦の予定です。
セミファイナルにダニエル・ローマン登場!
ダニエル・ローマン(アメリカ)28勝(10KO)3敗1分
vs
リカルド・エスピノサ・フランコ(メキシコ)25勝(21KO)3敗
日本人のみんなが大嫌いなルイス・ネリ登場の前に、日本人のみんなが大好きなダニエル・ローマンが登場です。
ローマンは、前戦、ファン・カルロス・パヤノとの一戦が、WBC世界スーパーバンタム級挑戦者決定戦という位置づけだったにもかかわらず、待たされます。
そして迎えるのは、25勝中21KOというハードパンチャー、エスピノサ。
キャリア8戦目、12戦目で判定負けを喫していますが、その後は13連勝(10連続KO勝利)を記録し、ジョンリエル・カシメロ(フィリピン)とのWBO世界バンタム級王座統一戦へと臨みます。
この一戦で最終回TKOに敗れたエスピノサは再起して2連勝。28戦者キャリアを積んでいますが、まだ23歳と非常に若い。
これは結構ローマンにとって危険な相手ではないか。。。と思っています。
ただ、ローマンも歴戦の雄、そしてタフネスを持っており、スタミナもご存知の通り。地力に勝るローマンの明確な判定勝利を期待します。
ザビエル・マルチネス(アメリカ)16勝(11KO)無敗
vs
アブラハム・モントヤ(メキシコ)20勝(14KO)2敗1分
スーパーフェザー級のプロスペクト、ザビエル・マルチネス。「Xavier」という表記なので「ジャビエル」か「ザビエル」で良いと思うのですが、読み方はよくわかりません。
前戦でWBA世界スーパーフェザー級の挑戦者決定戦を制していますが、相手のクラウディオ・マレロ(ドミニカ共和国)に8R、2度のダウンを奪われる苦しい展開でした。
そんな試練の一戦だった前戦をクリアし、より素晴らしいボクサーになっていることを期待しています。アグレッシブで、手数のよく出るボクサーであり、ダウンから立ち直る等ハートの面も強いですね。
対するモントヤも非常に好戦的で、粘り強いボクサーです。この粘り強く、タフなボクサーを倒せるか、というところが、プロスペクト・マルチネスに課されます。
こちらも非常に興味深い一戦ですね。
と、思っていましたが、マルチネスの相手がファン・カルロス・ブルゴスに変更になっていました。正直、モントヤ戦の方が見たかったですね。
この興行は、アメリカではShowtimeで生放送。残念ながら通常、日本で見る事はできません。ただ、色々と策をこらせば可能。
↓アメリカのShowtimeを見る方法です。
この3試合をShowtimeは放送してくれるようです。国内興行のない今、海外興行を楽しんでいきましょう。