信太のボクシングカフェ

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ボクシングが大好きです。大好きなボクシングをたくさんの人に見てもらいたくて、その楽しさを伝えていきたいと思います。

【観戦記】ウェルター級統一戦、豊嶋亮太vs別府優樹!!勝者のこれからは?

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さて、ゴールデンウィーク真っ只中(ボクシングの)、皆さんいかがお過ごしでしょうか。

昨日(5/19)のダイナミックグローブは、5/24(月)に日テレG+で放送ですが、本日(5/20)のダイナミックグローブは、生放送。

600回記念大会という記念大会で、なんと開始からもう40年だそうです。すごいですね。

そんな600回記念大会は、メインにOPBF&WBOアジアパシフィック・ウェルター級王座統一戦を据えています。

本日のブログは、そのダイナミックグローブの観戦記です。

 

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プレビュー記事

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5/20(木)ダイナミックグローブ

メインの他には、第二試合(第一試合が中止となり、第一試合に繰り上げ)に注目していました。第一試合は、嶋田淳也vs神足茂利。デビュー戦の嶋田と、2戦2勝(1KO)の神足(こうたり)、ともにアマ経験豊富なボクサー同士の一戦です。

 

フェザー級6回戦

嶋田淳也(帝拳)vs神足茂利(M.T)

アマ経験豊富な両者の一戦は、ハイレベルな攻防が予想されます。

神足は後ろ荷重の独特な構えからリーチを活かし、前手を効果的に使います。嶋田は高いガードから連続したジャブ、コンビネーションを活用し、神足に攻め入ります。パンチの当たる距離での攻防は非常に見応えがありますね。

神足は左を伸ばし、嶋田を懐に入らせず、時折放つ右オーバーは強力。それでも嶋田はジャブを何発もついて前進、近い距離でのフックを交えたコンビネーションは見事、神足の顔面を捉えることもしばしばです。

接近戦では、嶋田の回転力のあるコンビネーションと、ガードからリターンするフックが有効に見えます。嶋田は身体が強く、重厚なプレスをかけ続け、4Rには明らかに優位に立ちます。

 

劣勢の神足は、5R早々にチャージこのラウンドを優勢に進めていきますが、終盤、嶋田の右を浴びて少し足元がふらつきます。ラストラウンドに入ってもプロデビュー戦ながら嶋田のバランスは全く崩れず、このボクサーは本当に身体もハートも強い選手。

58-56×1、59-55×2で判定は嶋田。

初回、やや神足を攻めあぐねた嶋田でしたが、その後は接近戦で優位にたち、パンチの見栄えも良かったです。本当にバランスの良いボクサー、難敵を迎えましたが見事デビュー戦を勝利で飾りました。

対して神足の再起にも期待しています。

コロナでなければ、ここでぶつかるようなボクサー同士ではなかったでしょう。

 

70.8kg契約8回戦

辻本純兵(帝拳)vs美柑英男(渥美)

体格に勝る辻本は、ガードを高く掲げてプレス。美柑はジャブから右オーバーハンド等、力強いパンチに望みをつなぎます。

この辻本のプレスは、まるで村田諒太のようなハイガード・プレス。このストロングスタイルは、豊嶋亮太が長濱陸を攻略した際にも見せたスタイルですね。もしかすると、帝拳で流行っているのかもしれませんね。

5R、辻本は見事なワンツーをヒット、効かされた美柑はなんとかサバイブ。しかし、レフェリーはストップのタイミングを見計らっているように見えました。

そして迎えた6R、辻本の右が美柑にヒットしたところで、レフェリーがこの試合を終わらせました。

辻本純兵、6RTKO勝利。

 

美柑はかつて、非常にタフなボクサーだったと記憶していますが、もうボクサー定年間近。おそらくラストファイトでしょうが、このコロナ禍で、ラストファイトができたことだけでも良かったかもしれません。レフェリーはそれを知って、ストップを早めにかけたのかもしれません。

辻本の、ガードを高く掲げてのプレスというスタイルは、よく伸びるストレート系のパンチがあるので相性は良いと思います。ただ、あのスタイルはフィジカルの強さがものを言うと思うので、もっともっと鍛えなければいけないかもしれません。

68.0kg契約8回戦

玉山将也(帝拳)vs加藤寿(熊谷コサカ)

日本上位ランカー、玉山の相手は、現在3連勝中の加藤。

大きなステップを踏み、忙しく動き回る加藤に対し、玉山はボディにパンチを集めていきます。そして2R、接近戦で玉山の右アッパーで加藤がダウン。

 

立ち上がった加藤に、左フックでとどめ。レフェリーは試合を止めました。

玉山将也、2RTKO勝利。

タイトル戦を希望している玉山ですが、この階級の日本王者は小原佳太(三迫)。この小原は、前戦では坂井祥紀(横浜光)に善戦を許しましたが、これまでの実績から言うと国内から一つ抜け出ていると思います。

そう考えると、玉山にとっては厳しい戦いが待っているかもしれませんね。

 

OPBF・WBOアジアパシフィック・ウェルター級王座統一戦

豊嶋亮太(帝拳)13勝(8KO)2敗1分

vs

別府優樹(久留米櫛間&別府優樹)21勝(20KO)1敗1分

初回は距離の探り合いからスタート。ともに調子は良さそうで、緊張感のある立ち上がりです。1年5ヶ月ぶりの試合となる別府の動きはキレており、ブランクを感じさせませんね。

2R、豊嶋はガードを固めてジリジリとプレスをかけていく、村田諒太のストロングスタイル。別府はサイドステップ、ボディムーブも良く、動きにキレもありますが、本来はもっといろいろな角度から攻め込み、ひっかきまわしたいところですが思ったほど手が出ません。

 

3R、別府が打ってきたところにあわせてカウンター、そこからの連打を狙う豊嶋。別府は先程よりも手数も出てきて、打ち終わりの動きも良くなってきています。

4R、どんどん動きが良くなっていく別府、やや大きなパンチを振り、ミスブローが目立つようになってきた豊嶋。この別府は、地方ジムにいてはスパーリングパートナーにも事欠くと思うのですが、このディフェンス勘はどのようにして養ってきたのでしょうか。

4R終了後の採点は40-36×2、39-37で豊嶋。ポイント差ほどの差は感じません。ラウンドごと、やや豊嶋か、という感じ。

5R、その採点を聞いた別府は、これまでのラウンドよりもその場所に留まっての接近戦を選択する場面も出てきました。ただ、この接近戦では豊嶋の方に分がありそうです。豊嶋のパンチはコンパクトで回転力が高い。

6R、別府は運動量が多く、動き回りますが、豊嶋は小さな動きでプレスをかけ続け、ジャブ、ワンツーや右ボディを当てていきます。別府はやや手数が落ちてきたかもしれません。

 

7R、別府は少しスタミナがきつくなってきたのか、それとも豊嶋のボディに削られているのか。ガードを固める場面も目立ちます。

終盤、豊嶋のジャブから右アッパーで別府は後退、左フックをフォローしたところで別府がダウン!立ち上がって豊嶋を攻め立てた別府ですが、ポイント的にはもう絶望的か。

8R、別府はダメージを感じさせず、パンチもまだまだ活きており、攻め込みますがガムシャラには行きません。いや、行けません。ここでも豊嶋の右ボディがヒット、この派手なパンチはポイントに大いに影響しているのでしょう。

8R終了後の採点は80-71×2、78-73×1で豊嶋。ここはもう大きく差が開いた感じですね。最初の4Rの豊嶋支持も大きかったかもしれませんが、5R以降、豊嶋にポイントが流れている事については異論ありません。

 

9R、倒すしかない別府ですが、なかなか前に行けません。実際対峙してみると、豊嶋のプレッシャーは想像以上なのかもしれません。

10R、別府は豊嶋のガードの上から強いワンツーを打ち込みますが、その距離は豊嶋のパンチも当たる距離。豊嶋はその後にボディで反撃、少し嫌がっているように見える別府。

終盤、豊嶋は右を効かせたあとボディにもパンチを打つと別府は後退。上も下も効いてしまった別府に、左フックをフォローすると別府は力なく自陣のコーナーに崩れ落ちました。

なんとか立ち上がりはしたものの、ファイティングポーズがとれない別府。

心が折れてしまったのでしょうか、ここでカウントアウト。

豊嶋亮太、10RKO勝利。

 

長濱戦に続き、見事な勝利をあげた豊嶋。ガードをしっかり上げて、重厚なプレスをかけつつ、相手の出てくるところに合わせる、そしてその後すぐさま連打につなげるというのは正に村田諒太の闘い方です。

これはパワーがなければ相手を下がらせる事ができませんし、フィジカルが強くなければプレスを強くかけられませんし、ハートとタフネスがなければガードの上から打たれて心身ともに疲弊してしまいます。

簡単なボクシングに見えて、これを12R続けるのは至難。

豊嶋はこのスタイルにしっかりと噛み合い、完全にモノにしていますね。

そんなスタイルを選択した豊嶋が、これから世界へ挑んでいく。日本人が成し遂げた事のない、「世界ウェルター級」の制覇を目論むということですが、その前に一つの高い壁があります。

 

日本王者、小原佳太(三迫)です。

小原にしても、豊嶋にしても、もう他の対戦相手で証明できることはほとんどありません。(あるとすれば、小原と互角の闘いを繰り広げられた坂井祥紀くらい)

我が日本国は、他国に比べてコロナ対策が遅れに遅れており、まだまだ外国人選手を呼べる状況にありません。

つまりは、まだもう少し、日本人同士のサバイバルマッチを続けなければ行けない状況です。

このウェルター級で世界挑戦をするのであれば、ただただ世界ランクを手にしてそれを待つのではなく、やはり世界クラスと戦った経験のある小原佳太を避けてほしくはありません。

 

豊嶋こそ、この小原から勝利をもぎ取れるボクサーなのかもしれません。はたまた、長濱に完璧に勝ち、別府を倒しきって評価を上げた豊嶋を喰い、小原が更に日本最強を証明するのかもしれません。

勝った方が世界へ行く、これでファンは全く異論はありませんよね。

期待しています!

↓1年前の記事です。

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