信太のボクシングカフェ

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ボクシングが大好きです。大好きなボクシングをたくさんの人に見てもらいたくて、その楽しさを伝えていきたいと思います。

ジョシュ・テイラーの4団体統一、という偉業と、今後の「Undisputed」への道。

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皆様もご存知の通り、スーパーライト級4団体統一戦、ホセ・ラミレス(アメリカ)vsジョシュ・テイラー(イギリス)の一戦は、テイラーが12R判定勝利を飾り、見事4団体を統一、真の王者となりました。

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この4団体を史上初めて統一したのは2004年、バーナード・ホプキンス(アメリカ)。2005年にジャーメイン・テイラー(アメリカ)がこのホプキンスから4つのベルトを丸々奪い、史上ふたり目となる統一王者になりました。

3人目は2017年にテレンス・クロフォード(アメリカ)。4人目は2018年にWBSSを制したおレクサンデル・ウシク(ウクライナ)、そして5人目は2020年、テオフィモ・ロペス(アメリカ)。(ロペスについてはWBCがフランチャイズ王座ということで、認めていないファンもいるとは思いますが。)

そして6人目が今回のテイラーとなるわけですが、クロフォードの統一以降、この4団体統一というのは一つのステータスとなり、それを目指す興行も多くなってきているのが現状です。

そして日本ボクシング界の至宝、井上尚弥(大橋)も現在この道程にあります。

世界のボクシング界は、「階級最強の証明」である4団体統一に向けて動いています。

今回のブログでは、現状の王者たちを鑑みて、4団体統一の可能性を探っていきたいと思います。

 

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ミニマム級

最も権威のない階級、といっても過言ではないこのミニマム級では、統一戦の話はあまり出ない印象です。二人のタイ人と、二人のフィリピン人、一人のプエルトリコ人が王者として君臨していますが、例えボクサー自身が統一戦をしたくても、様々なことが絡み合う統一戦というのはなかなか組みづらい。

誰か一人が声を上げれば、マッチメイク自体はさほど難しくないかもしれませんが、もし声を上げても注目もされづらい。

ここはジャパンマネーを投入するべき階級であり、日本人世界王者が誕生すれば統一戦も一気に加速するかもしれません。

ライトフライ級

WBAスーパー王者の京口紘人(ワタナベ)と、WBO王者のエルウィン・ソト(メキシコ)はともにマッチルームと契約、噂では夏にも統一戦が開催されるのではないか、とのことです。

 

これは京口にとっては願ったり叶ったりであり、そう遠くない未来に実現するのでしょう。

そして、WBC王者の寺地拳四朗(BMB)とIBF王者のフェリックス・アルバラード(ニカラグア)も以前に対戦が決定したという経緯があり(この時はアルバラードがデング熱により辞退)、ここも交渉はそう難しくはありません。ただ、現状ではアルバラードが日本に来て拳四朗と統一戦、という流れが濃厚だとは思いますが、いかんせん今は日本に外国人選手を呼べません。そこがネック。

そして京口と拳四朗がともに勝って並び立てば、日本では大いに盛り上がる4団体統一戦となること必至。

 

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フライ級

WBAスーパーにアルテム・ダラキアン(ウクライナ)、WBCにフリオ・セサール・マルティネス(メキシコ)、WBOに中谷潤人(M.T)という3者3様の魅力的な王者がひしめき合い、あとIBFにムザラネを降したサニー・エドワーズ(イギリス)という図式。

 

統一戦の話は1mmも出ていないとは思いますが、マルティネスや中谷は統一戦を望んでいるものと思います。

中谷はウェイトが持つかどうか。次戦は指名試合、アンヘル・アコスタ(プエルトリコ)との一戦が濃厚であり、これをクリアしたあとに階級に留まるのならば可能性はなくはありません。(ただ、長期間となると厳しいか。)

 

スーパーフライ級

WBAスーパー・WBCをファン・フランシス・エストラーダ(メキシコ)が統一し、IBFにジェルウィン・アンカハス(フィリピン)、WBOに井岡一翔(Ambition)。

エストラーダは、ロマゴンとの再戦が規定路線であり、まだ他の王者たちに矛先は向いていません。

本当はアンカハスvs井岡という試合が決まれば良いのですが、ファンの期待とは裏腹に、そんな噂は蚊ほどもありません。

 

ここにシーサケット・ソールンビサイ(タイ)、ドニー・ニエテス(フィリピン)を加えたトップ戦線は、ここ数年変わる事がありません。そろそろ4団体統一に向けて機運が高まっても良いと思うのですが。。。。

そしてこの階級では、田中恒成(畑中)の再起にも期待したい。

バンタム級

もう少し、あと少し。WBSSで同期(とでも言おうか)だったジョシュ・テイラーは既に4団体を統一。しかもスーパーライト級の王者はそのトーナメントに2人しか参加しなかったにも関わらず、です。

バンタム級では、4団体中3団体の王者が参加していたにもかかわらず、結果的に優勝者が手にしたのは2団体、そしてまだ3団体目を手に入れてすらいません。

世界のバンタムも呪われているのかもしれません。

ようやく、今週末に井上への挑戦権を手にするWBC王者が決まり、8月にはWBOのジョンリエル・カシメロ(フィリピン)vsWBAレギュラーのギジェルモ・リゴンドー(キューバ)という一戦が決まっており、こちらも4団体統一戦へ加速。

さすがに来年には、4団体統一王者が誕生しているのが見たいですね。

 

スーパーバンタム級

もともとダニエル・ローマン(アメリカ)が持っていたWBAスーパー・IBF王座を奪ったのがムロジョン・アフマダリエフ(ウズベキスタン)。そして先日は、ブランドン・フィゲロア(アメリカ)がWBAレギュラーに続き、WBC王者を吸収しました。

そしてフィゲロアは、次戦でWBO王者のステファン・フルトン(アメリカ)と雌雄を決する事が決まっています。

つまりは今年中に2冠王者がふたり。

そのふたりが激突さえすれば、4団体統一王者となりますし、このフィゲロアvsフルトン戦が終わればその機運は一気に高まるでしょう。

こちらもともすれば来年には4団体統一王者が誕生しそうな予感です。

 

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フェザー級

アクティブな王者、エマニュエル・ナバレッテ(メキシコ)がWBO王者に君臨。しかし、その他はというとWBAスーパーにレオ・サンタ・クルス(メキシコ)、同レギュラーにシュ・ツァン、WBCにはゲイリー・ラッセルJr(アメリカ)、IBFは空位。

この階級は統一戦どころか、サンタ・クルスは前戦でスーパーフェザー級で痛烈なKO負け、ツァンの情報はコロナ以降途絶え、ラッセルはいつもどおりラッセルです。

ナバレッテひとりが息を吐くこの階級は、統一戦の「と」の字も聞こえてきませんね。

スーパーフェザー級

WBAスーパーにはジャーボンタ・デービス(アメリカ)ですが、スーパーライト級まで行ってしまったのと、収監される予定なのでこのタイトルは無意味。

レギュラー王者には王者になりたて(2021年1月に戴冠)のロジャー・グティエレス(ベネズエラ)、WBCも2021年2月に戴冠のオスカル・バルデス(メキシコ)、IBFは尾川堅一(帝拳)とシャフカッツ・ラキモフ(ロシア)との間で統一戦(7月)が組まれています。

 

唯一、WBO王者はジャメル・ヘリング(アメリカ)ですが、スター候補のシャクール・スティーブンソン(アメリカ)がトップコンテンダーの位置におり、ここも王座交代の可能性が高いと言わざるを得ません。

まだ統一云々は早いかもしれません。

ライト級

テオフィモ・ロペス(アメリカ)の他には、WBAレギュラー王者にここでもジャーボンタ・デービス(笑)、そしてWBC王者にデビン・ヘイニー(アメリカ)。

WBC暫定王者だったライアン・ガルシアの行方は気になりますが、結局また7月にWBCの暫定王座決定戦としてハビエル・フォルトゥナ(ドミニカ共和国)と前スーパーフェザー級王者のジョセフ・ディアス(アメリカ)がセットされているようです。

言いたいことは山のようにありますが、WBC正規王者との統一戦をするかしないかは、結局はロペス次第。ロペスがやる気にさえなれば、本当の4団体統一戦はすぐでしょう。

スーパーライト級は4団体を統一済み。今後のテイラーの進む道が気になるところです。

 

ウェルター級

WBC・IBF統一王者として君臨しているのはエロール・スペンスJr(アメリカ)。次戦ではWBA休養王者であるマニー・パッキャオ(フィリピン)との対戦が決まっています。ただ、これはさすがに統一戦とはならないでしょう。

 

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WBAはスーパー王者にヨルデニス・ウガス(キューバ)、レギュラー王者にジャマル・ジェイムス(アメリカ)を擁しており、このふたりが統一戦に向かって動くか、というとその可能性は低いと思います。

4団体統一をしようとすれば避けて通れないのが、WBOタイトルを保持するテレンス・クロフォード(アメリカ)。

 

クロフォードがどんなに吠えようとも、ハンター狩りをしようとするボクサーはなかなか現れず、結局のところクロフォードがいる限り、他のボクサーは4団体を統一するのが難しい。結局のところ、このウェルター級統一に向かって動き出さなければいけないのは、クロフォードをおいて他にはいません。他の王者たちが受けるかどうかは別として。

スーパーウェルター級

WBAスーパー・WBC・IBFを保持するのはジャーメル・チャーロ(アメリカ)。WBAレギュラーはエリスランディ・ララ(キューバ)が転級のため、不在になっているはずです。

そしてWBO王者のブライアン・カスターノ(アルゼンチン)と、チャーロは7月に戦います。2021年、2つ目の4団体統一戦。ただこれは、「正真正銘の階級最強を決める戦い」ではないような気がします。

 

カスターノについてはもう少し証明してからにしてほしかったですが、ウダウダとやっているよりは良い傾向かもしれません。

ミドル級

WBAスーパーに村田諒太(帝拳)、レギュラーにエリスランディ・ララ。WBCにジャモール・チャーロ(アメリカ)、IBFにゲンナディ・ゴロフキン(カザフスタン)、WBOにデメトリアス・アンドラーデ(アメリカ)。

全然交わることがなさそうな王者たちがひしめき合いつつも、村田vsゴロフキンは年末に、日本でという方向で動いています。

ともすれば8月か9月に、同じ興行か同じ時期の別興行で顔見せをして、年末にもっていく流れだそうですが、上手くいくことを願ってやみません。

 

その後は。。。結局交わらないのではないか、と思います。

 

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スーパーミドル級

WBAスーパー・WBC・、WBO王者のサウル・アルバレス(メキシコ)が、おそらく9月、IBF王者のカレブ・プラント(アメリカ)と戦い、この階級の戦争は終了です。このスーパーミドル級は2021年、3度目の4団体統一戦となる予定です。

 

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あとはその後、カネロがどうするか。

一応、WBAレギュラー王者のデビッド・モレル(キューバ)は若く、3戦目で暫定王座を獲得した傑物ですが、初防衛戦(プロ4戦目)で体重超過して防衛戦がノンタイトル戦になったにもかかわらず、王座は剥奪されずに何故かレギュラー王者へ格上げ。2021年の意味不明・オブ・ザ・イヤー候補(体重超過は2020年12月)。

ライトヘビー級

WBAスーパーにドミトリー・ビボル(ロシア)、WBC・IBFにアルツール・ベテルビエフ(ロシア)、そしてWBOにジョー・スミスJr(アメリカ)。

 

ベテルビエフvsスミスが今年の秋にやるという噂、その後勝者(というかベテルビエフ)はビボルとやるのでしょうか。

同じロシアを起点とするボクサー同士、これが実現する試合なのかどうなのかはよくわかりません。これがアメリカvsロシアとなれば、アメリカ開催で実現の可能性はあるのですが。。。

とはいえ、ジョスミにベテルビエフ退治は難しそうです。

クルーザー級

IBF王者のマイリス・ブリエディス(ラトビア)というある意味危険な王者がいますが、統一王者の器には思えません。WBC王者のイルンガ・マカブ(南アフリカ)、WBAスーパー王者のアルセン・グラミリアン(フランス)もいますが、一番期待したいのはWBO王者のローレンス・オコリー(イギリス)。

とはいえ、まだまだ統一戦には程遠く、各王者はとりあえずその力を証明していくことが必要でしょう。

ヘビー級

4団体統一戦が○月にイギリスで、とかドバイで、とかいろいろな情報が錯綜した結果、結局なかったことになったヘビー級。

 

WBC王座は王者であるタイソン・フューリー(イギリス)とデオンタイ・ワイルダー(アメリカ)の第3戦という結末で落ち着きそうですし、WBAスーパー・IBF・WBO王座は王者であるアンソニー・ジョシュア(イギリス)がオレクサンデル・ウシク(ウクライナ)との指名戦という形で落ち着きそうです。

その後、果たして4団体統一はあるのか。

順当にフューリー、ジョシュアが勝利すれば、今度こそ同国人同士の4団体統一戦は成りそうですが、もし負ければリマッチがとかなんとかで消滅しそうです。

ということで、ちょっと雑になってしまいましたが。。。

 

軽い気持ちで書き始めたら、結構な時間もかかり、結構なボリュームになってしまいました。記憶を頼りにして書いたので、もしなくなっているような試合があったら申し訳ありません。

ともあれ、いくつかの階級では4団体を統一しようという機運が高くなっています。しかしそれは同時に、一つの団体に10名以上はいる世界ランカーたちのチャンスがその分削られている、ということでもあります。

世界王座を獲得→すぐに統一戦、という風潮になるのもどうなのかな、と思ってしまう今日このごろ、それが難しいからこそ価値も出ます。

今のままでも王者同士の試合を組む事自体が大変なので、タイミング等の運も必要だとは思いますが、せめて初防衛をしてから統一戦に臨んでもらいたいな、と思ってしまいますね。

あ、ブリッジャー級については(まだ決まっていませんが)、皆が待ち望んだ「1階級1人の王者」が実現しますね。今のところ。他の団体は追随しないでもらいたいですね。

 

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