信太のボクシングカフェ

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ボクシングが大好きです。大好きなボクシングをたくさんの人に見てもらいたくて、その楽しさを伝えていきたいと思います。

第二次WBSSバンタム級が開幕か。ドネアの返り咲きと、今後のバンタム級について。

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見ましたか。

あのノニト・ドネアの大復活を。

素晴らしい左フックを、抜群のタイミングで叩き込んだ時、レフェリーだけは試合を止めませんでしたが、もう試合が終わっていたことは誰の目にも明らかでした。

かつてのドネアが戻ってきた?違います。

38歳のノニト・ドネアというボクサーが、最強の一人に数えられるボクサーだと証明しただけです。年齢はただの数字ではなく、年齢は懸命に鍛錬をしてきた数字です。

今回は、バンタム級に戻ってきたドネアの軌跡と、今後のバンタム級の展望について書いていきたいと思います。

boxingcafe.hatenablog.com

 

 

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Nonito Donaire (@filipinoflash) | Twitterより

ノニト・ドネアのプロデビューは、今から20年前、2001年の事でした。デビュー2戦目で初黒星を喫しています。

その後3連勝して、WBOアジアパシフィック・フライ級王座決定戦を制して初戴冠。今や日本にも馴染みのタイトルですね。

その後の活躍はご存知の通り、2007年にフライ級、2009年にスーパーフライ級(暫定)、2011年にバンタム級、2012年にスーパーバンタム級、2014年にフェザー級を制して5階級制覇王者となりました。

しかしその後、そのフェザー級王座の防衛戦でニコラス・ウォータース(ジャマイカ)に痛烈なTKO負けを喫し、ドネアは「全盛期を過ぎた」というレッテルを貼られてしまったのです。

 

ドネアはその後、2015年にスーパーバンタム級王座を獲得、2度目の防衛戦で陥落。

2018年にフェザー級でカール・フランプトン(イギリス)に挑戦も実らず。

フランプトン戦後、突如としてWBSSバンタム級トーナメントへの参戦を発表、前戦からいきなり2階級下げてのトーナメント参戦に、誰もが驚きを隠せませんでした。

実績を残し、名のあるドネアを喰って名を挙げたい、フェザー級から2階級も落としての参戦、全盛期を過ぎている、等々の理由から、非常に「おいしい」存在だと認識されていたのかもしれません。

そして、その「幸運」を指名したのは当時WBA世界バンタム級スーパー王者の、ライアン・バーネット(イギリス)。

 

誰もが無謀だと思ったライアン・バーネット戦をなんとバーネットの負傷(しかもそのままバーネットは引退してしまうほどの)で久々のバンタム級戦をクリアしたドネアは、その後下馬評圧倒的不利の声の中、ゾラ二・テテ(南アフリカ)と戦うことになりました。

しかしこのテテが今度は試合前に右肩を負傷、ドネアは代役のステファン・ヤング(アメリカ)と対戦することに。このヤング戦では左フックで仕留めるものの、ドネアが被弾したこともあり、「あのパンチがイノウエのパンチだったら。。。」と言われ、折角WBSS決勝に進んだものの圧倒的不利予想。

 

バンタム級に戻ってからのドネアは、バーネット戦も不利、もちろん当時井上尚弥の最大の強敵と言われたテテ戦も不利、ヤング戦はさすがに有利と出ていたと思いましたが、井上戦においては圧倒的不利、序盤のKO決着が濃厚と言われていました。

不利予想を覆してWBSS決勝に勝ち上がってきたドネアは、圧倒的不利予想を覆して井上尚弥を眼窩底骨折に追い込み、井上はキャリアで初めて効かされてクリンチに逃げる等大いに苦しめ、ドネアは大きく評価を戻しました。

それでも、ドネアの年齢から、「井上戦のドネアはすごかった」となり、今回のウバーリ戦でも「井上戦の仕上がりならドネアの勝利となるが、おそらくそこまで仕上げるのは難しく、ウバーリが優位だろう」となり、またもドネアは不利予想。

それでも、1R、2Rでウバーリのタイミングを見きったドネアは、何度となくカウンターでウバーリを倒し、終わってみれば4RTKO勝利という圧勝劇でこのウバーリを撃退。

 

まさか、こんなにも強いとは。

「井上戦よりも強い」それはもしかするとそうかもしれませんし、そうでないかもしれません。相対的にしか見れないものなので、比べようはありません。

そういう意味で、「全盛期」「フラッシュだった頃」のドネアと、今のキャリアがあるドネアが戦えば、どちらが勝つのかはわかりません。そもそも全盛期となんぞや。

ただ一つ、言えることは、今の、バンタム級の、ドネアは最強です。

 

スーパーバンタムでも、フェザーでも強いのですが、やっぱりドネアはバンタムです。

ドネアはバンタム級で、PFPキングの井上尚弥にしか負けていません。

キャリア最終盤に来て、自身のKOハイライトに載ってくるであろう素晴らしいノックアウトをつくったドネア。もう尊敬しかありません。

さて、こうしてバンタム級の世界王者へと復帰したドネア。そして今後、バンタム級はどのように動いていくのでしょうか。

バンタム級の今後

現在、バンタム級の世界王者として君臨するのは、以下の5名。

WBAスーパー・IBF王者

井上尚弥(大橋)

WBAレギュラー王者

ギジェルモ・リゴンドー(キューバ)

 

WBC王者

ノニト・ドネア(フィリピン)

WBO王者

ジョンリエル・カシメロ(フィリピン)

WBC暫定王者

レイマート・ガバリョ(フィリピン)

4団体ある世界王座のうちで、2団体の統一王者がいるにも関わらず、「世界王者」が5名も。ちょっと計算が合いません。

まあ、それは置いておいて。

各王者の次の動向は、以下の通り。

6/19(日本時間6/20)※WBAスーパー・IBF

井上尚弥vsマイケル・ダスマリナス(フィリピン)
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7/9(日本時間7/10) ※ノンタイトル戦

レイマート・ガバリョvsTBA

 

8/14(日本時間8/15)※WBO・WBA(?)

ジョンリエル・カシメロvsギジェルモ・リゴンドー

井上尚弥は、マイケル・ダスマリナスを相手にIBFの指名防衛戦ですが、ここは問題なく圧勝してくれることでしょう。

WBC暫定王座につては本来、ガバリョは前戦の判定結果に物議を醸したエマニュエル・ロドリゲス(プエルトリコ)との再戦をすべきところ。ただ、ガバリョはこれを回避、WBCの裁定に従わなければ暫定王座の剥奪もやむを得ません。

そうなるとこのWBC暫定王座はなし崩しになるかもしれませんね。

本当は、この7/9の日程でガバリョvsロドリゲスⅡをやってもらって、勝者が秋頃、正規王者のドネアと団体内統一戦というのが理想。

 

そして冬頃、カシメロvsリゴンドーの勝者が、2団体統一王者である井上尚弥と統一戦。

そこで勝った者同士が、来年春、4団体統一をかけて雌雄を決する、というシナリオが理想。

まあ、ガバリョの暫定タイトルがどうなるかは不明ですが、ドネアvsガバリョの団体内統一戦でも、暫定王座は無視してドネアvsロドリゲスなんていうのも非常に興味深いマッチアップ。ドネアがロドリゲスを良い形で倒せれば、また更に井上との対戦の機運が盛り上がることでしょう。

ちなみに、8/14のカシメロvsリゴンドーについては私はリゴンドー応援一択です。カシメロが井上と統一戦をしたとしても、結果は見えています。それよりも、報われないリゴンドーに頑張ってもらいたい。

 

リゴンドーの戦う理由を応援しています。ただ、リゴンドーvsドネアは見たくない。ええ、わがままです。

私の思う通りに、まるでWBSSのようなこのバンタム級のトーナメントが進んでもらうことを願って。

 

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