信太のボクシングカフェ

信太のボクシングカフェ

ボクシングが大好きです。大好きなボクシングをたくさんの人に見てもらいたくて、その楽しさを伝えていきたいと思います。

【観戦記】谷口vs仲島、黒木vs千本、谷山vs平安山のトリプルタイトルマッチ!

※当ブログでは商品・サービスのリンク先にプロモーションを含みます。ご了承ください。

6月のボクシング界は豊作です。

国内外で様々な注目試合が行われますね。

一番の注目は、かつてのPFPキング、ワシル・ロマチェンコ(ウクライナ)と、中谷正義(帝拳)の一戦でしょう。そして日本で最も話題になるのは、井上尚弥(大橋)vsマイケル・ダスマリナス。

それらを来週以降に控えますが、国内でも注目試合が続々です。 

 

↓プレビュー記事

boxingcafe.hatenablog.com

さて、本日のブログでは、早速BoxingRaiseにアップされていた、6/7のトリプルタイトルマッチの観戦記です。

6/7(月)DANGAN&WATANABE P.

f:id:boxingcafe:20210605224153j:plain

 

日本女子バンタム級王座決定戦

谷山佳菜子(ワタナベ)3勝(1KO)1敗1分

vs

平安山裕子(平仲ボクシングスクール)8勝(2KO)10敗4分

デビューから5戦目で、3度目のタイトルマッチに挑む谷山が、現在3連敗中とはいえ元OPBF王者である平安山との王座決定戦に臨みます。

初回、軽やかなステップワークからジャブを飛ばし、平安山の突進をいなす谷山。この選手はジャブがよく出て、ボディジャブも良いですね。

接近戦に持ち込みたい平安山ですが、このラウンドは捌かれ、チャンスの距離でも谷山にクリンチされて思うようには戦えていません。

2R、プレスを強めた平安山、愚直に前に出て攻めます。しかし谷山のジャブのタイミングは良く、見事に出鼻をくじかれる場面も。平安山は闘志溢れるファイト。ただ、クリーンヒットは谷山の方が上でしょう。

 

3R、開始早々にバッティング。谷山が左目上をカットしたようです。で、平安山も同じく左目上をカットした模様。

続行ですが、バッティングを気にしてか平安山は先程までのように頭から行けません。ややプレスが弱くなってしまったか、谷山は平安山をジャブで翻弄。時折打つ左フックも効果的です。

谷山も右ストレートを打つ際、頭を左前に倒すのでバッティングも気をつけたい。

接近戦になれば平安山は懸命にボディを叩き、何とかダメージを与えようとしています。

4R、やはり谷山のジャブが良い。ジャブ→かわす→ジャブ!上手く左を使えています。

そしてまたバッティングでしょうか、平安山に2度目のドクターチェック。ここでドクターが試合をストップ、偶然のバッティングにより負傷判定へ。

 

負傷判定により、谷山佳菜子が新王者に!

終わり方は残念でしたが、谷山はあのまま続いていてもペースを維持しそうな感じでしたね。目指すべきところはより高みでしょうが、まずは初タイトル、おめでとうございます!

プレスの強い相手にナイスボクシングでした。平安山も、この一戦にかける意気込みの伝わってくるナイスファイトでした。

OPBF女子ミニマム級王座決定戦

黒木優子(YuKOフィットネス)18勝(8KO)6敗2分

vs

千本瑞規(ワタナベ)2勝(1KO)無敗

元世界王者で、プロ27戦目の黒木。アマ出身の千本はプロ2戦目で日本タイトルを獲得、3戦目でOPBF王座を目指します。女子ボクシングの新旧対決ですね。

まずは距離の探り合いからスタート。ファーストヒットは千本の鋭いジャブ!しかしその後黒木も左ストレートを浅くヒット。両者ともに決め手にかけたこのラウンド終盤、黒木がラッシュを仕掛け、攻勢をアピール。

2R、初回同様に黒木はリズム&ステップを刻み、千本はどっしりとした構えから鋭いワンツーを見せます。ともに反応が良く、クリーンヒットは少なめ。

 

3R、序盤、黒木のコンビネーションが良い。千本の打ち終わりにもヒットを奪います。後半、千本の右から入るパターンが良く、終盤にはノーモーションの右ストレートをヒット。

4R、黒木は豊富な運動量でサイドからサイドへ動きますが、千本は冷静に対処しています。この千本、プロ3戦目とは思えませんね。千本の左フックがクリーンヒット、その後ワンツーも当て、ここはクリーンヒットで千本は優勢でしょうか。

5R、黒木は上体を大きく動かし、ワイルドなパンチを振るいます。しかし千本はそれをしっかりと観察し、シャープなパンチを飛ばします。途中、バッティングで中断。

千本はカウンターを狙い、それがわかるからこそ黒木はおいそれと攻め込めません。

6R、前半に千本のノーモーションの右ストレートがヒット!その後ラッシュもここは黒木がクリンチで分断。この千本のストレートは大きな武器ですね。

 

7R、両者が前手で距離を探り合い、利き手のストレートで踏み込もうと緊迫した展開が続きます。ここで千本は左フックをヒット、黒木が打ってきたところにカウンター。

ラストラウンド、おそらくポイントは劣勢の黒木、開始早々前へ。バッティングにより千本が左頬をカット。ちょっと黒木は頭が低く、特に右対左なのでバッティングが起きやすいですね。

このバッティングで集中力を切らす選手も多いですが、千本はしっかりと集中、追いすがる黒木を振り切りました。

勝負は判定に持ち込まれ、一人がドロー、ふたりが千本を支持。ドローが一人、というのは少し驚きでしたが、千本が見事3戦目でOPBF王者に輝きました!

ゆったりとした構えから、鋭い踏み込みのワンツーは素晴らしいですね。それに対応した黒木も、勿論力がありました。

新王者、千本はポイント的には辛勝ながら、元世界王者にしっかりと勝ちきってみせました。女子の世界は近い。ここから防衛戦をするのか、最短で世界への道へ進むのか、興味深いですね。

 

日本ミニマム級タイトルマッチ

谷口将隆(ワタナベ)13勝(8KO)3敗

vs

仲島辰郎(平仲ボクシングスクール)11勝(7KO)1敗1分

一皮剥けた谷口の、日本王座初防衛戦。沖縄からの刺客、仲島を良い形で退けることができるか。

初回、様子見もほどほどに仲島が挑戦者らしく攻めます。谷口は慌てず、急がず、フェイントを入れつつジャブで対応。谷口を警戒してか、徐々に手数が減ってしまう仲島。この微妙な間合いについては、谷口のペースかもしれません。

2R、どっしりと構えた谷口がややプレスをかけ、仲島はジリジリと下がりながら対応。仲島の右ストレートも良いですが、谷口のアッパー、左ストレートの方がクリーンヒットは多い。仲島はロープやコーナーに詰まる場面も多いですが、KO率通り、パワーはありそうです。

 

しかし谷口は絶妙なジャブを打ち、左を打ち、フックを打ちます。このラウンド、仲島はヒッティングによりカット。

3R、谷口はかなり体幹がしっかりとしており、距離も良い。このラウンド途中、仲島の右目尻の傷をドクターがチェック。これは谷口の右フックによるものでしょうね。

再介護も谷口はしっかりとプレス。ダッキングはものすごく低く、腰を落とすダッキングなのでバッティングの心配も少ない。改めて、良いボクサーですね。

後半にはラッシュの見せ場も作り、攻勢をアピールした谷口、素晴らしいボクシングを見せています。

4R、打って出た仲島の打ち終わりに、スッと距離を詰めて当てる。ジリジリとプレスをかけ、相手をロープに詰めては相手に出てこさせ、カウンターを狙う。ロープに詰めてラッシュをしかけ、逃げようとするところで必ず一発当てる。

ふたりのスピードは同等に思いますが、明らかに谷口のパンチが多く当たっているのは、そのタイミングによるものでしょう。

このラウンド、仲島に2度目のドクターチェック。

再開後もプレスをかけた谷口は、仲島からクリーンヒットを奪います。

 

5R、鋭い踏み込みのジャブ、ノーモーションの左ストレート、ウィービングからのフック。完全に翻弄されはじめた仲島は、谷口のパンチを浴び続けたがために出血がひどくなり、3度目のドクターチェックでレフェリーが試合を止めました。

谷口が5RTKO勝利で日本王座の初防衛に成功!

谷口は、完全な試合運びでトップコンテンダーを退けましたね。良いパフォーマンスだったと思います。

一戦一戦、そのパフォーマンスに安定感を増している、充実の谷口。

現在の世界ランク最上位は、WBOの1位。WBOの世界王者は、かつて谷口を退けたビック・サルダール(フィリピン)を破り、王者となったウィルフレド・メンデス(プエルトリコ)。

 

メンデスがいかほどのボクサーなのか、まだ映像をチェックしていませんが、サルダール戦以降、成長著しい(というか実力をリングの上で発揮できるようになったのか?)谷口に対しては、期待も高まりますね。

コロナショックさえなければ、次戦で世界挑戦が実現してもおかしくありませんし、盟友、京口紘人(ワタナベ)についていってアメリカで世界挑戦なんていう道のりも考えられます。

ただ、国内に相手がいないか、というとそうではなく、2位の石澤開(M.T)との決着はついていますが、4位にはかつて黒星を喫した小浦翼(E&Jカシアス)が。重岡優大、銀次朗というミニマム級期待のホープたちとの対戦は考えられませんが、もし次も防衛戦なのであれば小浦戦が最もリスクがあり、且つ小浦に勝てれば胸を張って世界へ行って良いとも思います。

ミニマム級、日本のお家芸とも言うべき階級で、もうすぐきっと世界王者が誕生します。

ということで、今回の観戦記でした。

 

普段、あまり目にすることのない女子ボクシングは、見るたびにそのレベルの上がりっぷりに驚き、国内トップ選手同士の戦いはアマボクシングも含めてですが見る価値がどんどん上がっていますね。

今後、この女子ボクシングがどれほど浸透していくのかは不明ですが、やはり顔に傷を負ってしまうので、バッティングなんかには特に気をつけてもらいたいですね。プロでもヘッドギアありとかでもいいのでは?とか思ってしまいます。考え方が古いので。

ともあれ、BoxingRaiseさんへの入り時は、今ですよ。

 

プライバシーポリシー お問い合わせ