信太のボクシングカフェ

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ボクシングが大好きです。大好きなボクシングをたくさんの人に見てもらいたくて、その楽しさを伝えていきたいと思います。

ワシル・ロマチェンコvs中谷正義。自然体で挑む中谷正義に期待。【プレビュー】

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右を向いても左を向いても、ボクシング界の話題は井上尚弥。

いよいよ週末に迫った井上尚弥vsマイケル・ダスマリナスの一戦は、ボクシングファンだけでなく一般の方も注目の試合ですね。やっぱりフジテレビが録画放送とはいえ、ゴールデンタイムに放映してくれることも非常に大きい。勿論私も楽しみにしている一人であり、当日は有給休暇をとって備えています。

ただ個人的なことを言えば、注目試合が多い6月、最大の注目試合は、と問われれば、間違いなくワシル・ロマチェンコ(ウクライナ)vs中谷正義(帝拳)を推します。

 

PFP上位の日本人ボクサーの、勝敗のおよそわかりきっている試合よりも、対戦相手の質、そしてその相手に対して何かやってくれるのではないか、という期待感、それらを含めるとこの「日本ボクシング史上、最も注目すべき一戦」のひとつであるロマチェンコvs中谷というのは、個人的には、稀に見るビッグマッチだと思います。

戦う本人がそう思って、あまりにも相手をリスペクトしすぎてしまうと勝ち筋は見えません。中谷正義のメンタルの強さというものが、すでに戦う前から出ていて、その分、期待も大きくなっています。

 

ボクシングファンの皆さんと同じく、ワシル・ロマチェンコは大好きなボクサーです。

話題になったときも、決まってほしいような決まってほしくないような、複雑な気持ちではいましたが、正式発表後、私の気持ちは固まっています。

100%以上の全力で、中谷正義を応援します。

所謂、アンダードッグ。それでも噛み付いてくれることを、願ってやみません。中谷正義のドラマティックなボクシングは、まだまだ続きます。

今回は、6月最大の注目興行、6/26(日本時間6/27)に控えるロマチェンコvs中谷のトップランク興行のプレビューです。

 

6/26(日本時間6/27)

ライト級12回戦

ワシル・ロマチェンコ(ウクライナ)14勝(10KO)2敗

vs

中谷正義(帝拳)19勝(13KO)1敗

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この一戦については、度々書いていました笑

↓まずはロマチェンコがSNSで投げかけた時。

boxingcafe.hatenablog.com

↓そして正式決定した時。

boxingcafe.hatenablog.com

 

そんなこんなで楽しみにしてきたわけですが、もうあと10日に迫ったこの一戦のプレビュー記事は、さすがにこれで最後でしょう。

両者については以前のブログで語っていますので、今回は中谷の勝ち筋について書いていきます。

まず、多くの方が語っているように、そして本人もそれを意識しているように、「サイズ」というのが大きな武器になりそう、というのは私も共感しています。

BoxRecによると、ロマチェンコは身長170cm、リーチ166cm。

対して中谷は、身長182cm、リーチ180cm。

 

多少の誤差、サバ読みはあるとしても、身長12cm、リーチ14cmというのは非常に大きい。

加えて、ロマチェンコの一番の強みと思われる、異次元的なステップにより、多角的な面からのコンビネーションは、実は近い距離でこそその真価を発揮するのだと思います。

遠い距離でサイドステップをすると、相手から見るとバレバレ。右に行った、左に行ったというのは見えてしまいます。

しかし、近い距離、身体が触れ合う位の距離でロマチェンコのように90度近く、向きを変えるようなサイドステップをすれば、相手の視界から一瞬で消えることができるのでしょう。

 

ロマチェンコはリーチも短く、スピードもパワーも突出していません。

しかし、ここまで偉大なボクサーになった背景には、ボクシングという競技の熟知と、絶え間なく、また細かいトレーニングに裏打ちされた技術というものが大きい。その中で、最も軽快すべきなのは、ロマチェンコステップとも呼ばれるあの至近距離でのサイドステップではないでしょうか。(もちろん遠い距離で弱いと言っているわけではありません。)

近い距離までロマチェンコに入られてしまうと、縦横無尽に動かれてしまい、おそらく対戦相手はロマチェンコを見失ってしまうのでしょう。見えないところから飛んでくるパンチは怖く、そしてクリーンヒットをもらえば効いてしまいます。

中谷としては、この距離までロマチェンコを入らせないことが非常に重要。

 

まさにロペスがやったことはそのことだと思います。プレスをかけつつカウンターを狙い、入ってくる隙を作らない。ロペスのパワーと、カウンター技術を警戒させることで序盤から中盤、それが可能となったわけですが、後半には内に入られ、ロマチェンコ優位の展開となりました。

ロマチェンコは故障の影響もあったのかもしれませんし、ロペスを警戒しすぎたのかもしれません。とにかく、いつもは初回、遅くとも前半が終わる頃までに分析し終えるロマピューターは、ロペス戦では後半までその答えを出せずにいました。

ロマチェンコは、前半、必ず見ます。

 

良い勝ち方をしなければいけないと思われる中谷戦でも、それは変わらないような気がします。

プライドの高いロマチェンコが、闘い方を変えるということは考えられませんし、もしかするとロマチェンコは人一倍臆病だからこそあのボクシングができているのかもしれません。(もしその裏をかいて、ロマチェンコが初回からアグレッシブに出てくるようだと、感嘆するしかありませんが。)

 

なので中谷としては、やはり前半を勝負としてプレスをかけ、自ら攻める。遠距離でも中距離でも、ロマチェンコの被弾率は非常に低いですが、とにかくロマチェンコを中に入らせず、手を出させなければポイントは中谷に流れるはずです。

そのように前半優位に立つことで、後半にも闘いやすくなるはずであり、いざとなった時に中谷が「暴れる」という流れでいけば、期待が持てます。

ともかく前半、中谷のジャブが機能することを願ってやみません。そして中盤から後半にかけて、中谷の動きを見切ってくるロマチェンコに対し、中谷が暴れる。これが理想的な展開のように思います。

 

当初、この試合が決まった時、1ファンとしてはその時点で満足でした。その後、中谷のインタビューを見聞きする中で、本人は「ビッグマッチ」と思っていない、楽勝だと繰り返し伝えてくれています。相手をリスペクトしすぎず、そして気負いすぎず、あくまでも自然体で戦う中谷正義というボクサーに、これまでの日本人ボクサーにないものを感じています。

かつて、ノニト・ドネアに対して西岡利晃がいつものボクシングが出来ず、何もできずにストップされてしまったこと、ミゲール・コットに対して「前に出るしかない」という選択肢しかなかったという亀海喜寛は、怪我がなければ、とか、他の闘い方だったら、とか、今だからこそ色々と考えられると思うのです。

そんな先人たちのたどり着いたビッグマッチを経て、今回、あくまでも自然体で(ファンから見ると)ビッグマッチに臨む中谷。正式決定から今まで、どんどん期待は膨らむ一方です。

 

現状、ロマチェンコを相手に優位予想を立てられるボクサーはほとんどいないはずです。一度勝利しているテオフィモ・ロペスだって怪しいもの。ロペスはすでにロマピューターにデータが入っているはずですから。

アンダードッグは当たり前、それを覆すハートと、サイズという武器が中谷にはあり、それを駆使してここを乗り越えてくれると楽しみにしています。

 

決戦は、6/26。日本時間で6/27。

この一戦を楽しみに待ちたいと思います。

しかし、残念ながらこの放送は地上波では流れません。ボクシングという競技の悲哀、スポーツ界全体で見渡してもこの対戦が決まったことだけでも偉業だと思うのですが。

ただ、勿論我らがWOWOWエキサイトマッチでは生中継、WOWOW信者でもある我々は存分にこの試合を楽しみ、そのゴングがなるまで大いにその偉業を喧伝し、そして終わった後には帝拳と関係の深い日テレあたりが放映権を購入し、地上波で流してくれることを願います。

ともかくお茶の間まで伝われ、このロマチェンコvs中谷。ボクシングファンの同士のみなさん、それぞれの場所で草の根活動を広げていきましょう。井上尚弥の試合が地上波で流れる、この週末は、ボクシング教を布教する大チャンス!

そしてこの興行、セミファイナルも日本人にとって大注目!

 

これはこのメインに対してこのセミファイナルをよくぞ持ってきた、という試合ですね。

ミドル級10回戦

ジャニベック・アリムハヌラ(カザフスタン)9勝(5KO)無敗

vs

ロブ・ブラント(アメリカ)26勝(18KO)2敗

プロスペクト、アリムハヌラのチャレンジマッチは、あのロブ・ブラントが相手です。アリムハヌラ(アリムカヌリ、アリムカヌレ等々表記は色々です。)は、ややクラウチング気味の構えから、ステップも上体の動きもよく、コンビネーションも出てカウンターも打てる、非常に穴の少ないボクサーです。

対してブラントは、村田諒太と1勝1敗。1戦目は村田に対してスピードを活かし、完全にアウトボックス、2戦目は自信を持ちすぎたのか、近い距離で戦ってしまい完全にノックアウト負け。

 

村田の出来が良く、そのボクシングに迷いがなかったことが一番の(ブラントにとっては)敗因ではありますが、初戦で完封したブラントに油断がなかったか、というと多少はあったのだと思っています。

そんな実力者、ブラントと、カザフスタンのプロスペクト、アリムハヌラの試合も楽しみでなりません。

ここでブラントを倒せるようでしたら、きっとすぐに世界トップ戦線に上がってくるでしょうし、ブラントが勝てば再浮上できます。

オッズはどうなっているんでしょうか。非常に楽しみですが、ここは個人的にブラント応援です。勝って間接的に村田の株を上げてもらいたい。

↓アリムハヌラの前戦の観戦記

boxingcafe.hatenablog.com

 

 

そして、この興行のアンダーカードで、帝拳ジムのホープ、村田昴(帝拳)がいよいよプロデビュー戦を迎えます。相手はケヴェン・モンロイという1勝(1KO)1敗という選手。

村田は元トップアマであり、東京オリンピックの国内選考で敗退、プロの道へ進みました。

この元トップアマからのプロ転向組には、コロナショックの影響が非常に大きく、おそらくデビュー戦の相手が見つからなかったのでしょう。今回のこの素晴らしい機会を得て、プロデビューがラスベガスのリングという大チャンス。

良い内容で勝利し、この経験を糧にしてもらいたいですね。

ということで、このロマチェンコvs中谷のトップランク興行は、6月の海外戦を締めくくるのに最高の興行だと思います。

是非皆さんも、WOWOWで楽しみましょう!村田の試合も、録画で流れるといいですね。

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