信太のボクシングカフェ

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ボクシングが大好きです。大好きなボクシングをたくさんの人に見てもらいたくて、その楽しさを伝えていきたいと思います。

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【観戦記】福永亮次vs藤井貴博の2冠統一戦。リトルパッキャオの衝撃KO劇と、敗者の今後に注目。

このブログがアップされるころには、6/24(木)のSLUGFESTの結果も出ていることでしょう。山内涼太vs中山祐太のWBOアジアパシフィックタイトルマッチをメインとしたSLUGFESTの興行は、A-SIGNボクシングのYoutubeチャンネルで録画配信予定とのことなので、そちらも楽しみです。

さて、今週は角海老祭り。

6/21、6/24の後楽園ホールは、角海老宝石ジムのボクサーたちがこぞって登場します。

先日の日本スーパーライト級タイトルマッチでも、角海老宝石ジムの鈴木雅弘が、三迫ジムの永田大士に勝利して新王者(既に返上)となる等、今最も勢いのあるジムと言っても過言ではない角海老宝石ジム。

角海老ジム所属ボクサーの全勝なるか、今回のブログでは6/21(月)に行われた福永亮次vs藤井貴博の日本・WBOアジアパシフィック・スーパーフライ級タイトルマッチの観戦記です。

 

↓プレビュー記事

boxingcafe.hatenablog.com

 

6/21(月)DANGAN

セミファイナル フライ級6回戦

飯村樹輝弥(角海老宝石)vs川崎智輝(サンライズ)

飯村はプロ2戦目、川崎はプロデビュー戦。プロキャリアは浅いふたりながら、アマチュアの経験は豊富。アマ81戦(68勝13敗)の飯村は、日本大学ボクシング部主将を経験しており、対して川崎はアマ47戦(35勝12敗)、近畿大学ボクシング部の主将を経験しているそうです。

東西を代表する大学のキャプテン同士、学年はひとつ違い。互いに負けられない、意地がありそうですね。

初回のゴング。さすがそれぞれの地域の大学リーグで活躍していただけあって、ともにキビキビとした動き。並の6回戦では相手がいないでしょうから、このマッチアップは素晴らしいですね。

 

ともに落ち着いた立ち上がりから、ややプレスをかけているのは飯村。しかし川崎は、飯村が攻めてきたところに下がりつつも左フックをあわせます。初の8オンスグローブ、初のプロのリングでもとまどいはなさそうです。

終盤、飯村も左フックをヒット。緊張感のある、互角の立ち上がりに見えます。

2R、ゴングと同時に川崎がダッシュ。様子見は終わったとばかりにアグレッシブに攻め入ります。しかし中盤にかけて、飯村のクリーンヒットが徐々に上回り、特にコンビネーションの最後に放つ左フックが印象的にヒットしています。

3R、ハンドスピードは互角に見えますが、しっかりとしたガードポジション、コンビネーションの精度、そしてパワーもやや飯村の方が勝っているように見えます。

川崎はジャブがよく出ていて良いですが、接近戦では飯村の回転力、身体のポジショニングが巧い。

 

4R、半分を過ぎて劣勢を意識したか、川崎がプレス。飯村はサークリングしながらパンチを外し、時に迎え撃ちますがこれもまた巧い。

5R、ともに果敢に打ち合う打撃戦に突入。飯村はガードも非常にしっかりしており、ガードがやや流れてしまう川崎は少し見栄えの面でも良くありません。飯村の左フックは相変わらず良いですし、ボディアッパーも効果的、川崎はボディが効いてしまったかもしれません。

ラストラウンド、両者のパンチが当たる距離での打撃戦。川崎はボディからのコンビネーションに活路を見出し、飯村を攻めます。飯村も足を使いながらも反撃、ともにこのラウンドはクリーンヒットが多い展開。このラストラウンドは、飯村の被弾が多い印象です。

勝敗は判定へともつれ込み、ジャッジ3者が58-56、飯村を支持。

飯村樹輝弥、6R判定勝利。

 

初々しく、フレッシュでありながらもやはりそのボクシングはそれぞれに成熟されており、非常に技術の高い、クリーンなボクシングでした。

正直、それぞれこのレベルの相手はもっと上で当たってもらいたかったところですね。

アマエリートたちは、6回戦の時には相手を探すことが難しく、往々にして外国人選手を相手にキャリアをスタートさせることが多い。しかしこのコロナ禍の中ではそうもいかず、この時期にプロデビューしたボクサーたちは、調整試合を挟まずにハナからハードマッチメイクになりがち。

飯村はデビュー2戦目、川崎はプロデビュー戦でそれぞれ強豪とあたり、この内容であれば今後も大いに期待できますね。

今後に期待、そしてもっと上のステージでの再戦が期待されます。

 

WBOアジアパシフィック・日本スーパーフライ級タイトルマッチ

福永亮次(角海老宝石)13勝(13KO)4敗

vs

藤井貴博(金子)12勝(3KO)6敗1分

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リトルパッキャオ、福永亮次。フローイラン・サルダール(フィリピン)を破ってWBOアジアパシフィックタイトルを戴冠、その後日本王者、中川健太(三迫)との統一戦を経て、アジア3冠統一王者となりました。(中川戦でOPBFの王座決定戦も兼ねていたため)

サルダール戦は、前座に出場するボクサーの応援に行ったため、更にコロナが猛威を振るう直前だったこともあり、現地観戦出来た試合です。前半からサルダールにしてやられましたが、逆転KO。少々荒いボクシングに見えましたが、中川戦では非常にテクニカルに左を当てることができており、このところの急成長は凄まじいボクサーです。

対して藤井は、「曲者」というイメージで、僅差の判定をものにする力の強いボクサー。KO率は低いものの、というか低い分、非常に不気味なボクサーです。

下馬評としては福永優位は否めませんが、愚直に見える福永のボクシングが、藤井に翻弄されてしまわないとも限りません。藤井としては、相手の良いところを消し、打ち合いに付き合わず、自分のペースに持ってくるということが至上命題。

「人の登山を見ているような、つまらない試合」にすると豪語する藤井。言葉のセレクトが非常に絶妙、素晴らしいですね。強打の福永に対して、藤井が目指すところはまさにそういうところでしょう。

 

さて、ゴング。

プレスをかけるのは福永、藤井はサークリング。大方の予想通りの立ち上がり。サウスポー同士、リードの使い方が鍵となりそうです。

藤井は右手を泳がせ、藤井の前進を阻止しようとするような仕草。福永は鋭いジャブで中に入ろうとします。両者のパンチングパワーには明らかな開きが見て取れますが、福永のボディに対して藤井は首を振ってノーダメージをアピール。

藤井はこれまで6敗していますが、TKO負けは一度のみ。それもキャリア初期、パンチをまとめられてのTKO負けのようで、打たれ強さは相当なものなのかもしれません。

2R、福永はプレスを強めて前進、藤井はコーナーやロープのそばで福永を迎撃。幾度となく福永の強烈な左が藤井を捉えますが、心折れず打ち返す藤井。

 

藤井は連打で盛り返す場面もつくり、会場を沸かせます。

3R、福永は上下への打ち分けも見事、やはりこのボクサーはパンチを当てる技術を持っています。自ら攻め、藤井が反撃してきたところをバックステップしながら右フックを当てる、本当にお見事。

藤井はノーガードで挑発してみたり、細かいパンチを放ってみたりと色々試しています。

4R、藤井としては、このままではジリ貧かもしれません。それでも尚、福永の強打を何度もらっても諦めません。

もしかすると、福永が疲れ、強打に翳りが見えるであろう後半を勝負時としているのかもしれません。

5R、サイドへサイドへ回る藤井、ジリジリと距離を詰めてジャブで追い詰め、当たるタイミング、ポジション、距離を見極めて強い左ストレートを放つ福永。さながらライオンのように、じっくりと相手を見定めてパンチを打ち込んでいます。

藤井の反撃、抵抗はややパワー不足、福永を脅かすまでには至りません。

 

6R、これまでと同じ展開、いやこれまで以上に福永のパワーパンチがヒットしているように見えます。中盤、福永のパンチが藤井を襲い、とうとう藤井は効いてしまったかに見えました。ここで福永はフィニッシュを狙ったか、パンチをまとめます。

しかしそこをしのいだ藤井は連打で反撃、しつこいパンチで今度は福永が後退。会場は大いに盛り上がり、大きな拍手が鳴り響きます。ちょうど半分、ここから藤井の反撃がなるのでしょうか。

7R、開始早々に圧を強めた福永。しかし、ここまでのラウンド、ロープ、コーナーに詰まった状態だった藤井は一歩前に出て応戦、このラウンドはロープやコーナーに詰まることはこれまでで最も少なかったように思います。

8R、立ち上がりに大きな変化は見られません。しかし、勝負は一瞬でした。

 

福永の強烈な左ストレートがカウンター気味に藤井にヒット!藤井はもう意識が飛んでしまったか、身体が泳ぎます。そこに福永がダメ押しのワンツー、とうとう力尽き、スローモーションのように倒れていく藤井。

ロープに打ち付けられたような危険なダウンを見て、レフェリーは即座に試合をストップ。

福永亮次、8RTKO勝利。

福永、強かったですね。オフェンス面ではそのハードパンチに加え、やはり当て勘というものが素晴らしく、そしてディフェンス面でもステップ、ボディムーブ、そしてガードと一通りのものが非常に高いレベルでまとまっているように見えました。

 

王者となって、更にレベルアップした福永ですが、その一番の魅力はやはりハードパンチ。この勝ち星すべてがノックアウトという戦歴をひっさげ、近年中の世界挑戦に期待です。

ただ、現在のスーパーフライ級は統一戦志向のため、おそらく挑戦者が渋滞。最も近いのはそこからのけものにされている、IBF王者、ジェルウィン・アンカハス(フィリピン)かもしれませんね。

そして、見事に散った挑戦者、藤井。

スピード、パワー、パンチを当てるテクニック、フィジカル。そんな目立つ部分で、藤井の勝っているところは一つもなかったのかもしれません。それでも、自らの勝ち筋を探し、本気で強大な王者に向かっていった様は、感動を覚えるほどでした。

 

今回の藤井は、今までで一番良い動きをしていたかもしれません。(全ての試合を見ているわけではないので何ともいえませんが)

それでも尚、届かなかった高み。ただ、この経験はきっと非常に今後に活きるものでしょう。

藤井貴博というボクサーは、まだまだきっとこれから。このタフで、非常に聡明なボクサーは、キャリアを積めば積むほど味の出てくるボクサーだと思います。

今回のこの「痛烈なノックアウト負け」というキャリアを経た藤井貴博というボクサーが、どのように化けていくのか、また楽しみですね。

 

 

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