7月に予定されていたビッグマッチ、タイソン・フューリーvsデオンテイ・ワイルダーが延期だとか。
理由はフューリー本人も含めた陣営のコロナ感染ということで、致し方のないものですね。試合が近くなっても、前回ほど話題にのぼることがなく、ちょっと心配な面もありました。この延期された期間でしっかりとプロモーションを展開して、無事に開催を願います。
さて、国内では来週、ウィークデイからウィークエンドまで、注目試合が盛り沢山。
東日本新人王戦も始まり、興行数としてはかなり多くなっているように見えます。
今回のブログでは、来週末までの注目試合をプレビューです。
7/14(水)WATANABE&DANGAN
WBOアジアパシフィック・ミニマム級タイトルマッチ
重岡銀次朗(ワタナべ)5勝(4KO)無敗
vs
川満俊輝(三迫)6勝(3KO)無敗
ミニマム級、という世界的には不人気な階級は、日本人ボクサーにとって多くのチャンスが転がっている場所です。
コロナショックさえなければ、もしかしたら重岡銀次朗という才能あふれるボクサーは、国内最短の世界王座奪取記録を狙えたのかもしれません。
しかし状況は許さず、おそらく相手も出てこないであろう重岡は、2019年12月31日以来のリングに立ちます。そして6戦目にして、初めての日本人対決。
対戦相手の川満は、比嘉大吾の同級生で、2018年にB級デビュー、ここまで危なげなく勝利を重ねてきています。
最軽量級ながら、現在3連続KO勝利、重岡のキャリアと違い全て日本人選手が相手。特に前戦は会心の初回TKO、勢いに乗っています。
まだ底を見せていない川満、重岡相手では予想不利は否めませんが、ここを勝ち上がれば一気に駆け上がっていけるという大チャンス。
ちなみに川満の詳しいキャリア、その人柄はkazzzzya.nさんのツイートに詳しいです。
↓是非さかのぼって見てみてください。
#川満俊輝 情報⑦ 大学時代
— kazzzzya.n (@NKazzzzya) 2021年7月9日
宮古工高を卒業後に鹿児島県の第一工業大学へ進学。
一年時から主力メンバーとして活躍。
強豪大学から全国レベルの選手が集まる国体の九州予選では、鹿児島代表として参加。熊本代表·重岡優大選手に勝利するなど徐々に結果を出し始め、プロへ進む自信を深めた。
そんな注目メインを彩るセミファイナルは、8勝(7KO)無敗、本格派のランカー宇津木秀(ワタナベ)が、2勝(1KO)1分23歳のファイター、中井龍(角海老宝石)を迎えます。非常にしつこく、フィジカルの強靭な中井を迎え、宇津木がどのようなボクシングを展開できるのか、が見どころ。期待の高い宇津木は、ここも難なくクリアしたいところでしょう。
その他にも、2017年の全日本新人王・富施郁哉(ワタナベ)vs2020年の全日本新人王・冨田風弥(伊豆)等、好マッチメイクが盛り沢山です。
こちらの興行は、BoxingRaiseさんで録画配信。メインは遅くとも当日深夜にはアップされる傾向があるので、情報遮断して楽しみたいと思います。
7/17(土)ファイティング・スピリット
日本ユース・スーパーライト級タイトルマッチ
佐々木尽(八王子中屋)10勝(9KO)無敗
vs
湯場海樹(ワタナベ)7勝(5KO)無敗2分
中量級のスーパーホープ、佐々木尽は、今やボクシングファンで知らない人はいないかもしれません。非常に豪快なノックアウトを積み重ね、独特な価値観を持つこのボクサーは、見ていてとてもおもしろいボクサーです。
19歳という若さで、2021年2月に行われたイベント「LEGEND」への出場に大抜擢、東京オリンピック代表の岡澤セオンとエキシビジョンを戦ったことも記憶に新しいですね。あの時の変な動き(失礼)は置いておいて、大舞台も経験し、そこで物怖じしない強いハート、そして何よりも強いパンチングパワーを持つ佐々木は、非常にロマンを感じるボクサーです。
しかしその強打は当たらなければ意味がありません。
ともすれば、その強打を空転させられるのではないか、という期待が湯場にあります。
スーパーライト級は元々佐々木の主戦場であり、現日本ライト級ユース王者の湯場のこれまでの主戦場は勿論ライト級。
湯場は日本5階級制覇のレジェンド、湯場忠志を父に持つサラブレッドですが、ボクシングを始めたのは意外にも遅く、高校入学時。お父さんの現役時代から応援していた身としては、佐々木尽という存在も捨てがたいが、湯場2世という存在も特別です。
8Rの中で、佐々木のハードパンチをかわしつづけながらポイントをピックアップしていくのはなかなか骨の折れる作業ですが、この湯場はカウンターも鋭く、ガードの甘いタイミングのある佐々木相手には期待も持てます。
佐々木はガードがルーズになる点、そして相手を飲み込もうとトリッキーなことをやるとそこをつけこまれそうな感じもします。
この勝敗予想は非常に難しく、だからこそ注目度も高いですね。
ともに相手がなかなか見つからない者同士の注目のマッチアップ、これは非常に面白い試合になるでしょう。ちなみに、湯場父の試合も勝っても負けてもおもしろかった。
この興行は八王子中屋ボクシングジム主催の興行で、八王子中屋のボクサーがこぞって登場。吉野ムサシの他、A-SIGNの興行でおなじみの谷口彪賀、牛島龍吾が揃い踏みです。
A-SIGNのYoutubeチャンネルで生配信!
興行開始は15:00〜ということなので、メインは17:00前くらいでしょうか。私は当日仕事→練習(教え子たちの試合一週間前)なので、情報遮断して夜視聴します。
7/18(日)FOREVER CHALLENGE
スーパーウェルター級8回戦
丸木凌介(天熊丸木)17勝(12KO)7敗1分
vs
畑上昌輝(長崎ハヤシダ)6勝(2KO)2敗1分
日本タイトル挑戦経験者、丸木の再起第二戦。暫定王座決定戦を含めてこれまで日本タイトルに3度挑戦するも、その挑戦は未だ実っていません。
30歳、油の乗った丸木はここからが本当の勝負どころです。
対して畑上は初の8回戦というところもあり、丸木としてはここは痛快な勝利をおさめたいところ。
刈谷市あいおいホール、中部ボクシング興行の聖地と言っても良いこの会場で、地元リングのメインを良い形で締めれるか。
セミファイナルには2020年の全日本新人王、能嶋宏弥(薬師寺)が、岡田翔真(姫路木下)と対戦。そしてセミセミには、その能嶋の師匠である、元日本王者の大場浩平(名古屋大橋)が市野ジムの中村3兄弟の3男、中村龍明と対戦。
前戦で湊義生(JM加古川)に2RTKO負けを喫した大場は、サンライズジムから移籍、ラストマッチに臨みます。
大場に花道を飾って欲しい、という思いもありますが、ここは未来のある若者にバトンを渡す役目なのかもしれません。いずれにせよ、前戦の出来ではこれ以上戦うのは厳しいとは思うのですが、どうか無事にリングを降りてほしいものです。
この興行は、ボクシング選手名鑑管理人、せきちゃんさんが配信主として、sakanaさんのYoutubeチャンネルで生配信。時間は13:00〜です。
この「個人が放映権を購入し、Youtubeで流す」という異例の試みが、ここまで続いていてすごいですね。しかも今回、この興行のチケットはソールドアウト。会場が満員(今は人数制限がありますが)で、行けない人は配信で見れる、これがボクシング興行ではベストの形かと思います。
くわしい見どころは、ボクシング選手名鑑管理人、せきちゃんのブログで!(興行の1週間前にアップ予定とのこと)
ということで、来週も国内試合はウィークデイ〜週末まで、ガッツリ楽しめそうですね。