エロール・スペンスJrは眼底検査の結果、網膜剥離が確認されたとか。
ただ、完全に剥離して、水が眼球内に入っていれば即失明という危険性がある中で、網膜裂孔からの網膜剥離の発覚ということであれば、おそらく少し剥がれている程度ではないか、と思います。
レーザー手術でいけるんじゃないか。。。とか思いますが、まあ、これくらいにしておきます。
ただ、一度網膜裂孔や網膜剥離を患うと、失明というのが目と鼻の先にある、というのは否めません。特に頭部に打撃を受けるボクシングなどという競技は、本来であれば当然、やるべきではありません。
ただ、以前網膜裂孔(やや剥離)を患った私は、今もスパーリングを続ける等の矛盾。結局やめられないのです。
スペンス、無事に回復してくれると良いですが、無理しないでももらいたい。
さて、今回のブログでは、そんなスペンスの代役、ヨルデニス・ウガスが大きなチャンスをつかんだというマニー・パッキャオ戦。その興行のプレビュー記事です。
WBAスーパー世界ウェルター級タイトルマッチ
ヨルデニス・ウガス(キューバ)26勝(12KO)4敗
vs
マニー・パッキャオ(フィリピン)62勝(39KO)7敗2分
書いている時点(8/19)で発表されたオッズは、パッキャオが圧倒的有利。ただ、実際は子のウガスは今のパッキャオにおいては非常に危険な相手である、と思います。
ボクシングファンは、まだまだパッキャオに幻想を抱いているのでしょう。
↓プレビュー記事は以前書きました
スペンス相手であれば、負けて当然=善戦すれば称賛され、もし勝てれば伝説となる一戦でした。しかし知名度の低いウガス相手であれば、そうはいきません。
それも含めて、パッキャオにとってかなり厳しい戦いとなることは予想ができます。
ウガスはもっと早くに世界王者となっていても全くおかしくないボクサーで、粒ぞろいのウェルター級の中でもかなりの強豪です。
個人的には、パッキャオが敗れたとしても、(残念には思いますが)驚くことはないと思います。そしてこのウガスにパッキャオが勝てば、もうそれだけですごいことです。
ウガスは良いボクサーですが、今回も勿論パッキャオを応援。パッキャオの試合は最後と思って心の限り応援したいと思います。
セミファイナルはウェルター級の古豪対決!
ウェルター級10回戦
ビクター・オルティス(アメリカ)32勝(25KO)6敗3分
vs
ロバート・ゲレーロ(アメリカ)36勝(20KO)6敗1分
2004年にプロデビュー、2011年にWBC世界ウェルター級王者となったビクター・オルティス。その後、初防衛戦でフロイド・メイウェザーJrと激突、パンチが当たらなすぎて思い切りヘッドバットを狙ってレフェリーの注意を受け、その後謝罪なのかハグをしようとしたら打ちのめされた、というのが有名な話。
この動画は10年たった今でも、SNSでたまに見かけますね。
現在34歳。
そしてゲレーロは2000年にプロデビュー、2006年のIBF世界フェザー級王座獲得を皮切りに、同スーパーフェザー級王座を獲得して2階級制覇、そしてWBAとWBOのライト級暫定王座に加えて、WBC世界ウェルター級の暫定王座も獲得しています。
尚、このときのWBC正規王者であるフロイド・メイウェザーJrと団体内統一戦を行い、判定負けを喫しています。
その一戦のあと、亀海喜寛(帝拳)と戦った事も記憶に新しいですね。これは2014年6月のことなので、あっという間に7年が経過しています。
現在38歳。
メインイベントのパッキャオvsウガスは42歳のパッキャオ、35歳のウガスの対決で合計77歳ですが、こちらも34歳のオルティス、38歳のゲレーロと合計72歳、全く引けを取りません。(何が)
この、ダメージを溜め込んでいそうなボクサーたちが、どの程度動けるのか。これはこれで興味深いですね。
セミセミの方が見ていて面白い試合になるかもしれません。
フェザー級12回戦
マーク・マグサヨ(フィリピン)22勝(15KO)無敗
vs
フリオ・セハ(メキシコ)32勝(28KO)4敗1分
WBOインターナショナル王座がかけられる一戦だそうです。マグサヨは、過去にこの王座を獲得(して返上?)していますね。
これは非常に興味深いマッチアップだと思います。
フィリピンのスター候補、マグサヨ。全勝街道をひた走る26歳。WBC5位、IBF4位、WBO3位と主要団体の世界ランクでは上位につけ、世界戦待機状態といって良いでしょう。
フィリピン人ボクサーらしく、思い切りの良い攻撃は見ていて気持ちが良いですね。コンビネーションもよく、一発のパワーもあります。
そして相手はあのフリオ・セハ。
リゴンドーと打ち合った(これはリゴンドーのスタイルチェンジか、もしくは気の迷い)という事でも有名なこのボクサーは、2015年にウーゴ・ルイスとWBC世界スーパーバンタム級暫定王座決定戦を戦い、これを獲得、正規王者に昇格しています。この王座はダイレクトリマッチでルイスに奪われ、そのルイスは長谷川穂積に王座を明け渡しています。
前戦、といっても2019年の11月、今をときめくブランドン・フィゲロア(アメリカ)に挑戦。しかしここで大幅な体重超過を犯しています。(試合はドロー)
今回、セハは体重を作ってこれるのか。。。メキシコのボクサーはその辺りが非常にルーズなボクサーが多いと思いますが、今回はしっかり仕上げてもらいたいですし、今回もまたオーバーなんていうことがあれば本当にリングに上がる資格はありません。今回はフェザー級なので、信じましょう。
さて、ここはマグサヨにスカッと勝利して、世界挑戦への弾みをつけてもらいたいところですね。マグサヨは勝って、自国の英雄パッキャオにつなげてもらいましょう。
そして、王者候補、カルロス・カストロも登場!
カルロス・カストロ(アメリカ)26勝(11KO)無敗
vs
オスカー・エスカンドン(コロンビア)26勝(18KO)5敗
スーパーバンタム級の次期王者候補、カルロス・カストロ。このボクサーは、日本ではあのゼネシス・セルバニア(カシミ)を完封してみせて、知名度が一気に上がりました。
その後も抜群の安定感を誇るこのカストロは、勝利を積み重ねています。
基本が非常にしっかりとしている巧く、美しいボクサーですが、ややパワーレスに感じます。そして今回は階級を一つ上げ、フェザー級での一戦。
相手のエスカンドンというボクサーは、2016年にWBC世界フェザー級暫定王座を獲得しているものの、個々最近は全勝ホープたちの相手を次々とさせられている、実力者たちの噛ませ犬的な役割を担うボクサー。
ゲイリー・ラッセルJr(アメリカ)とのWBC王座の団体内統一戦のあとにツグスソグ・ニャンバヤル(モンゴル)、そのあとにブランドン・フィゲロア。
その後、当時23戦全勝のジャック・テポラ(フィリピン)の相手に抜擢されますが、これを1RKO勝利で連敗を脱出。今回はカストロという全勝ボクサーの相手です。
カルロス・カストロは、今回がフェザー級初戦。この一戦には、WBCのフェザー級の地域タイトルが懸けられています。今後、カストロはフェザーで戦っていくのかもしれません。
今のスーパーバンタム級は、統一路線に進んでいるために、チャンスが少ない。これはある種、賢明な選択とも言えますが、果たしてカストロはスーパーバンタムでもややパワーレスに感じました。その辺りがどうか。
いずれにしろ、このエスカンドン相手に、ラッセルJrは7RTKO、ニャンバヤルは3RKO、フィゲロアは10RKO。そしてカストロは。。。??
このカストロvsエスカンドンはノーテレビかもしれません。FOXに加入していればこの一戦は、PPVではなく無料で見れるのかもしれません。
いずれにしろ、この日の興行は、やっぱりパッキャオを観るというのが主眼。パッキャオの大勝利を願って、そしてそれに勢いをつけてくれるかもしれないマグサヨの快勝もついでに願って、この日は世界中が歓喜に包まれる事を期待しています。ウガスには、本当に申し訳ないですが。