信太のボクシングカフェ

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ボクシングが大好きです。大好きなボクシングをたくさんの人に見てもらいたくて、その楽しさを伝えていきたいと思います。

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【プレビュー】アンソニー・ジョシュアvsオレクサンドル・ウシク!見たいのはウシクの奇跡!

10月、11月の海外戦が次々と発表され、非常に楽しみですね。

最近になってやっと発表されたのは現地時間で10/4のテオフィモ・ロペスvsジョージ・カンボソスJr.、10/15のエマニュエル・ナバレッテvsジョエ・ゴンザレス、そして11/20のテレンス・クロフォードvsショーン・ポーター。

すでに発表されていたカードも、フューリーvsワイルダー3やヘリングvsシャクール、カネロvsプラント等々とビッグマッチ揃いで、この秋、ボクシング界は大いに盛り上がること請け合いです。どうかどうか、コロナに邪魔されないでもらいたいです。

 

コロナといえば、エストラーダvsロマゴンやフルトンvsフィゲロアもまだ日程がペンディング状態であり、この秋に組み込まれる可能性は大きい。

国内でも注目興行が盛り沢山、ということで、果たして身体が持つか心配です笑

さてさて、10月に入る前に、国内での注目興行は何といっても寺地拳四朗vs矢吹正道のWBC世界ライトフライ級タイトルマッチ。

カンテレドーガLIVEで生配信、そしてなんとWOWOWで後日録画放送(9/27月21:00のレギュラー放送)ということで、これは珍しい。地上波での放送がない、というのは何とも奇妙なものですが、WOWOWの解説陣が日本人同士の試合を解説することもレアなので、楽しみです。

さて、前置きが長くなりました。

 

この試合を見ずして10月には入れません。今回のブログでは、アンソニー・ジョシュア(イギリス)vsオレクサンドル・ウシク(ウクライナ)、WBAスーパー・IBF・WBO世界統一ヘビー級タイトルマッチのプレビューです。

↓アンダーカードはこちら

boxingcafe.hatenablog.com

 

9/25(日本時間9/26)DAZN

WBAスーパー・IBF・WBO世界統一ヘビー級タイトルマッチ

アンソニー・ジョシュア(イギリス)24勝(22KO)1敗

vs

オレクサンドル・ウシク(ウクライナ)18勝(13KO)無敗

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ロンドン五輪、スーパーヘビー級の金メダリストで、現3冠王者のアンソニー・ジョシュア。身長198cm、リーチ208cmという恵まれた体躯を持ち、非常にスタンダードなボクシングをする優等生的なボクサーです。

作り込まれた彫刻のように見事にビルドアップされた肉体は、まさに超合金。

ボクシングを始めたのは意外と遅く、2007年、18歳だそうです。その後アマではロンドンオリンピックの金メダルを獲得(決勝はドロー、優勢点での優勝)し、2013年にマッチルームと契約し、プロデビュー。

 

デビュー以来は連戦連勝、そしてそのすべてをノックアウトで勝ち上がっていくという、破格の快進撃を続けていきます。

地域タイトルを獲得し、それを防衛しつつキャリアを重ね、世界へ挑んだのは2016年、IBF世界タイトルマッチ、当時無敗のチャールズ・マーティン(アメリカ)戦。マーティンは、タイソン・フューリーが剥奪され、空いた王座を決定戦で勝ち取ったラッキーな王者だったかもしれませんが、とにかく無敗の世界王者、マーティンをたった2Rで粉砕、見事世界初戴冠を果たします。

圧倒的なKO劇を見せたジョシュアの躍進はまだまだ続き、初防衛戦ではドミニク・ブリーズエール(アメリカ)を7RTKO、続いてエリック・モリナ(アメリカ)を3RTKOと勢いに乗ります。

 

そして迎えた3度目の防衛戦の相手は、前3団体統一王者、ウラディミール・クリチコ(ウクライナ)。前戦でタイソン・フューリー(イギリス)に敗れて無冠となったものの、それまでのクリチコはWBA8度、IBF18度、WBO14度を連続防衛した超がつくほどの名王者。

クリチコに勝利し、一夜にして時の人となったフューリーはその後こころに支障をきたし、戦線離脱を余儀なくされていました。

この、ジョシュアにとってIBF王座3度目の防衛戦は、WBAスーパー王座の決定戦にも位置づけられ、2冠戦として開催。

ウェンブリー・スタジアムで行われたこの一戦は、なんと観客が9万人、そして試合内容も素晴らしいものでした。

5Rにダウンを奪ったジョシュアでしたが、そのラウンド後半にはクリチコに逆に攻め込まれ、翌6Rに倒し返されます。ダメージの残るジョシュアは7、8Rをなんとかエスケープし回復、9、10Rに盛り返したジョシュアは、とうとう11Rにクリチコを倒し切る、という非常に劇的な勝利。

 

ヘビー級の新旧対決はここに極まり、フューリーがクリチコを攻略した時よりも明確に、そして劇的に完全な世代交代を告げてみせたのです。

ヘビー級史に残る激闘を制したジョシュアは、WBAスーパー、IBFの2冠をカルロス・タカム(カメルーン)を相手に防衛、その後はWBO王者ジョセフ・パーカー(ニュージーランド)との統一戦に臨むこととなりました。

「無敗の王者同士の統一戦」というのは、非常に興味をそそるものですが、体格、パワーに勝るジョシュアのプレッシャーに、パーカーは思い切って攻め込むことができず、ほぼフルマークの大差判定負け。ジョシュアは何も特別なことはせず、普通に戦った、という感じでしたね。

 

ともあれ、ここがジョシュアの初の判定勝利。

これで3冠王者となったジョシュアはその後、古豪、アレクサンドル・ポヴェトキン(ロシア)を7RTKOで降して3冠タイトルの防衛に成功しています。

そして迎えた2019年6月1日、伏兵・アンディ・ルイス(アメリカ)にまさかの7RTKO負けを喫して積み上げてきた世界タイトルをすべて失ってしまうことになってしまったのです。

ジョシュアは当時22戦全勝(21KO)という驚異的な戦績を誇り、スーパースターとなっていました。迎えたアンディ・ルイスはぽっちゃり体型、無名のボクサーということで、誰もこんな結末を予想していませんでした。

序盤からもちろんジョシュアが優勢に試合を進め、3Rにダウンを奪取。しかし、ダウンしてからのルイスは覚醒したかのようにジョシュアに襲いかかり、ジョシュアからダウンを奪い返し、終盤にもまたもダウンを奪うという猛攻。

ついには7R、ジョシュアはまた2度のダウンを奪われて、レフェリーストップ敗け。

 

この敗北により、「脆さ」が浮き彫りになり、パーフェクトファイターではなくなったジョシュア。かねてからその指摘はありましたが、ここで明確になったと言って良いでしょう。

無名の相手に対して、やや油断もあっただろうジョシュアは同年12月、リマッチでルイスに勝利。しかしここはルイスの強打を警戒し、おそらく前回のKO敗けが頭をよぎったこともあるのでしょう、初回から最終回まで丁寧なアウトボクシング。いわゆる「塩」に徹し、ほぼフルマークでの判定勝利を得ました。

ポイントは完全シャットアウトという大差判定ですが、ジョシュアのこころとしては余裕はなかったと思います。

こうして3冠を取り戻したジョシュアは、2020年12月にクブラト・プレフ(ブルガリア)を余裕で倒し、自信を取り戻した戦いぶり。

 

↓観戦記

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その後、WBC王者のタイソン・フューリー(イギリス)とのメガファイトが対戦合意に至ったというニュースが流れますが、これはデオンテイ・ワイルダー(アメリカ)から再戦条項がある、との横槍が入りいったん消滅。

今回は、WBOの指名挑戦者であるオレクサンドル・ウシクの挑戦を受けることになりました。

↓対戦合意のときの記事

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↓フューリーはワイルダーとの3戦目に臨むことに。(7/24からは延期になっています。)

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そしてそのオレクサンドル・ウシク。このボクサーは、クルーザー級から上がってきたボクサーで、まず明らかに体格面でジョシュアに劣ります。

身長は191cm、リーチは198cmと、ともに10cmほどのビハインド。

しかしこのボクサーは、もちろん侮れません。

アマチュア時代からヨーロッパ選手権、世界選手権等でしっかりと実績を残し、2012年のロンドン五輪では優勝候補として戦い、見事ヘビー級で金メダル。

2013年にプロデビューし、5戦目でWBOインターコンチネンタルクルーザー級王座を獲得、この王座を4度防衛しますが、ここまではすべてKO勝利。

2016年、10戦目でWBO世界クルーザー級王者だったクリストフ・グロワキ(ポーランド)に挑戦、初の判定勝利をもって世界を初戴冠。この王座の初防衛戦はタビソ・マヌク(南アフリカ)を9RKO、マイケル・ハンター(アメリカ)に判定勝利、盤石の強さを見せます。

 

しかし、この頃のウシクは残念ながらメジャーな王者ではなく、ファイトマネーも1000万円ほど。

そんなウシクの置かれている状況を変えたのは、2017年にシーズン1が開催された、WBSS(World Boxing Super Series)。リチャード・シェイファーがたちあげた、団体やプロモーターの垣根を超えたこのトーナメントは、今でこそ日本でも有名ですが、当時のシーズン1に注目していた日本人は、重量級までしっかりと目を通すコアなファン層のみだったでしょう。

そのWBSSシーズン1はクルーザー級とスーパーミドル級という、人気階級に近い階級で、さほど人気のない階級で開催されました。今はスーパーミドル級は人気ですけどね。カネロがいるので。

このクルーザー級とスーパーミドル級という絶妙なチョイスは、欧米で人気の高い中重量級の中でも、ファイトマネーが安かったので成功した、とも言えるでしょう。その後のWBSSの軌跡については色々とありましたが、現在のように「統一戦志向」という流れを作ってくれたことには感謝ですね。シーズン3も開催してもらいたい。

 

さて、そのWBSS初戦として行われたのは、このオレクサンドル・ウシクと、過去WBO世界クルーザー級王座を13度も防衛したマルコ・フック(ドイツ)。

ここを10RTKOで勝ち残ったウシクは、準決勝で当時のWBC王者(現在はIBF王者)であったマイリス・ブリエディス(ラトビア)との統一戦に臨みます。この一戦は、ブリエディスのパワー、フィジカルに手を焼きつつも、ウシクが判定勝利。ジャッジの一人はドローでしたが、2-0。ドローはないだろう。。。と思いますが、そもそもウシクはフック戦はドイツで、ブリエディス戦はラトビアで戦っているグローブ・トロッター。

ともあれWBC王座を吸収し、WBSS決勝に進出したウシクは、同じくこのトーナメントでWBAスーパー・IBF世界クルーザー級統一王者となったムラト・ガシエフ(ロシア)との4団体統一戦に臨むこととなります。

ウシクの怪我で延期もあったこの決勝は、2018年7月、ロシアで開催。

 

当時はワイルドなパンチャーであるガシエフを応援していたのですが、ウシクの技巧に完全に空転、正直、虚しさで胸がいっぱいになりました。ガシエフ、危険なパンチを持っていますが、純粋すぎました。

ウシクは非常に運動量が多く、そして速く、巧い。

優勝賞金が1,000万ドルという触れ込みだったこのトーナメント(実際無事にもらえたのだろうか。。。)を制し、史上4人目の4団体統一王者となったウシクは、ヘビー級転向とともにDAZNと契約。

そしてヘビー級でのテストマッチを2戦、戦っています。

 

クルーザー級リミットの200lbs(約90.72kg)から、15〜17lbs(7kg前後)増量したウシクですが、それよりも更に10kg〜15kgほど重いヘビー級ボクサーと戦った2連戦は、技術の差はあるもののパワー差が顕著、圧倒的なパフォーマンスは見せられていません。

ジョシュアも、240lbs(約98kg)ほどでリングに上がることが多いので、当日の体重差は約10kgくらいになりそう。

しかし、しかしです。

ヘビー級で2戦、そろそろヘビー級との戦いに、身体に慣れてくる頃でしょう。

そして、ウシクの俊敏性、運動量を持ってすれば、ジョシュアのパンチをもらわずに済むかもしれません。

とりわけ序盤、距離も遠いジョシュアのパワーパンチを気をつけて回避し、その後もジョシュアのプレッシャーに屈することなく、出入りを繰り返すことができれば、「まさか」の事態は起こりえる、と思っています。

 

勿論、ジョシュアも油断はないでしょう。自身の油断(ルイス戦の敗因の一つだと私は思っています)から手痛いしっぺ返しを食ったジョシュア、その後は学んでいるはずです。非常に余裕を持って戦ったプレフ戦、自らノックアウト勝利を引き延ばしているようにも見えましたが、もしかするとあれは慎重に戦っていただけなのかもしれません。ノックアウトを目指してガンガン距離を詰めていけば、その分リスクも大きくなります。

ジョシュアがリスク回避してチャンスにもあまり攻め込まない、となると、多角的なステップワークと運動量やその技巧の他に、ボクシングIQも高いウシクが対策を練れる時間が出てくるかもしれません。

ジョシュアには、一発で試合を終わらせるパワーパンチがあるかわりに、ともすれば一発で試合を終わらせられてしまうグラスジョーもあります。

 

そしてウシクは体格面で大きなビハインドを持っていますが、培ったボクシングIQ、そして敵地で戦い続けるハートの強さを持っています。

もしかすると、早々に決着がついてしまう戦いなのかもしれません。

それでも尚、個人的にはウシクの奇跡を期待せずにはおれないのです。

ウシクのヘビー級転向2戦とは、別人の姿を見せてもらいたい。

本当は、ジョシュアが勝った方がヘビー級4団体統一戦に向かう機運が高まるのはわかっています。おそらくウシクでは注目度が大きく下がり、金銭的に開催は困難になるのかもしれません。

しかし、成るか成らないか、先のことを考えるよりも、この試合のみを楽しみたいと思います。ということで、ガンバレウシク!

。。。長くなりすぎてしまいました。注目のアンダーカードは、また次回。。。

あ、この興行はDAZNで生配信。見るっきゃない!

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