信太のボクシングカフェ

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ボクシングが大好きです。大好きなボクシングをたくさんの人に見てもらいたくて、その楽しさを伝えていきたいと思います。

【観戦記】ワシル・ロマチェンコvsリチャード・コミー!ライト級最強はやはりロマチェンコか。

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12/12(日)に行われた試合の視聴が終わりません。

果たして12/14(火)に間に合うのでしょうか。

もう間に合わなくて良いか、とも思い出した今日このごろ、とりあえずドネアvsタパレスに関しては情報遮断をして視聴。

そして同じく、ロマチェンコvsコミーも情報遮断をして視聴。

ここまで来れば、バトラーvsアグベコは無くなってしまったので、サニー・エドワーズvsジェイソン・ママ、ドミトリー・ビボルvsウマール・サラモフ、そして亀田和毅vsヨンフレス・パレホ。この辺りは情報を聞いてからでも良いかもしれないと思っています。

ということで今回は、ワシル・ロマチェンコvsリチャード・コミー、注目のライト級戦をWOWOWオンデマンドの見逃し配信で視聴!(超ありがたい。)その観戦記です。

↓プレビュー記事

boxingcafe.hatenablog.com

↓ドネアvsガバリョの観戦記。ドネア、強し。

boxingcafe.hatenablog.com

 

12/11(日本時間12/12)ニューヨーク

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WOWOWオンデマンドを開くと、解説なし、実況なし。これは映像を購入したままの配信ということでしょうか。

個人的にはこれが大好きだし、これで良い。

翌日(12/13)21:00からのタイムリーオンエアではしっかりと解説も実況も入ると思いますが、私は解説や実況は副音声で良いくらいだとも思っています。WOWOWは全然良いのですが、地上波、CSのボクシング番組に関しては、とってつけたような実況(日テレG+の前座試合のことを言っています。)があって非常に邪魔です。基本的に音を消して見ていますが、そうなるとパンチ音も聞こえなくて寂しい。

ということで今回のWOWOWは個人的には最高です。

まずはモハメド・アリの孫、ニコ・アリ・ウォルシュ(アメリカ)が登場します。この話題先行型のボクサーは、試合のたびに向上しているように見えます。

序盤から良いリズムで戦い、よくジャブが出ます。対戦相手のレイジェス・サンチェス(アメリカ)も名前のあるアリを喰う気まんまんで頑張り、アリも攻め込まれる場面も多いですが、2R終盤には得意の右ストレートを効かせ、サンチェスはグロッギー。

 

しかし3Rには接近してパンチを放ち、反撃したサンチェスは、最終ラウンドまでしっかりと戦いぬき、勝負は判定へ持ち込まれました。

判定は38−38、40−36、39−37のマジョリティ判定でニコ・アリ・ウォルシュ。ニコは辛勝、苦しい試合でしたね。フルマークはないだろう、と思います。

続いての登場は、東京五輪銀メダリスト、キーショーン・デービス(アメリカ)。まだキャリア形成時期の3勝(2KO)。対戦相手はホセ・サラゴサ(メキシコ)。

ガードを上げて低い姿勢から突っ込んでくるサラゴサにアッパーを合わせた後にワンツーを巧打するキーショーンは、流石に上手い。

右ストレート、アッパーを痛打して、左ボディもヒットし始めた2R、サラゴサは鋭い踏み込みも完全に見切られ、打つ手なし。後半に右フックから右アッパーを決め、ダウンを奪ったキーショーン、再会後は今度は左ボディを叩き込み2度目のダウンを獲得。

これでレフェリーがテンカウントを数え上げ、キーショーンは会心の勝利。

やっぱり強い、キーショーン。

おそらく東京五輪でアマは卒業、これからもっともっとプロ特化のスタイルに変えていくのだと思われます。今日のパンチは非常にパワフルでした。(実況、解説がなく、パンチ音がしっかりと伝わりやすいというのも影響しているかもしれません)

今後楽しみなボクサーですね。

 

続いて登場は同じくプロスペクト、ザンダー・ザヤス(プエルトリコ)。初回早々に右カウンターでダウンを奪います。マストロヌンシオ(と読むのかどうなのかもわからない。イタリア)もストレートで攻め立て、大きなパンチを振るって行ったりもしますが、中盤右カウンターから右アッパーというコンビネーションを効かされます。

ザヤスはこの後も右カウンター、左フックをヒット、ジャブで顎を跳ね上げ、様々なコンビネーションをヒットすると、レフェリーはようやくストップを宣告。

ちょっと遅いくらいのストップ、このザヤスの攻撃力はやはり半端ない。ラッシュ時の攻撃も非常に的確で、吸い込まれるようにマストロヌンシオ(?)の顔面にヒットしていました。

と、ここでザヤスの足元が映ると、使っているリングシューズはナイキのレスリングシューズ。私が使っているものと同じもの!(色違い)

一気に好感度がアップした(笑)ザヤス、今後も超注目の選手ですね。

ジャレッド・アンダーソン(アメリカ)10勝(10KO)無敗

vs

オレクサンドル・テスレンコ(カナダ)17勝(13KO)1敗

ということでなんだかんだとサクサクと進み、いよいよco-main、ビッグベイビー・アンダーソンの登場です。ヘビー級をかき回してほしいアンダーソン、プロ11戦目です。

初回、アンダーソンは右ジャブをこれでもかというほど突き、左ボディストレートをヒット。テスレンコはなかなか何もできない時間が続きます。中盤以降、ようやく手が出るようになってきたテスレンコですが、アンダーソンの攻めは非常に重厚感があります。

 

2R、引き続き強いコンビネーションで攻め立てるアンダーソン。テスレンコは攻められながらもカウンターを狙いますが、中盤、左フックを食らってゆっくりとダウン。

それまでに徐々にダメージを与えられていたテスレンコは、このダメージから立つことは出来ず、レフェリーはストップ。

ジャレッド・アンダーソン、2RTKO勝利。

やっぱり強い、ジャレッド・アンダーソン。もう次のステップに進んでもらったほうが良いのではないでしょうか。

アンダーソンの良いところは、足を使ってジャブから組み立てられるところ。そして、コンビネーションが打てるところ。

単発気味のボクサーが多いヘビー級において、本格派の部類です。

今日のような重厚な攻撃を、12R続けられるかどうかというのはわかりませんが、そろそろ試練の一戦、ヘビー級の門番として活躍するベテラン勢との試合が見てみたいものです。

ライト級12回戦

ワシル・ロマチェンコ(ウクライナ)15勝(11KO)2敗

vs

リチャード・コミー(ガーナ)30勝(27KO)3敗

メインは元ライト級王者対決、ロマチェンコvsコミー。ロマチェンコ優位予想の声は多いものの、コミーはハードパンチを持ち、侮ることはできません。

ただ、中谷戦のパフォーマンスを見る限りロマチェンコの敗北は考えられず、そしてタイトルへの挑戦という高いモチベーションを持っていると語るロマチェンコは気力も充実、死角は見当たりません。

大注目のライト級戦、この試合の内容如何ではライト級最強はロマチェンコ、という声が多くなるのではないでしょうか。

 

ちなみにメイン前、世界で最も強い大人気シンガー、タイソン・フューリーが登場、ボブ・アラム90歳の誕生日に向けて得意の「アメリカン・パイ」を熱唱。アカペラ。これは盛り上がりますよね。フューリーのこういうところ、大好きです。

改めてロマチェンコとコミーの入場、そしてゴング。

初回はいつも通り様子見のロマチェンコ。遠い距離からジャブ、フェイント。会場は「ロマ!ロマ!」の大声援、ウクライナのボクサーがここまでアメリカで人気を獲得しているのは凄いことです。

開始1分ほどでロマチェンコはコミーの動きに慣れたか、踏み込んでの攻撃も始めます。コミーも非常に反応は良い。両者ともにコンディションは良さそうです。

2R、ロマチェンコはペースアップ、動きが速すぎます。コミーのパンチは次々と空を切り、ロマにサイドサイドへ回り込まれてしまいます。

徐々にヒット率が上がってきたロマチェンコ、終盤にはパンチをまとめ、左ストレートをヒットするとコミーはロープまで後退。残り時間を察してかコミーをコーナーへ誘導するように目配せするロマチェンコ、かなりの余裕を感じられますが、もう完全にコミーをリロードしてしまったのか。

3R、ロマチェンコにとって、コミーの内側に入ることは困難でないように見えます。コミーのパンチは強烈で、しかも反応も良く、スピードはありますが、ロマチェンコに当たりません。逆にロマチェンコはかわして打つ、打っては回るを繰り返し、これぞロマチェンコという戦いぶり。

4R、細かいコンビネーションで攻めるロマチェンコ。コミーも手数を出して攻め入っていますが、その多くは空振り、当たってもガードの上。コミーのパワーを持ってすれば、ガードの上からでもロマチェンコを下がらせることができるので、とにかく空振りを避けたいところ。

 

後半、ロマチェンコはコンビネーションをまとめ、コミーにダメージを与えます。

 5R、コミーがほんの少し戦い方を変えたように見えます。右手をしっかりと顎前に置いてロマチェンコの左ストレートを警戒、必要以上に責めずにロマチェンコが入ってくるところにアッパー狙い。

コミーはしっかりと上下への打ち分けもできていますが、ロマチェンコのコンビネーションはそれ以上によく、回転力も速い。このラウンドの後半もコミーはぐらついた瞬間がありました。

6R中盤にコミーはジャブで攻め立て、しつこい攻撃でロマチェンコをコーナーに押し込んでいきます。しかし追撃の最中、体を入れ替えたロマチェンコは、逆にコミーをコーナーに詰めてラッシュ。打ち返したコミーは押し返し、まだまだ力の残っているところをアピール。

7R、このままではまずいコミーは、ジリジリとプレス。しかしロマチェンコの左ストレートをまっすぐもらってしまい、後退。ロープにつまり、近い距離となったところで今度は左フックをくらい、おそらくこれが見えていなかったコミーはダウン!

再会後、ダメージがあるコミー、ロマチェンコが攻め込むと膝が折れ、ロープにもたれかかります。これを見たロマチェンコは、青コーナーの方を見てアピール。棄権しろ、ということを言っているように見えます。

このままストップか、とも思いましたが、なんとここでコミーはなんとか軽いパンチを打ち返してサバイブ!!なんという意志の強さでしょうか。コミーもまた、素晴らしい。

 

8R、開始直後にドクターチェック。ちょっと長く休めたことで、コミーにとってはラッキー。このラウンドのロマチェンコは、軽いコンビネーションを打ち、まるでマススパーのような余裕のある動き。コミーは諦めず強いパンチを返します。

9R、コミーはダメージからは回復したようで、非常にパワフルなコンビネーション。それでもロマチェンコにダメージを与えるには至らず、逆に打ち終わりにロマチェンコのジャブ、ストレートを浴びる場面が目立ちます。

10Rも同様の展開、ロマチェンコは軽いパンチを次々にヒット、コミーは強いパンチで対抗しようとしています。コミーは打ち終わり、気をつけなければいけません。

インターバル中にウシクが映、会場は盛り上がります。ロマチェンコの応援に来てるんですね。ということは、この会場にフューリーもウシクもいます。

11R、完全に安全運転のロマチェンコは、ロマチェンコらしい戦い方でこのラウンドも完遂。ステップ、上体の動きが自然とフェイントとなることでコミーを惑わせ、先に手を出させることで優位なポジショニングをし、そこから打ち終わりに攻め込みます。コミーが出てこないと見るやふとしたタイミングで攻め込み、パンチをヒット。

ラストラウンドも展開は変わらず、最後までコミーは突破口を見出せません。中盤以降はロマチェンコが強烈な左右のボディを叩き込み、コミーはどんどん動きが鈍ります。それでも最後までパンチを振るい続けるコミーはハートも強く、やはり素晴らしいボクサー。このがんばりは称賛に値するもの。

規定のラウンドを終了し、判定は3−0(119−108×2、117−110)でロマチェンコ。

今回「も」ロマチェンコの完勝でした。

 

やはりライト級の本当の王者は、ロマチェンコ。

強打者コミーを寄せつけず、一方的な内容で勝利したロマチェンコは、世界トップレベルのライト級ボクサーたちに対しても、スーパーフェザー級時代のように動きまわり、もっと痛めつけた上でのストップ勝ちもできそうな内容。

コミーにはハートがあり、「ノーマス」こそしませんでしたが、ラウンドが重なるごとに薄くなっていく勝機に対して、どのような思いで戦っていたのでしょうか。

ロマチェンコは、中谷戦のほうが苦労していたように思われ、やはり中谷正義というボクサーも世界のトップ戦線にいて良いボクサーだと再認識。

テオフィモ・ロペスやタンクのパワーにも、ヘイニーやライアン・ガルシアのスピードにももちろん怖さはあるものの、この階級の王となるべきはやはりロマチェンコだと思います。この絶対王者(に返り咲いた後の話ですが)に、若き現王者たちがどう挑むのか、というのが非常に楽しみとなり得ます。

ただ、この4人の若き王者たちは、ロマチェンコ戦を選択せず階級を上げるような気がしますが。

ともかく、現在の王者はジョージ・カンボソスJrとデビン・ヘイニー。後一応、ジャーボンタ・デービス。ロマチェンコには、この3者のうちの誰かに早めに挑戦して、王座を奪還してもらいたいものですね。

さて、敗れたリチャード・コミー。最後まで本当によく戦ったと思います。改めて、そのハートの強さを見せてくれたコミー、今後もまだライト級トップ戦線でのサバイバルマッチを勝ち残り、日の目を見る日が来るやもしれません。

コミーの今後にも期待です。

 

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