ようやく12/11(土)に行われた、主だった試合を見終わりました。このブログを書いているのは12/13(月)、サニー・エドワーズvsジェイソン・ママ、亀田和毅vsヨンフレス・パレホは時間のある時に見ようと思います。というか、両国に行く道すがら、時間があるのでなんとなく見ようと思っています。亀田は見ないかも。
さて、怒涛のボクシング興行だったこの日、いまのところ私的MVPはノニト・ドネアです。
本日視聴するビボルvsサラモフ、ベンvsアルジェリで、それが覆る事があるのか。
↓ドネアvsガバリョの観戦記
↓ロマチェンコvsコミーの観戦記
ということで、今回のブログでは、12/11(土)に行われたロシア興行、そして同日のイギリス興行の観戦記です。
12/11(日本時間12/12)ロシア
WBAスーパー世界ライトヘビー級タイトルマッチ
ドミトリー・ビボル(ロシア)18勝(11KO)無敗
vs
ウマール・サラモフ(ロシア)26勝(19KO)1敗
DAZNジャパンでは放送されなかったビボルvsサラモフのWBAスーパー世界ライトヘビー級タイトルマッチ。DAZNのUSAとUKのみの放送、私はディレイで見ましたが、どうやらメインのみの放送だったようです。
昔はDAZNジャパンで放映しない試合はいくつもあったんですが、最近ではほとんどありません。VPNを使ってDAZNを見るのは久々ですね。
ビボル30歳、サラモフ27歳の同国人対決。身長は183cmというビボルに対して、サラモフは192cmと上回ります。RCCボクシングのロシア興行は、非常に薄暗い会場でスタート。
初回、ジャブの差し合いからスタート。ともに動きは軽やかですが、ビボルの方がより機動力がありそうですね。サラモフの長いジャブをバックステップでかわします。
サラモフは長い左を伸ばしてビボルの追撃をかわしています。大きな動きはない、初回が終了。
2R、ビボルがガードを高く掲げ、サラモフに少し近づこうと試みます。ビボルもストレートパンチャーですが、サラモフのジャブの射程だと距離が遠すぎるようですね。
ビボルは踏み込んでのジャブ、そして時折ボディへの右ストレートを伸ばし、これはサラモフにヒット。サラモフの攻撃はパリング、踏み込んでくればステップで無効化するビボル。
左手を下げて誘うサラモフですが、ビボルは角度を変えて踏み込み、誘いには乗りません。
3R、とにかくジャブの差し合いが続きます。ビボルは軽い左に加えてパワージャブ、左フックも織り交ぜ、こちらの方がバリエーションに優れます。サラモフは時折右を出しますが、ビボルのバックステップで簡単にいなされています。このラウンドは、サラモフがややプレスを強めたか。
4R、ここまでのジャブ合戦は、ビボルのヒットが大きく上回っていると思います。ビボルはフェイントも織り交ぜてサラモフにジャブを出させ、それをかわして自身のジャブをヒット。
会場にはビボルコールが鳴り響きますが、このままエキサイティングな内容にはならなそう。
5Rも同じく、左の差し合い。時折右も使い両者ですが、決定打は生まれません。当然このラウンドもビボルの左が多くヒット。サラモフは途中強引に攻めるものの、その攻めはシンプルすぎてバックステップ1回でかわされてしまいます。
実況のおじさんがめちゃくちゃ笑っていますが、なぜ笑っているのかは不明。
6R、もう折返しのラウンド。ビボルの機動力は衰えず、サラモフも打開策はありません。このラウンドはビボルが突如としてやる気をだしたのか、それともサラモフが隙だらけだったのか、序盤にビボルのコンビネーションが次々にヒット。その後、サラモフも打ち返しますがビボルのガードは固い。後半、終盤にもビボルはコンビネーションで攻める場面を作りますが、ディフェンシブなサラモフを捉えきれません。ただ、間違いなくここまで優勢。
戦い方を変えるべきなのは、サラモフの方でしょう。
7R、後半、初めてじゃないかぐらいにサラモフが右ストレートをヒット。ここで火がついたビボル、その後はコンビネーションでサラモフを攻め立て、次々とパンチをヒット。
サラモフの反撃はそのほとんどが空を切り、ガードの上。対してビボルのパンチは次々とヒット、ガードの上からでもダメージを与えていそうです。もうこのまま攻め入ってほしい。
というファンの期待(私)は虚しく、8Rはまたもジャブの差し合い。そしてそのジャブのさしあいで勝ち目のないサラモフは、本来もっと強引にいかねばなりません。ビボルも無理をしませんね。
9R、もうこうなってはこの戦いの行く末よりも、なぜサラモフがここまで攻めれないのか、なぜリーチに劣るビボルにパンチを当てられないのか、に興味が湧きます。
ビボルは常に足を止めず、ガードはガッチリ。右手はこめかみ辺りにセットされている時は、サラモフのジャブに右カウンターをあわせ、そこから離れるとやや前に出し、サラモフのジャブを右手でストップ。自身が攻め入る時は回転力のあるコンビネーション、打てばほんの少しのバックステップでサラモフの追撃を回避、このどうやっても集中力が途切れそうな試合でこの集中たるや素晴らしい。
10R、サラモフは突如として右のオーバーハンドを使い始めますが、スピードに乏しく当然当たりはしません。終盤に頭を下げて破れかぶれフックを振り回すサラモフ、このラウンドもビボルのジャブを次々に浴びていました。
11R、ポイントはすでに挽回不可能、サラモフはなりふり構わず前に出なければいけません。しかし、ビボルのジャブに阻まれ、ステップにかわされ、それすらもさせてもらえません。
一方のビボルは初志貫徹、初回と同じボクシングを敢行。サラモフの踏み込みは1度きり、2度3度踏み込んで強引に攻める事ができないので全くもって怖さがありません。
ラストラウンド、流石に最後は行ってくれ、サラモフ。という期待の通り、見栄えを気にせずあるきながらワンツーを、そして左フック、大きすぎる左アッパーを放っていくサラモフ。しかしどれも単発気味、コンビネーションや波状攻撃の類は出ません。これがサラモフの限界か。この最終ラウンドについては、攻勢点でサラモフにつけたジャッジもいたかもしれません。しかしそれ以外は、完全にビボル。
果たして判定は、119-109、118-109、118-110でビボル。
サラモフは無策すぎ、ビボルは安全運転過ぎました。まあ、ビボルとしては攻め入らなくても勝てる、というのが序盤にわかり、特に問題はないと思うのですが、問題は挑戦者、サラモフ。世界タイトルを獲る気があったのか。(多分、あったとは思うのですが、ビボルのパワージャブに全くもって攻め込めず。ビボルは巧かったし、強かった。そして思ったよりサラモフは頑張る事ができず、良い試合にもなりませんでした。
この試合は、見る人が見れば拷問のようにつまらない試合に映るかもしれません。
私はビボルのジャブ、そしてステップ、戦い方としては参考になりましたが。。。おもしろい試合だったとは紹介はできません。まあ、ビボルといえばこんな感じでしょうが、ビボルが本気を出せばストップまで持ち込めたような気がします。
やっぱりライトヘビー級といえばベテルビエフです。FITE.TVで生配信!!と、リンクを貼ろうと思ったらFITEのリストから消えてるし。。。笑
ということで、12/18(日本時間12/19)に控えるアルツール・ベテルビエフvsマーカス・ブラウンの一戦は、以前、FITE.TVの配信リストに載っていましたが、今このブログを書いている12/13(月)、こつ然と姿を消してしまっています。
また復活するかもしれませんので、とりあえず待ちましょう。復活したらまたお伝えしますね。
12/11(日本時間12/12)イギリス
コナー・ベン(イギリス)19勝(12KO)無敗
vs
クリス・アルジェリ(アメリカ)25勝(9KO)3敗
WBAコンチネンタル・ウェルター級タイトルマッチとして行われた一戦。試合発表の際、アルジェリ、まだ現役だったのかと驚かされたファンも多かったと思います。
アルジェリも37歳、パッキャオとの対戦が2014年、アミール・カーンとの対戦が2015年、そしてエロール・スペンスJrとの対戦が2016年。これが敗戦の3戦であり、スペンス戦後2年半ほどのブランクをつくり、2019年に2試合、2021年8月に戦っています。最近は意外とアクティブだったアルジェリ、8月の試合で勝った相手はホセ・ペドラサやモーリス・フッカーとも戦ったミッケル・レスピエール。レスピエールには完勝したようです。
元WBO世界スーパーライト級王者、アルジェリは、上り調子のベンに試練を与える事ができるのか。注目の一戦がゴングです。
初回のゴングと同時に両者ともにダッシュでリング中央に行き、パンチの交換。実はビボルvsサラモフを見た直後の私、こういうのに飢えていました。
その後プレスをかけるのはベン。アルジェリは下がりながらもジャブから大きな右を狙います。アルジェリの動きはまだロートルとは呼べません。しかしベンのパワーにガードを余儀なくされていますね。
アルジェリは動き回りよくジャブを突きますが、ベンの動きも速い。ともにスピードが豊かで、アクションの多い初回は、パワーの差でベンでしょう。
2R、これでもかとしっかりガードを上げて、教科書的ファイティングポーズを取ったアルジェリは、これまた教科書的なステップワークを使います。
先に攻めるのはベンの方、打ち終わりに身体を前方にだしながらの右を狙うアルジェリ。攻め方だけはやや変則的です。
ベンのパワフルなコンビネーションは、ブロッキングでもダメージを被ってしまいそう。距離やボディワークで外したいアルジェリですが、ベンの踏み込みは鋭く、コンビネーションは速い。
このラウンド残り30秒ほどのところで、ベンの左フックがカウンターとなってヒット、アルジェリはふっとばされて一回転するほどのダウン。スロー映像で見るとクリーンなヒットではなく、足がひっかかってバランスを崩してしまったようですね。
3R、ベンは早くもフィニッシュを狙っているか、強いプレス。低く入り、強く鋭いジャブから右ボディを強振。アルジェリの反撃に対する反応も素晴らしい。
中盤、2R目の左フックと同じタイミングでのカウンター。これは危険なタイミング。
アルジェリはリードをよく出しますが、ベンはそれによく反応、ものともしません。このあたりの反応、身体の反射速度は流石。
4R、左へ右へステップを踏むアルジェリですが、攻め込めばベンがカウンターでコンビネーションを打ってくるためやや手詰まり気味。
ベンは強いプレスをかけつづけ、アルジェリはロープ際で戦う事を余儀なくされます。
アルジェリもそこから上手く身体を入れ替える等して反撃しますが、如何せんベンはディフェンス勘も良い。後半に入り、ベンのジャブが当たり始めたぞ、と思った瞬間、ベンの槍のようなストレートがアルジェリにまっすぐ入り、糸の切れた人形のようにマットに倒れたアルジェリ!
レフェリーはストップ、コナー・ベン、衝撃的な4RTKO勝利!!
勝負は一瞬。続けていてもベンの勝利は固かったでしょうし、どこかでKO勝利のチャンスも訪れていたことでしょう。
しかし、まだまだ頑張れそうだったアルジェリの意識を一瞬で断ち切ったあの凶悪な右ストレートは、この日、ドネアの左ボディと並んで称賛されるべき素晴らしいブローでした。
会心の勝利の瞬間、雄叫びを上げたベン。
元王者、アルジェリに対して圧倒的な強さを見せつけ、ウェルター級のプロスペクトとしての力を存分に発揮しましたね。
正直、エニスやオルティスJrに比べるとややインパクトに欠ける感のあったコナー・ベンですが、今回の一戦でまた一つ、その差を詰めたという感じがします。
ジャロン・エニス、バージル・オルティスJrに続き、コナー・ベン。それぞれがそれぞれで元王者を、しかもノックアウトで退け、ウェルター級世代交代の機運も「普通なら」高まるところ。
しかしこの階級のトップにはテレンス・クロフォードが君臨し、そしてエロール・スペンスJrが続いているのです。
こんなにも、激戦の階級が他にあるでしょうか。
エニスもオルティスもベンも、圧倒的な強さを見せつけながらも、王者になれるかどうかはわかりません。素晴らしい魅力を持つウェルター級、今後も目が離せませんね。
クロフォードの試合を見ればクロフォードがやっぱり最強だ、と思いますし、スペンスの試合を見ればスペンスなら或いは、とも思います。
そしてエニス、オルティスの試合を見れば、もしかしたらスペンスの牙城を崩せるのではないか、と思いますし、ベンの一戦を見ればエニスやオルティスも危うい、と思う。
果たして誰がどのように戦うのか、その他のベテラン勢も強豪揃い、ウェルター級は楽しみでしかありませんね。
さてさて、本日(12/14)はいよいよ井上尚弥vsアラン・ディパエン。
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