2/6(日)は、海外ではシーサケットvsクアドラス、サーマンvsバリオスと注目カードが目白押し。
そして日本では、全日本新人王決定戦ですね。こちらも勿論大注目。
そしてその前日、2/5(土)にはダイナミックグローブ、「呪われた」日本バンタム級王座決定戦があります。
この経緯については、2021年7月、澤田京介vs定常育郎の観戦記(負傷ドロー)のときに書きました。
↓観戦記のあとに呪われたバンタムの経緯を書いてあります。
この一戦、澤田の傷は非常に深かったです。傷が深ければ、リング復帰が遅れそうなものですが、3ヶ月半後の11/12日に再戦の運びとなりました。
澤田からすれば、続けていれば勝てていた、とも言える一戦、非常に悔しかったでしょうね。
しかし、この再戦の日の前日、計量の日。
なんと定常は計量会場に現れず、この日本バンタム級王座決定戦は露と消えてしまいました。
バンタム級の呪いは、解けていませんでした。
かつては「黄金のバンタム」と呼ばれ、日本にも馴染みの深いこのバンタム級。
そしてこの日こそ、バンタム級の呪いが解かれる日になる、そう信じて、今回のブログでは2/5(土)、日本バンタム級王座決定戦をメインに据えた、ダイナミックグローブの観戦記です。
2/5(土)ダイナミックグローブ
日本バンタム級王座決定戦
澤田京介(JBスポーツ)14勝(6KO)2敗2分
vs
大嶋剣心(帝拳)7勝(3KO)1敗1分
このポスターは、「呪われている」バンタムを以前のような「黄金」に輝かせよう、という意図が見えます。
おそらく、停滞していたバンタム級王座は、この試合で動きます。
アマ61勝25敗という戦績を持つ澤田は、2013年にB級デビュー。
このデビュー戦は、のちの日本バンタム級王者、鈴木悠介(当時八王子中屋)が相手で、判定負け。続くデビュー2戦目は、勅使河原弘晶(当時輪島スポーツ)にTKO負け。
デビューから2戦2敗。
しかし、ここで諦めなかった澤田は、破竹の快進撃。
連戦して連勝、2016年4月に1度中野敬太(当時KG大和)との引き分けをはさみますが、2019年に再戦して勝利。
2019年の挑戦者決定戦に勝利して、初の日本王座挑戦を待ちました。
しかし、時はコロナショック、当時の日本王者鈴木悠介の王座返上&引退も相まって、なかなか日本タイトル戦のチャンスは回ってきませんでした。
当初2021年5月に予定された王座決定戦は、またもコロナにより7月に延期、そして負傷ドロー。それから対戦相手の棄権。
表に見える分で言えば「3度目の正直」となりますが、おそらく水面下では鈴木悠介とのタイトルマッチを画策していたはずなので、どれくらい待たされたのでしょうか。
そして対戦相手の大嶋剣心も、待たされたボクサーの一人。
最新試合が2019年11月、その当時のランキングが日本3位だったので、順当にいけば既に挑戦者決定戦に臨み、そこに勝っていれば日本王座に挑戦できていたはずです。
狙うべき王者が決まらない、そんな思いをかかえてもう3年ほどになるのでしょうか。
大嶋もアマ27勝13敗のB級デビュー、デビュー2戦目では入口裕貴(エスペランサ)に敗北を喫するも、ここまで順調に勝ち上がってきました。
2018年8月に田之岡条(小熊)を相手にランキングを奪い、2019年1月に定常育郎に勝利して大幅にランキングをアップしてからは、ウェイティングサークルに入っています。
これは非常におもしろい一戦です。
プロキャリアにおいての対戦相手の質、という意味においては澤田が上かと思いますが、これまで定常戦に向けて調整してきた澤田は、大嶋対策が3ヶ月ということに対し、大嶋はおそらく澤田戦を見据えて以前から調整してきたはず。
この対戦相手への対策という観点において、大嶋は澤田を上回ります。
高い技術戦となることが予想されますが、両者ともにこの一戦にかける意気込みは並々ならぬものがあると思われるので、「ボクシング」だけの勝負だけでなく、「ハート」の勝負でもあり、好試合必至。
待ちに待った日本バンタム級王者が決まる一戦、これは見逃せません。
セミファイナル スーパーライト級8回戦
湯場海樹(ワタナベ)7勝(5KO)1敗2分
vs
近藤哲哉(横田スポーツ)6勝(4KO)4敗
2021年7月、今も思い出される類まれな大逆転KO劇となった佐々木尽(八王子中屋)との一戦から半年と少し、湯場の復帰戦です。
佐々木戦、内容的には勝利を手に仕掛けたものの、一瞬の隙を突かれての2RKO負けは、私も含めて湯場を応援していたファンにとっては非常にショックでしたね。
そしてその一戦のあと、平岡アンディ(大橋)との一戦に臨んだ際に、佐々木の体重超過を目の当たりにすると言葉も出ませんでした。
ともあれ、そのショッキングな敗戦から復帰する湯場。
KOされるまでは基礎技術の高さとカウンターで圧倒していた様は、これまで以上の湯場でした。今回もスーパーライト級戦、一発に気をつけてここからまたキャリアを築いてもらいたいものです。
対して近藤もまた、強敵を恐れない素晴らしいマッチアップを繰り返しています。
前戦は大橋ジムのホープ、安達陸虎、その前は坂井祥紀(横浜光)に善戦して評価を高めた成長株、小畑武尊(ダッシュ東保)にそれぞれ善戦しています。
近藤の主戦場は現在ウェルター級、ライト級あがりの湯場はこのパワーには気をつけなければいけません。
そして近藤としては強敵相手とはいえ現在2連敗、ここは連敗を脱出したいところでしょう。
おそらく湯場優位という予想にはなるものの、おそらくそう簡単には行かないと思います。逆に、湯場がもし、この近藤を相手に圧勝するようなら、スーパーライト級での湯場の未来は明るい。
フライ級8回戦
中嶋憂輝(角海老宝石)4勝(4KO)1敗2分
vs
亀山大輝(ワタナベ)8勝(2KO )5敗1分
日本ランカー中嶋は、2020年2月から勝ち星に恵まれていません。2020年大晦日に近藤冬真(蟹江)、2021年8月に大保龍斗(横浜さくら)と戦い、いずれもドロー。
とはいえ、日本ランクはがっちりと死守、このドローの2戦は本人にとっても非常に価値のあるものになったのだと思います。というか、価値のあるものだった、としていかなければいけませんね。
近藤、大保ともに当時の中嶋からして「格上」と呼べるボクサーではなかった分、激闘を僅差でも制したかったに違い有りません。
対して亀山、2018年のライトフライ級全日本新人王です。しかし、そのボクシングキャリアは順風満帆とはいかず、全日本新人王も3度目の挑戦でようやく手にしたもの。
全日本新人王となることで手に入れたランキングも、新人王戦後の一戦で岩田翔吉(帝拳)に奪われ、その岩田は今や日本王者。
その後も現日本ユースフライ級王者井上夕雅(尼崎亀谷)、個人的に評価の高い堀川龍(三迫)に相次いで敗戦、ここで3連敗。
しかし、2021年9月に山田大輔(輪島功一スポーツ)に勝利してようやく6回戦を卒業。
そして今回は、初のフライ級戦に臨みます。
亀山は、14戦というキャリア、戦った相手も申し分ないものの、一階級上げての初戦が中嶋というのはやや荷が重い気がします。
対して中嶋は、プロキャリア上の相手ではありますが、力の差を見せつけたいところでしょう。
元世界王者、山口圭司の息子、臣馬も登場
今回のダイナミックグローブは、上記のほかに、4回戦が2試合、6回戦が2試合あります。
試合数、昨年は4〜5試合くらいが多かったですが、増えてきましたね。嬉しい限り。
第四試合に登場するのは、元世界王者、山口圭司の実子、山口臣馬(帝拳)。白井・具志堅スポーツジムからプロデビューしていましたが、閉業にともない帝拳ジムへ行ったんですね。
1勝(1KO)無敗1分の山口の対戦相手は、エスペランサジムの小林廉。こちらは2020年の西日本新人王で、現在4勝(2KO)1敗1分という戦績。
注目度の高い山口を乗り越えられれば、一気に名を売れるかもしれません。
こちらも注目の一戦です。
日テレG+で生放送!
このダイナミックグローブは、2/5(土)17:45〜日テレG+で生放送です。
この日テレG+はかねてから前座から全て放送してくれるので、非常にありがたいですね。
そして翌日、2/6(日)も14:00〜同じく日テレG+で全日本新人王決定戦を生放送してくれます。
2月の第一週末はボクシング三昧、楽しみですね。
↓6日はシーサケットvsクアドラスも。
↓サーマンvsバリオスも。