個人的に応援していて、一番楽しみにしていたスーパーフライ級戦は、中止となってしまいました。
しかし、折角休みを取っていたので、色々悩みつつも現地観戦を決定。
悩みつつ、というよりも家族には軽く止められました笑。帰った後が、怖いわけです。
ともあれ今回のブログは、半ば強引に現地観戦した全日本新人王決定戦の 観戦記です。
全日本新人王決定戦
12試合中、4試合が中止になってしまい、全8試合。折角の晴れ舞台、しっかりと準備を進めていたボクサー、本当に言葉ありません。
ただでさえ減量で免疫力が低下しているところに、オミクロンの感染力というと、もう後は運次第、のようにも思えます。この不安をずっと抱えて準備をしなければならないとすれば、それはボクサーのなり手も少なくなってしまいますね。何とかならないものか。
ともあれ、気を取り直して。
ミニマム級
墨田大祐(パンチアウト)5勝(3KO)1敗
vs
初田翔(寝屋川石田)6勝(2KO)1敗
初回、左の差し合いからスタート。ともに小気味よいコンビネーションを放ち、キビキビとした動き、そしてともにブロッキングがいい。
2R、初田はブロッキングからのリターンで勝負。やや後手にまわってしまうか、と思いましたがブロッキング、又は躱して打つを繰り返して優勢に見えます。このラウンド、初田はボディを効かせ、終盤には右オーバーもヒットします。
3Rに入ると墨田が良い戦いを見せます。接近戦でのコンパクトなストレート連打は軽いながらも速く、非常に効果的。
まさにシーソーゲームです。
4Rは墨田のコンビネーションか、初田の力強いリターンなのか、非常に難しいラウンドではないでしょうか。一発のインパクトは強さだけでなくタイミングも含めて初田にあり、軽いのも含めるとクリーンヒットは墨田か、という展開です。
最終ラウンド勝負のように思います。ここで、初田のリターンはちょっと遅れる感じ。しかし、墨田の動きは落ちない、どころか、そのコンビネーションはここにきてさらにキレを増しているようにすら思います。
最終ラウンドはおそらく墨田、判定は僅差のスプリットで墨田を支持。
墨田大佑、全日本新人王に!
緒戦から好試合でした。ともに基礎技術がしっかりしており、さすがアマ上がり、ですね。今後に期待できるボクサーたちです。
ライトフライ級
坂間叶夢(ワールドスポーツ)4勝(4KO)無敗
vs
神垣拓麿(井岡)2勝無敗1分
初回、かなり低く入る神垣がかなりアグレッシブです。その神垣に対して、坂間は強いボディを叩き込みますが、これが非常に的確で、アングルがエグい。
2Rも坂間は非常にクレバー、空いているところに打ちます。本当に高校生だとしたら、人生二週目くらいの高校生じゃないかと勘ぐりたくなります。いや、事実高校生なので末恐ろしい。
神垣もがんばりますが、これは手数が少なくなるのも仕方ないかもしれません。打つ事で片側のガードが開き、そこにパンチが飛んできてしまいます。
3R、勝ち目の薄くなってきた神垣はチャージ、良い判断です。当然坂間も打ち返し、そこで打ち勝って終盤にはストップのチャンスもつくりますが、仕留めきれず。
最終ラウンドは神垣もフラフラになりながらも最後まで立ち続け、打撃戦を展開。神垣、よくがんばりました。
判定は3−0で坂間。
坂間叶夢が全日本新人王に!
これは流石、としか言いようがない強さを発揮した坂間。神垣もよく頑張りましたが、及びませんでしたね。この坂間、マッチメイクがうまくいけば、最短距離で上がっていけるボクサーかもしれません。
今後も期待です。
フライ級
河村栞太(KG大和)4勝(3KO)1分
vs
森野大地(フュチュール)3勝(2KO)1敗
河村が棄権、森野が全日本新人王に。
スーパーフライ級
篠田将人(野口)4勝(3KO)無敗
vs
山下陸(六島)6勝(3KO)1分
この一戦は、山下が前日の抗原検査の陽性反応により棄権。個人的に本当に残念。。。
バンタム級
梅津奨利(三谷大和)6勝(6KO)無敗
vs
平井乃智(寝屋川石田)5勝(1KO)1敗
初回、梅津はやる気満々のスタート!梅津は非常にパワフル、このスタートダッシュで勝敗を決めようというところかもしれません。ここに逃げずに打ち合った平井のコンパクトなカウンターがヒット、ここで腰を折った梅津!
やや大振りな梅津のパンチにコンパクトにパンチを合わせた平井、素晴らしいです。
この序盤から、梅津も立て直し、終盤には逆襲。とんでもない初回です。
2R、パンチングパワー、フィジカルのパワーは梅津ですが、平井のブロッキングは優れ、コンビネーションも素晴らしい。コンパクトなパンチは非常に有効に見えます。
3R、平井はサイドステップも良い。平井の顔面に当てられない梅津はボディへの攻撃。これは見栄えもよく、平井としてはかなりきつい。それでも、平井は非常に上手く戦っているように見えます。とんでもない打撃戦です。
4R、体の強さは明らかに梅津、ただコンパクトなパンチのヒット数は平井ではないか、と思います。両者見せ場をつくったラウンドです。
最終ラウンド、梅津が猛攻!平井も懸命に手を出し続け、両者の意地と意地がぶつかりあったラウンド。
3-0の判定で、梅津が全日本新人王に。
思った以上にポイントは離れていました。もっと接戦かと思いましたが。
梅津のパンチは非常に派手で、ジャッジの心象が良かったのかもしれません。この強い梅津にしっかりと食らいついた、平井の今後にも期待です。
スーパーバンタム級
高橋烈(KG大和)4勝(2KO)無敗
vs
平野岬(三松スポーツ)5勝(2KO)1敗
初回、様子見スタート。アクションの少ない空中戦です。遠い距離からふみこむ、高橋の飛び込みの左ロングフックが効果的か、と思いましたが、終盤に平野の右で高橋が腰砕け、ここは平野のラウンドか。
2Rも引き続き、中間距離での攻防が続きます。距離の探り合いは、若干高橋が上回るように見えます。平野はやや強引めにいった時の方が当たる気がします。
3R、高橋が踏み込んでワンツーを放ちます。そこからのカウンターの狙い合い、ともに誘いに乗らないというなかなか噛み合わない展開。
4Rもフェイント合戦。ここで平野の右がヒット!その後は続きませんが、このラウンド後半にも右をヒットし、抜け出した感じがします。
ラストラウンド、高橋もアグレッシブ。スイッチも駆使し、あの手この手で攻めます。
ただ、そうなると平野は高橋の攻撃を躱しての右が機能します。平野はサークリング 、出てきた高橋に対しては戦いやすそうですね。
ラスト30は体をくっつけての接近戦。
判定は3-0で平野が全日本新人王に。
互いにもう少し、アグレッシブさが欲しかったですね。ともあれ、よりしっかりと距離を制したのは、平野だと思います。
フェザー級
渡邊海(ライオンズ)6勝(2KO)無敗
vs
岩下千紘(駿河男児)3勝(2KO)無敗
初回、軽快に渡邊がサークリング。非常に静かな立ち上がりで、ほぼそのままラウンドが終了。ともに探り合うのはいいと思いますが、4Rしかないうちの初回、ともにもったいないなと感じます。
日テレG+の実況・解説の声が、もろに聞こえます。
2R、試合が動きます。岩下がプレスを強め、上手く距離を詰めていきます。しかし、渡邊の足も速く、カウンターも巧い。岩下も非常によくみていますが、いくつかは浅くですがヒットしてしまいます。とにかく両者手数が少なく、渡邊のカウンターのほうが印象的か。
3R、引続きプレスをかける岩下。そのプレスがとうとう奏功し、後半に岩下の左ストレートがヒット!その後も左を当ててダウンを奪取!!
ところで私は青コーナー側に座っているのですが、岩下のトランクスがどんどん下がってきて、ファウルカップやら何やら色々見えています。
私の後方に座っている岩下の応援団から、「(ペースを)上げていけ!」という声が飛んでいますが、私としてはトランクスを上げてもらいたい。あ、そもそも声出してはいけませんよ。
4R、チャンスとなった岩下、今度は右フックをヒット!!ロープダウンとってもいいくらいに吹っ飛ばされた渡邊でしたが、終盤に今度は渡辺の左フックがヒット!!これで完全に効かされた岩下は防戦一方、レフェリーも岩下を注視していますが、ここで岩下は打ち返し、ラウンドが終了。あわやストップか、というところを脱しましたね。
判定は、1−0の渡邊でドロー。
結果的に初回とったほうが勝ったんじゃないか、と思える一戦。詳しい採点は知りませんが、あの初回を10−10でつけたジャッジがドローになっている気がします。
大舞台とはいえ4回戦、様子見はほどほどに、ですね。
スーパーフェザー級
李鎮宇(角海老宝石)7勝(3KO)無敗
vs
山名生竜(HKスポーツ)2勝(1KO)無敗
初回から李が強くプレス、早々にロープに詰めます。しかしロープに詰まった山名はカウンター、李の攻撃をストップします。ここから山名もよく手が出ます。
もっと差があるかと思いましたが、山名は本当によく頑張っています。終盤ローブローか?インターバルが長くなりましたね。
これはなんだかあまり公平とは言いづらいような。ラウンドを開始して、ニュートラルコーナーで休ませた方が良いような気がします。(山名はインターバル中、座ることができませんでした。)
2R、李はちょっと大振り気味に攻めていく反面、山名はコンパクトなパンチで迎え撃ちます。その分李のほうが派手で、インパクトは強いですね。
ハーフタイム頃、李は右ストレートを痛打してダウンを奪うと、立ち上がった山名を攻めて、最後は左フックで豪快に倒し、レフェリーはストップ。
李鎮宇、2RTKOで全日本新人王に。
李はフィジカルの強さ、パンチの強さを持った素晴らしいボクサー。その李相手に、恐れず立ち向かった山名も本当によく頑張ったと思います。
ともあれ、李はお見事、判定決着が続いた新人王戦で、この日初めてのKO勝利でした。
ライト級
柳堀隆吾(花形)7勝(1KO)2敗
vs
伊集院嵐(SFマキ)3勝(1KO)1敗1分
(柳は本来旧字)
初回、柳堀は長いジャブから攻め込見ます。同時打ちで出すジャブと右ボディストレートが非常に良いですね。伊集院は右オーバーハンドを狙い、近い距離の打撃戦ヘと繋げていきます。クリーンヒットはやや少なく、ともに距離を詰めすぎか。
2R、伊集院は上体を動かしてのディフェンスが非常に上手い。しかし、躱しても躱しても出て来る柳堀のあくなき手数。。。ここで柳堀のワンツーが伊集院にクリーンヒット、伊集院、ダウン!
3R、伊集院は力強いジャブを打ち、柳堀も強い右オーバー。接近村では距離が近くなりすぎて互いにダメージ与えられず、後半はボディの打ち合いです。
後半になるとまた柳堀の長いジャブが機能し始め、やはりここは柳堀のジャブが有効か。
最終ラウンド、とにかく気持ちのこもった打撃戦。クリーンヒットはさほどないものの、伊集院のワンツーで柳堀はダメージを被ります。しかし、柳堀のボディも有効なものです。
両者気持ちを出し尽くした最終ラウンドが終了。
判定は3−0の判定で柳堀を支持。
柳堀隆吾、全日本新人王に!
花形ジム初の新人王、とのことです。これは結構意外ですね。強い気持ちを見せた柳堀、今後どのようなキャリアを歩んでいくのか。
スーパーライト級
関根幸太朗(ワタナベ)2勝(2KO)無敗
vs
山下玄輝(結花)4勝(2KO)2分
初回、関根がジャブを突いてプレス。非常に強い左ボディで会場はどよめきます。
早くも体が「く」の字に折れてしまった山下に対して、追撃の左ボディ。鬼です。
結花ジム初の新人王、どころか「鳥取県のジム」初の全日本新人王を目指す山下には頑張ってもらいたいが、ここは地力が違いすぎるような感じの初回。
2R、山下は左フックで距離をつくります。序盤、それなりに上手く回せている感じがしました。しかし中盤に関根の強烈な左フック!
日テレG+の実況アナの「ダウーーン!!」という声が思いっきり聞こえたものの、スリップ裁定。私はちょっとよく見えませんでしたので、どっちかわかりません。多分ちょうど私の席の上あたりに実況席があって、こっちに向いて話しているのでよく聞こえるんですね。コロナ前はリングサイドだったと思うので、リングに向かって喋る分にはさほど聞こえないんでしょうが、コロナ禍の「西側」席は要注意笑。別にいいんですけど。
その後も山下を攻め立てた関根は、クリンチ際から強烈な左フックを叩き込み、山下は崩れるようにダウン!これはカウントなしで止めなければ!と思いましたが、レフェリーはカウント!そこでセコンドが棄権の意思表示、関根のKO勝利が決まりました。
関根幸太朗、2RKO勝利で全日本新人王に。
東日本新人王決勝に続いて非常に強い勝ち方を見せた関根。当然のことながら、まだまだそこがみえません。
ところでレフェリーのストップは遅すぎて、山下のセコンドは非常に勇気がありました。
痛烈な倒され方をしても、やはりセコンド側からの「棄権」は非常に勇気を伴うものだと思います。今回、選手を勝たせる事以上に重要視されるべき、「選手を守る」行動を迷いなくとれたセコンドを讃えたいです。本当はセコンドが棄権する前に、間近で見ているレフェリーが止めてあげるのが一番良い。それがレフェリーの一番の仕事でもあるので。(セカンドはどうしてもあと少し、と感情が入ってしまって止めづらいと思います。)
ともあれ、関根は強すぎました。新人王戦にでるレベルの選手ではありません。(勿論、規定上問題ないので、文句を言っているわけではありません。)運がなかった、ともいえる結花ジム、山下玄輝の復帰にも期待したいです。
ウェルター級
横内龍也(一力)2勝(1KO)無敗
vs
平安山太樹(ナカザト)5勝(4KO)1敗
横内が棄権、平安山が全日本新人王に。
ミドル級
草村龍弥(角海老宝石)3勝(3KO)無敗
vs
宮本康平(真正)5勝(5KO)1敗1分
草村が棄権、宮本が全日本新人王に。
ということで、全日本新人王戦の観戦記でした。通常だとこれ+4階級、やっぱり非常に多いですね。見る方の体力も問われるのは、私の見方が悪いせいか。
来年以降は、またテレビ観戦に戻すと思います笑