2月の前半は国内外ともにボクシング興行は非常に充実していました。
国内では日本バンタム級王座決定戦、全日本新人王決定戦、そして日本ライト級王座決定戦。
海外でもサーマンvsバリオス、クアドラスvsジェシー・ロドリゲスといった具合に多くの注目試合がありました。
しかし、2月の第二週の週末は国内試合は無し。
そして、海外でもアメリカでの注目興行は無し、イギリスでは「ビッグマッチ」とは言えませんが、興味深いマッチアップがある程度です。
ということで今回のブログでは、週末に控える海外興行をプレビューです。
2/11(日本時間2/12)ロンドン
メインイベント
ダニー・ディナム(イギリス)13勝(7KO)無敗1分
vs
グラント・デニス(イギリス)17勝(3KO)3敗
WBOヨーロピアン・ミドル級王者のディナムの防衛戦。前戦はアンドレイ・シロトキン(ロシア)とドローを演じた29歳のプロスペクトです。
対戦相手のグラント・デニスというボクサーは38歳、ディナムとドローだったシロトキンに8RTKO負けを喫しているボクサーで、その後2連勝ではあるもののその2人は完全負け越しのアンダードッグ、しかも4回戦での試合。
こういう試合がタイトル戦としてまかり通るのは驚きですね。
さて、注目なのはセミ格となる一戦。
注目のセミファイナル!
リー・マクレガー(イギリス)11勝(9KO)無敗
vs
ディエゴ・ルイス(アルゼンチン)23勝(12KO)4敗
バンタム級のプロスペクト、リー・マクレガーはイギリス、いやヨーロッパ圏を代表するバンタム級と言って良いと思います。
非常に印象的な勝ち方でノックアウトを量産してきたマクレガー、今年は勝負の年となるかもしれません。WBA、IBFで上位につけるマクレガー、この一戦も印象的な勝利をあげて次世代のバンタムを背負って立つボクサーになれるかという試合。
このマクレガーは1位と2位が現在空位のIBFにおいてはトップの3位。指名挑戦者決定戦がジェイソン・マロニー(オーストラリア)との間でオーダーされましたが、マロニー側がこれを回避、今回の一戦はエリミネーション・バウトではないと思いますが、直にまたチャンスが来るはずです。
アルゼンチンから乗り込んでくるルイスですが、マクレガーの地元、正直勝ち目は薄いでしょう。マクレガーのパフォーマンスに期待です。
放送・配信
イギリスのMTKグローバルの興行で、日本での放送・配信の予定はありません。
アメリカではESPNが放送予定とのこと。日程は日本時間2/12(土)AM4:00〜放送開始のようです。
2/12(日本時間2/13)
ダニエル・ジェイコブス(アメリカ)37勝(30KO)3敗
vs
ジョン・ライダー(イギリス)30勝(17KO)5敗
「ミラクルマン」ダニエル・ジェイコブス。
前戦はガブリエル・ロサド(アメリカ)に辛勝と言って良いスプリット判定での勝利、その前はフリオ・セサール・チャベスJr(メキシコ)に5R終了TKO勝利で勝利していますが、これは正直あまりアテになりません。
この2戦がスーパーミドル級での戦いであり、スーパーミドル級では3戦目となりますね。
ロサドという侮れない相手だったがためなのか、前戦のパフォーマンスは少し残念なものだった分、スーパーミドル級でタイトル争いに入っていけるか、というのは、このライダー戦こそが試金石となりそうな気がします。
今回はジョン・ライダーのホーム、イギリスのロンドンに乗り込んでの一戦となります。
ライダーは近年ではカラム・スミス(イギリス)を大いに苦しめたボクサーということで記憶されていると思います。
その前には(先にも名前を出しましたが)当時無敗だったアンドレイ・シロトキン(ロシア)を7RTKOで退けていますし、随分昔の話になりますが2013年には当時プロスペクトだったビリー・ジョー・サンダース(イギリス)と戦い、ユナニマスながら3者ともに1〜2ポイント差まで詰め寄っているボクサーです。
スミス戦では体格で大きく劣るものの、しつこい接近戦と細かい手数でスミスを押し込み、非常に見せ場を作った試合でした。ここで、ジョン・ライダーというボクサーは評価を高めたとも言えます。
ダニエル・ジェイコブスというボクサーは万能型を絵に書いたようなボクサーで、何かが突出しているかというとそうではありませんが、このライダーはおそらく今回も一点突破でしょう。
サイズは身長182cmのジェイコブスに対して175cmと小さくリーチはほぼ変わりません。愛称は「ゴリラ」、フィジカル的にスーパーミドル級にフィットしているのはライダーのはず。このフィジカルを武器に、今回もガンガンとジェイコブスを詰めていく様が予想されます。
さて、ミラクルマン・ジェイコブス。
このジェイコブスは、もう10年くらい前になるか、脊椎の骨肉腫で選手生命どころか生命の危険にさらされたボクサー。
もう二度とボクシングはできない、という宣告から這い上がり、2015年には見事WBA世界ミドル級王者となりました。
その後、2017年に行われたゲンナディ・ゴロフキン(カザフスタン)との王座統一戦には破れましたが、非常によく善戦。判定へと縺れこんだ事でゴロフキンの連続KO防衛記録は最多タイとなる17でストップ、ゴロフキンにかかっていた「魔法」を打ち破ったボクサーだとも言えます。
その後も当代のPFPキング、サウル・アルバレス(メキシコ)にも善戦、力のあるところを見せていました。
しかし、その後スーパーミドル級に上げてからは、そのパフォーマンスが光りません。
初戦は体重超過したチャベスJr、これは相手がある意味悪かった。あまり信用のない相手を叩きのめしたとしても、それは評価されにくいです。そして前述のロサド戦は、凡戦。
ここはミラクルマンに、素晴らしいパフォーマンスを見せて勝利を手繰り寄せてもらいたい。
ということで、ダニエル・ジェイコブスを絶対応援!です。
こちらもセミファイナルも気になる。
フェリックス・キャッシュ(イギリス)14勝(10KO)無敗
vs
マゴメド・マディエフ(ロシア)15勝(4KO)無敗2分
WBCインターナショナル・ミドル級王座決定戦として行われる試合で、キャッシュ28歳、マディエフ27歳というプロスペクト対決。
少し映像を見た感じだと、キャッシュはイギリス人ボクサーらしく、ジャブを突き、右ストレートで攻める事が多く、自分からプレッシャーをかけて試合を組み立てていくタイプのボクサーに見えます。
マディエフはかなりゴツいフィジカルを持っていますが、体全体のスピードも非常に速く、出入りのスピードがこの階級においては驚くほど速いという印象。
パワーレスには見えませんが、やや単発気味、手数が少ないのは気になりますが、WBAアジアのタイトル戦では接近戦でカウンターをとって(カウンターになって、が正しいかも)素晴らしいノックアウト勝利を挙げていました。
キャッシュはパワーはあるのでしょうが、どちらかというとスピードに乏しく、ややワンパターン気味に見えるので、敵地とはいえマディエフ優位ではないか、と思ってしまいます。
放送・配信
こちらはDAZNで、日本時間の2/13(日)AM4:00から生配信。メインイベントは6:15以降似入場、とのことです。
↓DAZNはこちらから
皆さんご存知の通り、DAZNは2/22以降、値上げです。
「順次」適用とのことなので、もし今、月間プラン(現在1,925円)で申し込んでいる人がいるとすれば、2/22以降に次の支払いが来る人は3,000円となってしまいます。
月間プランは1,925円→3,000円という値上げです。半端ない。
なので、2/22が来る前のこのタイミングで、年間プラン(一括払い)に変更すれば最もダメージが少ないはず。
2/22までなら、年間プランに変更した場合、19,250円/年で登録されるので、2023年の2月まで旧料金で粘れます(新料金が適用されるそれ以降は27,000円/年)。
ということで、とりあえず2022年2月から1年間は、「旧料金の年間プラン」である19,250円で乗り切り、その後は状況に応じて考えたいと思います。