信太のボクシングカフェ

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ボクシングが大好きです。大好きなボクシングをたくさんの人に見てもらいたくて、その楽しさを伝えていきたいと思います。

ネクストモンスター堤駿斗、戦いはプロのリングへ?その偉業を振り返る。

※当ブログでは商品・サービスのリンク先にプロモーションを含みます。ご了承ください。

ロシアがウクライナに侵攻した2022年2月24日。

不意に流れてきたのは、堤駿斗と堤麗斗のドキュメンタリーでした。

2021年10月の世界選手権に出場する際、サラリと「アマチュアボクシング最後」と言っていましたし、以前から「プロで世界王者になる」という目標も掲げていたことから、特に大きな驚きはないものの、「兄・駿斗はプロの道へ!」という活字にされるとこれは非常に興奮します。

ということで、今回のブログでは、プロボクシングに足を踏み入れる堤駿斗についてです。

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井上尚弥と堤駿斗が実戦練習で超神経戦 | ボクシングモバイルより

 

堤駿斗(はやと)の経歴

1999年7月12日生まれ、現在(2022年2月)東洋大学の4年生。

2022年3月に卒業ということで、大学を卒業してからプロボクサーとして本格的にスタートを切ると思います。

千葉県千葉市出身の堤は当初、空手を習い、小学校5年生の時にボクシングに転向。

U-15大会等結果を残し、高校は強豪・習志野高等学校に進学しました。

高校1年生の時(2015年)のインターハイは決勝で敗北し、準優勝。しかし同年の国民体育大会では見事優勝し、1年生にして全国制覇。その年度の選抜大会も優勝して、1年生時に高校2冠。

2年生となった堤(2016年)は、アジアユース選手権優勝という快挙を成し遂げ、その年のインターハイも制覇。その後AIBA世界ユース選手権に出場し、これを優勝しています。

 

このユース選手権、というのは、18歳以下の世界選手権。

「世界ユース選手権」で日本人ボクサーが優勝したというのは日本ボクシング界史上初となる大快挙です。確かアジアユースも初だったと思います。

この年度の国民体育大会は体調不良で出場できませんでしたが、年度末の選抜大会では優勝。世界王者の強さを見せつけました。

3年生に上がった堤(2017年)は、アジアユース選手権で優勝、アジアユース2連覇というこれまた快挙。ひと口に「アジア」と言ってもウズベキスタンやカザフスタンといったアマ大国がいる中でのこの成績は本当に素晴らしいものです。

その年のインターハイも優勝、国民体育大会も優勝しています。

これで高校6冠+アジアユース2連覇+世界ユース選手権優勝、という成績。

ちなみに、この高校○冠の数え方は、高校生の大会のことで、インターハイ、国民体育大会(少年の部)、選抜大会のことです。選抜大会は年度の終わり(3月)に行われるので、3年生は出れません。なので、高校の最高は8冠ということになっています。

 

そして、堤は高校3年生最後の大会として、全日本選手権に出場。

通常、19歳以上が出場するこの日本最高峰の大会にチャレンジ、池川順、金子虎旦、田中亮明、中野幹人といった強豪を破り、高校生にして全日本選手権に優勝。

この快挙は、井上尚弥以来のものです。

この2016年、2017年、堤は日本ボクシング連盟の最優秀選手賞に選ばれています。

高校卒業後、東洋大学に進学(2018年)した堤は、関東大学ボクシングリーグ戦で活躍。

大学2年生(2019年)の頃にはコンスタンチン・コロトコフ記念国際トーナメントで優勝、この大会のMVPも獲得しています。

この年の全日本選手権は、翌2020年に開催される予定だった東京オリンピック・日本代表候補の最終選考も兼ねていました。ここに優勝しなければ、日本代表候補になれない、という一発勝負の大会。

この全日本選手権で堤は、決勝で藤田健児との接戦を制して、優勝。

 

東京オリンピック、日本代表候補となりました。

しかし、日本代表候補となってもオリンピックに出場できる、というわけではありません。ここから、この代表候補たちはアジア予選や最終予選といった予選会でふるいにかけられる事になるのです。

2020年3月に行われたアジア・オセアニア予選で、堤は残念ながら一回戦敗退で、出場権獲得ならず。

東京オリンピックの男子ボクシングで、最も金メダルを期待されていたボクサーだっただけに、非常に残念でしたね。このアジア・オセアニア大会で自力で出場権を獲得できたボクサーは、岡澤セオンのみ。しかも岡澤も5位、というギリギリ滑り込んだ出場枠でした。

しかも、コロナショックは最終予選の中止等、堤や他のボクサーから出場機会を奪い、日本は何とか開催国枠で男子4名の出場枠を確保するのみ。

 

東京オリンピックは厳しい戦いを予感させるものとなりました。

ここから大きく力を上げた日本代表は、コロナで東京オリンピックが1年延期となる間に地力をアップ、地元開催も手伝って男女合わせて金メダル1個、銅メダル2個という大快挙を上げたということは記憶に新しい。

メダル獲得に至らなかったボクサーたちも、全員が一回戦突破という快挙を成し遂げました。

さて、少々話が逸れましたが、堤駿斗は、高校時代に比べて国際大会での活躍はやや減った、という印象を受けますね。

これはユース(18歳以下)に比べ、エリート(19歳以上)の壁が分厚い、という一言に尽きるのですが、どこかのインタビューで読んだ際にはスタイルチェンジを模索していた時期もあった、ということを言っていたと思うので、そのこともあるかもしれません。

ともあれ、東京オリンピックでメダルを狙えるはずの堤が、出場することすら叶わない。コロナという不運もあったものの、これは本当に悲しかったです。

しかし、これで終わる堤ではありませんでした。

2021年10月、日本代表として出場した世界選手権。

井上尚弥とのスパーリングでも磨きに磨き、アマチュアボクシング最終戦に臨んだ堤。

この試合の初戦は、何とラザロ・アルバレス(キューバ)。

 

オリンピックではロンドン、リオ、東京と3大会で銅メダルを獲得。

世界選手権でも3つの金メダル、2つの銀メダルを獲得しており、パンアメリカやその他の地方大会を加えれば枚挙にいとまがないほどの実績を残してきている、世界トップオブトップのレジェンドボクサーです。

そのアルバレスに5-0の判定勝利を挙げるという大殊勲!

この勝利で一気に世界選手権優勝が見えましたが、結局堤は3回戦で敗退、メダル獲得はなりませんでした。

しかし、世界最高峰、キューバのラザロ・アルバレスを降したという実績は非常に大きなもの。トーナメントの運で優勝できるボクサーこそいますが、実力的には優勝という可能性を大いに秘めたボクサーだった、ということで間違いはありません。

そして今回、ドキュメンタリー番組の中の一文ながら、明確なプロ転向という表記。

 

一体どこのジムに所属するのか?

高校時代に所属していた地元千葉の本多ボクシングジム、という選択肢もあるのでしょうか。

しかしこれほどの逸材を、大手ジムが放っておくこともあり得ないので、より良い練習環境、より良いマッチメイクを求めれば、やはり東京近郊の大手ジム、というのが現実的なところでしょう。

かつてのライバルがいる帝拳ジムでしょうか。

ただ、帝拳は多くの元トップアマを受け入れており、そのデビュー戦すらまだ組めていない、という状況。ただ、もし堤が即刻海外で戦いたい、というのであれば、帝拳の持つコネクションは大いに役立つと思います。

もしくは、キャリアの見本となるボクサーのいる、大橋ジムでしょうか。

 

破竹の快進撃を続ける大橋ジムには、ご存知のように井上尚弥がいます。ともにスパーリングでは称え合う中であり、これまで堤も井上尚弥とのスパーリングで学ぶことが多かったはずなので、これは大いに考えられることかもしれませんね。ただし、堤がゆくゆく(数年以内に)vs井上尚弥を目指しているとするならば、この選択肢は無くなります。

おそらく、27日のドキュメンタリー番組で、堤の所属ジムが発表されるということはないはずです。

村田諒太や、井上尚弥の時と同様、堤のプロ転向は然るべき場所で、然るべき内容を発表してもらいたい。その日が待ち遠しいです。

 

堤麗斗(れいと)の経歴

ちなみに、弟、堤麗斗の経歴についても簡単に触れておきます。

2002年8月26日生まれの現在(2022年2月)19歳、兄と同じく東洋大学の1年生です。

兄と同じく空手から小学校5年生でボクシングに転向、中学時代からU-15の大会で活躍したのも兄と同じ。しかし麗斗の方は、中学時代にアジア・ジュニア選手権でも優勝しています。

そして、兄と同じく強豪、習志野高校に進学しました。

インターハイ、国体、選抜大会を順調に制していきましたが、高校は5冠。コロナショックにより大会が開催されなかったことが影響しています。

 

しかし、兄に続いてアジアユース選手権を制し、世界ユース選手権も制すという偉業を成し遂げた麗斗。世界ユース選手権で優勝した日本人は、堤駿斗と堤麗斗のふたり。ものすごいことですね。

堤麗斗は兄のなし得なかったオリンピック出場、そしてオリンピックでの金メダルを目指しています。そしてその後は、兄と同じくプロ転向を考えているでしょう。

今後は、世界選手権での活躍、そして2024年に行われるパリオリンピックでの活躍と、期待が持てますね。

是非皆さんも、ドキュメンタリーを見て楽しみを増やしましょう。

↓2/27(日)12:00〜放送。番組情報です。

bs.tbs.co.jp

 

クラウドファンディングで支援!

ちなみに、この堤兄弟は、クラウドファンディングで支援者を募っています。

2/28までなのでもうすぐ締切になってしまいますが、是非ともこの新たなモンスターブラザーズを支援しましょう。

↓堤駿斗のクラファン

千葉県のアスリート・ボクシング 堤駿斗 応援プロジェクト|クラウドファンディング|A-port 朝日新聞社

↓堤麗斗のクラファン

千葉県のアスリート・ボクシング 堤麗斗 応援プロジェクト|クラウドファンディング|A-port 朝日新聞社

 

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