大好きなホセ・カルロス・ラミレスと大好きなホセ・ペドラサが戦う。
このニュースを聞いた時には、やっぱり複雑な気持ちになりました。
オッズはラミレス優位、これはスーパーライト級においてラミレスの実績が上回るから、という理由に他ならないでしょう。
しかしいぶし銀、ホセ・ペドラサだって侮れません。この一戦を「オール・オア・ナッシング」だと語り、その意気込みにおいてラミレスを上回ると思います。
ということで今回のブログでは、アンダーカードも充実、現地時間3/4金曜日に行われる、ホセ・ラミレスvsホセ・ペドラサをメインに据えた、トップランク興行のプレビュー記事です。
3/4(日本時間3/5)カリフォルニア
ホセ・カルロス・ラミレス(アメリカ)26勝(17KO)1敗
vs
ホセ・ペドラサ(プエルトリコ)29勝(14KO)3敗
当初2月の初旬に予定されていた一戦は、ペドラサのコロナ罹患により延期、新たな日付はそのままいけそうでよかった。
しかし、1ヶ月程度の延期で大丈夫なのかは蓋を開けてみなければわかりません。
ホセ・ラミレスはジョシュ・テイラー(イギリス)との4冠統一戦に敗れた後、初めてのリング。復帰戦となります。実に10ヶ月ぶりですね。
2018年3月に王座決定戦を勝ち、WBC世界スーパーライト級王者となったラミレスは、アントニオ・オロズコ、ホセ・セペダ、当時のWBO王者モーリス・フッカーとの統一戦、ビクトル・ポストル戦を経てテイラーとの4団体統一戦に進みました。
改めて見ると素晴らしい戦歴です。ジョシュ・テイラーの戦歴も「ものすごい」と話題になりますが、ラミレスも負けてはいません。
さて、ペドラサは2011年にプロデビュー、すでにプロ11年を迎えています。2015年にIBF世界スーパーフェザー級王座決定戦で勝利、世界王座を初戴冠。この王座は、3度目の防衛戦でジャーボンタ・デービスに奪われて初黒星。
その後、ライト級へ移ったペドラサは、2018年にレイムンド・ベルトランからWBOタイトルを奪いますが、初防衛戦でWBAスーパー王者だったワシル・ロマチェンコとの統一戦に臨み敗北、タイトルを失います。
復帰戦を勝利で飾ると、スーパーライト級へ転級、その初戦でホセ・セペダに敗北。これは本当に悲しかった。これまでのデービスや、ロマチェンコ戦での敗北よりもかなり大きな出来事でしたね。
このままもしかすると若手の踏み台になってしまうのか。。。と。
しかし、その後、3連勝を記録してこの位置まで戻ってきたペドラサ。
上り調子、とは言い難いですが、好きなボクサーなのでもう一度、踏ん張ってもらいたい。
ホセ・ラミレスは、このスーパーライト級で戦い、(おそらくテイラーなき後の)4つのタイトルを統一したい、という野望を持っているようです。早々にウェルターにあげたい、と言わないあたりは非常にクレバーだと感じますし、個人的に応援したい気持ちになります。
おそらく、やや無骨な感じのするプレッシャーファイターであるラミレスには、現在のところウェルター級での居場所がありません。スーパーライトでは当然、トップ中のトップであり、テイラー戦でも展開次第では結果は変わっていたと思うので、是非ともスーパーライト級最強を目指してもらいたいものです。
そしてペドラサ、いくつかのインタビューを読む限り、この一戦にかける意気込みはものすごい気迫を感じます。
ラミレス戦は「オール・オア・ナッシング」だと語るペドラサは、このラミレスに勝てば必ず世界王者になれる、と信じており、だからこそタイトルこそかかっていませんが「世界タイトル戦」だという認識でいるようです。
当初2月に予定されていたため、年末年始、クリスマス返上でハードなトレーニングをこなした、というペドラサ。「オール・オア・ナッシング」を語る意味合いとしては、もしかすると敗北はリングから去ることを決意しているかもしれません。
これはまた、どちらを応援すれば良いのかわからない試合。ラミレスもペドラサも、そのボクシングは違いますが、どちらも好きなタイプのボクサーです。
さて、下馬評はラミレス優位。
では、ペドラサに勝ち筋が薄いのか、というとそうでもないと思っています。前戦、ラミレスが一か八かで出られなかったのは、テイラーにカウンターがあったからです。
カウンターを警戒させられ、ダウンを取られたラミレスは、後半になってもポイントを奪い返しに行けませんでした。
なのでペドラサとしては、カウンターをよく見せつけてラミレスを警戒させることが必要となってきますし、それが序盤にできればペドラサの展開になる可能性は大いにあると思います。
地力ではラミレスがおそらく優位。しかし、ラミレスにとって「スナイパー」ペドラサは決してやりやすい相手ではありません。
序盤からプレスをかけて、戦争を仕掛けに行くであろうラミレスに対して、ペドラサがその圧に潰されてしまえば何もできないかもしれません。
どちらも応援したい身としては、やはり期待するのはどちらも持ち味を発揮する好試合。
トップランク副社長は、「FOTY候補となることを約束する」とのこと。その約束が守られる試合を期待しています。
セミファイナルには、東京オリンピックスーパーヘビー級で銀メダルを獲得したリチャード・トーレスJr(アメリカ)がアレン・メルソン(アメリカ)を相手にプロデビュー戦を行います。
優勝候補筆頭、ジャロロフを相手に善戦、初回には「まさか」を思わせる展開も演出しました。あのエネルギッシュなファイトがプロのヘビー級で見れる、というのは嬉しいですね。
↓東京五輪決勝観戦記
尚、このセミファイナルは顔見せマッチなのでトーレスJrの圧勝に期待するとして、セミセミの方が興味深い。
ジョエト・ゴンザレス(アメリカ)24勝(14KO)2敗
vs
ジョー・サンティシマ(フィリピン)21勝(18KO)3敗
シャクール・スティーブンソン(アメリカ)には完敗も、ミゲル・マリアガ(コロンビア)を破って浮上、エマニュエル・ナバレッテ(メキシコ)に善戦したゴンザレス、ナバレッテ戦からの復帰戦で強打のサンティシマ戦。
もっとイージーな相手はいくらでもいると思いますが、ゴンザレスは3度目の世界タイトル挑戦という明確な目標、世界タイトル獲得を本気で狙っている様がこのマッチアップから見れて非常に良いですね。
ナバレッテ戦でも、その奮闘ぶりから応援してしまうことになったゴンザレス。
しかしこのサンティシマは危険な相手です。
21勝中18KOのフィリピン人は、2年前にナバレッテに11RTKOで敗れはしたものの、復帰後は2RKO、1RKOと2戦連続KO勝利中。
デビュー戦、プロ4戦目で敗北を記録していますが、その後10連続KO勝利を紡ぐという恐ろしいボクサー。
非常に真面目でストイック(だと思い込んでいます)ゴンザレスなら油断もないとは思いますが、気を抜くと超危険なボクサー。特に序盤はポイントを与えてでも慎重に戦った方が良いのかもしれません。
さて、ゴンザレスに浮上してもらいたい気持ちは大きいものの、このサンティシマもフルスイングをかます本当に面白いボクサー。どっちを応援するかは非常に迷う一戦です。
そのゴンザレスvsサンティシマの前は、21歳のプロスペクト、ガブリエル・フローレスJr(アメリカ)が前戦での初黒星後の復帰戦に臨みます。
対戦相手はエイブラハム・モントヤ(メキシコ)。個人的にそこまで食指の動くカードではありませんが、このモントヤはフローレスJrが初黒星を喫した相手、ルイス・アルベルト・ロペス(メキシコ)に2018年に勝利していますね。
ガブリエル・フローレスJr、間接的リベンジを果たせるかどうか。
他にもライト級のプロスペクト、ヘクター・タナハラ(アメリカ)がウィリアム・セペダ(メキシコ)戦からの復帰戦に臨む一戦、そしてアメリカ期待の元トップアマ、チャーリー・シーヒー(アメリカ)がプロ第二戦、トップランクに所属してからは初戦を迎えます。
この辺りのプロスペクトにキャリアを積ませるのも怠らないトップランク、しかもこの興行はESPN +で全カード放送。キャリアの浅いプロスペクトたちや、それを食ってやろうというアンダードッグも、テレビ放送があれば気合も入るはず。
放送・配信
上にも書いた通り、アメリカではESPN +で生中継。
中継時間は日本時間のAM9:15〜ということなので、本当に全カードです。(通常は、Prelimsと題してアンダーカードは別で配信されますが、今回は全て一緒の番組として放送されるようです。)
これを全部見ると5時間とか6時間とかかかりそうですね笑
私は仕事があっていずれにしろリアルタイムでは見れないので、帰宅してから楽しみます。
そして!!日本ではFITE.TVのPPV枠に乗ってきましたー!
ただしメインイベント分の放送のみ、全4試合です。時間は11:30〜。
放送カードは、
ガブリエル・フローレスJr.vsエイブラハム・モントヤ
ジョエト・ゴンザレスvsジョー・サンティシマ
リチャード・トーレスJr.vsアレン・メルソン
そしてメインのホセ・ラミレスvsホセ・ペドラサです。
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