日本時間で3/5(土)、3/6(日)は海外では注目興行。
↓3/5はラミレスvsペドラサ
【プレビュー】ラミレスvsペドラサはオール・オア・ナッシング!アンダーに東京五輪銀、リチャード・トーレスJr! - 信太のボクシングカフェ
↓3/6はロマゴンvsマルティネス
【プレビュー】ロマゴンvsJCマルティネス!スーパーフライに訪れる世代交代の波を止められるか。 - 信太のボクシングカフェ
どちらも非常に面白い試合になりそうです。
そして国内でも、日本タイトル戦、そして元王者の復帰戦がありますね。
ということで今回のブログでは、3/5(土)のダイナミックグローブ、そして3/6(日)の山中竜也の復帰戦のプレビュー記事です。
3/5(土)ダイナミックグローブ
日本ライトフライ級タイトルマッチ
岩田翔吉(帝拳)7勝(5KO)無敗
vs
大内淳雅(姫路木下)22勝(8KO)11敗3分
岩田は2021年11月、待望の日本王者となりました。2018年12月のプロデビュー、デビュー7連勝で王座獲得、という道のりは、おおよそ期待通り、と言って良いとは思います。
非常に見事なパフォーマンスを見せて王座戴冠した岩田の初防衛戦は、ベテラン、大内を迎えます。
この岩田vs大内というのは、2021年6月に戦っており、約9ヶ月ぶりの再戦となります。
大内にとっては前戦の岩田戦から試合を行っておらず、ダイレクトリマッチともなります。
そこで完勝したのは岩田、両者の力がそこから縮まったか、というと考えづらく、王者となった岩田が自信をつけることで差は大きくなった、とみて良いような気もします。
岩田がこのベテラン大内を倒せるか、というのがキーポイントとなってくると思われます。そして大内にとっては、前戦の敗北があるにも関わらずつかんだこの大きなチャンスであり、36歳のライトフライにとってはラストチャンスとなるかもしれません。
前回と同じ戦い方ではなく、何か秘策を持って臨むことが必須、と言えますが、果たして。
スーパーフェザー級8回戦
波田大和(帝拳)11勝(10KO)1敗
vs
齊藤陽二(角海老宝石)3勝(3KO)2敗2分
帝拳ホープ、波田のプロ13戦目の相手は、斎藤陽二。
波田は前戦、初めての判定勝利を挙げているものの、2017年のまさかの敗戦からこれで8連勝(7連続KO)、その間で日本ユース王者にも輝き、しっかりと実力をつけてきた、と言えます。
評価の高いホープの場合、(コロナ前であれば)外国人相手にキャリアを積む、というのは対戦相手から避けられれば仕方のないことですが、波田はユース王座決定トーナメントに出場したり、タフな日本人ボクサーとの対戦も比較的多く、このキャリアには好感が持てます。
そしてその魅力は11勝中10KOというハードパンチ、特にサウスポースタンスから繰り出される左ストレートのキレは素晴らしい。
今回の相手、齊藤陽二はその戦績からは想像できないほどの強豪。デビュー戦で現日本ライト級王者、宇津木秀(ワタナベ)と大熱戦を繰り広げた末に僅差の判定を落とし、石脇麻生、福井貫太とのvs寝屋川石田ジム2連戦はいずれもドロー。
しかし2020年10月に脇田将士(ミツキ)を初回KOで屠り、日本ランキングを獲得すると、続く荒木貴裕(JBスポーツ)戦でも2RKO勝利、パンチャーぶりを如何なく発揮して2連続KO勝利。
前戦では、中部のホープ、木村蓮太朗(駿河男児)に試合をコントロールされながらも、初回、4回にそれぞれダウンを奪う大健闘。判定は惜しくも0−2で木村の手が上がりましたが、十分な実力を示しました。
現在日本ランキング9位の波田と、同14位の齊藤。
ともに好戦的で、倒し切る力を持ったパンチャー同士の一戦は、おそらく最終ラウンド終了のゴングを聞かないでしょう。素晴らしい好試合を予感させるマッチアップです。
アンダーカード
ダイナミックグローブのアンダーカードはテレビ放送もあるので、どちらかというと期待のホープたちを出した方が良いような気もします。しかし、今回のアンダーカードは、一風変わっています。
第5試合バンタム級4回戦
進藤達也(金子)vs田中利信(三迫)
3敗1分の進藤と、3敗の田中がそれぞれ初勝利を目指して激突します。
第4試合バンタム級4回戦
大町朋也(帝拳)vs高橋拓夢(角海老宝石)
大町は1敗1分、高橋は2敗。こちらも初勝利を目指すという一戦。
第3試合スーパーフライ級4回戦
椎名善聴(FLARE山上)vs中嶌隼太(角海老宝石)
1勝2敗の椎名、2敗の中嶌。
第2試合フェザー級4回戦
渡辺凛太郎(レパード玉熊)vs橋場大樹(宮田)
渡辺は1勝(1KO)ですが、橋場はデビュー戦。
第1試合ライト級4回戦
中村嵩史(ミナノ)vs倉持廉汰(本望)
こちらはともにデビュー戦。
ということで、セミセミ以下に登場するボクサーたちは、その多くが勝ち星がないボクサー。本当の意味での新人たちの、アツい4回戦が繰り広げられそうですね。
こういう展開はなかなか燃えます。デビュー戦同士の戦いも、黒星が先行しているボクサー同士の戦いも、日本タイトル戦もすべてボクシング。この日のダイナミックグローブは、色々な視点で楽しめそうですね。
放送・配信
このダイナミックグローブは、3/5(土)17:45〜日テレG+で生放送をされる予定です。
数少ない「テレビ」ボクシング、ダイナミックグローブは今後も頑張ってもらいたいですね。
3/6(日)REAL SPIRITS
ライトフライ級6回戦
山中竜也(真正)16勝(5KO)3敗
vs
須藤大介(三迫)7勝8敗3分
元WBO世界ミニマム級王者、山中竜也の復帰戦。
ビック・サルダール(フィリピン)に王座を追われたのが2018年7月のことですから、そこから約3年8ヶ月。
このサルダール戦の後に、硬膜下血腫が判明、ライセンス失効により強制的に引退となってしまった山中の「一念」は、所属ジムの山下会長を動かし、さらにJBCを動かし、ルールを変えるまでに至りました。
引退後、満ち足りているとも思えましたが、それでも山中はハングリーだったようです。
あの引退の時、「早すぎる」「もったいない」と思ったファンは多かったはずです。それがこうして、自分の強い意志で、リングに戻ってきてくれるというのは本当に嬉しいですし、どんなパフォーマンスを見せてくれるのか非常に楽しみです。
今回は6回戦、世界王座復帰も直ぐとはいかないでしょうから、まずは錆落とし。
そして対戦相手の須藤にとっては大チャンス。
「元世界王者」という肩書きを持ち、しかもミニマム級上がりのボクサーである山中と、フライ級を主戦場として戦う須藤が「ライトフライ級」で戦うというのは、須藤にとってはなかなか優位に働く条件ではないでしょうか。(ウェイトを作れるという前提で)
前戦、畑中建人(畑中)ともフルラウンド戦い抜いた経験を持つ須藤は、ちょっとやそっとで倒れるボクサーではないと思います。もしかすると、どこかで体の強さを活かし、チャンスを演出する場面が訪れるのかもしれません。
54.0kg契約8回戦
玉田汐響(井岡)6勝(3KO)4敗
vs
与那覇勇気(真正)10勝(7KO)3敗1分
与那覇は2019年の復帰以降、3勝(2KO)1分と勢いに乗っています。非常に自由にリングを使い、ストレートやアッパーといった強打を振るい、時には「よそ見」までするリングの上のエンターテイナー。非常に気が強そうで、試合が面白くなる要因を持っている、個性あふれるボクサーですね。
玉田は2020年11月に池上渉(DANGAN郡山)に7R KO負け、そこからの再起戦に臨みます。A級昇格後2戦目、A級初勝利を目指しますが、与那覇相手には分が悪い気もします。
個人的には、与那覇のパフォーマンスに期待です。
スーパーフェザー級8回戦
飯見嵐(ワタナベ)7勝(7KO)4敗
vs
原優奈(真正)10勝(5KO)2敗1分
飯見は勝ち星のすべてがノックアウトという飯見ですが、ここ数戦は3連敗と停滞気味。ただ、前戦までは勝っても負けてもKO決着だったのに対して、前戦は判定負け。敗れはしたものの、良い経験になったかもしれません。非常によく動く、機動力に優れたボクサーです。
対して原は現ユース王者、英洸貴(カシミ)に敗れてからは4連勝、前戦では2020年の西日本新人王で西軍代表として全日本新人王戦にも出場した福田星河(エディタウンゼント)に完勝、素晴らしいボクシングを披露しています。
原は真正ジム移籍後2戦目、当然ホームでの興行で負けられない理由がありますが、飯見も4連敗は避けたいところ。熱戦が期待されますね。
放送・配信
他にも8回戦1試合、6回戦2試合を擁するこのREAL SPIRITS興行は、真正ジムのYoutubeチャンネル、「BOXING REAL」で生配信。
日時は3/6(日)13:00〜です。
かなり早い段階から、ボクシング興行のネット配信に力を入れてくれていた真正ジム、本当に素晴らしいことだと思います。
私の記憶が確かならば、日本で初めて「世界タイトルマッチのネット配信」を行ったのは山中竜也の世界戦だったような気がします。記憶違いかもしれませんが。
この注目興行が無料で見られるのは嬉しいですね!
↓真正ジムのYoutubeチャンネルはこちら。