信太のボクシングカフェ

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ボクシングが大好きです。大好きなボクシングをたくさんの人に見てもらいたくて、その楽しさを伝えていきたいと思います。

【プレビュー】キコ・マルティネスvsジョシュ・ウォーリントン!5年ぶりの再戦!

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あっという間に3月の最終週。

ついこの間、年が明けたと思ったら、もう1年の1/4が終わるんですね。

年をとると月日が経つのが早く感じる、といいますが、あれは本当。特に、40歳を超えてからは本当に「あっ」とか言っている間に月日が経ちます。若い皆さんも気をつけて。

2022年3月は、ローマン・ゴンサレス(ニカラグア)の素晴らしいパフォーマンスを見て、山中竜也(真正)の復活を見て、リー・ウッド(イギリス)vsマイケル・コンラン(アイルランド)のFOTY候補となりそうな試合を見て、矢吹正道(緑)vs寺地拳四朗(BMB)という琴線に触れる試合を見ました。

何という充実した月なのでしょうか。そして、この週末ももちろん多くのボクシング興行があり、大器ティム・チュー(オーストラリア)のアメリカデビュー、ミゲル・ベルチェルト(メキシコ)の復活、日本では沖縄での日本ミニマム級タイトルマッチ等々、ビッグマッチとは又違った、目の離せない試合が多いですね。

 

さて、そんな中で今回ピックアップするのは、IBF世界フェザー級王者、キコ・マルティネス(スペイン)が元王者であるジョシュ・ウォーリントン(イギリス)を迎えるマッチルーム興行、そのプレビュー記事です。

3/26(日本時間3/27)

IBF世界フェザー級タイトルマッチ

キコ・マルティネス(スペイン)43勝(30KO)10敗2分

vs

ジョシュ・ウォーリントン(イギリス)30勝(7KO)1敗1分

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2017年以来の再戦となる今回の一戦。当時はWBCインターナショナル王者だった新鋭・ウォーリントンに、ベテラン・マルティネスが挑戦するという構図でした。

 

このキコ・マルティネスは、もはや奇跡の王者と言っても過言ではありません。プロデビューは2004年6月、これまでに55戦ものキャリアを戦っています。

当初負けなし、連続KOでスタートしたそのキャリアは、地域タイトルを獲得して順風満帆も、2008年3月、プロ17戦目にしてレンドール・ムンロー(イギリス/のちに西岡利晃に挑戦)を相手にマジョリティ判定にて初黒星。

そのムンロー相手に2009年に再戦を挑みますが、今度はユナニマスの判定負け。その試合の次戦で何故かIBF世界スーパーバンタム級の挑戦者決定戦の権利が巡ってきますが、タカラニ・ネドロブ(南アフリカ)を相手に判定負けを喫し、2連敗。

その後は白星を積み上げますが、2013年2月に当時ホープだった(!月日の流れを感じます笑)カール・フランプトン(イギリス)に地域タイトル戦で敗北。ここまで見ると地域王座止まりで、世界王座に届かないボクサーといったイメージですね。

しかし同年8月、ジョナサン・ロメロ(コロンビア)の持つIBF世界スーパーバンタム級タイトルに挑戦する機会を得ると、初挑戦で6RTKO勝利をあげて、見事世界王座を初戴冠。

 

これも番狂わせと言っても良い試合だったと思います。

当時から、マルティネスは「試合が面白い」と言われるパンチャーだったと記憶しています。このロメロは、五輪出場経験のある、優れたボクシングをするボクサー。そのロメロを相手に、ボクシングをさせず、力でねじ伏せるようなファイトでタイトルを強奪したマルティネスですが、それでも評価はさほど高い王者とはなりませんでした。

傍から見れば技術は少なく、とにかく粗さのあるボクシングではあったので、あのプレスさえ何とかしてしまえば何とかなる、誰にとっても「チャンスのある」王者。

初防衛戦をクリアしたマルティネスは、2度目の防衛戦で日本に乗り込み、元WBC世界バンタム級王者長谷川穂積(真正)の挑戦を受けます。

ここは長谷川に分がある試合だったはずですが、この長谷川をも7RTKOで退けたマルティネス。これは本気で泣いたなぁ。。。本当に長谷川はこの試合で終わっても全くおかしくありませんでしたね。

 

元王者を撃退したマルティネスでしたが、3度目の防衛戦はカール・フランプトン(イギリス)との再戦。ここでフルマークに近い敗北を喫し、王座から降ろされました。

これが2014年9月、ここから長い長いトンネルの時期。

同年12月に再起戦を勝利したマルティネスでしたが、翌年の7月にはWBA王者スコット・クイッグ(イギリス)に2RTKO負け。白星を積み重ね、2016年に当時のWBAスーパー王者、レオ・サンタ・クルス(メキシコ)に挑戦しますが5RTKO負け。

果ては2017年にWBCインターナショナル戦でジョシュ・ウォーリントン(イギリス)に判定負け。2019年にはWBC王座に挑戦し、ゲイリー・ラッセルJr(アメリカ)に5RTKO負けと大事な一戦はそのほとんどを落としてしまい、更には2021年2月にはプロスペクト、ゼルファ・バレット(イギリス)の踏み台となり、完全に後退してしまいました。(但し、このバレット戦の判定は地元判定と言わざるを得ない程の判定でした。)

 

世界タイトル戦に負けるだけならまだしも、ウォーリントンやバレット等の若手の踏み台となってしまっては、そのキャリアは晩秋と言って良いでしょう。

バレット戦での敗戦から再起したマルティネスには、またも世界挑戦のお声がかかります。

マルティネスはハートも強いパンチャーであり、その激闘型の試合内容は非常に面白いボクサーです。更には、「元王者」という肩書を持っており、現役王者からするとちょうど良い相手だったと言えるでしょう。

ときの王者は、キッド・ガラハッド(イギリス)。ウォーリントンとも好勝負を演じたボクサーであり、一説によるとウォオーリントンは指名挑戦者だったガラハッドとの再戦を避けるために、タイトルを返上したとする向きもあったようです(表向きは、当時のWBAレギュラー王者、シュ・ツァンとの統一戦を実現するため)。

しかし、ガラハッドの目論見は大外れ、なんとこの一戦でキコ・マルティネスはガラハッドをノックアウト、見事世界王者に返り咲きます。

 

↓観戦記

boxingcafe.hatenablog.com

まるで映画にもなりそうなこのキコ・マルティネスのキャリア。

10年近くも前になる、前政権時代から何かが変わったか、というと、良い意味でも悪い意味でも何も変わらないと言って良いこのマルティネスは、ある種の化け物です。

昔から「完璧」とは遠いボクサーで、穴は大きく見えます。しかし、その魂溢れるファイトは、未だに何かを起こせる可能性を秘めています。

そんな王者、キコ・マルティネスに挑むのは、元IBF世界フェザー級王者のジョシュ・ウォーリントン。

2009年にプロデビューし、2012年にBBBofC英国フェザー級タイトルを獲得したことをきっかけに、各種地域タイトルをコレクトした上で2017年にIBFの挑戦者決定戦を勝ち、翌2018年にリー・セルビー(イギリス)からタイトルを奪って世界王座を初戴冠したボクサー。

 

そのキャリア同様、非常に堅実なボクシングで、マルティネスと違って穴は少ないタイプ、英国ボクサーにありがちな非常にアグレッシブながらもパンチングパワーは乏しく、技術のあるスポーツライクなボクサーです。

セルビーから奪ったタイトルは、カール・フランプトン(イギリス)、キッド・ガラハッド(イギリス)、ソフィアン・タコウシュ(フランス)を相手に3度防衛して、返上。

この頃、フェザー級王者の中でも最強の一角として数えられていたウォーリントンでしたが、タイトル返上後のノンタイトル戦でメキシコのマウリシオ・ララを迎え、まさかの9RTKO負けで初黒星を喫します。

思い切りよく振ってくるララは、まるで野生児のようにウォーリントンに襲いかかり、全てのパンチをフルスイング。ウォーリントンは手数とコンビネーションで対抗。

 

4Rにウォーリントンはダウンを奪われますが、5Rには盛り返すという大激闘で、どっちにもチャンスがあった試合でしたが、勝負を分けたのはパワー差と思い切りの良さだったかもしれません。ハートは、どちらも強かった。

ちなみにこの試合のアンダーにバレットvsマルティネスが行われています。

↓観戦記

boxingcafe.hatenablog.com

 

 

雪辱を期して臨んだ再戦では、偶然のバッティングにより2Rで負傷ドロー。

結局ララへの雪辱を果たせなかったウォーリントンでしたが、キコ・マルティネスへの挑戦ができたことは、政治力以外の何者でもないでしょう。

ちょっと納得のいかない部分もあるのですが、ウォーリントンは非常にハートの強いボクサーであり、逃げるボクサーではないはず。なにせリーズの戦士です。

きっと、このIBF王座を獲って、マウリシオ・ララを迎えようという気概なのだと思います。そう信じたい。

さて、マルティネスvsウォーリントン。

これはどちらもアグレッシブ、激闘となることは間違いありません。

手数、コンビネーション、テクニックに優るウォーリントンか、一発のパワーに勝るマルティネスか。マルティネスのパンチングパワーに対して、ウォーリントンがどのような対応を見せるか、というところが鍵。

 

そうなってほしくはないですが、ウォーリントンにはアウトボックスという選択肢もあるかもしれません。本来のボクシングとは違いますが、きっとその技術はあるでしょうし、マルティネスとの真っ向勝負はかなり危険でもあります。あと、残念ながら今回の開催地はウォーリントンの地元リーズ、そのあたりは考慮に入れておかなければなりません。まあ、いずれにしろマルティネスが判定勝利を得るという姿はあまり想像ができませんが。

マルティネスは頭を振ってプレスをかけるのは得意ですが、ウォーリントンのあの手数、あのコンビネーションの全てをかわせるか、というと難しいでしょう。ある程度の被弾を覚悟してプレスをかければ、よりチャンスは広がります。ウォーリントンの顎は、そんなに強くはありません。

ただ、いわゆる総合力というものは、ウォーリントンの方が上。当然、オッズとしてはウォーリントン優位でしょう。しかし、マルティネスはそれをひっくり返せるものを持っています。後は、王座返り咲きを果たしたマルティネスがこれで満足していないことを祈るのみ。

 

個人的には、やっぱりマルティネスのファイトスタイルの方が面白いので、マルティネスを応援。

放送・配信

セミファイナルにはイギリス人対決、マキシ・ヒューズvsライアン・ウォルシュ。IBOの世界タイトル戦のようですね。激シブ。。。

セミセミかな?IBF世界女子バンタム級タイトルマッチは、マリア・セシリア・ローマン(アルゼンチン)vsエバニー・ブリッジ(オーストラリア)の一戦。このブリッジは「ブロンド・ボマー」、日本にもファンが多いかもしれません笑。

一応、マッチルームのHPではこのような順番にはなっていますね。

このマッチルーム興行は、勿論DAZNで生配信です。

日時は、日本時間で3/27(日)AM4:00〜。メインはいつも通りAM6:00とか7:00くらいでしょうか。楽しみですね!

↓DAZNはこちらから

DAZN

 

 

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