週末の大注目興行は、ドミトリー・ビボルvsサウル・アルバレス。
その前に木村吉光(志成)がサミー・ジア二(フランス)の持つIBFインターコンチネンタルのタイトルに挑戦する予定でしたが、この試合は残念ながら延期となっています。
そして日本では5/7(土)に後楽園ホールで東日本新人王予選、5/8(日)には中日本ボクシングの聖地、刈谷あいおいホールでKNOCK OUT BOXIG興行があります。
この刈谷での興行は、sakanaさんのYoutubeチャンネルで生配信、ビボルvsカネロと若干かぶりそうな気配がある13:00〜の中継なので、見れる人は是非見てください。
そして週が明けて、5/9(月)、5/10(火)と国内注目興行が続きます。
ということで今回のブログでは、5/9に行われるDANGAN興行のプレビュー記事です。
5/9(月)DANGAN
フライ級8回戦
木村翔(花形)19勝(12KO)3敗2分
vs
堀川龍(三迫)3勝(1KO)1敗1分
元WBO世界フライ級王者、木村翔が久々に日本のリングに立ちます。日本のリングは実に3年8ヶ月ぶりで、前回は田中恒成(畑中)を迎えたWBO王座の防衛戦でした。
その後、「ホーム」とも言える中国上海で再起した木村は、階級を下げてWBAライトフライ級王者、カルロス・カニサレスに挑戦。しかしここはカニサレスのアウトボックスに木村の拳は届かず、大差判定負けを喫してしまいました。
ここで終わらなかった木村は、2020年2月、フィリピンで元世界王者、メルリト・サビーリョを相手に再起、今回の一戦を迎えます。
所属していた青木ジムの閉鎖、花形ジム預かりとなって海外で再起、そして先日の中国Youtuberとの騒動。木村の身辺は、穏やかではありません。加えて、2年以上のブランク。
果たして、今の木村がどれほどの力を有しているのか、わかりません。
かつて、サビーリョ戦ではニュースタイルとも言えるスタイルを披露した木村。そこから2年、その間にチャリティーボクシングイベント「Legend」に登場した木村のパフォーマンスは、決して良いと言えるものではありませんでした。ただ、木村はおそらく本番でこそ力を発揮するタイプのボクサーであり、これはあまり参考にならないかもしれません。
↓以前に木村について書いたブログ。
さて、対して堀川龍。作新学院ボクシング部出身で、高校時代にインターハイを制し、プロデビュー。現在22歳の若者は、手も足も非常に速く、何よりも強いハートを持った素晴らしいボクサーです。
2019年6月に3RTKO勝利でプロデビューを果たすと、プロ2戦目では現在日本フライ級9位にランクされる中嶋憂輝(角海老宝石)を降しDANGAN B級トーナメントを優勝。
中国・上海で挑んだWBO世界ユース・ライトフライ級タイトルはドローで獲得ならずでしたが、2020年9月に亀山大輝(ワタナベ)を相手に再起。
2021年2月に日本ユース・ライトフライ級王座決定戦で重岡優大(ワタナベ)と堂々と渡り合った末、5RTKO負けで初黒星を喫しました。
↓観戦記
この堀川龍というボクサーは、非常に好戦的。肉体的には線の細さを感じるものの、常に強気のボクシングを展開する、面白いボクサーです。
重岡戦でも、ダウンを奪われても攻撃の手を緩めない、凄まじいハートの強さを見せてくれました。
堀川が木村に挑む、と聞いたときには、さすがに時期尚早ではないか、と思いましたし、そのハードすぎるマッチメイクにもまたも驚きました。
実績的には、木村優位で間違いないものの、木村のコンディション、そして伸びしろ十分だと思われる堀川が、重岡戦での敗戦後、1年と少しという期間で如何ほど伸びているのか、と言う期待とで、もしかすると競っているのかもしれません。
どちらも応援したいボクサーなのですが、今回は「より残された時間の少ない」木村を応援したいと思います。
そしてセミファイナルも興味深い試合だったのですが、当初セミファイナルに予定されていた、田村亮一(JBスポーツ)vs竹嶋海刀(勝輝)は竹嶋が体調不良により棄権。これは残念。
53.0kg契約8回戦
池上渉(DANGAN郡山)9勝(5KO)6敗1分
vs
廣本彩刀(角海老宝石)4勝(2KO)1敗
繰り上がってセミファイナルとなったのは、池上vs廣本の8回戦。
池上渉というボクサーは、福島県郡山市のジム所属の国内のグレート・ジャーニーマン。前戦では新宿FACEで戦っていますが、その前は大阪、その前は兵庫、その前は韓国、その前は和歌山と様々なところで戦っています。
ポンポンと非常によく手の出るファイターで、敵地でもいくつもの勝利をもぎ取ってきたハートの強さを持ったボクサーでもあります。
そんなプロ叩き上げ、池上の相手は今回が再起戦となる廣本。
日本スーパーフライ級10位にランクされる廣本は、アマ経験が豊富でB級デビュー。
6回戦は外国人ボクサーを相手に戦い、その後はコロナ禍もあって日本人ボクサーとの対戦、2020年11月に那須亮祐(グリーンツダ)を破って早々に日本ラキングを獲得、その後矢島大樹(松田)にTKO勝利を挙げています。
そして2021年11月、プロ5戦目でチャレンジマッチ、現在の日本スーパーフライ級王者、中川健太(三迫)の再起戦の相手を努めます。
当時の中川は福永亮次(角海老宝石)との王座統一戦には敗れはしたものの、それまででも2度日本王座を獲得した超がつくほどの実力者。(現在は3度目の王座を獲得)
その中川と互角に近い戦いを見せたものの、結果は判定負けでした。
その廣本は、前回の敗北からいったいどのような進化を遂げているのでしょうか。これもまた、非常に楽しみな一戦です。
放送・配信
他に6回戦が1試合の合計3試合。セミファイナルの他に4回戦1試合が中止になっているので、少ないですね。もうこれ以上中止にならないことを望むのみです。
さて、この興行はBoxingRaiseで録画配信という予定です。おそらく当日の夜にはメインがアップされ、翌日にはアンダーカードがアップされることと思います。
それにしても
ここ最近の試合中止はちょっとどうかと思ってしまいますね。
私はあまり現地観戦に行けないのでまだマシだと思いますが、東京近郊に住んでいて、毎週のようにボクシングに通っている人たちは、「もういいや」ってなってしまいそう。
今回も、元々少ない試合数(5試合)から2試合中止になって、残り3試合。
先日行われた4/30(土)のAPOLLO KO LIVEは全7試合中、3試合が中止になって計4試合。
4/24(土)のNAKAZATO BOXING GYMの興行は全4試合中、メインを含む2試合が中止になって計2試合。この辺りは本当にキツい。
果たして、コロナを経て非常に高くなったチケットと、興行の内容というのは釣り合いが取れているのでしょうか。
怪我した選手、(減量失敗を含む)体調不良の選手が「リングに上がれない」または「リングに上がらない」という判断を降す事は当然のことですし(昔はこれが当然ではなかったですが)、それはそれで仕方のないことなのでしょう。であれば、主催者側が何かしら代案を打っておくべきなのではないでしょうか。
特にメイン、タイトルマッチとなればなおのことで、事前にリザーバーとしてお金を払ってでもウェイトを整えておいてもらう、とか。
まあ、文句を言うのは易いし、実際に行うのは難い。
それでも、せっかく高いチケットを買ったのに、お目当ての選手を見れない、4回戦1試合と8回戦2試合だったら、サクサク進めば1時間30分かからずに終わってしまう興行で、リングサイド15,000円というのは冷静に考えて高すぎはしないか。
チケットをしっかり売ったボクサーの取り分はそのままに、何とか「何試合なくなったから数十パーセント返金する」とかできないものか。主催する方もギリギリでやっているのも理解はできますが、さすがにこれでは足を運ぶファンが増えるようなことはないでしょう。
ともあれ、明日は我が身と思うと、チケットを購入して現地に行く足も鈍ってしまいます。。。正直、チケット代よりも往復の費用の方が高いわけですけれども。(その場合、もし2試合とかだと発狂する可能性があります。)
賢い人、何とか考えて。