週末にシンコ・デ・マヨ興行を控えるゴールデンウィーク。
私にとってはゴールデンでも何でもなく、普通のウィークな訳ですが、ドミトリー・ビボルvsサウル・アルバレスを楽しみに待つ身としてはやっぱりゴールデンかもしれません。
そしてこのゴールデンウィーク中、噂のあったあの試合も正式発表。
カネロ参戦により俄然盛り上がるライトヘビー級戦線が今回のブログのテーマです。
↓ビボルvsカネロのプレビュー記事
ライトヘビー級統一戦が正式発表!!
6/18(日本時間6/19)
WBC・IBF世界ライトヘビー級統一王者
アルツール・ベテルビエフ(ロシア)17勝(17KO)無敗
vs
WBO世界ライトヘビー級王者
ジョー・スミスJr(アメリカ)28勝(22KO)3敗
全勝全KOという王者は、メジャー4団体、全階級を通じて一人だけ。それが、アルツール・ベテルビエフというボクサーです。
37歳という年齢もあり、衰えというのは如何に、とも思われる王者ではありますが、結局は怪物ぶりを見せつける試合ばかり。それは当然、全て倒してきているボクサーです。
強靭なフィジカルと強烈なプレッシャー、そして凶悪なパンチ。風貌も相まって熊みたいです。それも、凶暴なグリズリーのよう。
マーカス・ブラウン(アメリカ)戦では、血だらけになりながらも構わずプレスをかけまくる姿は、戦慄でしたね。ブラウンにとっては、トラウマになってもおかしくないほどです。
↓観戦記
さて、ジョー・スミスJrも、ハードパンチと豊富な手数、激闘型のファイトスタイルを売りにするファイター・タイプのボクサーです。
とにかく激アツファイトが多いスミスの試合は、魂を揺さぶられます。
キャリアは初期にあたる7戦目で初黒星(4RTKO負け)。転機は2016年のアンドレイ・フォンファラ(ポーランド)戦。そこを初回TKO勝利でアップセットを起こすとバーナード・ホプキンス(アメリカ)の引退試合の相手に抜擢されます。そこで印象的な勝利を飾ると、その後はサリバン・バレラ(キューバ)に判定負け、世界王座初挑戦ではドミトリー・ビボル(ロシア)に判定負けと低迷。
とにかく攻め続けるスミスですが、被弾が多く、またもらった時の見栄えも悪いので、接近戦技術で負けてしまうととにかく分が悪い、という印象も受けます。
バレラ戦ではダウンを奪うも、接近したところの技術、見栄えで負け、ビボル戦では下がりながら戦うビボルに完封された、という感じ。
しかしそこからジェシー・ハート(アメリカ)を破って再起、エレイデル・アルバレス(コロンビア)に勝って王座決定戦に出場、マキシム・ウラソフ(ロシア)との大激闘を経て、見事世界王者になりました。
初防衛戦は、カラム・ジョンソン(イギリス)戦という予定が、スティーブン・ジェフラード(アメリカ)に変更、ここは問題なく勝利。
↓観戦記
ベテルビエフvsスミスに関しては、普通に考えれば、ベテルビエフが勝つ、と言い切れる一戦だと思います。
ただ、スミスにとってもベテルビエフは「やりにくくない」相手だけに、「面白い試合になる」とも言い切れる試合でもあります。
フィジカル、パンチ力、タフネスにしてもベテルビエフの方がやや上回りそうなので、バチバチの打ち合いの中で少しずつ差が出てくる、という展開になるような気がします。
距離が完全に噛み合ってしまう一戦は、明らかな実力差が出てしまいそうですが、スミスがもう一歩、くっついたところでボクシングをすれば少し違った展開になるかもしれません。ベテルビエフ相手に、インサイドで戦ったボクサーはいないと思いますので。
この辺りはまた試合が近くなったらプレビュー記事を書こうと思います。
この試合のキャッチコピーは「INTO DEEP WATERS」。「はじめの一歩」でも似たようなのがありましたね。ファイター対決、本当に深海に引き摺り込まれるような試合になること間違いなし、です。
ちょっと話がそれますが、このセミファイナルはロベイシー・ラミレスvsエイブラハム・ノバというトンデモマッチメイク。これはフェザー級の未来を占う重要な一戦ですね。
ということで、6月を過ぎれば
このベテルビエフvsスミスが過ぎれば、ライトヘビー級の世界王者はたった二人になります。それは、ビボルvsカネロの勝者と、ベテルビエフvsスミスの勝者です。
この両者の激突は、待望論がでてくるはずです。
トップランクとしては、「カネロ」という名前を間接的に利用しながら、このベテルビエフvsスミスを盛り上げようとしているかもしれません。
全ては今週末が終わってからの話ですが、カネロがビボルを倒し、ライトヘビー級王座を獲得したならば、この話は一気に現実味を帯びてきます。
しかし当然、無視できないこともあるわけです。
ビボル戦後のカネロの動向は如何に
カネロは現在、正式な世界スーパーミドル級の4団体統一王者です。
なので、カネロがもしビボルに勝って、ライトヘビー級の王座を手に入れたとすれば、「スーパーミドル級4団体統一王者」という地位か、「WBAスーパー世界ライトヘビー級王者」という地位を選ばなければいけません。(稀に複数階級にわたって同時保持、という事例がありますが、基本的には禁止されています。ここ最近も多かったですが、現在は是正されているはず。カネロに限ってはわかりませんが。)
もしカネロがWBAスーパー世界ライトヘビー級王座を保持することを選んだ場合、9月に予定されているGGG戦はどうするのでしょうか。
現在の流れでいくと、スーパーミドル級4団体統一王者であるカネロに、GGGが挑む、という構図が一番しっくりきますが。流石にGGGが一気にライトヘビー、ということは考えづらいので(スーパーミドルでもGGGにとっては十分不利)、ノンタイトルのスーパーミドル級戦、となるのかもしれません。で、そこにWBCあたりがまた新たな意味不明のベルトを作る、みたいな感じ。
そしてもしカネロがWBAスーパー世界ライトヘビー級のベルトを返上した場合、上記の通りにスーパーミドル級4団体のベルトにGGGが挑戦する、という流れになるでしょう。
その場合の問題はそのGGG戦後、カネロがまたライトヘビー級に戻ってくるか、否か。
正直、ベテルビエフvsカネロであれば、ベテルビエフのパワーが勝るような気がします。こここそが、ストップ・カネロの最右翼と言っても良い、と思います。
カネロがそのリスクを犯すかどうか。そう考えると、カネロはまたライトヘビーの王座を獲得してすぐに返上、そして次こそはクルーザー級、イルンガ・マカブ戦を目指す可能性もあります。
ちなみに、私の最も希望する流れ(且つ、最も起こりそうにない流れ)では、カネロがビボルに勝利して、そのまま9月とか11月くらいにベテルビエフ戦に行く、という流れ。もしこれをするならば、カネロは称賛されるべきだと思います。
ライトヘビー級に注目を!!
ということで、カネロの参戦により注目を集めている(はず)のライトヘビー級。実際、この階級は私は大好きで、面白い。
現時点(2022年5月6日)での王者は、アルツール・ベテルビエフ、ドミトリー・ビボル、ジョー・スミスJrの3人ですが、次点で控えるのはヒルベルト・ラミレス(メキシコ)、そしてジョシュア・ブアツィ(イギリス)です。
元スーパーライト級王者の「スルド」ラミレスは、ここ数戦で勢いを取り戻してきているようにも感じます。一時期、「実力差がありながらも倒せない」という王者でしたが、対戦相手の質こそ劣るとはいえ、現在は4連続KO勝利中。
しかも、次戦の対戦相手がドミニク・ボーセル(ドイツ)というのはこれまた最高のラストテスト・マッチではないでしょうか。
この試合はビボルvsカネロの一週間後(現地時間5/14)に行われる予定で、これはWBAの挑戦者決定戦になるはずです。つまりはビボルvsカネロへの挑戦権です。
そしてそのさらに一週間後(現地時間5/21)、イギリスではジョシュア・ブアツィがクレイグ・リチャーズ(イギリス)戦。
世界挑戦経験もある世界ランカーを倒せば、またさらにステップアップすること間違いなし。ブアツィは既に世界ランキングは4団体とも上位につけており、後はゴーサインと交渉の問題かと思います。
個人的にはこのブアツィのボクシングが大好きなので、ここをまた素晴らしいノックアウトでクリアして、是非とも今年か来年中の世界王座獲得を期待しています。
ライトヘビー級戦線まとめ
5/7(土)WBAスーパー世界タイトル戦
ドミトリー・ビボルvsサウル・アルバレス(DAZN)
5/14(土)WBAエリミネーションバウト
ヒルベルト・ラミレスvsドミニク・ボーセル
5/21(土)WBAインターナショナル戦
ジョシュア・ブアツィvsクレイグ・リチャーズ(DAZN)
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6/18(土)WBC・IBF・WBO世界統一戦
アルツール・ベテルビエフvsジョー・スミスJr(ESPN)
これはやばいですね!ちなみにこの5月の放送は全てDAZN、6月はESPNとなると思います。このDAZNが囲い始めているライトヘビーに、果たしてトップランクは割り込んでいけるのか。そして何よりも、ビボル戦後のカネロの動向や如何に。
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