6月7日(火)に、さいたまスーパーアリーナで行われる井上尚弥vsノニト・ドネア。
この一戦は、世界バンタム級の3団体統一戦です。
現在、メジャー4団体といわれるWBA、WBC、IBF、WBOの世界バンタム級の王座を保持しているボクサーは3名、WBAスーパーとIBFの統一王者である井上尚弥(大橋)と、WBC王者のノニト・ドネア(フィリピン)、そして新たにWBO王者となったポール・バトラー(イギリス)。
井上vsドネア2が行われた後、4団体統一戦に進んでいく可能性が非常に大きいバンタム級。
今回のブログでは、少し気が早いですが、井上vsドネア2のあと、二人のボクサーの行く先と、その2強が抜けた後のバンタム級の展望についてです。
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6/7(火)激突は埼玉で
井上尚弥vsノニト・ドネアの一戦は、WBAスーパー、WBC、IBFの王座統一戦です。
この試合の勝者は、バンタム級の3団体王者となる事ができ、井上はこれに勝てばポール・バトラーとの4団体王座統一戦に臨む事を希望しているようです。
井上が勝利した場合、日本人として初の3団体統一王者となる訳ですが、ポール・バトラー相手であればかなりの確率で日本人初の4団体統一王者となる事が予想されますね。
ドネア戦のことは過去に書いたので、↓
その後の話をすると、井上vsバトラーという一戦が開催される公算は非常に高い。
バトラーは「日本に行っても良い」と言っているらしく、イギリスからなかなか出ない(日本人は人のことを言えませんが)英国ボクサーにしては珍しく、敵地での対戦を厭わないようです。これには、当然金銭的なこともあるでしょう。
ポール・バトラーは井上vsドネアを視察に訪れる、ということなので、もし試合後のリングイン等があればもうほぼ確実。後はお金の問題だけ。
井上尚弥の4団体統一戦となると、日本の注目度はもしかするとドネア戦よりも高いのかもしれません。ボクシングの「ボ」の字もわからない人にも「記録」というものは伝わりやすいので、多少捻じ曲げられたとしても訴求しやすいのではないでしょうか。
個人的には英国に乗り込んでやってもらいたい、という気持ちが大きいのですが、4団体統一という偉業を成し遂げる姿を直に見れるのは有り難い。
そしてドネアが勝利した場合でも、このポール・バトラー戦は非常に組みやすい試合となっています。
ドネアも、バトラーも、現在はリチャード・シェーファー率いるプロベラム所属の選手。
シェーファーというのは非常にやり手であり、プロベラム自体は新興プロモーターなのですが、様々にいがみ合っているプロモーター間のいざこざを気にせずに試合を組んでくれるのでファンにとっては非常に有り難い存在ではないでしょうか。(トップランクやPBCの興行に選手を貸し出す事を厭わないのです。)
今回の井上vsドネアというマッチアップも、ドネアがPBCに所属していれば難しかったのかもしれません。もう何だったら井上にもプロベラムと契約してほしいくらい。
もしドネアvsバトラーという4団体統一戦が組まれた場合、開催地は英国か米国か。ドバイとかもありえますね。
いずれにしろ、WBO王者ポール・バトラーとの4団体統一戦は、さほど困難なことはなく組まれそうです。
バンタム級4団体統一戦の時期は?
バンタム級4団体統一戦が開催される時期としては、はやければ9〜10月、遅くとも12月くらいには開催されるはず。
井上尚弥がドネアに勝った場合、そのダメージ次第でもし9月に4団体統一戦ができるなら、12月にスーパーバンタム級初戦を迎える事ができます。が、これは結構詰まったスケジュールと言ってよいでしょう。
ドネア戦が当初の予定通り、4月頃に出来ていれば違いましたが、ここは残念。基本的には、井上尚弥のスーパーバンタム進出については2023年のこと、と思っていたほうが良いかもしれません。
ちなみに、ドネアが勝利した場合は、井上とのラバーマッチが組まれるという線もあるかもしれません。ドネアの4団体統一に対するこだわりがいかほどか、によりますが、こだわりが強ければ先にバトラー戦をはさみ、4つのベルトを持って井上との第3戦に臨む事になりますし、そのこだわりがなければダイレクトで第3戦に臨む事も考えられますね。
井上尚弥の進む道
井上に関してはスーパーバンタムへの転級を明言しているので、今更説明する必要はないでしょう。
スーパーバンタム級の王座は、現在WBAスーパー・IBFのタイトルを保持する統一王者、ムロジョン・アフマダリエフ(ウズベキスタン)、WBC・WBOのタイトルを保持する統一王者、スティーブン・フルトン(アメリカ)という2つの王座に分かれています。
この二人はそれぞれ、今月に防衛戦に登場予定であり、6/4(日本時間6/5)にはフルトンが元統一王者のダニエル・ローマン(アメリカ)と、6/25(日本時間6/26)にはアフマダリエフがロニー・リオス(アメリカ)と、それぞれ指名防衛戦を行う事になっています。
ちなみにアフマダリエフに挑戦するロニー・リオスは、WBAの指名挑戦者ですが、WBAの次期挑戦者としては次にアザト・ホバニシャン(アルメニア)、亀田和毅(トライボックス)が控え、IBFの指名挑戦者にはマーロン・タパレス(フィリピン)が控えており、順番待ちの状況。これらすべてを消化するかどうかは怪しいものですが、もし順調に事が運ぶとするならば、アフマダリエフの身が空くのは2023年の秋以降か、2024年になってからかもしれません。
それに対してフルトンは恵まれており、次のダニエル・ローマン戦というのがWBCとWBOの指名戦。これに勝てばしばらくは選択防衛戦で良さそうです。
なので、井上尚弥がもし年内に階級を上げ、そのままスーパーバンタムに挑むのならば、フルトンという選択肢が最もスケジュール的には良いでしょう。
さて、ここで壁になってくるのがフルトンをプロモートするPBC、そしてアフマダリエフをプロモートするマッチルーム。井上をプロモートするのは、トップランク。
日本開催となれば、トップランクは関わってこないため、フルトンでもアフマダリエフでもお金を積めば呼べるはず。ただ、おそらく日本開催を気にしないのはアフマダリエフ、NOといいそうなのはフルトン。
あくまでもイメージではありますが、現状このような感じに思っています。
だからこそ、是非とも井上尚弥にはプロベラムと契約してもらい、アメリカの観衆の前で上記のボクサーと対戦してもらいたい。フルトンとの試合はShowtimeで流れ、アフマダリエフとの試合はDAZNで流れる。日本ではもちろん、WOWOWに中継してもらう。いや、もうアマプラか??
このリング外のアレコレは、スムーズに行ってもらいたいものですね。
ノニト・ドネアの進む道
ドネアは、勝てば4団体統一戦に進むでしょうし、たとえ敗北を喫したとしてもまだグローブを吊るす時期ではないような気がします。
勝っても負けても、様々な選択肢があるのがドネア。
階級をバンタムにとどめた場合、井上尚弥が転級後のバンタムで、猛勢を振るう可能性がまだ残っています。
さすがに、年齢は年齢、今の戦い方であっても衰える部分は出てくるのでしょうが、ドネアはおそらくリングに上がり続けるのではないでしょうか。この井上戦が終わっても、またどこかで感動させてくれるような場面を作ってくれるような気がします。
そして選択肢の一つは、スーパーフライ級にもあります。ドネアは以前、スーパーフライ級への転級をも発信しています。
普通に考えれば常軌を逸している発言なわけですが、ドネアの場合は非常に現実感がありますね。
スーパーフライ級なんていうとエストラーダ戦、ロマゴン戦、バム・ロドリゲス戦、はたまた井岡一翔戦、そのうち中谷潤人戦。。。いったいスーパーフライというのはどこまで興味深いマッチアップが叶う階級なのか。
複数階級を往来したドネアは、スーパーバンタム級という選択肢もあると思います。
ただ、個人的にはバンタムにとどまってもらいたいですかね。
2023年以降のバンタム
さて、4団体統一戦への道が開いたバンタム級は、大きな転換期を迎えています。
井上にしろ、ドネアにしろ、(もしくはポール・バトラーにしろ)バンタム級での4団体統一を果たせば、ここで王座は一旦リセットされる可能性が高い。
そうなると様々なボクサーにチャンスが巡ってくる事になりますね。
現在は井上尚弥とノニト・ドネアが飛び抜けて2強、では次に控えるのは誰か。
私がまず推したいのは井上拓真(大橋)。
このポテンシャルは、井上尚弥後のバンタムを任せられます。ただ、非常に筋肉質である拓真(腕の太さがやばい)が、いつまでこの階級にとどまれるのかは謎。
続いてはジェイソン・マロニー(オーストラリア)と、エマニュエル・ロドリゲス(プエルトリコ)が挙げられると思います。
マロニーには絶対に世界王者になってもらいたいですし、次戦ではオーストラリアで60,000人を集めるイベントのセミファイナルに抜擢されている、ということは、やはり期待も高いのでしょう。
そして不運が重なるエマニュエル・ロドリゲスも、やはり素晴らしいボクサー。ここはマッチメイク次第という可能性もありますが。
あとは、そのロドリゲス戦で失望させられましたが、ドネア戦で(個人的な)評価を回復させたレイマート・ガバリョ(フィリピン)。まだまだ未知数な部分も多いですが、ドネア戦のパフォーマンスは、敗れはしたものの素晴らしいポテンシャルを秘めていたと思います。
あとは無敗のプロスペクト、ゲイリー・アントニオ・ラッセル(アメリカ)、そしてリー・マクレガー(イギリス)にも期待したい。アメリカ、イギリスといったボクシング大国の後ろ盾のある彼らは、意外と早期の世界挑戦が叶うかもしれませんね。
日本の地域王者、栗原慶太(一力)は小國以載(角海老宝石)と引き分けたあと、OPBF王座の防衛戦を望んでいるとのことですが、是非とも世界ランカーとのステップアップファイトを期待したいです。それが叶わなければ、WBOアジアパシフィック王者の西田凌佑(六島)との王座統一戦だって面白いと思います。
そして今月の終わり、いよいよ日本バンタム級タイトルマッチも開催されます。
澤田京介(JBスポーツ)vs堤聖也(角海老宝石)の一戦は、バンタム級タイトルの行方が非常に気になるところですね。
日本のバンタムもなかなかの混戦模様、個人的には比嘉大吾(志成)の大復活を待っていますが、このバンタム級の国内トップ同士はどこかでぶつからなければ先に進めないかもしれません。
ということで、井上、ドネアが抜けた後のバンタム級は、他のボクサーにとって大きくチャンスが広がります。日本人ボクサーの大躍進に期待したいものです。
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