信太のボクシングカフェ

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ボクシングが大好きです。大好きなボクシングをたくさんの人に見てもらいたくて、その楽しさを伝えていきたいと思います。

【観戦記】スティーブン・フルトンvsダニエル・ローマンを視聴!井上尚弥の標的となる王者は?

6/5(日)、朝から尾川堅一(帝拳)の衝撃的なノックアウト負けに悶え、ライト級という大人気階級の世界王座4団体統一戦は眠気との闘い。

なかなか散々な一日にあって、この試合には期待した、Showtime興行。

現在の統一王者、スティーブン・フルトン(アメリカ)に、元統一王者であるダニエル・ローマン(アメリカ)が挑むという一戦は、スーパーバンタム級において最高峰の戦いの一つ。

ローマンはムロジョン・アフマダリエフ(ウズベキスタン)にその王座を追われているものの、その戦いはどちらの勝利もあり得た50-50の一戦でした。そしてそこから、ローマンの力が落ちている、ということは考えづらい。

ローマンとアフマダリエフが同等の力を有しているとするならば、このフルトンvsローマンはある種の頂上決戦なのです。

ということで、今回はShowtimeで放送されたPBC興行の観戦記です。

 

↓プレビュー記事

boxingcafe.hatenablog.com


6/4(日本時間6/5)アメリカ・ミネアポリス

Showtimeの放送が始まると、まず流れたのは先週PPVで放送されたジャーボンタ・デービスvsロランド・ロメロの一戦。ライブ視聴するにはPPV購入しないといけませんが、一週間経てば月額料金だけで見せてくれるんですよね。

こういうシステムは選手をメジャーにするためにも日本にも欲しい。で、このデービスvsロメロが終わった直後に間をおかず、知名度がいまいちなモレルの試合が始まる。これは流れで見る人も多いはずです。

WBAレギュラー世界スーパーミドル級タイトルマッチ

デビッド・モレル(キューバ)6勝(5KO)無敗

vs

カルビン・ヘンダーソン(アメリカ)15勝(11KO)1敗

セミファイナルはいまだ未知数の王者、デビッド・モレルが登場です。対戦相手はカルビン・ヘンダーソン(アメリカ)というボクサーで、この重量級にあって日本までその名前が聞こえてきているボクサーではありません。

少なくとも私はモレルを評価していますが、こういう無名の対戦相手では評価を上げにくいのも事実。モレルは、しばらく良い勝ち方を続ける必要があります。

 

ということで、初回のゴング。

ゴング直後こそジャブで様子を見たモレルは、開始15秒にもなるといきなりプレスをかけてコンビネーション、攻め入ります。早々にヘンダーソンはロープ際、しかもここから逃げることができません。

サウスポースタンスからプレス、ボディムーブを使って右フック起点のコンビネーション。ヘンダーソンは固いガードとロープの弾力を利用してなんとかしのぎ、数は少ないまでもストレート、ボディを使って応戦。ややじり貧か、とも思いましたが、後半、あまりディフェンスを考えずに攻めるモレルに対し、ヘンダーソンの右がカウンターでヒット!これは危ないタイミングで、ヘンダーソンのパンチが「とりあえず出しとけ」だったので事なきを得ましたが、モレルも気を付けたほうが良い。

2R、少し慎重になったモレルは、中間距離ではリターンを狙うときはややゆったりとしたリズム、攻めるときはスピーディに鋭く、そして強引に行きます。この辺の緩急のつけかたと、攻め時の思い切りの良さは魅力です。

中盤以降、ガードを固めてヘンダーソンをコーナー、ロープに詰めます。しかしここはヘンダーソンも頑張り、初回と違ってしっかりと打ち返します。

ヘンダーソンはロープを背にしたままですが、おそらく吞まれていた初回とは違い、KO率に納得がいくくらいのパンチを放ってきます。

 

3R、中間距離から先にヘンダーソンに打たせ、リターンを狙う雰囲気のモレル。しっかりとガードを固めてプレス、ヘンダーソンが自然に下がるとじりじりと追っていきます。

ロープに詰まったヘンダーソンに、ボディを中心に丁寧に攻めた後、幻惑のための素早いボディムーブから得意の右フック!その後もプレスをかけてヘンダーソンの反撃を出させると、それをバックステップで空転させたあとに左ストレートカウンター!これはうまい。

そこからビッグラッシュをしかけたモレル!20秒近くにもわたるラッシュをなんとかしのいだヘンダーソンは、3R終了ゴングまで持ちこたえます。

4R、良い形でのノックアウトを狙っているのでしょう、モレルは一気に行こうとはしません。自ら下がってロープに詰まったりもしてみますが、ヘンダーソンは乗ってこず。

そのためモレルはプレスをかけ、そうなるとヘンダーソンはすぐにロープ際。

ヘンダーソンもまだ決してあきらめているわけではありません。

しかし、モレルはここでもまた打つ→相手の反撃→かわして強く打つというパターンで優勢、残り30秒ほどのところのモレルのラッシュで、レフェリーは試合をストップ。

デビッド・モレル、4Rノックアウト勝利!

 

ヘンダーソンは納得いかなそうでしたが、これはちょっと地力が違いました。

ヘンダーソンの入れた良いパンチというのは初回の1発くらい、しかもそれがあったからこそモレルはやや警戒し、相手を誘い出してそのうち終わりを狙う作戦にしたのだと思います。この相手を出させてから攻め入るラッシュは非常にパワフルで、それに至る組み立ても素晴らしい。

格下相手でも、ヘンダーソンの頑張りからモレルの強さが垣間見えた試合でもありましたね。

WBC・WBO世界スーパーバンタム級タイトルマッチ

スティーブン・フルトン(アメリカ)20勝(8KO)無敗

vs

ダニエル・ローマン(アメリカ)29勝(10KO)3敗1分

そしていよいよメインイベント。軽量級人気は低い、とのことですが、お客さんは結構ちゃんと入っていますし、非常に盛り上がっているように見えます。

おなじみジミー・レノンJrはこの試合のあと、日本に向かったようですね。

フルトンのオレンジ色のグローブも、ローマンのグレーのグローブも、かっこいい。

 

とにかく初回のゴング。

まず体を振ってプレスをかけるのはローマン。フルトンはサークリングして鋭いジャブ。

フルトンは、さすがにローマン相手にはインファイトを挑まない。

ローマンの体もキレていますが、フルトンのステップワークと鋭いジャブによりなかなか自分の距離までもっていくことはできません。ただ、まだ初回、チャンスはこれからのはず。

しかし改めて、フルトンのジャブは長くて鋭くて速い。そのバックステップも速いし、それだけでなくポジショニング、ボディムーブも速く、また正確。

2R、初回よりもやや強引目に行くローマン。フルトンは下がりながらの左フックカウンター、これはまたうまい。スペースが空けばすぐさま鋭いジャブを放つフルトン、そのジャブのリターンとしてワンツーで踏み込むローマンも鋭い。

軽量級らしいテキパキとした攻防、この速さでクリーンヒットが少ないというのも異常。非常にハイレベルです。

3R、クリーンヒットが少ないからこそ、フルトンのジャブは有効で、まれに出す逆ワンツーもローマンに届いているように見えます。あとは下がりながら打つ左フックカウンター。これはローマンもうかつに踏み込むことができません。

 

それでも強いハートを持つローマンは、素早いワンツーで攻め込むあたりはさすが。ただ中盤、このローマンが踏み込んだところをバックステップでかわしたフルトンは、右カウンターをヒット。

当たりは浅いものの、ポイントをピックアップするのに十分なパンチです。

ローマンとしてはガチャガチャした展開に持っていきたいと思いますが、フルトンは非常にアクションが多く、近距離となっても集中力を切らすことがありません。

ここまではフルトンの距離でのボクシング。

4R、フルトンはかなり自信をもって戦っているように見えます。ローマンが踏み込むとバックステップで対応しますが、ローマンが「バックステップで対応されるだろう」と不用意に行くとカウンター。

終盤にはフルトンは踏み込んでワンツーをヒット、離れ際もジャブをおまけでヒット。完全にリズムに乗ったフルトン!

5R、逆にリズムに乗れないローマン、行く手を阻むものはフルトンのジャブ、バックステップ、そしてカウンター。ロープやコーナーに詰めれそうなタイミングでは、逆にフルトンが出てきて距離が詰まりすぎ、クリンチに逃げられて完全に攻めあぐねてしまいます。

 

6R、今日のフルトンのボクシングは、完全に勝ちに徹したボクシング。レオ戦、フィゲロア戦で見せたインファイトとは全くと言って良いほど別物の、言うなれば「本気のフルトン」。レオには打ち勝てると思って行った感がありますが、フィゲロア相手にもこのボクシングでよかったのではないか。体格の良いフィゲロア相手にはできないボクシングだったのか?

ここで真骨頂を発揮したフルトンの評価は、もっともっと上げなければいけなくなりました。

圧巻なのは、ロープに詰まりそうになろうともサイドへのステップが早く、百戦錬磨のローマンですら捕まえられません。

7R、早々にフルトンの逆ワンツー。これにローマンはなかなか反応できていません。

それでもこのラウンド、ローマンは幾度かフルトンに詰め寄り、ボディを叩いて会場を沸かせます。単発気味のフルトンに対して、攻め入るときには連打で攻めるローマン、逆転の芽はこのあたりにありそうです。

8R、前ラウンドで良い攻撃を見せられたローマンは、フルトンを追いかけます。このラウンドはローマンがリング中央でフルトンに右を当て、左をフォローする場面も。

しかし、フルトンは未だ速く、たいしてローマンはややハンドスピードが落ちてきたようにも見えます。

変わらずフルトンは集中力も高く、動きながらのカウンターも機能。

 

9R、踏み込みスピードに陰りの見えるローマンに対して、フルトンはいよいよコンビネーションを放ちます。ローマンの攻撃ターンに対してはステップとクリンチで対応、そして当たらずともカウンターを放って威嚇。

この軽めのカウンターやステップ、クリンチによりストップされるローマンの攻撃、かなりローマンは苦しい。

10R、ここでローマンはチャージ!さすがに良い判断です。それでもやはり、フルトンに近づいてパンチを当てることは容易ではありません。

中間距離で膠着するとすぐさま飛んでくるフルトンの長いパンチ、これを浴びてしまうローマン!攻め続けた疲労、そしてダメージもあるのでしょう、反応も鈍くなっているように見えます。

たいしてフルトンはまだまだ元気、ひょいひょいと動き回り、要所でカウンターとマイペース。

11R、果敢に攻め込むローマン、フルトンもここは下がらずに前に出てカウンター。フルトンはこれまで証明してきたようにインファイトでも力を発揮することができるボクサー、ブロッキングもうまいし近い距離でのカウンターも素晴らしい。

力感を感じなくなったローマンに対し、勢いよく攻め込むフルトン、これはストップを狙っているのか。

ローマンも意地を見せて打ち返すことでフルトンを下がらせてこのラウンドをサバイブするも、逆転の力は残っていなさそうです。

 

ラストラウンド、互いにパンチの当たる距離での打撃戦。フルトンは序盤から中盤にかけてしっかりとローマンの力を奪い、この終盤にきて倒しに来ました。何とも周到で、ボクシングIQの高いボクサーです。

ローマンとしては、中間距離から踏み込んで、フルトンの牙城を崩すことができず、いたずらにスタミナを消耗し、ダメージを被ってしまいました。

これまで積み重ねてきた11Rが出た、ともいえるこのラストラウンド、相変わらずフルトンのジャブは素晴らしいし、カウンターは冴えています。

さすがにローマンをストップすることはできませんでしたが、フルトンの完勝、という内容で規定の12ラウンドが終了しました。

判定は、120-108というフルマークが2人、もう一人が119-109という大差判定でフルトン。微妙なラウンドもいくつかはありましたが、それをすべてローマンに振ったとしてもフルトン勝利は全く揺るぎません。

スティーブン・フルトン、このボクサーの本来の戦い方はこれで良いはずです。

序盤からステップワークと鋭いジャブを当て、カウンターをチラつかせて相手を躊躇させる。タイミングを見てコンビネーションをヒットして、相手が出てきたらステップ、クリンチ、無防備に出てきたときにはカウンター。

そして終盤、相手のダメージと自分のスタミナと相談して、倒しに行く。

フィゲロア戦では序盤から接近戦、最後の2Rにいつものボクシングに戻す、という戦い方でしたが、あの時は何かを試していたのか、フィゲロアを舐めていたのか。

競り勝ったからよかったものの、フィゲロア戦のフルトンと、今回のフルトンであれば、間違いなく今回のフルトンが強い。

ヘイニーと比べると、やや薄めの「塩」のように思いますが、フルトンのパフォーマンスはしっかりと見れました。それはヘイニーが前手のみで戦うのに対し、フルトンは両手を使って(当たり前です。そういう競技です。)、タイミングの良いカウンターを持っているからでしょう。

 

今まで私はスーパーバンタム級最強は「間違いなく」ムロジョン・アフマダリエフだと思っていたのですが、これはわからなくなりました。

今回も、スーパーバンタム級4団体統一戦みたいなものでしたが、フルトンvsアフマダリエフの4団体統一戦となるとこれはまた非常に興味深い戦いになりますね。

まあ、これも当然見たいのですが、対フルトンで一番見たいのは井上尚弥戦。

この純粋なアメリカン・ボクサーに、井上がどのように追っていくのか見てみたい。

以前から「井上に勝てる」と公言してきたフルトンは、ここ最近「いつまでも122にいない」と言っています。

せめて来年いっぱいくらいは、この階級にとどまってほしいものです。

 

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【6/7(火)は井上尚弥vsノニト・ドネア】

そしていよいよ、バンタム級の3団体統一戦。

18:30〜の放送です。

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↓プレビュー記事

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