信太のボクシングカフェ

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ボクシングが大好きです。大好きなボクシングをたくさんの人に見てもらいたくて、その楽しさを伝えていきたいと思います。

【観戦記】井上尚弥vsノニト・ドネア!さいたまスーパーアリーナ、現地観戦記。

行ってきました、さいたまスーパーアリーナ。

もう既にこの試合の結果をご存じない、というボクシングファンはいないと思います。

なので惜しげもなく最初から書きますが、井上尚弥(大橋)vsノニト・ドネア(フィリピン)の一戦は、井上尚弥の2RTKO勝利。

第一戦、「善戦を許した」ノニト・ドネアに対し、圧巻のパフォーマンス。

ということで今回は、井上vsドネア2の観戦記です。

↓プレビュー記事

boxingcafe.hatenablog.com

 

 

※以下はプレビュー記事で書いた内容を転載しています。

井上尚弥の勝負所

私が井上尚弥の勝負所としてみている所は、ドネアが距離感やタイミングを掴む前、序盤の5Rほどまでが一つ、と見ています。

なので、この序盤のラウンドで井上がノックアウト勝利をおさめることもあり得ると思います。その場合、ドネアは「何もできなかった」となることが予想されます。ので、そうなってほしくはありません。

前戦、2Rに食らった左フックは、1Rに「圧倒できそうだ」と感じてしまった井上のある種の気の緩み、油断がもたらした物だと感じています。今回、それを避けるためには、なるべく集中力を保持し続ける事、丁寧に戦う事が要求されるのだと思います。

例え後半に入ったとしても、井上は粘り強く戦う事も出来るため、12Rに渡ってどこかでチャンスを掴むはずです。

こう考えると、初回〜12Rに渡って試合を終わらせるチャンスを持っているのは井上尚弥であり、ドネアの頑張り次第で判定にもつれ込む、とイメージすることができます。

 

ノニト・ドネアの勝負所

では、ドネアに全く勝ち目がないのか、というとそうは思いません。

結局のところ、ドネアは一発で試合を終わらせる事のできるノックアウトアーティストであり、このパンチングパワーを純粋に比べれば井上よりも上ではないか、と思っています。

なので、今のドネアにとって鬼門と思われる序盤(それが1Rなのか、2Rなのか、5Rなのか、もっとかかるのかはわかりませんが)をクリアすることができれば、中盤〜後半あたりにドネアのチャンスは来ると思います。

そこで鍵となるのは、井上がいかに集中力を切らさずに戦う事ができるかどうか、ということ。3分間、まるまる集中するというのはおそらくできる人間はいないので、集中が途切れるコンマ数秒をドネアに悟られない事。その時間を安全圏にいる時に持ってくること。つまり、ドネアの勝負所はこの一瞬を見極めてカウンターをヒットすることにあると思います。

当然、これは至難の業。

つまりは、「井上がドネアに勝つためのミッション」よりも、「ドネアが井上に勝つためのミッション」の方が圧倒的に困難であり、だからこそ井上優位は揺るぎません。

以上。

 

さいたまは雨。雨具を持っていっていなかったので、雨に濡れながら並びました笑。

6/7(火)さいたまスーパーアリーナ

WBAスーパー・WBC・IBF世界バンタム級王座統一戦

井上尚弥(大橋)22勝(19KO)無敗

vs

ノニト・ドネア(フィリピン)42勝(28KO)6敗

ジミー・レノンJrの美声が響き渡ったさいたまスーパーアリーナ。

初回、まず先に手を出したのはドネア!飛び込んでの左フック、これはまず井上を警戒させるパンチです。

井上はドネアのまわりをサークリング、反応よくバックステップをしています。

今度は井上がジャブ、左フック。まだ様子見の段階を出ないものの、二人のボクサーのパンチは非常にキレており、調子の良さを伺わせます。

 

2年半前、開始早々にふたりの「スピード差」を感じたものでしたが、今回は前回ほどではありません。やはりドネアの仕上がりは、前回以上であることは間違いなさそうです。

「ジリッジリッとプレスをかけて、相手がたまらず出てきた所にカウンターをあわせる」という戦い方を実践しようとするドネア。井上はそれに乗らず、そこでフェイントをかけて逆にドネアを動かせ、そこからの展開を考えているようです。

なのでこのラウンドの序盤は非常に静か、タイミングの探り合いの時間が続きます。

井上が少し大きめの左フックのあと、強いジャブ。これにドネアは反応できなかったのか、あえてしなかったのか。

中盤頃、ドネアはややプレスを強め、右を伸ばします。

しかしこの右に左フックカウンターをあわせようとする井上。

ヒリヒリとした緊迫感の中、徐々に井上が距離感を掴み、ジャブをヒットしたあとに右ストレートを浅くながらもヒットしてように見えました。

井上がジャブをヒットするとドネアも右をリターン!この危険なタイミングのやりとりから一気にアクションが大きくなります。

ドネアがワンツーで攻めればその打ち終わりに井上が左フック。いよいよ様子見も終わりか、そう思ったこのラウンドの終盤、近い距離で井上の右ストレートがテンプル??に炸裂、ドネアはダウン!!!

ドネアが立ち上がったところでラウンドが終了。

 

スローで見るとドネアも右を放とうとしている、ように見えます。しかもドネアはインパクトの瞬間まで井上の右をしっかりと見ていました。「見えていないパンチは効く」といいますが、見えているパンチでもこんなにも効いてしまうのであれば、もうスペックが違いすぎます。

2R、ドネアのダメージはどうか、少し体を振りながら、不思議とあまりダメージは感じません。ただ、あのダウンでダメージが残らないわけがなく、ドネアは上手くごまかしているのでしょう。

このあたり、ドネアはさすがで井上のジャブをダッキングで外す等、反応の良さも見せます。ただ、その後の右ストレートはもらってしまいます。

ちなみにこの頃の私の気持ちは、やっぱり「ドネア頑張れ」でした。井上尚弥を応援すると心に決めていたにもかかわらず、です。

 

開始30秒ほどのところで、井上のワンツーフックがドネアを襲います。これはおそらくガードの上だったはずですが、このパンチでもドネアの動きは鈍ったように感じます。

その後ドネアがワンツーで攻め込んだ後、井上が左フックのリターン。

これもドネアはガードしているように見えますが、この左フックでぐらついてしまいます。後退するドネアに追撃を欠ける井上、しかしこの詰めも非常に冷静。

ここでもし、荒々しく(例えばマクドネル戦のように)攻め込むようならば、万に一つ、ドネアのカウンターをもらう恐れがあるからでしょう。

じっくりと相手のダメージを観察しながら、丁寧に攻める井上!ドネアはダメージにより反撃の力は残っていないかもしれませんが、それをおくびにも出さずにワンツーで反撃。

 

しかしパンチへの反応は明らかに遅れ、ガードを上げているがために致命打は避けますが、大ピンチ。

しかしここからドネアは体で押していき、井上にロープを背負わせます。

ただ、打てばガードが空いてしまう、というのは自然なこと。

ドネアの右ガードが下がったところで、井上の左フックがドネアの顎にクリーンヒット、一拍おいて腰砕けになるドネア!!

そして井上がここを逃すはずもありません。ここも丁寧に丁寧に追い詰めた井上は、ワンツーフックをヒット、倒れたドネアを見てレフェリーはストップ!!!

井上尚弥、2RTKO勝利!!

プレビュー記事で、「序盤のKOもあり得る」と書きましたし、そうなった場合は「ドネアが何もできなかった」となることが予想される、と書きました。

正にそんな試合で、私はこの結果を望んではいませんでした。

勝負というのは、何とも残酷なことです。

 

私は、井上尚弥にもっと上に行ってもらいたいため、この一戦でドネアにKO勝利をする、ということは必須事項だったと思っています。

それでも、ここまでの強さを見せつけられると引きますね。

マロニー戦、ダスマリナス戦、そしてディパエン戦、どれも「井上強し」をアピールした試合ではあったものの、ここまで想像を遥かに超えた強さではありませんでした。

この感覚は久しぶりです。

オマール・ナルバエス(アルゼンチン)をノックアウトした時、ジェイミー・マクドネル(イギリス)をノックアウトした時、ファン・カルロス・パヤノ(ドミニカ共和国)をノックアウトした時、そしてエマニュエル・ロドリゲス(プエルトリコ)をノックアウトした時。

「もしかすると苦戦するかも」とか、「このタイプは初めてなので試される」とか、そんな試合のとき、井上は我々の想像のはるか先を超えていきます。

やはりこの井上尚弥というボクサーは、相手が強ければ強いほど、本領を発揮するボクサーなのかもしれません。

その生贄となってしまったノニト・ドネア。

 

一戦目がなまじ好試合となってしまったがゆえに引き出してしまった、井上尚弥の怪物性。

勝利者インタビューでは「年内に4団体統一戦が決まるなら、4団体統一に進む」と語った井上ですが、果たしてポール・バトラー(イギリス)はこの試合を見て、まだ「井上とやりたい」と言えるのか。言えるとしたら、本気で最強を目指しているものすごい漢だと言わざるを得ません。

スーパーバンタム級で井上を待つ、と言った亀田和毅(トライボックス)はどう思う。

スティーブン・フルトン(アメリカ)でも、ムロジョン・アフマダリエフ(ウズベキスタン)でも、まったくもって止められそうにない強さを見せつけてくれた井上尚弥。いったい我が国の至宝は、どこまで行くのか。果たして今後、好敵手というのは現れるのか。今後も非常に楽しみですね。

そして敗れたノニト・ドネア。

井上はドネアに「引導を渡す」と言っていましたし、そのとおりの結果となってしまいました。

井上第一戦以降のドネアは非常に好調で、第二の全盛期と言っても良かった。そしてその勢いをそのままに挑んだ今回の一戦では、非常にスピードに溢れ、強者のオーラが漂っていました。

「勝負の妙」とも言うべきもので、ドネアの実力が井上の実力の足元に及ばなかった、というわけではありません。ただ、井上はドネアが良さを発揮する前に勝負を決めてしまいましたし、6月7日、あの時間の二人、特に序盤の間の力の差は大きかったのかもしれません。(これはラウンドを重ねるごとに小さくなっていった可能性があります。)

 

井上尚弥というボクサーは、速効型のパンチャーであると同時に、ドネア第一戦で見せたように終盤でも力を発揮するボクサーであるがゆえに、穴が見えません。本当に怖い。

タラレバを話させてもらうと、ドネアがもし、序盤は(ディパエンのように)ディフェンスに徹し、後半勝負に持っていく事ができたならば?とか思ってしまいます。

いずれにしろ、勝利したのは井上尚弥で、世界中に大きくアピール出来た勝利だったと思います。平日の朝8:00という時間に、一体どれほどのアメリカ人がESPNを見たかどうかはわかりませんが。

とにかく強かった井上尚弥に驚愕するとともに、物寂しさを覚えつつ、今日のブログは結びです。みなさんお疲れ様でした。

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