6/23(木)はいよいよ日本バンタム級タイトルマッチですね。
「バンタム」と聞くと心が震えてしまうのは、日本のボクシングファンあるあるではないでしょうか。
ファイティング原田に始まり、辰吉丈一郎、長谷川穂積、山中慎介といったレジェンドたちが彩るバンタム級の歴史は、現在、「世界最強」「P4Pキング」井上尚弥が君臨しています。
そんな井上も、おそらく今年中にバンタム級4団体統一してこの階級を卒業し、2023年からはスーパーバンタム級で闘うことが濃厚です。
それはほぼ確定的な状況で語られており、8月か9月くらいには4団体統一戦の情報が「年末日本開催」として出るのではないか、と思っています。
日本史上最高傑作は、バンタム級という階級においてもオールタイム・ベストかも知れません。
井上尚弥が当たり前のように4団体統一を成し遂げた場合、焼け野原になるバンタム級を2023年早々に復興しなければいけません。主だったボクサーは井上に倒され、その怪物がいなくなったあとは正に群雄割拠。
少し気の早い話ではありますが、井上尚弥の後継王者は誰になるのか、そして、日本人ボクサーはその地位を引き継げるのか。これは非常に関心のある事です。
今回のブログでは、23日の日本バンタム級タイトルマッチを楽しむためにも、タレント揃いのバンタム級日本人ボクサーに焦点を当てていきたいと思います。
日本人地域王者たち
日本王者:澤田京介(JBスポーツ)
日本王者、澤田京介は6/23(木)に指名挑戦者、堤聖也(ワタナベ)を迎えての初防衛戦に臨みます。デビュー2連敗から日本王者に上り詰めた澤田は本当に尊敬しますが、ここは堤の戴冠を望みます。
バンタム級という軽量級において、この日本王座は世界への足がかり。過去を振り返ってみても、このタイトルを防衛し続けた先には、世界王座が見えてきます。
↓プレビュー記事
OPBF東洋太平洋王者:栗原慶太(一力)
2021年1月、井上拓真(大橋)をチャレンジャーに迎えて行われた防衛戦で一旦はタイトルを手放しましたが、同年10月、井上の同門である中嶋一輝(大橋)を見事なノックアウトで倒し、タイトルを取り戻した栗原。
前戦(スーパーバンタム級でのノンタイトル戦)は元世界王者小國以載(角海老宝石)との大注目試合でしたが、負傷ドローにて決着つかず。やや分の悪い戦いではありましたが、一発で試合をひっくり返せるパンチャーの試合はいつも魅力的です。
今後は防衛戦の意向ながらも、本人は「強敵と戦いたい」と熱望しているため、好マッチアップが決定することを切に願っています。
追記
6/22(水)、ネットニュースで栗原の次戦は千葉開(横浜光)と発表されていたのを確認しました。
WBOアジアパシフィック王者:西田凌佑(六島)
プロデビューしてわずか3戦目で元日本王者で世界挑戦経験者、大森将平(当時Woz)を撃破、続いて元世界王者の比嘉大吾(志成)を撃破して一気に名前を売った西田。
2021年12月には大橋哲朗(真正)を相手に初防衛戦をクリアしています。
まさに彗星の如く現れた、「長身技巧派サウスポー」(この響きは完全に対戦相手に嫌われる)は、自身のSNSで「日本王者との統一戦がしたい」と発信しています。
間も無く決まる日本王者、そして栗原と西田。この3人のタイトルホルダーがぶつかるということは、即、「世界戦へのチケット」となるべき戦いです。
しかし現状は、3名ともに世界ランクは二桁。もう少し勝ち続けなければ、世界のチャンスは巡ってこなさそうです。
最右翼は、井上拓真
WBCで3位、IBFで4位につける井上拓真が、世界に最も近い日本人ボクサーであることは疑いようがありません。
前戦ではスーパーバンタム級の日本王者、古橋岳也(川崎新田)を撃破、その前は和氣慎吾(FLARE山上)、その前に栗原慶太とその戦歴は全階級を通じて、日本人ボクサーの中では最もハードなマッチメイクをこなしている、と言えます。
特にIBFに関しては、1位と2位が空位のため、井上尚弥が王座返上後、3位のニコライ・ポタポフ(ロシア)との王座決定戦が濃厚ではないでしょうか。おそらく、その前に(井上尚弥の4団体統一戦のアンダーカードに出場するのではないか、と思っています)もう一戦くらいは挟むのでしょうが、その相手が誰なのかは非常に興味深い。
おそらく2022年12月になるであろうこの一戦の対戦相手は、誰を選ぼうがハイリスクでノーリターンなもの。その状況でもまだ、厄介な日本人ボクサーを相手に闘うのか、それとも否か。
追記
※日本時間6/22(アメリカ時間6/21)、IBFは最新ランキングを発表。井上拓真はスーパーバンタム級でランクイン、バンタム級から名前が消えてしまいました。。。
その他の日本人ボクサー
バンタム級のランキングを見る上で、最も面白いのはやはり日本ランク。
1位の堤聖也をはじめ、2位には比嘉大吾、3位に南出仁(セレス)、4位に村地翼(駿河男児)、5位に大嶋剣心(帝拳)、6位に与那覇勇気(真正)、7位に千葉開(横浜光)。。。と、大きな期待を受けるボクサーばかり。
例えば堤が日本王座を獲ったとしても、まだまだ国内を卒業できる状況にはありません。
日本ランク外を見渡すと、石田匠(井岡)も世界ランクを持っていますがまだまだ下位、石田も敬遠されがちなボクサーのため、どこかで勝負をかけなければいけませんね。
井上尚弥の後継王者は誰になる
通常、王座が返上された場合、王座決定戦としてトップコンテンダーと次にランクされるボクサーが戦い、王座を決めるということが一般的です。
ということで、現在(6/21時点)で発表されているランキングをチェックしていきます。
WBA
1位ルーシー・ウォーレン(アメリカ)
2位ゲイリー・アントニオ・ラッセル(アメリカ)
3位リボリオ・ソリス(ベネズエラ)
4位メルビン・ロペス(ニカラグア)
WBC
1位ジェイソン・マロニー(オーストラリア)
2位ナワポン・カイカンハ(タイ)
3位井上拓真(大橋)
4位ノニト・ドネア(フィリピン)
IBF
※1位と2位は空位
3位ニコライ・ポタポフ(ロシア)
4位井上拓真(大橋)
5位ゲイリー・アントニオ・ラッセル(アメリカ)
WBO
1位ジェイソン・マロニー(オーストラリア)
2位ジョンリエル・カシメロ(フィリピン)
3位ルーシー・ウォーレン(アメリカ)
4位チャーリー・エドワーズ(イギリス)
WBC、WBOで1位のマロニーが、次期世界王者最有力候補、となりますかね。ただ、IBFのランキングは5月上旬を最後に更新されておらず、マロニーが素晴らしい勝ち方をして各団体でランキングを上げたパリクテ戦が反映されていないという状況です。
井上尚弥が返上するまでに、まだまだ変動がありそうなので、現時点ではこの状況、といったところ。あくまでも参考程度に見てください。
いずれにしろ、各団体のトップコンテンダーに位置する「指名挑戦者」たちは、どうしても井上の返上待ち。これらの指名挑戦者に指名戦が指令され、それを無視して井上が階級を上げたとしても井上が「逃げた」と言われることはなさそうで、それ故に気兼ねなく階級をアップできることは良い点です。
日本人ボクサーたちの至上命題
ということで、日本のバンタム級の皆さんには、2022年中にできる限りランキングをアップさせることが望まれます。
もし、どこかの上位に食い込むことができれば、決定戦のチャンスが巡ってくる可能性が出てきます。
そういった意味で言うと、対戦相手に困っている栗原は、できれば海外で相手を探して欲しいですね。アメリカ人ボクサーに対するはかなりのマッチメイク力が必要と思われるので、そうなるとタイのナワポン、フィリピンのカシメロとなりますか。
トラブルメーカー・カシメロについては結構なビッグネームであり、日本での知名度も高いことからかなりの注目試合になりそうですね。これは誰がやるとしても、ハイリスク・ハイリターンの一戦です。
ナワポンに関しては、タイ特有の「造られた戦績」(53勝43KO1敗1分)感が強く、2017年には当時の世界王者、ファン・エルナンデス(メキシコ)をわざわざタイに呼び寄せて挑戦したものの、3RKO負けを喫しています。この世界戦はフライ級戦です。
現在、どれほどの強さなのかは映像を見ていないのでわかりませんが、戦歴だけを見ると「早い者勝ち」の非常に「おいしい」相手に思います。まあ、タイから出ないボクサーなのかもしれませんが。
と言う事で、バンタム級の世界王者が新たに刷新されるのは来年の早々。つまりはバンタム級世界ランカーにとっては今年が勝負の年となります。
世界ランク二桁のボクサーは、良い相手に良い勝ち方をしてランキングを上げることができれば、すぐにチャンスが巡ってくるかもしれません。
上位のボクサーは、この順位をキープしなければいけません。
とにかくアツいバンタム級戦線。
あと半年の間に、上位ランカーを喰って世界戦線に踊り出る日本のバンタムは現れるのか。井上尚弥のあとも目が離せません!
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