日本時間で7/3(日)、早朝。
イギリスではヘビー級のジョー・ジョイスが登場した、ウェンブリー・アリーナでの興行。
イギリスではBTスポーツが放映したこの興行は、日本での放送はありませんでしたが、アメリカのESPNでも放送がありました。
幸いにもアーカイブが残っていたので、視聴。
ということで今回は、ジョー・ジョイスvsクリスチャン・ハマー、そしてセミファイナルにはジェイソン・カニンガムvsゾラニ・テテを要したイギリス興行の観戦記です。
↓プレビュー記事
7/2(日本時間7/3)イギリス
ジェイソン・カニンガム(イギリス)31勝(7KO)6敗
vs
ゾラニ・テテ(南アフリカ)29勝(22KO)4敗
ここ最近、調子を上げているジェイソン・カニンガム。元2階級制覇王者のテテが相手となると、地域王者の地位で迎え撃つとはいえカニンガムにとってはチャレンジマッチです。
テテは前戦でカシメロ戦での敗戦から復帰しましたが、試合はわずか初回55秒で終わっていますし、相手はバンタム級のウェイトであり、スーパーバンタム級初戦と言っても過言ではありません。
現在のテテがどれほどの力を有しているのか。そして、絶好調のカニンガムはアップセットを起こせるか。
リングコールでは当然、テテにブーイング、カニンガムには大歓声。
初回、テテのボディジャブがファーストヒット。テテの動きはダイナミックで非常にキレており、調子の良さを感じさせます。カニンガムは(いつもどおり)やや固そうな動きです。
距離の探り合い、様子の見合い、アクションの少ない中でテテのジャブはよく映えます。
テテの間合いは非常に遠く感じているのか、なかなか手の出ないカニンガム。
2R、このラウンドもファーストヒットはテテの顔面へのジャブ。テテはカニンガムのジャブはハナから見切り、距離で外します。
ともにほとんど右リードの差し合いに終始、その中では明らかにテテの方がクリーンヒットに上回ります。ジャブのスピード、タイミング、全てに置いてテテが上に感じます。
3Rも引き続き、ほとんどが右ジャブ対決です。テテはこれでポイントアウトできそうですが、カニンガム側からすると微妙ではないでしょうか。思いっきり地元判定狙いで、12R立っていたら勝てる、位の気持ちであればあれでしょうが。
これは言っては悪いが、非常につまらない試合になりそうな予感がしますね。まあ、ジェイソン・カニンガムというボクサーはこういうボクサーなのでしょうが。
4R、開始早々にテテの左ストレートがヒット!!カニンガムはダウン!!立ち上がったカニンガムにワイルドに攻め入ったテテ、最後は右でなぎ倒すようにダウンを奪い、リングに頭を強く打ち付けたカニンガムを見てレフェリーはストップ!!!
ゾラニ・テテ、4RKO勝利!!
どちらもアクションの少ない、つまらない試合になりそうだ、というところから、突然の結末!
テテはパンチのキレで倒すボクサーなので、印象的なノックアウトが多い印象ですね。
ゾラニ・テテ、非常に動きも機敏でありましたし、何よりもあの反応は素晴らしい。カニンガム相手であれば、階級の壁は感じにくいだろう、との見立てでしたが、全くもって感じませんでしたね。
カニンガムは完全に記憶を失っているように見えます。
ノックアウトシーンのスロー映像が流れると、テテのジャブに対して、カニンガムはリターンで左ストレートを放とうとしていたのかもしれません。しかし、テテの左ストレート(テテはジャブを打ったのではなくワンツーを打った)の方が圧倒的に速く、カニンガムが左のモーションに入ったところですでにヒット。カニンガムは何をもらったかわからなかったでしょう。
ともあれ、スーパーバンタムのゾラニ・テテ。強い勝ち方をして、また一つ調子を上げたと言えます。
さすがというほかない、圧勝劇であり、最後の詰めもやや荒いながらも凄まじく、素晴らしいラッシュでした。ゾラニ・テテ、その強さを再確認。このあたりの英国中堅選手に対し、敵地で、自分のペースで圧勝できる強さは、やはりこの階級においても脅威と言って良いでしょう。
ジョー・ジョイス(イギリス)13勝(12KO)無敗
vs
クリスチャン・ハマー(ドイツ)27勝(17KO)9敗
メインはヘビー級戦。ヘビー級において稀代のジャバー、ジョー・ジョイスが登場です。ジョイスが道程の途中で完膚なきまでに叩きのめしたダニエル・デュボア(イギリス)はすでにWBAレギュラー王者となりました。
明らかに実力勝ちした若きプロスペクトのチャンスが巡ってきて、ジョイスは勝利し続けるもチャンスをもらえず。このあたりはどう思っているのか。この事がモチベーション低下につながらなければ良いな、と思う、36歳。
ということで、ゴング。
まずはいつも通り、お世辞にもスムーズとは言えない動きでまっすぐに基本どおりのジャブを出すジョイス。
さほど伸びるわけでもなく、速いわけでもないのでこのジャブで試合を作ってきたジョー・ジョイスというボクサーは、周りから見ている以上に強いボクサーです。
そのジャブから右ストレート、右ボディとつなげるジョイスですが、中盤にはハマーの右オーバーハンドもヒット。少し距離感がおかしいか?
やや強引にも見える今日のジョイスは、結構フックやアッパーのパンチも使って好戦的に攻めていきます。
2Rも結構近い距離で戦うジョイス。これは危ない距離ではないか。
プレスをかけて自ら距離を詰め、ハマーをロープやコーナーに追い込んでいきます。今日はアングルを変えたパンチを次々と出し、引き出しの多さも感じさせる戦いぶりです。
ハマーの反撃は初回ほどは当たりませんが、終盤にはハマーの突き出した左がジョイスの顔を跳ね上げる場面も。(これは押されただけですが。)
3R、ハマーの右オーバーは結構怖いパンチで、ジョイスのジャブの打ち終わりを狙います。これは明らかなジョイス対策、これによりジョイスのジャブを封じるための動きでしょう。
ハマーはガードを固めて前進、そのガードめがけてストッピングジャブ、ストレートを打つジョイス。
1分頃、ジョイスは右から攻勢に出て、中盤に右をヒット、以降近い距離でハマーを痛めつけます。ハマーは反撃を試みますがディフェンスの差が明らか、終盤にはジョイスの左フックではマーはダウン!立ち上がったところでラウンドが終了。
ハマーは一生懸命後頭部へのブローだ、と訴えています。スロー映像は確かに後頭部をかすっていますね。ただこれはハマーが頭を下げた事によるものなので、仕方ないのかもしれません。
4R、ガードを固めて頭を下げて、突進するハマー!これは見事なタイミングのバンザイアタック。しかし冷静なジョイスは距離が詰まったところで右ボディ!ハマーはダウン!
その後ジョイスは攻めに攻め、左フックで都合3度目のダウンを奪取。
残り時間は2分近く、またも攻め入ったジョイスは今度は左ボディ!ハマーは膝をつき、レフェリーは試合をストップ!
ジョー・ジョイス、4RTKO勝利。
ジョイスはいつもより多角的な攻撃を展開し、いつもよりやや近い距離でのボクシング。
それでもこのクリスチャン・ハマーには圧勝できると踏んでのことだったのでしょう。初回あたりはハマーの右オーバーハンドにひやりとする場面もありましたが、あっという間に対応。以降は危なげない試合運びでした。
このジョー・ジョイスは、ものすごいKO率を誇っていますが、もっと倒しに行かず、生娘シャブ漬け戦略ならぬ「塩分濃いめのジャブ漬け戦略」でいけばもっともっと強いボクサーだと思います。クリチコ・ブラザーズになれるようなボクサー。
とはいえ年齢も36歳、世界トップ戦線との絡みをみたいものです。
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一緒にカラーサンプルが届く予定が、「税関に申告していなかった」ということで、そのサンプルは税関に抜き取られて届かず笑。おーい。。。
まあ、仕方ないですね。なのでCASANOVAのページは中途半端です。色々あって面白い。
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