海外ボクシングのことを放っておいたら、7/15(日本時間7/16)にアーノルド・バルボサJr(アメリカ)vsダニエリト・ソリラ(プエルトリコ)という全勝対決があるらしい。そしてアンダーカードにはレイモンド・ムラタヤ(アメリカ)、ステファン・シャウ(アメリカ)といったプロスペクトたちも登場する、個人的にはなかなか注目の興行となっていました。
これについてはプレビュー記事は書きませんが、観戦記は書こうかと思います。
さて、今回はその翌日、現地時間7/16(日本時間7/17)に行われるGBP興行。
メインはいよいよ激突する、ライアン・ガルシア(アメリカ)vsハビエル・フォルトゥナ(ドミニカ共和国)という一戦。アンダーカードには個人的な推しボクサーでもあるリカルド・サンドバル(アメリカ)も登場するDAZN配信の大注目興行、本日のブログはそのプレビュー記事です。
7/16(日本時間7/17)アメリカ・カリフォルニア
ライト級12回戦
ライアン・ガルシア(アメリカ)22勝(18KO)無敗
vs
ハビエル・フォルトゥナ(ドミニカ共和国)37勝(26KO)3敗1分
世界のライト級は混戦模様、というか、一体誰がナンバーワンなのか。4団体統一王者に君臨するのはデビン・ヘイニー(アメリカ)であり、別にズルをしてタイトルを手に入れたわけでもありません。
しかし、Undisputed=「議論の余地のない」王者と呼ぶには、まだ証明することが多すぎるとも言えます。
もしかしたら、ヘイニーは同世代のボクサーの中で最もボクシング競技に優れているかもしれません。ボクシングとは、相手のパンチを貰わずにパンチを当てる競技であるからです。
ただ、ヘイニーの打たれ脆さを考えると、このライアン・ガルシアやタンク・デービス(アメリカ)のハードパンチを、12Rにわたって躱し続けられるのか、とか、10月に復帰と噂されるワシル・ロマチェンコ(ウクライナ)の多角的な攻撃、そしてさまざまな距離でのテクニックですらもあのヘイニーの距離を打破できないか、というとそうは思いません。
全てはやってみなければわからないことです。
ライアン・ガルシアは、体型としては長身痩躯、と言われる部類に入りますが、とてつもないパワーパンチを持っているボクサーです。
ディフェンス面はやや荒く、被弾もしますがその分、試合は非常にエキサイティング。
端正なルックス、派手な発言、SNSチャンプと揶揄されはするもののその実力は折り紙付きで、ライト級最強ボクサーの一角であることは疑いようがありません。
派手なノックアウトを量産するガルシアは、前戦ではエマヌエル・タゴエ(ガーナ)を相手に12ラウンズを戦い抜きました。タゴエは非常にディフェンシブに戦い、早々にサバイバルモード。とにかくフルラウンド戦えば(試合に負けても)勝ち、みたいな戦いぶりでした。
↓観戦記
例えタゴエを倒せなかったとしても、ガルシアの評価を落とすようなものではなかった、と個人的には思っています。もう少し、ボクシングの幅は必要かもしれませんが。
そして今回の相手は、ハビエル・フォルトゥナ(ドミニカ共和国)。
未知の部分が多かったタゴエと違い、フォルトゥナはすでに名のしれた元王者。2021年7月に元スーパーフェザー級王者のジョセフ・ディアス(アメリカ)に判定負け。2022年2月に初回KO勝利で復帰しています。
ここはライアン・ガルシアにとっては、インパクトを残す大チャンス。
フォルトゥナは3敗していますが、前述のディアス、2018年のロバート・イースターJr(アメリカ)戦は判定負け。唯一のストップ負けである2016年のジェイソン・ソーサ(アメリカ)戦は、フォルトゥナの方にかなり油断があったと思われる一戦であり、南国特有のルーズさが出てしまったような一線でした。
今回、フォルトゥナはガルシアを喰うことで大きな飛躍ができるでしょうから、しっかりと準備をしてくるはずです。そのフォルトゥナを、印象的なノックアウトで降すことは、ライアン・ガルシアの評価を高めることにつながるはずです。
しかし、ガルシアに求められているのはこういう戦いではないはずです。
デビン・ヘイニー、ジャーボンタ・デービス。そしてロマチェンコ。
戦うべきライバルは他にいます。
ヘイニーはトップランクと契約、タンク・デービスはメイウェザープロモーションからGTDプロモーション。ロマチェンコもトップランク。
そしてガルシアはゴールデン・ボーイ・プロモーションと様々であることから、実現は非常に困難なのかもしれません。
ただ、このあたりの戦いが行われない、というのは、ボクシング界にとってマイナス以外の何者でもありません。
まずはデービス、というのがガルシアの希望だそうです。タイトルはWBAレギュラーという世界的には認められていないタイトル戦となりそうですが、問題はそこではありません。タイトル云々ではなく、是非ともこのライト級のリーグ戦を開催してもらいたいですね。
ウェルター級10界戦
アレクシス・ロチャ(アメリカ)19勝(13KO)1敗
vs
ルイス・アルベルト・ベロン(アルゼンチン)19勝(9KO)4敗2分
空位のNABOウェルター級王座決定戦。このアレクシス・ロチャというボクサーは、かつて2019年、坂井祥紀(現横浜光)に勝利したボクサーですね。
その後も勝ち星を積み重ねましたが、2020年10月、ラシディ・エリス(アメリカ)との無敗プロスペクト対決に敗れて一歩後退。その初黒星から復帰4戦目を迎えます。
対戦相手のベロンは、Bサイドによく登場するボクサーです。
まあ、これはロチャのための試合、と考えて良いでしょう。
スーパーフェザー級12回戦
レイモント・ローチ(アメリカ)22勝(9KO)1敗1分
vs
アンヘル・ロドリゲス(ベネズエラ)20勝(10KO)1敗
ここからは試合順はよくわかりません。が、前戦で元王者、レネ・アルバラード(ニカラグア)に勝利したレイモント・ローチもアンダーカードに登場します。
かつてジャメル・ヘリング(アメリカ)に挑戦し、初黒星をなすりつけられたローチも復帰4戦目となります。
対戦相手はベネズエラのロドリゲス、こちらの1敗はキャリア初期、2013年のものなので約9年に渡り、連勝中です。
映像は見ていませんが、前戦ではマーク・ウルバノフ(ロシア)を撃破、これはなかなかの強敵かもしれません。
セミファイナルのロチャ戦よりも、非常に面白いマッチメイクなのかもしれませんが、ロドリゲスが勝てば是非チャンスを与えてもらいたいものですね。
フライ級12回戦
リカルド・サンドバル(アメリカ)20勝(15KO)1敗
vs
デビッド・ヒメネス(コスタリカ)11勝(9KO)無敗
フライ級のプロスペクト、リカルド・サンドバル。2021年6月にはフリオ・セサール・マルティネスへの挑戦経験のあるジェイ・ハリス(イギリス)を8RKOで倒し、同年12月には幾度かの世界挑戦経験を持つカルロス・ブイトラゴに7RKO勝利。
現在大豊作の日本フライ級の面々にとっても、大いにライバルとなりうる存在で、このサンドバルにもっと人気が出て、サンドバルとアメリカで戦うとなったら「ビッグマッチ」と言われるほどになっているといいな、と勝手に期待しているボクサーでもあります。
ファイトスタイルは、しっかりとした構えから思い切り振り抜くパンチが非常に爽快で、またパワーを感じるボクサー。詰めも鋭く、KO率には大いに納得できるボクサーです。
なので、試合は誰が見ても面白い。
ところで、このサンドバルはリングマガジンのランキングで5位。リングマガジン王者不在のこのフライ級は、1位に中谷潤人、2位にJCマルティネス、3位にサニー・エドワーズ、4位にアルテム・ダラキアンときての5位なので、世界王者に最も近いボクサーと言えますね。
唯一の敗戦は、2016年(プロデビューした年)のものなので忘れて良いレベル。
とにかく倒せるフライ級は、魅力満点です。
さて、対戦相手はデビッド・ヒメネスというボクサー。こちらもKO率がものすごい。軽量級とは思えません。
2021年にはWBAゴールドのタイトルを獲得しており、その時も当時無敗のエドウィン・カノ・エルナンデス(メキシコ)というボクサーを3RKOで退けています。
ちょっと怠慢で映像を見つけていませんが、これはもしかしたらサンドバルにとっても厳しい戦いになるのかもしれません。いずれにしろ、この試合はKO決着必至。非常に楽しみです。
この試合順が正しいかどうかはわかりませんが、日本人ボクサーに立ちはだかる可能性の大きいサンドバル。見たことがない、という人はぜひDAZNでみましょう!
もしサンドバルが負けても、このヒメネスが立ちはだかるかもしれませんし、ね。
【放送・配信】
大人気、ライアン・ガルシア登場のこの興行は、DAZNで生配信。
日程は、日本時間で7/17(日)9:00〜です。
↓DAZNはこちらから!
【宣伝】
ボクシング用品専門のネットショップをやっています。
7/18(祝)まで、メキシコで大人気のグローブ、「Casanova」のボクシンググローブをセール中!
是非覗いてみてください!!