信太のボクシングカフェ

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ボクシングが大好きです。大好きなボクシングをたくさんの人に見てもらいたくて、その楽しさを伝えていきたいと思います。

井上尚弥の4団体制覇、最後の相手であるポール・バトラーとは何者か。

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8/15(月)、WOWOWエキサイトマッチに井上尚弥が登場。

父・慎吾氏とともにノニト・ドネア戦を振り返るとのことで、これはさすがWOWOW。

その中ではポール・バトラーとの4団体統一戦について言及した、とのことですが、この4団体統一戦は既定路線。バトラーにとっても名を挙げるチャンスでもあり、且つ、逃げようにも逃げられないものだと思います。多くのボクシングファンは、この試合が決定する事を確定事項だと思っていますし、あとは「いつ」と「どこで」が明確になって、正式発表を待つのみという状況だと思います。

日本人が絡むビッグマッチも非常に多かった2022年を締めくくる「ビッグマッチ」は、井上尚弥vsポール・バトラーという世界バンタム級4団体統一戦のはずです。

ということで今回は、ポール・バトラーというボクサーについてまとめてみたいと思います。

 

↑ジョナス・スルタン(フィリピン)に勝利して、WBO王者となったポール・バトラーですが、リング・マガジンのランキングでは10位⇢9位にアップしたのみ。世界王者になってこのランキングで9位というのは、残念ながらリング・マガジンからの評価は低いと言わざるを得ません。

WBO世界バンタム級王者

ポール・バトラー(イギリス)

戦績:34勝(15KO)2敗

生年月日:1988年11月11日、33歳(2022.8/14現在)

ポール・バトラーは、アマチュアボクシングの出身ですが、これまで国際的に大きなタイトルを獲得した経験はありません。

唯一、記録としているのは2010年のABAタイトル、というものですが、このABAタイトルというのはイングランドのアマチュア選手権。イギリス国内でも、ウェールズやスコットランドは別タイトル、北アイルランドはアイルランドに組み込まれているので、日本でいうとブロック大会で優勝した、くらいの大きさだと思います。(但し、日本とは競技人口において大きく違うはずです。)

 

つまりは、アマチュアボクシングで非常に目立っていたか、というとそうではありません。

なので、「トップアマ」とは言えないまでも、そのABAタイトルを引っさげて2010年にプロデビューしたバトラーは、キャリア初期、比較的しっかりとしたキャリアを積ませるための試合(要はアンダードッグとの試合)をいくつか経験します。

2012年頃からは同程度のキャリアの無敗のボクサーや、勝ち越しているボクサーを相手にしっかりと勝ち残り、同年の9戦目でBBBofCのスーパーフライ級王座を獲得(すぐに返上)。このジョン・ドネリー戦はBoxNationでも中継され、しかも内容が初回KO勝利の秒殺劇。

この頃にはおそらく大きな期待を寄せられるボクサーになったのでしょう。

世界初挑戦で初戴冠!

2013年にはコモンウェルス英連邦の同級タイトルもコレクト、同年にWBOインターコンチネンタル同級王座、WBAインターコンチネンタル同級王座も獲得し、徐々に世界挑戦の準備に入っていきます。

2014年3月、WBAインターコンチネンタル・バンタム級王座を獲得し、その3ヶ月後にIBF世界バンタム級王者だったスチュアート・ホール(イギリス)に挑戦、ここをスプリットの判定で勝利して、初戴冠を果たします。デビューから16戦目のことでした。

 

ちなみにこの2ヶ月前の2014年4月、井上尚弥がアドリアン・エルナンデス(メキシコ)を6RTKOで降し、WBC世界ライトフライ級王座を初戴冠。井上尚弥、ポール・バトラー、世界初戴冠は同じタイミングだったようですね。

さて、しかし当時のバトラーにはバンタム級は重すぎたようで、その後にバンタム級でのノンタイトル戦を戦い、折角獲ったIBFタイトルを返上、スーパーフライ級への転級を決定しました。

バトラーの初黒星!

2015年3月、バトラーは前IBF世界バンタム級王者、という肩書だったがためか、すぐさまに当時のIBF世界スーパーフライ級王者、ゾラニ・テテ(南アフリカ)に挑戦することができました。

しかし結果は8RKO負け、テテの完璧なアッパーカットでダウンでカウントアウトされてしまう完敗でした。

ただその初黒星の後も、調子は崩れず、スーパーフライ級、バンタム級、そしてスーパーバンタム級やフェザー級のウェイトでも戦い、2015年〜2018年の間に9連勝。

 

テテからの初黒星直後から4連続KO、2017年には元世界王者であるスチュアート・ホールとの再戦に臨み、初戦を大きく上回る完勝を見せています。

そしてこの連勝により、また世界を狙える位置まで自力で戻ってきたポール・バトラーは、2018年5月5日、当時無敗のエマニュエル・ロドリゲス(プエルトリコ)とのIBF世界バンタム級王座決定戦へと臨む事になりました。

「ベストはスーパーフライ級」と常々言ってきたバトラーでしたが、このバンタム級戦でなんとウェイトオーバー。しかも3.5lbs(約1.58kg)ものオーバーということで、救いようがないほどのオーバーでしたね。

この試合前の9連勝、という間に、様々なウェイトで試合をしたことが響いていたのかもしれません。

さて、変則タイトルマッチとなったバトラーvsロドリゲス。この時はまだ「未知の強豪」という言葉がよく似合ったプエルトリカン、ロドリゲスは初回から左フックカウンターでバトラーをダウンさせると、その後もジャブとカウンターを当てまくり、最終的には判定勝利。

バトラーは初回にダウンを奪われた上、序盤から鼻血を出し、ほとんど良いところがなく敗れてしまいました。

やはり初回からカウンターをあわせてしまうロドリゲスのセンスは素晴らしいし、バトラーはバトラーで劣勢においても逃げまくるわけではなく、要所要所で逆転を目指してチャージをかけ、決して試合を投げる事がなかったというのは印象的。

それでも、体格に勝り、非常にバランスが良いボクサーであるロドリゲスには通じませんでした。

 

再起〜現在!

ちなみに、この敗戦から2018年11月に再起していますが、この時の一戦はヨアン・ボワイヨ(フランス)。ボワイヨはこのバトラー戦の前の一戦で、井上尚弥に挑戦(井上のスーパーフライ級最後の防衛戦で、3RTKO負け)しているボクサーです。

このボワイヨ戦こそ10回戦で行われましたが、その後は6回戦や8回戦の試合がほとんどで、ボワイヨ戦を含めて7連勝。対戦相手は負け越しのボクサーも多く、2021年のウィリバルド・ガルシア(メキシコ)とのWBOインターナショナル戦では辛くもスプリットの判定勝利。

その後、ジョンリエル・カシメロ(フィリピン)への挑戦が決まりますが、そんな状態だったということもあって予想は大きくカシメロ優位に動いていました。

ここからのWBO世界バンタム級王座をめぐるバタバタ劇については、過去のブログでも書いてありますのでご参照ください。↓

boxingcafe.hatenablog.com

 

結果的には、2022年4月22日、ジョナス・スルタン(フィリピン)を破ってWBO世界バンタム級暫定王座につき、その後正規王者に昇格したポール・バトラー。

このvsスルタンでは、バトラーはしっかりとスルタンに対しての作戦を遂行。下がりながらカウンターを決めるというボクシングで、スルタンを翻弄しての完勝でした。

ポール・バトラーは総合力のボクサー

出てこない相手に対しては自らプレスをかけ、出てくる相手にはカウンター戦法、バトラーは様々な戦い方ができるボクサーであり、いわゆる総合力が高いボクサータイプ。パワーはさほど感じませんが、ハイガードのスタイルが乱れず、攻略しづらいボクサーでもあります。

ゾラニ・テテは真ん中の空いたファイティングポーズのバトラーに対して、非常に上手くアッパーを突きましたが、あれは相性ということもありますし、テテは脆さも感じるもののやはり強いボクサー。カシメロとだって、10回やれば7〜8回は勝てるはずです。

 

エマニュエル・ロドリゲスは初回にタイミング抜群の左フックでダウンを奪い、その後もカウンターを決めていましたが結局倒せず。ロドリゲスがパワーレスなのではなく、(ウェイトオーバーも含めて、ですが)バトラーがタフネスを持っている、と考えて良いでしょう。

ポール・バトラーというボクサーは、ハイガードのスタイルからジャブを突き、ワンツーで攻め込んでボディに返す、そして相手が攻めてくれば下がりながらカウンターを打つ、という非常にオーセンティックなボクサー。この「下がる時も」「しっかりガードが上がっている」というスタイルは、なかなか崩せませんし、攻めづらいと感じるボクサーも多いはずです。

ただ、そういう穴の少ない、オーセンティックなスタイルだからこそ、読みやすいという事もまた真実だと思うので、井上尚弥にとってはカウンターを取りやすい相手、ともいえますし、ロドリゲス戦でバシバシとジャブを喰らっていたバトラーを見ると、現役最高峰のジャバーである井上のジャブだけで試合が終わってしまってもおかしくないのではないか、とも思います。

 

井上vsバトラーは間もなく発表か?

現在、井上vsバトラーの世界バンタム級4団体統一戦は、「いつ」「どこで」を残すのみ。

当初は12月に日本開催と伝えられ、バトラーも「日本に行くことを厭わない」と言っていましたが、その後「イノウエはイギリスに来る必要がある」と訂正。

正直、もうどちらでも良いですが、日本でやるなら見に行くし、イギリスだとちょっと難しいかな、と感じています。イギリスのファンの多くはイギリスでモンスターが見たい、と思うのでしょうが、果たして大人気とは言えないポール・バトラーの集客力で、イギリスで井上尚弥に見合うファイトマネーが払えるかというと難しい気もします。

やはり日本で、アマゾンプライムの資金力をアテにするしかないような気がする4団体統一戦、発表は間もなく??待ち遠しいですね。

 

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