アメリカ時間で10/11、「井岡一翔vsジョシュア・フランコによる統一戦」というニュースが報じられました。
↓BoxingSceneの記事
この記事には、日本の大晦日に井岡一翔がジョシュア・フランコと戦うことについて合意がなされた、と書かれています。
そして、今月の下旬に開催されるWBO総会で、統一戦としての承認を得る見通しだ、とも。
コアなボクシングファンにとってはお馴染みのジョシュア・フランコですが、ライト層のファンにとってはなかなか聞き慣れない名前かもしれません。
ということで、今回のブログでは、井岡一翔との大晦日決戦がほぼ確定的な、ジョシュア・フランコについて。
WBA世界スーパーフライ級王者
ジョシュア・フランコ(アメリカ)18勝(8KO)1敗2分
ジョシュア・フランコはアメリカ、テキサス出身のボクサーで、メキシコ系アメリカ人、「ザ・プロフェッサー」という愛称を持つWBA世界スーパーフライ級王者です。
WBC世界スーパーフライ級王者のジェシー・ロドリゲスの実兄であり、このロドリゲスの本名が「ジェシー・ジェームス・ロドリゲス・フランコ」というそうなので、この「フランコ」というのは母方の姓ですね。メキシコ人(又はメキシコ系アメリカ人)の名前は、ファーストネームがふたつ、父方姓、母方姓という順番になっており、これは人名単語が少なく、同姓同名が多くなってしまうことからそうなっている、とのことです。ジョシュア・フランコの本名については、BoxRecにもWikipediaにも載っていなかったので、わかりません。
さて、このフランコ、アマチュアボクシングでの経験を経て2015年にプロデビュー。
デビュー13連勝を記録しますが、14戦目でルーカス・フェルナンデス(アルゼンチン)に9RTKO負けを喫し、初黒星。2018年3月のことです。
その後5RKO勝利をあげてからのキャリアは非常におもしろく、オスカー・ネグレテ(アメリカ)とドロー、このネグレテとの再戦ではスプリットデシジョンで勝利、しかしこの採点が物議を醸しでもしたのか、3戦目が行われ、ドロー。同じ相手と3連戦というのはなかなか稀有なことですね。
そしてホセ・アレハンドロ・ブルゴス(メキシコ)を9Rで降すと、アンドリュー・マロニー(オーストラリア)の持っていたWBA世界スーパーフライ級タイトルへアタック。
↓フランコの初挑戦!
この一世一代の大チャンスで、ハートの強さと安定したメキシカンスタイルを見せたフランコは、11Rにダウンを奪っての判定勝利。
互角の戦いの中、あのダウンは非常に大きいダウンでしたね。
この試合には再戦条項が織り込まれていたため、マロニーはそれを行使、ダイレクトリマッチが行われます。
しかしこのダイレクトリマッチではバッティングにより2Rでストップ、試合成立の規定ラウンド(2R)に満たなかったためノーコンテストとなりました。
そしてそのために3戦目が組まれることになります。
↓フランコvsマロニーの第3戦目の観戦記
この試合では初戦よりも明確に勝利をたぐりよせたジョシュア・フランコ。
フランコの数奇なキャリアは、初黒星以降に8戦していますが、戦った相手はたった4人、そのうち2人とは3連戦を経験している、というものです。
なかなか珍しいキャリアの持ち主。
ジョシュア・フランコの強さとは
上で紹介しているフランコvsマロニーの観戦記にも書いていますが、フランコは突出して優れたものを持っているボクサーではない、という印象です。
しかし、ハイガードポジションに置く両グローブの位置は非常によく、マロニーの速いコンビネーションを阻んでいました。
そして、常に前進する姿勢、打たれても打ち返す強いハートとタフネスを持っており、身体的なバランスも非常によく、乱れません。
ファイタースタイルではあるものの、非常に穴の少ないボクサーであり、意外とクリーンヒットを奪うのもなかなか難しいボクサーのように感じます。
もしかすると、1度のKO負けから這い上がってくる際に身に着けたスタイルなのかもしれませんね。
そして一番のストロングポイントは、やはりアグレッシブさで、また常に出続ける手数。
対戦相手は、最初から最後まで気を抜くことはできず、足を使うボクサーであればなおさらそのプレッシャーにさいなまれることになるでしょう。
非常に高い次元でまとまっているボクサー、と言って良いと思います。
井岡との相性はどうか
フランコはファイタータイプで、どちらかというとフッカー(フック系のパンチを主武器として戦うボクサー)のように感じます。
なのでフランコとしては近い距離で戦いたく、距離を詰めてくることが予想されますね。
井岡は動き回って躱すタイプのボクサーではなく、必要最小限の動きで最大の効果を狙うボクサー。カウンターも得意ですし、接近戦でのコンパクトなコンビネーションも得意。
井岡にとって、決して相性の悪いタイプのボクサーではないと感じます。
ただ、空振りも気にせずに打ってくるあの馬力は厄介で、例えば井岡がカウンターをヒットをしたとしてもその次に打ってくるフランコのパンチがナチュラルにカウンターになる可能性はあります。井岡は大振りするタイプではなく、振りもコンパクトで打ち終わりのケアも良いので、これをもらうことは考えづらいですが、それでも前半からプレッシャーをかけられて削られた後半、どこかで綻びをみせる可能性はなくはないでしょう。
事実、アンドリュー・マロニーも非常にバランスの取れたボクサーではありましたが、後半にはやや雑になっていた、という印象も受けます。
なので、フランコとしては前半から飛ばしての後半勝負、そして井岡は最後まで集中力を切らさず、普段通りのボクシングを徹底することが、それぞれの戦略ではないかと思います。
とはいえ、やはりここは実績、キャリア、ボクシングの総合力、どれをとっても井岡が上回りそうです。ジョシュア・フランコは、当然強いファイターではあるものの、弟であるジェシー・ロドリゲス、この階級ナンバーワンの評価を2分しているファン・フランシス・エストラーダ(メキシコ)、ローマン・ゴンサレス(ニカラグア)よりはやや落ちるイメージ。
井岡としてはここはしっかりと退け、ここにフェルナンド・マルティネス(アルゼンチン)を加えたファイターだらけのスーパーフライ級で、よりたくさんの統一戦を実現していってもらいたいところですね。
なお、フェルナンド・マルティネスは井岡との統一戦を臨んでいる、とのこと。アンカハスが一度井岡と決まったことで、その流れに乗って統一戦へとこぎつけられそうですね。
井岡がフランコを撃破することにより、マルティネスとの統一戦にも進めるかもしれません。これは非常に楽しみです。
おそらく地上波放送
この興行は、おそらくTBS系列で生放送、日程はもちろん12/31の大晦日。
1時間番組のライブ放送だと思われますが、アンダーカードは以前の通りParavi、又は志成チャンネルで配信をしてくれるでしょう。
前回のアンダーカードは、第1試合と第3試合は志成チャンネル、第2試合と第4試合がParavi、そして5試合目が地上波&Paraviでの放送でした。このような意味不明な放送状況にならないように、まとめてもらいたいものです。
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