信太のボクシングカフェ

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ボクシングが大好きです。大好きなボクシングをたくさんの人に見てもらいたくて、その楽しさを伝えていきたいと思います。

【観戦記】ライト級4団体統一戦、ヘイニーvsカンボソス2!マロニー兄弟も登場のTR興行!!

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注目試合だらけの10/16(日本時間)。

イギリスではDAZN放映の女子ボクシング祭り、そしてアメリカではデオンテイ・ワイルダー復帰戦、こちらは日本ではWOWOWとU-NEXTで生配信でした。

そして、オーストラリアのヘイニーvsカンボソス2。こちらは当初、FITEのPPV放映に載っていましたが、いつしか無くなってしまい、当日になっても現れず。

ということでほとんどの日本のファンはこの試合を見れていないということになってしまいます。

そんなわけで、ESPNと契約している私が真っ先に書くべき観戦記はこれだろう、ということで、今回のブログはヘイニーvsカンボソス2、その興行の観戦記。

↓プレビュー記事

boxingcafe.hatenablog.com

 


10/16(日本時間同日)オーストラリア

アンドリュー・マロニー(オーストラリア)24勝(16KO)2敗

vs

ノルベルト・ヒメネス(ドミニカ共和国)31勝(16KO)9敗6分

かつて河野公平とドローを演じたノルベルト・ヒメネス。息が長いボクサーだと思いましたが、意外とまだ31歳。河野公平といえばアンドリューの兄、ジェイソンともオーストラリアで戦っています。

このスーパーフライ級という階級は、世界的強豪でも日本人との対戦経験があるボクサーもおり、やはり中・重量級と比べて世界への近さを感じます。

アンドリュー・マロニーは井岡戦を目指す一戦で、この試合に勝利した後の井岡戦を熱望しています。

気合十分のアンドリュー、レフェリーの話の後はヒメネスのグローブを叩きつけ、コーナーへ戻ります。

そしてゴング。

 

まずはマロニーがサークリングで様子見、しかし早々に前で戦うようになります。アンドリューはジェイソンに比べよりディフェンシブなイメージですが、ヒメネスに対しては接近戦を挑んでいます。2分頃、マロニーのボディでヒメネスがダウン、かと思いましたがこれはローブローのようです。レフェリーがタイムをかけてヒメネスを休ませます。

マロニーは素晴らしいジャブ、近づいて左右のフック。近くなりすぎて揉み合いになった時、レフェリーのブレイクの声がけで両者が離れますが、ここでヒメネスがフックを出してしまいます。

これでヒメネスは減点。

再開後、マロニーはカウンターのジャブをヒメネスにヒット、これでヒメネスはダウン!!!

マロニーは立ち上がったヒメネスを攻め立てるも、時間切れです。

2R、ハイガードスタイルからプレスをかけるのはマロニー。真っ直ぐで力強いジャブ、右ストレート、左ボディ、どれも素晴らしいパンチで攻め入ります。

対してヒメネスはフック系のパンチで応戦、しかしマロニーの方が内側から入り、さらに回転力もあるためこの距離でも分が悪くなっています。

後半、マロニーの巻き込んだような右ストレートでヒメネスは膝を着き、あたってはいないように見えましたがこれもダウン宣告。ちょっとヒメネスにとっては不運なダウンですが、ヒメネスはかなり削られているかもしれません。

初回で3ポイント、2Rで2ポイント、早くも大量リードのマロニー!

 

3R、フランコ戦と比べ、たくましさが増している感じがするマロニー。これは相手がヒメネスだからなのでしょうか。ヒメネスが攻めれば必ず返してくるマロニーに対して、ヒメネスはややおっかなびっくりで戦っているようにも見えます。

マロニーのジャブへのリターンで右を合わせようとするヒメネスですが、ヒメネスが右を打つ頃にはマロニーは既にレフトハンドをガードポジションに戻しています。一切乱れません。

このラウンドも後半、頭をずらしながら強い右を当てたマロニー、当然このラウンドもマロニーのラウンドでしょう。こうなると、やはり期待されるのはストップ勝利。

4R、早くも後がないヒメネス、頭を下げつつも攻め入ります。それをステップでいなすマロニー、ヒメネスの顔が上がったところでジャブで弾きます。

後半、攻め入ったヒメネスに左フックカウンターをヒット、マロニーは思い通りに、かなり気持ちよく戦っているイメージです。

5R、このラウンドも展開は変わらず、ヒメネスの打ち終わりに的確にパンチを当てるのが目立つマロニー。ヒメネスは途中スリップダウン、ダメージもあるのでしょうが、やや足元が不安か。

後半、ヒメネスは左フックをヒットしますが、そのご真っ直ぐに攻め入ったマロニーの逆襲にあい、コーナーまで押されます。フィニッシュは近そうです。

6R、そういえば、実況でも明らかに「モロニー」に聞こえます。なんで「マロニー」にしてしまったのでしょうか。。。

置いといて、ラウンド前半、しっかりとステップワークを使い、ヒメネスに追いかけさせているように見えます。後半に入ろうかという頃にマロニーは攻め込んで行きますね。

 

7R、ここもやはりマロニーが優勢で、マロニーはヒメネスの攻撃はしっかりとしたブロッキングでカット、右ストレート、左フック、左ボディをヒットしていきます。

8R、かなり動きが落ちてきているように見えるヒメネスに対して、マロニーは変わりません。顕著なスピード差、反応差が出てきていますね。9Rも展開は変わりませんが、タフなヒメネスを倒し切ることができないマロニー。ヒメネスは負け続けていたキャリア初期の頃、幾度かKO負けをしていますが、もう10年以上KO負けはありません。

ラストラウンドもしっかりとしたボクシングを展開したアンドリュー・マロニー、ヒメネスも応戦して規定の10ラウンズが終了。

判定は、97-90、98-88、98-89でもちろんアンドリュー・マロニーを支持。

やはり基礎的能力が非常に高いマロニー、攻撃力も増していましたね!アンドリューにとってのベストバウトではないか、とか思いましたが、実はフランコとの3戦しか見ていない(つまりアンドリューの勝利を初めて見た)ので、それも当然笑。

ジェイソン・マロニー(オーストラリア)24勝(19KO)2敗

vs

ナワポーン・カイカンハ(タイ)56勝(46KO)1敗1分

ジェイソン・マロニーは現在、WBCとWBOのトップコンテンダーであり、且つWBA7位、IBF5位というランキングを持っている、ネクスト王者候補。

WBC2位のナワポーンとのWBC世界バンタム級挑戦者決定戦に臨みます。

これに勝利したボクサーは、間違いなく来年(井上尚弥返上後)行われる王座決定戦への出場権を獲得できるはずです。ちなみに、WBC3位は井上拓真。負けた方のランキングが下がると考えると、もしかしたらWBCの決定戦はマロニー(またはナワポーン)vs拓真ともなり得ます。

 

ちなみにリングコールはナワポーン・ソー・ルンビサイ。選手表記は、ナワポーン・カイカンハ。タイ人はややこしいですね。私はナワポーン表記で行こうと思います。

ということで、初回のゴング。

どっしり構えるナワポーンの周りをサークリングしながら鋭いジャブを突いていくマロニー。ワンツーはナワポーンの固いガードに阻まれます。

しかし、ナワポーンはマロニーの動きについていけていないか、あまり手が出ません。もう少し慣れが必要そうです。

2R、機動力を活かして動き回り、ワンツーからの左ストレートうまくヒットするマロニー。マロニーの武器は、パンチ力でもスピードでもなく、このハイガードスタイルと機動力、そしてそれが最後まで続くスタミナでしょう。

3R、ナワポーンがやや前傾気味に構え、プレスを強めます。手数も増やし、攻め入る分、マロニーもブロッキングで対応、距離が詰まったところでリターン。単発のパワーはナワポーンか、と思いますが、的確性とコンビネーションで上回るのはマロニー。打ち終わりにもスッと距離をあけ、巧さで対抗しています。

 

4R、更にプレスを強めるナワポーン!体勢を崩しながらも強引に突進。マロニーはジャブとステップワーク、内側からのショートパンチを返します。

前ラウンドは近い距離で受けてたったマロニーは、このラウンドは中間距離をキープしてストレート。戦術の幅という面においても、やはりマロニーです。そして、この距離をキープする戦い方の方がマロニーにとって安全性が高く、更に明確にポイントをピックアップできるような気がします。

5R、前半、ディフェンスに徹したマロニーは、中盤以降にカウンター、後半にはコンビネーションで攻め込む、というラウンド。終盤にはナワポーンをロープに詰める場面も作ります。ただ、この距離ではナワポーンにもチャンスのある距離。

6R、このラウンドも機動力を活かして戦うマロニー。距離が近くなる場面ではナワポーンの右を被弾する場面も散見されますが、マロニーは全く衰えることはありません。

 

7R、会場からはなぜか「Seven Nation Army」の合唱。このラウンド中盤はボディの叩き合いという場面が訪れ、近い距離での打撃戦へ発展!この距離ではマロニーの被弾もあり、危険な距離です。

このラウンド途中でいきなりカメラが観客席のみを映すというハプニング。しかもその後画面が真っ暗になってしまい、何かしらのトラブルでしょうか。

戻ってきた映像は、何事もなかったかのように番組に戻ります。

しかし、8Rが始まってもリングは映されず、ヘイニーとカンボソスの紹介。

ようやくリングが映ると、既に40秒ほどが経過していました。

このラウンド、マロニーはステップワークを主体としたカウンターボクシング。こうなるとナワポーンのパンチはなかなか当たりません。

9R、攻めるナワポーン、ステップでかわすマロニー。このラウンドは中盤になってもなかなかマロニーの手は出ず、マロニーがコンビネーションで攻め込んだのは後半に入ってから。休憩のラウンドでしょうか。

10Rも同じく。しかしマロニーはどんどん手が出なくなっています。これはもしかすると、ナワポーンのプレスに押されているのか。

後半、ナワポーンの左が入り、体勢を崩したマロニー。これは滑ったのか、効いてしまったのか、わかりませんが見栄えは良くありません。

 

11R、マロニーは完全に逃げ切りモードか、時折ジャブ、カウンターを放ってすぐにエスケープ。ナワポーンはほぼワンパターンの攻めですが、やはり体が強く、プレスも強いのでしょう。

この強いプレスを受けてもロープに詰まらないマロニーは流石の足運び、しかし、危険な場面も確かに存在しています。

このラウンドは中盤以降にマロニーのコンビネーションが出始め、こうなるとリズムにも載れて見栄えも良い。終盤、4つのコンビネーションの後ワンツーフックをクリーンヒットしたマロニーが優勢です。

やはりこのマロニーは、動き回るだけ、または打ち合いよりも打って動いて打つ、というボクシングが調子が良い。

ラストラウンドも変わらぬ動きから鋭いジャブ、コンビネーションを放つジェイソン・マロニー。この距離なら安心して見ていられます。

ナワポーンは少々疲れた印象で、バランスを崩すことも多くなっています。

そこにボディを含めたコンビネーションで攻め込むマロニー、やはり優勢のまま規定の12ラウンズを駆け抜けました。

判定は、118-110×2、119-109でジェイソン・マロニー。

マロニーはその機動力、コンビネーション、カウンターを見事に発揮して完勝の内容。

順当と言えば順当の勝利ですが、個人的には少々インパクトに欠ける内容でもありました。

さて、次は十中八九、世界タイトルマッチ。

今年中か来年頭に井上尚弥が王座返上すれば、おそらく来年春、マロニーの世界戦が見れることでしょう。

 

世界ライト級4団体統一タイトルマッチ

デビン・ヘイニー(アメリカ)28勝(15KO)無敗

vs

ジョージ・カンボソスJr(オーストラリア)20勝(10KO)1敗

「前回と同じ12Rとなる」そんな予想が多そうですが、ボクシングで勝てないであろうカンボソスは秘策を持って臨んでくるか。

今回、ヘイニーは計量時にかなり頬がこけており、ウェイトは非常にキツそうです。これに勝って、(ロマチェンコを避けて)スーパーライト級転向とか言い出すのは笑えません。

と、ここでレフェリーの紹介がありますが、何とJBCの中村勝彦氏!!!

なかなかこんなビッグマッチで日本人レフェリーにお目にかかることはありませんので、驚きです!偉業、というとちょっと語弊があるのかもしれませんが、ともかくすごいこと。

ヘイニーの入場、コールにはブーイングが飛ぶのは当然として、一体どれくらいのファンがカンボソスの勝利を期待しているのでしょうか。

さて、モンスターエナジーの用意をして、初回のゴング。日本とは大違い、リングアナの「メイク・サム・ノイズ!!」の掛け声とともに歓声があがり、スタート。

 

カンボソスは細かに上体を振り、踏み込むタイミングを伺います。そして鋭く、やや強引な踏み込みでヘイニーに迫ります。ヘイニーはあまり動き回ることはせず、比較的どっしり目に構えて長いジャブ、コンビネーション。

初回、カンボソスは素晴らしい立ち上がり!前回の何倍も鋭い踏み込みをしており、強引にいかなければヘイニーに当てられないことを理解しています。

前戦とは明らかに違い、これは期待を抱かせるスタートです。

2Rも大きく頭を動かすカンボソス、時折幻惑のスイッチをする等様々な策を練ってこの日を迎えているようです。ヘイニーも前戦より攻撃的であり、踏み込む場面が多い。そのヘイニーの踏み込みを、反則スレスレの低いダッキングで躱したカンボソスはボディにパンチを集めます。

そして距離が空いたところからは大きく強い、セオリーにない踏み込み。驚きです。カンボソスは最高の状態に仕上がっています。

しかしそれでもヘイニーにパンチをヒットするのは至難の業であり、クリーンヒットについてはややヘイニーが上回り、更にこのラウンド後半にはややトリッキーな動きを見せるカンボソスの動きに、ヘイニーは慣れてしまった可能性もあります。

 

3R、それでも第一戦よりは大きな期待を抱かせる、ジョージ・カンボソスJr。頭を振って左右にスイッチ気味の足運び、比較的ラフなファイトスタイル、というのはヘイニーにとって天敵のはず。打たれて脆いヘイニーには、とにかく強い一発を当てれば戦況をひっくり返せる可能性があります。

強引に突っ込みすぎて揉み合い、絡み合いの展開になることも多いので、中村レフェリーは超大変。しかし、こうでもしなければカンボソスに勝ち目はないでしょう。

やはりラウンド後半にはヘイニーのクリーンヒットが目立ちます。

4R、前半は中間距離。この距離でのヘイニーはやりたい放題。ただ、前回と違うのは、カンボソスに「何が何でも内側に入ってパンチを打ち込もう」という意志を感じることです。

頭がぶつかろうとも、不恰好なスイッチを使おうとも、何とかしようとする姿は美しい。

しかし、その強い意志を嘲笑うかのようなヘイニーのボクシングは、流石に難攻不落。

5Rに入ると、もうカンボソスのボクシングはほとんど通用していません。ヘイにーはストレートの距離でボクシング、時折中に入ったカンボソスに対してはクリンチで対応。カンボソスはこのままではジリ貧、それでもなお、前に出続けなければいけません。

 

6R、やはりここも中間距離でのボクシングに終始。カンボソスはヘイニーのワンツーを為すすべなく食らってしまい、その後リターンを狙うも既にヘイニーは当たる距離にいません。

7Rも同様で、一戦目と同じような展開になってきてしまいました。異なるのは、稀にカンボソスが一瞬のスイッチの後鋭く踏み込む、ということくらいで、既にそれも見切られた状態。カンボソスにBプランCプランはないのか。本当はもっとガンガン攻めて、減量の影響により後半落ちるかも、という淡い期待に縋っても良いような気もします。

8R、「近づいてラッシュをかけなければ、話にならない」ということはわかっているであろうカンボソスですが、このラウンドにその機会が訪れたのはわずか2度ほどで、それもほんの数秒ほど。自分の体力を削ってでも、もっと行くべきではないでしょうか。

9R、早々にカンボソスが右をヒット。たまに当たるこのヒットに、起始回生の夢を見たい。中盤、ヘイニーは左目付近をカット。これはバッティング?カンボソスの顔面も血だらけです。

その後後半にカンボソスはまたも右をヒットする場面もありますが、それでもやはりヘイニーのヒットの方が随分と多い。

10R、ここまでのパンチスタッツが出ます。ヘイにーは138/367、カンボソスは64/220と大変大きな開きがあります。

カンボソスは疲労もダメージもありそうで、コンビネーションで攻め込んだ後の打ち終わりのケアが良くありません。そこでヘイニーの左をもらい、少し足元が怪しい。

それに気づいたヘイニーはプレスをかけ、じわじわとカンボソスを削っていきます。

顔面血だらけのカンボソスは諦めることなくヘイニーにリターンしますが、これすらもほぼ当たりません。

 

11R、血だらけのカンボソスをドクターがチェックした後に始まった、チャンピオンシップラウンド。カンボソスの猛チャージに期待するものの、カンボソスにももうそんなスタミナはなさそうで、どちらかというとダメージも溜め込んでしまっています。

カンボソスはバランスを崩す場面が増えますが、終盤、意地でワンツーをヒットして会場を沸かせます。

ラストラウンド、プレスを強めて、打ち合えとアピールするカンボソス。当然それには乗らないヘイニー。ジャブと右カウンター、ダッキングとクリンチでカンボソスを寄せ付けず、試合終了のゴング。

119-109、118-110×2、ユナニマス判定で

当然の結果といえば当然の結果であり、デビン・ヘイニー完勝と言ってしまえば前回と変わりません。

前回と違い、カンボソスには強い意志と、強引にも見える攻めが見えましたが、それを持ってしてもヘイニーには全く届かず。変則スタイルも含めて、策を練ってきたようですが、ヘイニーは早々に慣れ、胃に介しませんでしたね。

今回は、前戦と違い面白かった。それは、やはりカンボソスの戦い方にあるのでしょう。

ヘイニーは良くも悪くもいつも通り、こういう周りを気にせずに我が道をゆくボクサーは非常に崩しにくいですね。

ともあれ、デビン・ヘイニーのボクシングも、相手次第では楽しめることがわかったので、次戦は是非ロマチェンコ戦を実現してほしいものです。

 

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